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カンボジアモエギハコガメ(Cistoclemmys galbinifrons picturata)は、モエギハコガメの亜種でベトナム南部とカンボジアに生息しています。甲長は最大でも15cm程度と小型で、高く盛り上がった甲羅と萌黄色の美しい体色が特徴です。
モエギハコガメを含むアジア産のカメ類は、開発や食用による乱獲などが原因で現在絶滅に瀕しております。特にアジア産のカメ類は産卵数も少なく、一度数を減らしてしまうと回復は難しいのです。そのような背景もあり、飼育下での保護増殖活動が必要とされています。
モエギハコガメは非常に神経質で飼育が難しい種として知られています。国内はおろか世界的に見ても継続した繁殖例は非常に少ないです。
円山動物園では1995年に輸入業者から25個体が寄贈されましたが、3ヶ月以内に大半の個体が死亡、2000年の段階でオス1、メス1の1ペアのみが生き残っている状況でした。
そこで残った1ペアを用い繁殖計画を実施、健康状態と偏食の改善、また繁殖に向けた体内リズムの再確立などを2年かけて実施した結果、2002年に初産卵を確認、2004年に国内初の繁殖に成功しました。その後も繁殖に成功しています。
今後も種の保存事業の一つとしてこの種の継続した繁殖を行っていくつもりでいます。
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