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更新日:2024年4月10日

「オランウータンとボルネオの森」2024年5月下旬オープン!

2023年10月末に完成しました、2024年5月下旬にオープンを予定しています。

第5章 ボルネオオランウータンガイドの紹介・イベント情報

 飼育担当者より:ボルネオオランウータンガイドの紹介

毎週木曜日(たまに違う曜日)に「ボルネオオランウータンガイド」を行っています。
オランウータンが餌を食べるところを見て頂きながら、彼らの生態や動物園でのエピソード、取組についてお客様にお話ししています。

オランウータン

レンボーとレイトは現在、非公開ゾーンである動物病院の仮住まいに暮らしているため、ガイドでお客様を動物病院にご案内して、上の写真のような今の様子を伝えています。それに加えて、円山動物園のオランウータンの歩みも。
ガイドでお話ししている内容を少しご紹介します。

レンボーとテイジロウの第二仔、ハルトのお話

レンボーとレイト 

ハルトの「生」と「別れ」から学び、日々の健康管理に取り組んだこと

歯科検診 エコーの様子

長男ハヤトの「とべ動物園」への旅立ち

ハヤト オランウータン移動

2018年11月3日。
晴天で20℃近く気温が上がりぽかぽか陽気の日でした。
そこで目の当たりにした動物の持つ高い能力とすばらしさ。

オランウータンの糞

これは、ハヤトがとべ動物園到着後、私が帰る日にしてくれた糞です。
一生忘れられない糞なのです。変ですよね。
でもガイドではよくこの糞のエピソードもします。
聞いていただければこの糞の価値が伝わるはずです。

満を持して取り組んだレンボーとテイジロウ3度目の繁殖

オランウータン

驚きと発見の連続でした。

レンボーの出産前

そこでのレンボーの気遣い。
この写真は、出産前に一旦施設を閉館するのですが、その閉館時期をレンボーに話しかけて聞いた時に、レンボーが私の目の前で出産する姿勢をとったもの(2020年1月31日)です。「もう生むよ」と言われたと思い、翌日閉館しました。結果として3日後の2020年2月3日に第三仔のレイトが誕生しました。

レイトの成長のお話しもします

レンボーとレイト

誕生直後のレンボーとレイト。

弟路郎の今も伝えています

テイジロウ

生まれ故郷の釧路で元気にしてくれています。

そんなガイドには想いがあります

希少動物である彼らを飼育する動物園が、彼らについてお客様に伝え、彼らの保全、生物多様性の保全に寄与すること。
また、動物の営みを通して命の尊さをお客様と共有すること。ボルネオオランウータンは、生物多様性のホットスポットといわれるボルネオ島に暮らし、私たちヒトの次に子育てをする期間(8年程度)が長い、とても愛情深く、賢い動物です。
円山動物園では彼らの飼育を通して、飼育下でしか気づくことのできない貴重な科学的知見を数多く積み上げてきました。彼らから教わり、知れば知るほど、彼らを心身ともに健康に、元気に飼育する技術の向上は欠かすことのできないものという認識が高まりました。
30年以上オランウータンを飼育してきた先輩職員が積み上げた当園のオランウータン飼育技術とその概念は、「世界のどこに出しても胸をはれるものである」ことが、2016年にドイツとチェコの動物園を海外視察した際に、はっきりとわかりました。

その上で、彼らをより良い状態で飼育する、彼らの動物福祉を高い質で確保するには、飼育技術(ソフト)とともに、彼らの暮らす環境(ハード)を整えることが重要です。

ソフトとハードは、動物福祉を確保する両輪なのです。片輪ではうまく走れませんよね。ハードの整備には市民の皆さまのご理解とご協力が不可欠です。
そこで2017年以降、ソフト(飼育技術)をより実践的に高めつつ、それをガイドを通じて皆様にお伝えしてきました。「円山動物園のオランウータンを飼育する技術は、世界基準を満たしています」と。お話しだけではなく、検診の様子などを実際にご覧いただいたりもします。

日々の取組とガイドを通して、「オランウータンを円山動物園で飼育していく意義」を皆様にご理解頂き、結果としてハード(新獣舎)の整備が実現することとなりました。

新オランウータン館 新オランウータン館内部

ガイドには想いがあります。
皆さまへの感謝を伝えること。そして、動物園を未来に、こどもたちに残し、つないでいくこと。

レンボーとレイト

お時間のある時にぜひ一度、オランウータンたちのお話しを聞きにいらして下さい。(記:2023年7月28日)

 

このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ケ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428