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更新日:2024年4月10日

「オランウータンとボルネオの森」2024年5月下旬オープン!

2023年10月末に完成しました、2024年5月下旬にオープンを予定しています。

 

 第4章 動物福祉

 健康管理

 ハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)とは

エコー検査

ハズバンダリートレーニングとは、動物の健康管理のためのトレーニングのことです。受診動作訓練とも呼ばれます。
飼育動物の動物福祉向上に資する取り組みをより積極的に行っていくことを考えるとき、飼育個体の健康増進はもとより、疾病予防、早期の治療、繁殖等に向けた日々の検査や、あるいは今後必要となりうる人工授精などの技術に対し、より負担の少ない有効な手段を整えていくことが求められます。

ヒトとオランウータンの「相互協力」によるトレーニングを通じて、当園では人間の健康診断と同程度の検査をオランウータンに麻酔などの負担をかけることなく実施することができています。

※飼育下のオランウータンで獣医療の観点から問題となっている事柄には、肥満、代謝異常による糖尿病や心疾患、フランジオスにおける麻酔時の唾液等の誤嚥による呼吸器系疾患などが挙げられます。

※フランジオス:成獣の強く優位な雄。頬の部分にドーナッツ状の大きなひだ(フランジ)をもち、のど袋が発達している。

3つのポイント

  1. 関係性の構築
    トレーニングに取り組む前に、種および飼育個体の特性を十分に理解し実施個体との関係性をしっかりと構築しておくことで、トレーニングがよりスムーズに進むよう注意しています。
     
  2. 相互協力の認識
    オランウータンが興味を持ってトレーニングを行うことができる時間は、長くてもせいぜい10分間ほどです。トレーニングは人間と動物の「相互協力」であることを認識し、明確な目的を持ち、適度な時間内で、的確にトレーニングを行うように心がけます。そうすることで、動物の負担は軽減されトレーニングを心待ちにするようになります。
     
  3. ボランタリー
    ハズバンダリートレーニングを行う際には、動物のボランタリー(自発的にトレーニングに参加すること)を保証する必要があります。そのため、トレーニング実施場所は基本的に閉鎖せず、動物がその場を離れたいときは自由に離れられるように配慮して行っています。

 

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