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更新日:2011年2月26日

私たちにできること

 

 2007年2月2日に気候変動にかかわる研究をしている日本の科学者から国民に向けて「気候の安定化に向けて直ちに行動を!」という緊急のメッセージが出されました。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)」の第4次評価報告書統合報告書が11月に公表されたことを考えると、自然科学的根拠に関する第1作業部会の報告書の公表の直後のメッセージの発信は科学者たちが如何に急いでいたか判ります。「子どもたちの未来を守るため、今こそ行動を開始すべきときである、今すぐはじめれば間に合う」というものです。

 

 今や地球温暖化は私たち人間を含めた生物の生存基盤である地球環境に多大な影響を与えることは疑いの余地がありません。この100年間で日本の平均気温は約1℃上昇しました。オホーツク海の海氷面積の減少や、動植物の生息域の移動など温暖化による自然環境への影響が既に現れつつあり、さらに今後温暖化の進行により、水資源、農林水産業、生態系、海岸域、エネルギー、感染症など広範囲な分野にわたり様々な影響が生じることが予想されます。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出量は北海道では「京都議定書」後も増え続けており、一人当たりの排出量は全国平均の1.3倍です。札幌では市民生活にかかわりの深い家庭部門、商業施設等の業務部門、自動車等の運輸部門の3つの合計が約9割を占めています。冬期間の暖房が欠かせない寒冷地の宿命とも言えますが、見方を変えると私たちの心がけ次第でまだまだ改善が期待できそうです。服を一枚多く着るなどして暖房温度を一度下げる、鍋物など身体が温まり家族皆で集まって食卓を囲めるような献立を考える、暖房便座のふたを閉める、できるだけ公共交通機関を利用するなど、一人ひとりの取り組みは小さくても、皆が取り組めば大きな力になります。

 私たち人間を含めた様々な生き物の住処であるかけがえのない地球を子供たちに引き継ぐため、できることから始めましょう。今すぐに。

画像:ホッキョクグマ

ホッキョクグマの親子(ララとツヨシ 撮影:スチュワート チゾムさん)

(平成20年3月18日・種の保存担当部長 大谷倫子)

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