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更新日:2023年7月14日

HPV(ヒトパピローマウイルス感染症)ワクチン

9価ワクチンの定期接種化について

現在、日本国内で使用できるHPVワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。

令和4年度まで、定期接種として使用できるワクチンは2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)の2種類でしたが、令和5年4月1日より、9価ワクチン(シルガード9)も定期接種の対象となりました。

 

個別勧奨の再開について

平成25年6⽉14⽇に厚生労働省の検討部会において、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛がHPVワクチン接種後に特異的に⾒られたことから、同副反応の発⽣頻度等がより明らかになり、国⺠に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきでないとされ、同日付けで積極的な接種勧奨を差し控えるよう厚生労働省より通知がされました。
そのため、札幌市においても接種対象者への個別通知による積極的な接種勧奨を差し控えておりました。

その後、令和3年11月12日の厚生労働省の検討部会において、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました。
また、安全性評価を引き続き行っていくことや接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の体制強化等を行うという、今後の対応の方向性も踏まえ、積極的な接種勧奨を差し控えるという当該状態を終了させることが妥当とされたところです。

以上を踏まえ、令和3年11月26日付け厚生労働省通知により、前述の平成25年通知が廃止され、個別勧奨が再開となりました。

【発出】令和3年11月26日_ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について(PDF:102KB)

【廃止】平成25年6月14日_ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)(PDF:69KB)

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症とは

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

 

HPVワクチンの定期接種について

対象者

小学6年生~高校1年生の年齢に相当する女性

(標準的な接種時期:中学1年生相当の年齢の女性)

なお、積極的勧奨の再開に伴い、接種機会の確保の観点から、キャッチアップ接種の期間中に接種の対象から新たに外れる世代(平成18年4月2日~平成19年4月1日生まれの女性及び平成19年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性)についても、順次キャッチアップ接種の対象となり、令和7年3月31日まで接種期間が延長されます。

・平成18年4月2日~平成19年4月1日生まれの女性
令和4年度:通常の定期接種期間
令和5年度:キャッチアップ接種期間
令和6年度:キャッチアップ接種期間(令和7年3月31日まで)

・平成19年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性
令和4年度:通常の定期接種期間
令和5年度:通常の定期接種期間
令和6年度:キャッチアップ接種期間(令和7年3月31日まで)

 

キャッチアップ接種対象者の方

令和5年度キャッチアップ接種対象者:平成9年4月2日~平成19年4月1日生まれの女性

キャッチアップ接種期間:令和4年4月1日~令和7年3月31日

詳しくは、HPVワクチンのキャッチアップ接種についてのページをご覧ください。

接種費用

無料

※接種当日に対象年齢、対象期間を過ぎている場合には有料となります。

 

接種方法

2価ワクチン

【接種回数】

3回

【標準的な接種方法】

1ヶ月の間隔をおいて2回接種後、1回目の接種から6か月の間隔をおいて1回接種

【上のとおり接種できない場合】

1回目の接種から1か月以上の間隔をあけて2回目を接種し、1回目の接種から5か月以上かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔をあけて3回目を接種(1年以内に3回の接種を完了することが望ましいとされています。)

 

4価ワクチン

【接種回数】

3回

【標準的な接種方法】

2か月の間隔をおいて2回接種後、1回目の接種から6か月の間隔をおいて1回接種

【上のとおり接種できない場合】

2回目の接種は1回目の接種から1か月以上の間隔をおいて、3回目の接種は2回目接種から3か月以上の間隔をおいて接種することができます。(1年以内に3回の接種を完了することが望ましいとされています。)

 

9価ワクチン

<3回接種の場合>
※15歳以上で1回目を接種する場合には3回接種となります。
※15歳未満で1回目を接種する場合にも3回接種することは可能です。
 

【標準的な接種方法】

2か月の間隔をおいて2回接種後、1回目の接種から6か月の間隔をおいて1回接種

【上のとおり接種できない場合】

2回目の接種は1回目の接種から1か月以上の間隔をおいて、3回目の接種は2回目接種から3か月以上の間隔をおいて接種することができます。(1年以内に3回の接種を完了することが望ましいとされています。)

<2回接種の場合>
 ※15歳未満で1回目を接種する場合に限ります。

【標準的な接種方法】

1回接種後、6か月の間隔をおいて2回目を接種

※通常6か月~12か月の間隔をおいて接種しますが、6か月以上の間隔をおいて接種できない場合、2回目の接種は1回目の接種から少なくとも5か月以上の間隔をおいて接種することができます。(13か月後までに接種を完了することが望ましいとされています。)

※5か月未満で2回目を接種した場合には、3回目の接種を実施します。

 

2価・4価ワクチンと9価ワクチンの交互接種について

HPVワクチンは、同じ種類のワクチンで接種を完了することが原則ですが、2価または4価ワクチンを用いて1回または2回接種した方が、9価ワクチンにより残りの回数の接種を行う接種方法(交互接種)についても、安全性と免疫原性が一定程度明らかになっていることや海外での取扱いを踏まえ、適切な情報提供に基づき、医師と被接種者等がよく相談した上であれば、実施して差し支えありません。

2価ワクチンと9価ワクチンでは接種間隔が異なっていますが、交互接種を行う場合、9価ワクチンの接種間隔で行います。

【例:1回目に2価ワクチンを接種した方の場合】

1回目から2か月の間隔をおいて2回目接種、1回目の接種から6か月の間隔をおいて3回目接種

※上のとおり接種できない場合、2回目の接種は1回目の接種から1か月以上の間隔をおいて、3回目の接種は2回目接種から3か月以上の間隔をおいて接種することができます。(1年以内に3回の接種を完了することが望ましいとされています。)

 

接種場所

予防接種医療機関名簿のページからご確認いただけます。

※接種にあたっては、事前に医療機関への予約をお願いいたします。

資料

 

HPVワクチンの接種による効果と副反応

効果

HPVワクチンについては世界保健機関(WHO)が接種を推奨し、多くの先進国では公的接種されています。
2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)は、子宮頸がん全体の50~70%の原因とされる2種類(16型・18型)のヒトパピローマウイルス(HPV)に予防効果があります。
9価ワクチン(シルガード9)は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類(31型、33型、45型、52型、58型)のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

副反応

比較的軽度の副反応は、一定の頻度で起こることが知られており、ワクチン接種後に、発熱や接種した部位の痛み・腫れ、注射の痛み・恐怖・興奮などをきっかけとした失神などの症状について報告があります。

 

副反応に
占める頻度

2価ワクチン

(サーバリックス)

4価ワクチン

(ガーダシル)

9価ワクチン

(シルガード9)

注射部の痛み・発赤・腫れ、疲労感

注射部の痛み 注射部の痛み

注射部の痒み、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛など

注射部の腫れ、紅斑

注射部の腫れ、紅斑、頭痛

じんましん、めまい、発熱など

注射部の痒み・出血・不快感、頭痛、発熱など

浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血など

注射部の知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力など 注射部の硬結、手足の痛み、筋肉のこわばり、腹痛・下痢など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、注射部の硬結など

頻度不明

手足の痛み、失神、リンパ節症など 疲労感、倦怠感、失神、筋痛・関節痛、嘔吐など 感覚鈍麻、失神、手足の痛みなど

※サーバリックス添付文書(第14版)、ガーダシル添付文書(第2版)、シルガード9添付文書(第1版)より改編

また、ワクチン接種後に見られる副反応が疑われる症状については、接種との因果関係を問わず収集しており、定期的に専門家が分析・評価しています。その中には、稀に重い症状の報告もあり、具体的には以下のとおりとなっています。

病気の名前 主な症状 報告頻度
アナフィラキシー 呼吸困難、じんましんなどを症状とする
重いアレルギー
約96万接種に1回
ギラン・バレー症候群 両手・足の力の入りにくさなどを症状とする
末梢神経の病気
約430万接種に1回
急性散在性脳髄炎
(ADEM)
頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする
脳などの神経の病気
約430万接種に1回
複合性局所疼痛症候群
(CRPS)
外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる
原因不明の病気
約860万接種に1回

※厚生労働省HP「HPVワクチンに関するQ&A:問2-12」より抜粋

ワクチン接種後の注意

ワクチン接種後に副反応と思われる体調の変化があった場合は、速やかに接種医療機関等の医師や保健所にご相談ください。
また、HPVワクチンについては、子宮頸がんの原因となる全てのヒトパピローマウイルス(HPV)に予防効果があるわけではありません。ワクチンを接種した方も、20歳になったら2年に1度は子宮頸がん健診を受けることをお勧めします。
子宮頸がんをはじめとする「がん検診」の詳細は、札幌市がん健診のページをご覧ください。

接種後に生じた症状に係る協力医療機関

厚生労働省では、HPVワクチンについて接種後に生じた症状(主として痛み、しびれ、脱力など)について、適切な医療を提供するため、協力医療機関を指定しております。
協力医療機関の受診に際しては、必ず地域の医療機関からの予約申し込み紹介が必要となります。
直接受診することはできませんので、気になる症状がある時には、まずワクチンを接種した医療機関など、地域の医療機関を受診してください。
協力医療機関の詳細は、厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関について」のページをご確認ください。
また、協力医療機関の予約申し込みについては、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療にかかる医療機関について」のページをご確認ください。

※予防接種後に生じた健康被害に関する救済制度については、こちらのページをご確認ください。

 

13歳以上16歳未満のお子様の保護者の同伴について

13歳以上16歳未満のお子様に限り、あらかじめ保護者の同意が確認できた場合は、保護者の同伴がなくても接種が可能です。

※16歳以上の方については、保護者の同伴及び同意は不要です。

 

【13歳以上16歳未満のお子様の保護者が同伴しない場合に必要なこと】

1.保護者の方は、あらかじめ「説明書及び同意書」をよく読んで、裏面の「保護者自署欄」に署名をしてください。

2.「予診票」の保護者自署欄にも署名をしてください。

3.接種当日は、接種を受けるお子様が、1.2.の両方を持参して医療機関にご提出ください

※保護者の方は必ず説明書をよく読み、その内容を十分理解した上でお子様の接種について判断してください。同意書と予診票に保護者の署名がない場合、予防接種を受けることはできません。

 

(説明書及び同意書)

(予診票)

 

市外で接種する場合

札幌市に住民票のある方が市外で予防接種を受ける場合は、市外の医療機関で定期予防接種を受ける方へのページをご覧ください。

 

接種対象者及び保護者の皆様へ

ワクチンの有効性及び安全性等について十分にご理解いただいた上で、接種について判断をしていただきますようお願いいたします。
なお、ワクチンの有効性及び安全性については、厚生労働省作成のリーフレットをご覧いただくとともに、相談窓口もご活用ください。

リーフレット

HPVワクチン相談窓口

(1)北海道の相談窓口

受付日時:月曜日から金曜日 午前8時45分から午後5時30分まで(祝日、年末年始を除く)

北海道保健福祉部感染症対策局感染症対策課

電話:011-206-0359

北海道教育庁学校教育局健康・体育課(学校生活に関すること)

電話:011-204-5752

 

(2)厚生労働省の相談窓口(令和4年4月1日から電話番号が変わりました)

厚生労働省HPVワクチン相談窓口

電話:050-3818-2242

受付日時:月曜日から金曜日 午前9時から午後5時まで(祝日、年末年始を除く)

 

医療機関の皆様へ

HPVワクチンの実施医療機関の皆様におかれましては、接種を希望される方へのワクチンの有効性及び安全性についての説明にご配慮いただきますようお願い申し上げます。
また、ワクチン接種後に生じた症状に係る協力医療機関の予約申し込み紹介をする場合には、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療にかかる医療機関について」のページを御確認ください。

 

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このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局保健所感染症総合対策課

〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階

電話番号:011-622-5199

ファクス番号:011-622-5168