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更新日:2022年6月13日

なぜ条例をつくることになったのか(背景4)

背景4:動物園の設置や運営に係る国内法令の現状

動物を飼育する上で、科学的知見に基づき動物福祉を把握し、動物の種や個体の要求に応じた飼育環境や獣医療を提供する取組は国際的に広がっており、海外には、野生動物の保全や良好な動物福祉の確保に取り組まなければ動物園の営業を許可しないことを法律で義務付けている国もあります。

こうした法制度の下で運営する海外の動物園では、生物多様性の保全に向けた生息域外保全や生息域内保全の取組が盛んに行われ、良好な動物福祉を確保するための研究や飼育繁殖技術の確立などが急速に進められています。

一方で、日本には、動物園の運営目的や実施事業を総合的に定めた法律がありません。(下図は現行法令の状況をまとめたものです。)

動物園の設置や運営に関する国内法令
動植物園や水族館などに、希少な野生動植物の種の保存に努める責務を定めた「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号。以下「種の保存法」という。)」はあるものの、希少な野生動植物の種の保存に取り組むかどうかは任意となっています。
希少な野生動植物の取扱いに係る規制緩和を受けることのできる認定希少種保全動植物園等(種の保存法第48条の4)に認定された施設は、その制度ができてから4年が経過する現在、国内に約400を超える動物飼育展示施設のうちわずか11施設のみとなっています(2022年4月現在)。

また、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「動物愛護管理法」という。)では、展示、訓練及び譲渡等に係る動物取扱業の登録又は届出制を敷き、動物の適正な飼養管理の基準等を定め、その基準を満たしていない場合は改善勧告等が行われるなど、行政の管理監督の下、動物園においても飼育動物の良好な動物福祉の確保が図られていますが、動物取扱業の対象動物種は、ほ乳類、鳥類及びは虫類に限られており、動物園で飼育する動物種全体に対する取組指針としては十分とはいえない状況です。
加えて、海外では、野生動物の保全を視野に入れながら、科学的知見に基づき動物福祉の向上を追求していく取組が広まってきていますが、動物愛護管理法ではこうした取組が十分に規定されていない状況にあります。

このような状況において、日本の動物園は、海外の先進的な動物園と比べ後れを取っており、動物園の運営目的や実施事業を総合的に定める法令が必要と考えられますが、国においてはこうした法令を制定する動きはありません。

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