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更新日:2012年12月26日

よもやまくにがまえにとばなし

第28回 本の間から

 

2012年12月のおはなし

先日、返却された本の間からはらりと何かが落ちてきました。

 

貸出の際にお渡しする日限票(=返却日が書かれた紙)かと思って床に目をやると、なんともきれいな紅葉の葉っぱでした。きっと押し花にするため本に挟んで、そのまま忘れて返されたのでしょう。カウンターの中に居ながら意外なところから季節の便りを受け取った気分です。過去にも四つ葉のクローバーや、きれいなイチョウの葉っぱが出てきたことがありましたっけ。(とはいえ…本に染みが出来てしまったり、パリパリと砕けた葉っぱがページの綴じ目から取れなくなってしまうことがありますので、図書館の本で押し花を作るのは、どうぞご遠慮くださいね。)

 

 このように、時々返却された本の間から、お客様の忘れ物が出てくることがあります。

 一番多いのはやはり「しおり」ですね。和紙のもの、金属製のもの、お子さんが作ったと思われるもの、どこかの観光地で買ったのか地名・名所が描かれているもの、手描きのイラストがあしらわれているもの、などなど―。

カウンターですぐに気付いたりお名前などが書かれているものは、その場でお返しすることが出来ますが、そうでない場合は一定期間、拾得物として保管しています。せっかくの手作りや思い出の「しおり」は、なんとかして持ち主の方にお返ししたいものです。

 

このほか、しおり代わりに挟んだと思われるティッシュやチラシ、ダイレクトメールや暑中見舞い、年賀状、写真、宝くじ、クーポン券、ウィズユーカード、振込用紙、給与明細書(?!)、映画や美術展のチケットの半券、手順なかばの折り紙、自作の川柳やポエムと思われる書きかけの紙片…。皆さん実にいろいろなものを挟んでいるようです。応募締切当日の懸賞ハガキが挟まっていた時には、差出人に連絡をとって職員が代わりにポストへ投函した―なんてこともあります。赤ちゃんの名前候補らしき覚え書きをお返しした時には、受け取られた妊婦さんが「わー!お恥ずかしい…」と慌てふためく姿が、なんだか微笑ましかったです。生れてくる赤ちゃんにはきっと素敵な名前がついたことでしょうね。また、小さい子が書いたと思われる「としょかんのほん おもしろかった」というメモ紙を見つけた時は嬉しくなって、思わず持ち帰りたい衝動に駆られたりもしました。

 

というわけで、ひょっこり本の間から出てきたものが、皆さんと図書館の本がどのような2週間を過ごされたかを垣間見せてくれたりして、図書館員はカウンターの中で嬉しくなったり、びっくりしたりしています。

 ですが…次に読む方のためにも、そして大切なものをうっかり無くしてしまわないためにも、どうぞ図書館の本をお返しの際には、挟んだものの取り忘れがないように、今一度ご確認くださいね。 

 しおり

 ニャンゴロ

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