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更新日:2012年12月26日

よもやまくにがまえにとばなし

第20回 『新聞』は「何をどのように伝えたか」を調べる情報の宝庫(レファレンスよもやま)

 

 

2012年1月のおはなし

ニャン左衛門でござる。さて、今回は『新聞』についてのお話じゃ。

 

『新聞』には、1.バラバラになりやすい 2.無くなっても同じものを入手するのが難しい 3.保存に場所をとる、という難点がござる。だから、長期間の保存は家庭ではまずニャいじゃろう。しかし、社会で起きた様ざまな出来事を調べようとすると、最も基本的なツールが『新聞』なんでござる。

刑事ドラマなんかでも、Aの事件を調べていた記者が、過去の新聞を調べていくうちにBの事件との関連性に気付いて犯人を割り出す・・・なんてシーンがござろう?というわけで、どこの図書館でも『新聞』の保存には並々ならぬ努力をしているのでござるよ。

 

札幌市の中央図書館では、明治5年からの新聞をマイクロフィルムで見ることが可能じゃ。明治5年といえば、西郷隆盛と大久保利通の時代でござるよ。歴史上の人物による歴史上の事件が最新ニュースとして過去の『新聞』に報道されている記事を読む…歴史好きにはたまらんことでござるニャあ。

マイクロフィルムのほかにも縮刷版による保存、原紙そのものの保存もしているので(これは刊行後、1年以内)、用途に応じて選んでほしい。

 歴史上の人物

また過去の新聞に関する資料では「明治ニュース事典」「大正ニュース事典」「昭和ニュース事典」もござる。これは“あの日”起こった出来事が何という新聞のどこに出ているのかを示す資料じゃ。わが国で初めて新聞が発行された慶応4年からの記事が収められておる。幕末研究にも重要な資料じゃニャ。

さらに、大正年間に発行された全国の新聞から史料的価値の高い記事を抜粋した「新聞集録大正史」という資料もある。これは市井の人々の暮しぶりなどもよく分かるよう編集されており、読みやすい。特に時代の香りや世相が垣間見える新聞広告!面白い。

 

『新聞』は、できれば一紙だけでなく、図書館でなら可能な読み方、何紙かを読み比べることをぜひお薦めしたい。日本がアメリカと戦争をしておった時、「勝った!勝った!また勝った!」という記事が連日書かれておったのじゃが、本当の戦況は「負けた!負けた!また負けた!」であったことは、今では周知の事実じゃニャ。『新聞』は「何をどのように伝えたか」を調べる情報の宝庫。世の中で起きていることを本当に正しく伝えているのかどうか見抜く力を養うためにも、図書館が所蔵している現在の『新聞』各紙、過去の『新聞』いろいろ、もっともっと活用してほしいでござるニャア!

ニャン左衛門

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