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更新日:2022年9月14日

シマフクロウのヒナが巣立ちしました

巣立ちしたヒナと母鳥

シマフクロウのヒナと母鳥

非公開施設で飼育していたシマフクロウの2羽のヒナが、5月25日、27日にそれぞれ巣立ちしました。2羽ともふ化後43日目での巣立ちになります。

1羽目は巣箱から一気に転がり落ちるように出てきたのに対し、2羽目は巣箱に続く階段を使いながら慎重に出てきました。早くも2羽の性格に違いがあるようです。

 

「巣立ち」といってもフクロウの場合はあまり飛翔できないうちに巣から出てきますので、野生下では巣立ち直後がテンやキツネに狙われる可能性が高い危険な時期になります。

巣立ち後は親から餌をもらいながら、野生で生きるすべを学び、一人前のシマフクロウに成長していきます。

現在、非公開施設での飼育のためご覧いただけませんが、今後ヒナの状態を見ながらツアーガイドなどを開催する予定です。


1 ヒナについて

産卵日:1卵目 令和4年(2022年)3月6日(日曜日)、2卵目 3月10日(木曜日)

ふ化日:1卵目 令和4年(2022年)4月13日(水曜日)、2卵目 4月15日(金曜日)

巣立日:1羽目 令和4年(2022年)5月25日(水曜日)、2羽目 5月27日(金曜日)

性別は不明です。

 

2 ヒナ誕生までの経緯

円山動物園では、感染症等のリスク分散を目的として、釧路市動物園からオスの飼育下繁殖個体を2012年に、メスの野生傷病保護個体を2014年にお預かりし、2016年から飼育下繁殖に取り組んできました。

昨年、当園では初めてふ化に成功し、1羽が無事成長しました。昨年生まれた個体は現在、正門近くにある猛禽舎にて展示しております。両親は非公開の野生復帰ゾーン内で飼育しており、巣内を観察できるビデオにて、4月13日に1卵目、二日後の4月15日に2卵目がふ化しているのが確認できました。現在ヒナは巣箱のある高台で過ごしていますが、徐々に行動範囲が広がっていくものと思われます。

 

3 両親個体の情報

(1) 父親

愛称:クック

生年月日:平成22年(2010年)4月16日 釧路市動物園生まれ

来園年月日:平成24年(2012年)2月10日来園

 

(2) 母親

愛称:レイン

生年月日:平成22年(2010年)生まれ(保護個体のため詳細不明)

来園年月日:平成26年(2014年)12月18日来園

その他:2010年の保護時に左翼が骨折しており、その後遺症で現在も飛行は困難

 

4 シマフクロウについて

分類:フクロウ目フクロウ科 英名:Blakiston’s fish owl

分布:ロシア極東部から中国東北部、サハリン、南千島及び北海道

形態:全長65~70cm、翼開長180cm

生態:魚類を中心とした小動物が豊富な河川流域で、かつ営巣可能な大きさの樹洞のある針広混合樹林に生息する。

保護規制状況:ワシントン条約付属書2.類、IUCNレッドリスト:絶滅危惧1.B類

環境省レッドリスト:絶滅危惧1.類

 

5 シマフクロウの国内動物園飼育状況(今年生まれたヒナを除く)

釧路市動物園:オス7羽、メス8羽、不明2羽

旭山動物園 :オス2羽、メス2羽

円山動物園 :オス2羽、メス1羽

秋田市大森山動物園:メス1羽

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