ホーム > 東区の紹介 > 東区特産のたまねぎ札幌黄 > 7月某日「交配作業」の巻
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前回の作業からちょうど2か月、見違えるように育った「札幌市農業支援センター」試験圃場の「札幌黄の苗」。
もうすでに葉が倒れはじめているところも見受けられ、根元には見慣れた「たまねぎ」の実がつきはじめています。天候が順調であれば、来月下旬には、収穫の前段階まで成長しそうです。楽しみですね!
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6月5日撮影 |
7月23日撮影 |
さて、苗の成長については一旦置いておきまして、今日は先日埋めてあった母球から成長した「ネギ坊主」にて「交配作業」を行います。これは、数あるたまねぎの中でも「在来種」である札幌黄特有の作業です。
現在主流のたまねぎは、そのほとんどが「F1」と呼ばれる「一代雑種」ですが、F1の種を作るためには、大規模な種づくり農場と厳重な管理が必要であるため、農家自身が作ることはできず、農家は種苗会社などから種を購入して作付しています。
一方、札幌黄は、自ら交配作業を行えば種を採ることは可能です。ただし、種の選抜・管理などを自分で行うのは大変な作業ですので、札幌黄の種を他の農家などから買っている方も多いようです。
さて、試験圃場に行くと、6月にはまだつぼみだった「ネギ坊主」がすっかり花開いていました。
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6月5日撮影 |
7月23日撮影 |
この「ネギ坊主」の「おしべ」には花粉が付いており、それを「めしべ」に付けることで交配(授粉)させます。では、一体どのように授粉させるのでしょうか?
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ネギ坊主を軍手を着けた手で優しく包み、まんべんなく触って花粉を花に行き渡らせます。 |
ミツバチに花から花へと飛び回ってもらって、授粉をさせる方法もあります。 |
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花の拡大写真。赤丸がめしべ、青丸が花粉たっぷりのおしべ。 |
作業後の軍手。花粉でまっ黄色。 |
無事に授粉・受精した花は、このあと胚や胚乳を形成し、最終的には「種」になります。
しかし、受精しても種になってくれるのは半数程度と言われており、またせっかく出来た種も、出来が悪いものは畑にまいても発芽しないため、厳しい選別作業を経る必要があります。
交配作業自体は楽しい作業でしたが、札幌黄の種を採るためには、まだまだ多くの工程を経なければならないのですね。勉強になりました。
次回は、8月下旬に、収穫の前段階である「根切り」の作業を行います。ご期待ください!
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