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更新日:2019年10月30日

不妊・不育専門相談

札幌市不妊専門相談センターでは、不妊症や不育症に悩む方への相談を、専門知識を持つ医師・カウンセラー・保健師が無料でお受けしています。

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相談内容

  • 特定不妊治療費の助成に関するお問い合わせ
  • 不妊の原因・検査・治療等に関する相談
  • 不育症の原因・検査・治療等に関する相談
  • 不妊・不育症治療中の不安や悩みに関する相談
  • 妊娠に至らなかった又は出産に至らなかった場合の相談
  • 妊娠、出産又は育児に関する相談

不妊・不育に関する最新情報!

 不妊専門相談員が不妊・不育症に関する最新情報をお届けするコラムです。

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流産って実は意外に多いんです(2019年10月30日更新)

 あまり知られていない事かもしれませんが、妊娠の約15%が流産に至り、妊娠した女性の約40%が流産を経験しているとの報告もあります。さらに妊婦が40歳代前半では流産率が約50%ともいわれています。また男性の加齢によっても自然流産の確率が上昇すると報告されています。加齢により流産の確率が高くなるのは、なぜでしょうか?

一般的に、卵子で30%、精子で15%くらいの頻度で染色体異常があることが知られており、受精卵においてはその頻度は50%以上となります。さらにこれらの頻度は加齢により増加するのです。

卵子・精子は染色体の減数分裂を経て形成されます。精子は生涯作られ続けるのに対し、卵子は発生の途中で形成が一時止まっており、そのままの形で排卵直前まで何十年もじっとしているのです。その時間が長いと染色体の構造が不安定になって、染色体異常が発生しやすくなるといわれています。よって年齢が上がると染色体異常が起きる可能性も高くなるため、流産の確率が上がるのです。

初期流産の約80%は胎児の染色体異常によって起こります。染色体異常の程度には大小があり、異常が大きい受精卵は着床する前の早い時期に死滅してしまうために妊娠に至らないことが多いです。一方、異常の程度が小さいと妊娠することもありますが、着床後発生が止まり、その結果が流産となります。染色体異常があると、自然淘汰として流産が引き起こされるのです。

流産と診断されるとどうしても原因を探して悩んでしまいがちです。その悩みを解決する一つの方法は、流産となった絨毛という胎盤の一部を調べることです。ただし染色体異常だけではなく、他にも流産の原因は種々ありますし、原因不明のことも多いです。2年前より札幌市では、不育症の検査・治療費に対する助成を行っています。原因不明の不育症に対する治験を行っている施設もあります。是非ご相談に来て頂き、少しでもつらい悩みや不安が解消されることを願っております。 ( 不妊専門相談医 K )

妊孕力(妊娠する力)を高めるためには(2019年9月26日更新)

妊孕力を高めるためには、7月のコラムにありましたように健康な身体づくりが大切です。今回は、万病のもとと言われる「冷え」について考えましょう。

身体が冷えると血液の流れが悪くなり、卵巣や子宮への血流が悪くなります。血液が流れる事により、酸素や栄養を細胞に届け老廃物を外に出す働きをしています。また、分泌されたホルモンを目的とする場所に届ける働きがあります。良い卵子を育むには、骨盤内の血のめぐりを良くすることが大切です。

それでは、具体的な改善策を挙げてみましょう。

身体を締め付ける下着で血行を妨げない。シャワーのみではなく、湯船につかる。お家で裸足ではなく、靴下をはく。エアコンの中に長時間いない。一枚上着を羽織る。食事に暖かい汁物を摂る。身体を温める根菜類やショウガを使ったメニューを取り入れる。運動をして新陳代謝を挙げる。等があります。

特に身体を動かすことで筋力がアップし、新陳代謝が上がり若々しさを保てたり、血行を良くして身体を温めたり、ストレスを発散することができたりと良い効果が言われています。ウォーキングやストレッチ・ヨガ等が良いと言われています。なかなか時間が取れなかったり、運動が苦手だったりする場合は、日常生活の中での運動量を増やしてみましょう。

エレベーターを階段に変えてみる。自転車を徒歩にしてみる。通勤で一駅前から歩いてみる。コミュニケーションの一つとして、ご夫婦でウォーキングをする。仕事の合間にストレッチをしてみるなど、身体を動かす習慣をつけることが大切です。

身体に良いことはたくさん挙げることはできますが、苦手なことを毎日、毎日頑張り続けることはとても難しいことです。生活の見直しは一時的なものではなく、日々続けることが大切です。まず初めは、無理なく出来そうなことから始め、自分が楽しみながら出来ることを選んでやってみることをお勧めします。 ( 不妊カウンセラー H )

あなたの卵巣年齢は? 抗ミュラー管ホルモンの測定について(2019年8月14日更新)

 晩婚化が進むなか、自分の卵巣年齢が何歳なのか知りたい人は多いと思います。そういう方の為に近年、卵巣年齢と完全にイコールではありませんが、卵巣の予備能を知ることができます。抗ミュラー管ホルモン(AMH)の測定です。

 このAMHは、卵巣内に存在する、前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されます。これは卵巣内に残存する卵子の数と相関します。つまり、AMHを測定することにより、自分の卵巣に存在している卵子の数を知ることができるのです。

 ただし、AMHは25歳をピークに低下するため、25歳未満の方の測定には意味はありません。また、他の因子、たとえば多嚢胞性卵巣(PCO)では高値に出るなど、まだ治療の参考にされているのが現状です。しかし、ある程度卵巣年齢の参考にはなりますので、保険の適応はまだありませんが、自分の卵巣がどの様な状態にあるのか、ご心配な方は不妊施設で1度測定してもらってはいかがでしょうか。 (不妊専門相談医 M )

妊娠するためにも無事に出産するためにも、育児を頑張るためにも健康な身体を作りましょう。まずは、適正体重に!(2019年7月30日更新)

  助産師として勤務していた頃、不妊クリニックからの紹介状を持った妊婦さんが来ると、まず体重をチェックしました。「あっ、また体重が・・・」不妊治療後の妊婦さんにはBMI30以上の、いわゆる“太りすぎ”の方が多いなぁ・・と印象をうけました。

BMIは肥満度を表す体格指数で[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算します。18.5~25未満が適正体重とされています。目標体重の目安として使ってみると良いと思います。

 妊婦の肥満には妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、血糖値の上昇は赤ちゃんにも障害が出ることもあります。分娩時には産道に脂肪がついて難産になったり、分娩停止となり緊急帝王切開になるリスクもあります。

 そして、適正体重は妊娠するためにも大切です。“太りすぎ”だとホルモンのバランスが崩れ排卵障害を起こすことがあります。肥満の人に多く見られる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)もその一つです。PCOSは体重を減らしただけで、排卵がうまくいく場合もあります。

一方 痩せすぎも脂肪細胞から産生されるエストロゲンの量が減り、生理不順になったり排卵障害となる場合があります。

 妊娠するためだけでなく、無事に元気な赤ちゃんを産んで、お子さんご主人と末永く健康に過ごすためにも体重コントロールは大切です。 ( 不妊カウンセラー O )

卵管が詰まる場合には(2019年7月4日更新)

 財津和夫作詞・青春の影という曲の歌詞に

君の心へつづく長い一本道はいつも僕を勇気づけた♪ とてもとてもけわしく細い道だったけど 今君を迎えにゆこう~♪

とありますが、精子たちも卵管内で待つ卵子を迎えに一本道を泳いで行き、やがて出会った卵子と精子は受精卵となった後に子宮内に戻り、着床します。

しかしながら、感染や子宮内膜症などにより卵管内腔に炎症がおこると卵管内腔が完全に閉鎖、あるいは狭くなってしまうことがあります。その結果、かなりけわしくなった一本道を進むことができなくなった精子と卵子が出会うことができなくなったり、受精卵が子宮内に戻ることができなくなり、不妊の原因となることがあります。

このような場合に体外受精以外の治療選択肢として、卵管鏡下卵管形成術を行い、自然妊娠をめざす方法があります。

卵管鏡下卵管形成術は卵管の中に外径1.2mmのバルーンカテーテルを通し、閉塞部位を広く開通させる手術法です。また、カテーテルの内側に組み込んだ外径0.6mmのファイバーカメラにより卵管内腔の状態を観察することで、内腔の襞の有無など卵管性不妊の治療選択をする上で有用な情報が得られる可能性もあります。一般に手術により80%以上の卵管通過性が回復しますが、約10%の症例で再閉塞することもあります。

治療後の妊娠成功率は、文献的には治療後2年以上経過した症例の検討で約30%に妊娠が成立し、治療成立までの期間は平均7.8か月、妊娠例の87%が治療後1年以内の妊娠であることから、術後1年経過しても妊娠しない場合には体外受精などの治療への移行が必要なこともあります。

ご夫婦の考え、年齢などにより治療方法の選択、適応はさまざまと思われますが、卵管が詰まっている場合にも手術することで自然妊娠を目指すことができる方法があることも念頭に入れて、主治医の先生と治療方針について相談されてみてはいかがですか? ( 不妊専門相談医 H )

妊娠しやすい時期にタイミングをとるには(2019年5月20日更新)

 妊活をしていく上で、妊娠しやすい時期を把握するために、まずは基礎体温を測ることをお勧めします。

基礎体温とは、朝目が覚めたときに口の中に婦人体温計を入れて測定した体温を言います。基礎体温は通常、低温期と高温期の二相性になります。その差が0.3度程度ある事が理想です。基礎体温を測定しグラフ化することによって、排卵しているかどうか確認することや、継続していくことで、毎月の月経周期から排卵日を予測することが可能になります。排卵は最終低温日から、体温が上昇する間に起こる事が多いと言われます。基礎体温から正確な排卵日を特定することは難しいですが、基礎体温をみながらご自宅でタイミングをとるには、排卵頃の生理周期が近づいてきましたら、2~3日に1回くらいのペースで性生活をもって頂くと、妊娠の確立を高める事が出来ます。

例えば月経周期が28日周期の場合では、排卵が終わって体温が上がる高温期の期間は通常14日間と言われますので、月経が始まった日を1日目として、月経の14日目頃が排卵の時期となってきます。そのため、月経の10日目頃から基礎体温が上がりきるまでの間に、タイミングをとる回数を増やしてみましょう。大切なことは、ご夫婦のとりやすいタイミングで性交渉の回数を増やすことです。排卵時期だけ、子作りだけが目的の性生活にならないように注意しましょう。それが、男性のプレッシャーになり性生活をもつ事が出来なくなってしまったり、夫婦関係がギクシャクする原因になってしまう場合もあります。

女性は、35歳を過ぎる頃より妊娠率や出産率が低下してきます。

生理周期が安定しており、基礎体温の低温期・高温期が分かり易ければ体温をみながら性生活をとる事が出来ますが、低温期・高温期が分かりにくい、月経周期が長いなどでなかなか排卵日を予測する事が難しい場合や、半年から1年くらいタイミングをとっていても妊娠の兆候がみられない場合には、可能な限り早めに医療機関(専門病院など)の受診を検討し、相談してみましょう。 (不妊カウンセラー U)

注目される「着床不全」と「不育症」に共通すること(2019年4月23日更新)

 こんにちは、不妊専門相談医のEです。令和直前のとっておき最新情報をお知らせします。不妊・不育に関しての医療は日進月歩です。ただ、ネット情報などは、正しくないものがかなりありますので、要注意です。札幌市の専門相談は、担当医が情報を整理してお伝えするようにしていますので、お任せください。

今回お知らせするのは、学会で話題になっているものです。最近特に注目されているのは、「着床不全」と「不育症」に共通する項目です。着床しないのは不育症(流産を繰り返す状態)の極端な状態という考えがあります。問題が見つかるのは➀染色体(遺伝子のかたまり)の異常2.慢性内膜炎(症状のない、子宮内膜の炎症)3.免疫の問題(NK活性やTh1/Th2)4.着床ウインドウのずれ5.薄い子宮内膜の問題などです。

簡単に解説しますと➀体外受精などでは少なくとも受精卵の7割は染色体異常とされていますので、今年日本でも開始される予定の着床前スクリーニングの効果が期待されています。2.ご本人が気が付かない慢性子宮内膜炎は子宮鏡、CD138の免疫染色、子宮内フローラ検査で診断し、抗生物質で治療します。3.母児免疫の異常は以前から注目されていますが、話題の治療の他に、最近はビタミンDによる治療が注目されています。4.子宮内膜に発現する遺伝子を検査し、胚移植する日と調整するものです。5.これまで薄い内膜に対する治療は、有効なものはほとんどありませんでしたが、血小板を利用した新しい治療法は、従来とは比較にならないほど有効である可能性が期待されています。

これらは、まだ確定したものではありませんし、保険対象外ですが、産婦人科医の中では注目されています。札幌市の専門相談に来られた方で、ご興味のある方には詳しく解説します。もちろん、不妊・不育に関する基本的な事を解説することは勿論ですので、お気軽にお出で下さい。 ( 不妊専門相談医 E )

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