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更新日:2016年6月3日

札幌市衛生研究所-学会発表(2003)

 神経芽細胞腫スクリーニングにおける検体管理に関するガイドライン(試案)

第30回日本マス・スクリーニング学会
2002年09月、東京都

花井 潤師、福士 勝*1、穴沢 昭*2、木下 洋子*3、 河内 豊*4、沼田 公介*5、田崎 隆二*6

神経芽細胞腫スクリーニングにおいて、全国均質なスクリーニング精度を目指すため、検査材料として用いる尿の採取方法から郵送、保管に至るまでの取扱を標準化し、ガイドラインを制定するための試案を作成した。

*1 札幌市保健福祉局
*2 東京都予防医学協会
*3 神奈川県予防医学協会
*4 愛知県健康づくり振興事業団
*5 大阪血清微生物研究所
*6 化学及血清療法研究所


 ドイツの神経芽腫マス・スクリーニングは無効なのか

第30回日本マス・スクリーニング学会
2002年09月、東京都

西 基*1、花井 潤師、藤田 晃三、一宮 久恵*2、田中 稔泰*2、武田 武夫*3、畑江 芳郎*4

シリングらがN Engl J Medに報告した1歳児を対象にしたドイツの神経芽腫スクリーニングが無効であると報告した結果について、批判的吟味を行い、この論文の問題点について指摘した。

*1 北海道医療大学生命基礎科学講座
*2 北海道薬剤師会公衆衛生検査センター
*3 国立札幌病院小児科
*4 南郷医院


 低出生体重児の2回採血システムとFT4スクリーニングのカットオフ値について

第30回日本マス・スクリーニング学会
2002年09月、東京都

水嶋 好清、本間 かおり、三上 篤、尾崎 恒一、藤田 晃三、田島 敏広*1

クレチン症マススクリーニングにおいて、2次性等の疾患を発見する目的でTSH、FT4同時測定が実施されている。低出生体重児ではTSHが正常であってもFT4低値を示すことから、カットオフ値を下回る例が多く、2次性クレチン症との鑑別が難しい。2,000g以下の児は、現在1か月後、あるいは2,500gに達したときに2回目採血を実施しており、これらの児と2次性疾患のFT4値の関係について検討した。

*1 北大医小児発達医学


 過去12年間に札幌市で分離されたアデノウイルス37型の遺伝子学的検討

第3回アデノウイルス研究会
2002年10月、札幌市

有賀 俊秀*1、大神 一浩*1、白取 謙治*1、 田川 義継*1、青木 功喜*2、大野 重昭*1、 島田 康司*3、石古 博昭*3、菊地 正幸、 赤石 尚一、藤田 晃三

 1990年から2001年までに札幌市で患者から分離れたアデノウイルス37型46株の遺伝子型について報告した。本型ウイルスによる角結膜炎の流行と新たな遺伝子型の出現には相関があると推察された。

*1 北大医学研究科視覚器病学
*2 青木眼科医院 *3 三菱化学ビーシーエル研究開発部


 肝機能障害の発症前に先天性代謝異常スクリーニングにて診断できたシトリン欠損症の一新生児例

第45回日本先天代謝異常学会
2002年11月、神戸市

窪田 満*1、小杉山 清隆*1、田上 泰子、中島 健夫*2、田中 籐樹*3、長尾 雅悦*3,4、服部 司*2、藤田 晃三

シトリン欠損症の一部の症例は乳幼児期にNICCDとして発症することが知られている。札幌市の新生児スクリーニングにおいてフェニルアラニン高値を指摘された本例は同じろ紙血を用いた分析でメチオニン、チロシン、シトルリンも高値であることがわかった。その後凝固系の異常や黄疸を発症したが、適切な経過観察により頭蓋内出血などの重篤な合併症を避けることが出来た。

*1 1北海道大学医学部付属病院小児科
*2 市立札幌病院小児科
*3 札幌医科大学小児科
*4 国立療養所西札幌病院小児科


 乳児期シトリン欠損症(NICCD)の新生児マススクリーニングの可能性

第45回日本先天代謝異常学会
2002年11月、神戸市

玉森 晶子*1、岡野 善行*2、藤本 昭栄*3、田上 泰子、重松 陽介*4、畑 郁江*4、小林 圭子*5、 佐伯 武頼*5、山野 恒一*2、尾崎 元*6、佐倉 伸夫*7、西村 裕*7、佐藤 亨*8、 五十嵐 登*9、亀山 順治*10、大浦 敏博*11、山口 修一*12、清水 貴士*13、乾 幸治*14、 酒井 規夫*14、大橋 敦*15

乳児期シトリン欠損症(NICCD)は新生児マススクリーニングでガラクトース、メチオニン、フェニルアラニンの高値などを契機に診断されることがある。16人の患児におけるマススクリーニング初回ろ紙血を用いて分析を行ったところ、15例においてシトルリン高値、11例においてガラクトース高値、12例において総胆汁酸高値がみとめられた。また、タンデム・マスを用いた測定では87.5%が陽性所見であると予測された。

*1 1藤井寺市民病院
*2 大阪市立大学小児科
*3 大阪市環境保健協会
*4 福井医科大学小児科
*5 鹿児島大学第一生化学
*6 大阪市総合医療センター
*7 広島大学
*8 京都大学
*9 倉敷中央病院
*10 富山県立中央病院
*11 東北大学
*12 埼玉県立小児医療センター
*13 国立嬉野病院
*14 大阪大学
*15 関西医科大学


 札幌市における妊婦甲状腺機能スクリーニングとその児のクレチン症スクリーニング検査結果について

第54回北海道公衆衛生学会
札幌市、2002年11月

本間 かおり、三上 篤、水嶋 好清、尾崎 恒一、藤田 晃三

1995年4月から2000年3月までの5年間の妊婦甲状腺機能検査の実施成績と受診妊婦から生まれた児のクレチン症スクリーニング結果について検討した。


 北海道産大豆のイソフラボン量

第54回北海道公衆衛生学会
札幌市、2002年11月

扇谷 陽子、相澤 博、大谷 倫子、藤田 晃三

大豆のイソフラボン量を把握することを目的として、北海道産大豆、北海道以外の国産大豆、輸入大豆を測定した結果、イソフラボン類の含有の範囲は広く、産地による違いは明確でなかった。


 札幌市における乾性沈着の動向―黄砂の影響について―

第54回北海道公衆衛生学会
札幌市、2002年11月

惠花 孝昭、立野 英嗣、山本 優、小塚 信一郎、藤田 晃三

平成11年度から行っているダストジャー採取法による不溶性粒子と可溶性粒子中のイオンとの沈着量のデータを用い、春先に生じる水素イオンの減少について検討を行った。3月、4月の水素イオン沈着量の減少率は約60%に達し、非海塩由来カルシウムイオン沈着量は他の月の2倍以上の沈着があった。市内に大きな排出源がないことから黄砂により水素イオン沈着量が減少したものと考えられる。


 腸管出血性大腸菌O26の集団発生に対応した検査方法

第54回北海道公衆衛生学会
札幌市、2002年11月

川合 常明、坂本 裕美子、廣地 敬、赤石 尚一、林 康一、大谷 倫子、藤田 晃三

 腸管出血性大腸菌(EHEC)O26の集団発生時には、膨大な検体を迅速にかつ正確に検査する必要がある。このため、従来の菌分離法の効率性を向上するための検討を行った結果、以下のことが判明した。
既知の分離培地の中では、CT-RMACがEHEC O26の分離に適し、本培地にセロビオースを添加するとさらに選択性が向上する。分離培養に先立って、mEC培地により増菌培養すると感度が向上する。


 注意欠陥多動(ADHD)を示す軽度発達障害児の現在および新生児マススクリーニング時の甲状腺機能、マス・スクリーニングデータとの比較

第13回日本疫学会
福岡市、2003年1月

加藤 静恵*1、倉橋 典絵*1、西條 泰明*1、 佐々木 成子*1、鵜野 安希子*1、中島 そのみ*1、近藤 朋子*1、玉置 淳子*1、佐田 文宏*1、岸 玲子*1、田島 敏広*2、仙石 泰仁*3、佐藤 剛*3、水嶋 好清、本間 かおり、藤田 晃三、氏家 武*4、長沼 睦雄*5

注意欠陥多動(ADHD)を示す軽度発達障害児の現在および新生児マススクリーニング時の甲状腺機能、および妊娠初期の母親の甲状腺機能を後ろ向きコホート研究により検討した。

*1 北海道大学大学院医学研究科予防医学講座公衆衛生学
*2 北海道大学医学研究科小児科
*3 札幌医科大学保健医療学部作業療法学科
*4 北海道子ども心療内科氏家医院
*5 北海道立札幌肢体不自由児療育センター小児神経科


 麻疹撲滅に向けての実践的研究-札幌から麻疹ゼロへ-第二報

第28回札幌市医師会医学会
札幌市、2003年2月

富樫 武弘*1、舘 睦子*2、高瀬 愛子*3、藤田 晃三

札幌市における麻疹ワクチン接種率向上による流行阻止に向けた活動について、第二報としてその具体的施策とその影響を報告した。

*1 市立札幌病院
*2 札幌市保健福祉局健康衛生部
*3 札幌市保健所


 6か月および14か月齢乳児の生尿によるウィルソン病マス・スクリーニングの基礎的検討

平成14年度厚生科学研究(子ども家庭総合事業)マススクリーニングの効率的実施及び開発に関する研究 研究班全体会議
東京都、2003年2月

野町 祥介、中澤 恵実理、田上 泰子、水嶋 好清、尾崎 恒一、藤田 晃三

札幌市では新生児乾燥ろ紙血液を用いて血清中セルロプラスミン濃度を測定することにより1995年4月からウィルソン病の新生児マス・スクリーニングを行ってきた。しかし、新生児期では、検査時期としては尚早で、一部の患者において血清セルロプラスミン値の低下が顕著でなく、偽陰性例が多いことが予測された。このため、新生児期以降での検討を開始した。今回、札幌市で実施している乳幼児の神経芽細胞腫マス・スクリーニングの尿検体を用いることを前提に、全セルロプラスミン量測定用高感度ELISA法による基礎的検討を行ったが、乳児期の尿中セルロプラスミン値は全般に低値であり、また採尿時日齢依存性も認められず、ウィルソン病のスクリーニングには不適と考えられた。


 検査済み新生児乾燥濾紙血液の長期保管・有効利用に関する研究、検査済み新生児乾燥濾紙血液の長期保管・有効利用の必要性とインフォームドコンセント及び適切な採血用濾紙様式の検討

平成14年度厚生科学研究(子ども家庭総合事業)マススクリーニングの効率的実施及び開発に関する研究 研究班全体会議
東京都、2003年2月

福士 勝*1、三上 篤、本間 かおり、花井 潤師、 梅橋 豊蔵*2、住吉 好雄*3、成瀬 浩*4、 松田 一郎*5、黒田 泰弘*6

現行の新生児マススクリーニングシステムにおいて検査済みの乾燥濾紙血液の長期保管とその有効活用の可能性を探ることを目的として、乾燥濾紙血液の長期保管の必要性を行政が実施する母子保健事業の推進の観点から検討した。

*1 札幌市保健福祉局生活衛生部
*2 化学及血清療法研究所
*3 神奈川県労働福祉協会
*4 東京顕微鏡院マススクリーニング精度管理センター
*5 江津子療育園
*6 徳島大学医学部


 札幌市で実施する胆道閉鎖症スクリーニング

平成14年度厚生科学研究(子ども家庭総合事業)マススクリーニングの効率的実施及び開発に関する研究 研究班全体会議
東京都、2003年2月

藤田 晃三、水嶋 好清、西野 茂幸、竹下 紀子、 花井 潤師、窪田 満*1、佐々木 文章*2

札幌市では便色調カラーカード方式による胆道閉鎖症スクリーニングを平成13年5月より開始した。その方法は、カラーカードを母子手帳の1ヶ月健診の個所に綴じこみ、1ヶ月健診時に健診医を通して衛生研究所に回収する。衛研で判定を行い、異常の場合は新生児スクリーニングと同様の手続きで精密検査を行う。平成13年度は11,265例実施し、実施率は80%で患児を1例発見した。平成14年度は12月までで11,223例実施し、実施率は96%で患児を1例発見できた。いずれの患児も目標である60日以内の手術が行え、手術後順調に経過している。この間精密検査を行った18例のうち、3例は乳児肝炎、1例は細菌性胆管炎で治療観察中である。

*1 北海道大学医学研究科小児科
*2 北海道大学医学研究科小児外科


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