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先にブログ等でお知らせしておりましたオオワシのヒナの誕生につきまして、猛禽舎で飼育しているペアが産卵し、その後、職員の手で人工育雛を行っていたヒナが5月18日に死亡しましたのでお知らせいたします。
当該個体は3月10日に産卵、4月15日に孵化した個体で、以来、今後の猛禽類のさらなる繁殖の推進を目的として、人に刷り込みの入った個体として育てるべく、職員による人工育雛を行っておりました。
当園にとってオオワシの人工育雛は初めての経験であったため、他の動物園の事例、当園での他の猛禽類の人工育雛事例などを参考としながら、試行錯誤しながら育てて参りました。
孵化当初は94gしかなかった体重も順調に増加し、肉付き、体力も増してきていることが感じられておりましたが、5月13日に呼吸音に若干の異常が認められたことから、翌14日より抗生剤等の投薬を行っておりました。それ以降もヒナ自体は元気があり、食欲も良好、体重も順調に増加していたことから、症状も改善していくことを期待しておりましたが、5月17日の夕方から食欲が無く、翌朝、職員が様子を確認したところ、前日までに比べ元気が無い様子が見られました。このため、動物病院にて、酸素吸入等の処置を行っておりましたが、その甲斐なく、5月18日12時過ぎに死亡いたしました。
解剖の結果、肉眼所見からは死に至るまでの全身状態悪化の原因の特定には至りませんでした。
5月13日以降、呼吸器の異常は続いておりましたので、何らかの日和見的な感染(免疫機能が弱い幼齢や高齢個体が、健常動物では感染・重篤化することの無い常在菌による感染症)があったのではないかと考えております。今後、呼吸器から採取した検体による微生物学的な検査を進めてまいります。
今後の猛禽類の繁殖、個体群増大に向けた大切な取り組みであっただけに、大変残念です。オオワシの繁殖シーズンは終わってしまいましたので、また来年チャレンジしていきたいと考えております。
なお、当該個体以外のヒナは順調に生育しております。公開施設の個体については、近いうちに鳴き声が聞こえたり、巣から顔を見せ始めることもあると思いますので、今しばらくお待ちくださいませ。
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