ここから本文です。
【2021年4月5日(月曜日)追記】
4月4日(日曜日)に亡くなったヒマラヤグマの「ミナミ」について、4日午後から病理解剖検査を行いましたので、その結果をお知らせいたします。
なお、下記の病理解剖結果は、肉眼的な所見による判定であり、病理組織の検査の結果、判定が変わる場合があります。
1 病理解剖結果(肉眼的所見)
・頸椎及び腰椎の椎間板ヘルニア
・左下顎の重度の歯周炎
・すい炎
・左肺後葉の肺炎
2 死因について
病理解剖結果(肉眼的所見)から、起立不能となった原因は、頸椎及び腰椎の椎間板ヘルニアであり、直接的な死因は多臓器不全であると推定されます。
3 経過
3月13日 | 後肢を引きずるような歩様を確認 |
3月15日 | 流涎(りゅうぜん)と徘徊(はいかい)行動を確認。徘徊中は周りの状況を認知していないように見えた。突然意識が戻るような瞬間があり、意識が戻ると採食を始めていた。 |
3月18日 | 歩様の異常、流涎、徘徊が治まらないために麻酔下で検査を実施。左下顎の歯槽骨が露出するほどの重度の歯槽膿漏を確認。血液検査では白血球数の上昇が認められた。脊椎疾患、歯槽膿漏の治療として抗生剤、ステロイドによる治療を開始。 |
3月19日 | 食欲、歩様ともに一時的に回復 |
3月29日 | 再び食欲不振 |
3月30日 | 後肢が効かなくなり起立不能となる |
4月3日 | 意識レベルが低く、全身状態が低下。麻酔下で体位変換と治療を実施。 |
4月4日 | 7時30分に職員が死亡を確認 ※映像記録を確認したところ、死亡時刻は1時40分ごろ |
【2021年4月4日(日曜日)】
治療を続けてまいりましたヒマラヤグマの「ミナミ」(メス26歳)ですが、4月4日(日曜日)7時30分頃、死亡が確認されましたので謹んでお知らせいたします。
「ミナミ」は1995年1月10日に阿蘇カドリー・ドミニオンで生まれ、2000年の10月に当園に来園しました。以降、多くの来園者の皆さまからちょう愛を受け、また、ヒマラヤグマなど絶滅が危惧される動物の展示を通じて、地球環境の現状を発信してきました。
「ミナミ」は2021年3月中旬に歩様にふらつきなどの異常が認められるようになり、口腔内検査、X線検査、血液検査等を行ったところ、重度の歯槽膿漏、変形性脊椎症が認められました。投薬による治療を継続しておりましたが、3月下旬に右後肢のマヒが見られ、上半身を起こすこともできなくなり、寝たままの状態が続いていました。このため、「ミナミ」の生活の質を少しでも長く維持できるように、痛みを緩和する治療などで、出来る限りのケアに努おりましたが、残念ながら4月4日に死亡が確認されました。
これまで可愛がってくださいました皆様に厚くお礼申し上げます。
「ミナミ」の死亡により、当園で飼育するヒマラヤグマは、「トモ」(メス23歳)1頭となりました。
【個体情報】
生年月日:1995年1月10日生まれ
死亡年月日:2021年4月4日 享年26歳
死因:詳しい診断のため病理解剖を行いますので、その診断結果については追ってお知らせいたします。
【献花台の設置】
4月4日(日曜日)より、動物園センター受付前に献花台を設置いたします。
【園長コメント】
ミナミは、トモとともに愛らしい行動で多くの来園者の人気者でした。26年間のいのちを全うし、私達に動物の素晴らしさを教えてくれました。
これまで応援いただいた皆様、ありがとうございました。
関連リンク
このページについてのお問い合わせ
Copyright © City of Sapporo All rights Reserved.