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更新日:2011年2月14日

81.麻生商店街今昔物語

エピソード・北区

第10章:その他

72.新選組隊士北区での顛末記73.明治に既に雪まつりの原形が74.鳥人スミス北二十条を飛ぶ75.昭和二十年、炎の中に消える76.本格的な発展は終戦後77.隠された戦闘機と幻の滑走路、新琴似四番通78.札幌の味、そのふる里を尋ねて79.屯田のオリンピック候補選手80.屯田兵から受け継ぐまちづくりの心81.麻生商店街今昔物語82.風土が育てた正月の味83.銭湯全盛のころ昭和46年北区銭湯マップ

81.麻生商店街今昔物語

 

麻生商店街今昔物語1

地域の情報紙「五叉路」

麻生商店街今昔物語2

地域の人たちを魅了した薪能。商店街の人々だけではなく地域の人たちにとっても忘れられない思い出となっている

交通の発達とともにまちが様変わりしていった麻生地区。昭和30(1955)年代半ばまでは、畑が広がりサイロも見えるまちであり、住民たちは北24条周辺まで買い物に出掛けていた。その後、道営住宅が建ち始めたころから五叉(さ)路を中心に商店が並び始めたという。
市電の延長、昭和48(1973)年には地下鉄の延長決定と、まちの発展に麻生商店街の人々は喜びに沸いた。しかし、その喜びもつかの間、小売店中心の商店街にとっては脅威である大型店ダイエーの進出が計画された。商店街の人々はいったんは反対を表明するも半年後には賛成に転じている。「次の時代の麻生を考えて、ダイエーの進出を前向きに受け止めたんです。これからは新琴似を含むこの地域とほかの地域との戦いだから、ダイエーも地域の一員として考えなくては」と話す麻生商店街振興組合理事長西田清英(にしだきよひで)さんの顔に、当時の大きな決断のあとを見た。

コミュニティー誌などのまちづくり

このことが絆を深めたのか、地域や人とのふれあいがその地域に愛着を持つことにもなり、商店街ではまちづくりに積極的に関わってきた。その一つとして、「五叉路」というコミュニティー誌が手作りされ、町内の各家庭に配られている。現在、年3回発行しているこのコミュニティー誌は、何と21年もの間続き、発刊数は100号を超えている。
発刊以来、ずっと編集に携わってきたのは電器店を営む永倉吉裕(ながくらよしひろ)さん。編集姿勢は、お知らせやまちの情報を多く載せること、素人の手作りらしい紙面にこだわり、イラストや漫画などを入れて読みやすくすること。「麻生が、誰にとっても懐かしさを感じる心のよりどころとなるような街であってほしい」というまちへの願いを話す永倉さんの目は温かい。長く継続してきた原動力はそんな書き手たちの郷土愛だと思うのは過言ではないだろう。
この「五叉路」は、町の名の由来となった亜麻によるまちづくりにも一役買っている。種の配布を呼び掛け、その普及に努め、今では地域の人たちによって育てられた亜麻から亜麻和紙、亜麻そばなどが製品化し、静かな人気となっている。

20周年を飾る薪能

さまざまなふるさとづくりの中で、大きな思い出となっているのが平成5(1993)年に行われた商店街20周年記念行事。商店街では、古典芸能の一つ薪能(たきぎのう)を見るという大きな計画を立てた。薪能を見たこともない人がほとんど、またこんな大規模なイベントを行うのも初めてという中で、商店街のメンバーたちは奔走した。「年間の降雨量を調べてまで開催日を選んだのに、前日は雨でハラハラしたよな」「火を使用するためには消防署の許可が必要とは知らなくて、当日ぎりぎりになって許可が下りたんだ」と、西田さんと永倉さんはそのときの苦労を昨日のことのように語る。約3,000人の観客を迎えるまでの苦労は良き思い出となり、今もなお地域の語り草となっているイベントとなった。

麻生商店街の今後とまちの期待

麻生地区に限らず、住宅地が北へと広がり、郊外型大型店の進出、高齢者や単身者世帯の増加など、社会環境が変化する中で麻生商店街は今、何を求められているかを模索している。
麻生地区は、商店街や住民だけではなく、北区の人々や隣接する市町村の人にとっても交通の要所となっている。その中でちょっとした時間に立ち寄ることができ、人とふれあえるまち。キーワードはそんな「温かさ」であると30年の歴史は教えてくれるだろうか。
まちづくりを考え、情報を発信してきた麻生商店街振興組合の事務所はまちの中心、五叉路が一目で見えるビルの2階にある。たまたまその場所だったのかもしれない。しかし、まちを見守る商店街の人たちの温かい目がある限り、まちの歴史が生き生きと刻まれていくことが期待できるだろう。

(「新・北区エピソード史(平成15年3月発行)」掲載)

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