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チンパンジーは20頭~100頭の複雄複雌(オス、メスともに複数いること)の群れで生活しています。こうした群れの生活の中で、食べられる物の種類や狩りの方法などの生きていく上で必要なことを学んでいきます。
チンパンジーが主食にしている果物はそれぞれ分布地域や実が熟す時期が違います。
チンパンジーの群れは熟した果実を求めて、広い縄張りの中を絶(た)えず移動しています。
しかし、チンパンジーの群れは常に一緒に行動しているわけではありません。餌となる果物が少ない季節には、餌の競合を避けるために単独または少頭数の小さなパーティに分かれ、分散して生活します。
一方、餌となる果物が豊富な季節には、大規模なパーティを形成して生活します。なぜならライオンなどの捕食者や他の群れの攻撃からの防御効果、コロブスザルの狩猟、毛づくろいや繁殖相手の獲得など、多頭数で生活する方が少頭数で生活するよりも有利な点が多いからです。ただし同じ場所に大勢が集まるとすぐに果物を食べ尽くしてしまうため、いくつかのパーティに分かれて、分散して採食します。
チンパンジーに特徴的な習性のひとつに狩りがあります。
主に若者期や若い大人のオスが集団でアカコロブスなどのサルやレイヨウ、イボイノシシの子供などの小型の哺乳類を捕らえます。捕らえた獲物は、ほとんどの場合強い大人オスの獲物になりますが、大きな獲物の場合は仲の良い個体に分け与えて食べます。このように哺乳類の肉を狩りをして食べるという習性は、餌の豊富な森に暮らすゴリラやオランウータンには見られません。チンパンジーや人類は肉を食べることで、食物の少ない乾燥地帯へと生息域を広げていったと考えられています。
アブラヤシの実をわけあうパーティ。チンパンジーの群れは果実を求めて、移動を繰り返します
ミリアントゥスの実を食べるオス(写真提供:京都大霊長研 木下實)
捕獲したアカコロブスを食べるオス(写真提供:中村 美知夫)
(平成19年3月29日・記)
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