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更新日:2024年5月9日

コラム「こんにちは、アシストです」(2024年5月号)

「霧の街」~江口相談員~

「5月」という月は長期休暇もあり、新年度が始まった4月からの緊張や疲れから一息つき、リフレッシュする月というイメージを持っています。また、北海道では桜が満開になる時期でもあり、何となく晴れやかな気持ちにもなります。

コロナウイルスが蔓延していた頃は、外出もままならず、市内観光さえも難しい状態でしたが、今年度は札幌も随分、観光客が増えたように感じています。アシストセンターはTV塔の近くにあるのですが、この辺りは佐藤健さん、満島ひかりさん主演映画「初恋」の舞台になったこともあり、テレビ塔をバックに写真を撮る観光客を見かけることがよくあります。小高い歩道橋から大通り公園を眺めていると、見えない囲いが取り払われ、空の色、見える景色、空気さえも明るく清々しく感じられます。

私は釧路市出身なのですが、ようやく気兼ねなく札幌と釧路とを行き来できるようになりました。この前、帰省した際は暴風警報が発令されていて、帯広を過ぎた辺りから風雨が激しくなり、乗っていたバスの中から外を眺めていると、ある天気の話がふと思い出されました。

「じり」という言葉をみなさんは聞いたことがあるでしょうか。霧でもなく、雨でもなく、霧と霧雨の間のような状態を「じり」といいます。小さい頃、よく母に「今日はじりだから傘がないと濡れるよ」と言われたものです。調べてみると「じり」は「海霧」と書くそうで、道東地方の方言のようです。「じり」の他に「ガス」という言葉もあって、濃霧と同義に使われているようですが、私の家が海の近くにあったせいか、濃霧どころか目の前に雲の壁があるような、そんな印象です。どちらも夏の時期に、北太平洋上に発生するものらしく、確かに、札幌では見ることがありません。ものの「様」、「在りよう」を繊細に感じとり、言葉に表現していく。これは日本人特有のものなのかもしれません。日本人の感性って凄いですね。

ちなみに、「じり」と「ガス」を分かりやすく順に並べてみると、霧<ガス<じり<霧雨という感じでしょうか。道東だけではなく他の地域にも、その地域だけの表現、呼び名がまだまだあるのではないでしょうか。調べてみるのも面白いかもしれませんね。

参考まで

・霧の天気記号霧

・霧雨の天気記号霧雨

 

令和6年5月9日

 

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