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ホーム > 北区の紹介 > 歴史と文化 > エピソード・北区 > 第1章:太古から開拓へ > 5. 親族の反対をおしきった開墾魂-平田農場

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更新日:2011年2月1日

5. 親族の反対をおしきった開墾魂-平田農場

エピソード・北区

第1章:太古から開拓へ

1.遺跡から先史を辿る2.奈良時代の北区を探る3.篠路に石狩初の農村づくり4.幕末、篠路に入地5.親族の反対をおしきった開墾魂6.殿様の余剰武士対策7.北辺の理想郷目指し8.南部盛岡藩士が入植9.語源はアイヌ語?10.地名に刻まれた歴史

5.親族の反対を押し切った開墾魂 -北15条以北に30万坪-

平田農場

 

親族の反対を押し切った開墾魂

農場の概況が書かれている河野資料(北海道立図書館蔵)

明治20(1887)年6月、現在の北15条以北に広さ30万坪(約百ヘクタール)の平田農場が誕生した。新潟県北蒲原郡の豪農平田多七、平田類右衛門らが、洋風馬耕農法による北海道の模範農場を目指した農場経営を始めたのである。
うっそうと樹木が生い茂る中に、仮小屋を建て厳しい開墾の歴史が始まった。土地の湿気を取り除くため多くの排水溝を掘り土地の乾燥に努めた。繁生する野草や降霜に悩まされるなど入植後3年間の経営は容易ではなかった。道庁初期農場状況(河野常吉資料)によると、その経営状況は、開墾着手より3年間に投入した資金が約26,500円にもなり、4年目の明治23(1890)年は127円の赤字、しかし明治24(1891)年は842円、明治25(1892)年は1,848円の収益を上げたとある。
同農場は、もともと札幌農学校の農校園であった。明治19(1886)年、北海道庁の新設とともに農校園の大幅な縮小が行われ民間に貸し下げられた。平田多七は、明治25(1892)年12月までの貸し付けを受け、平田類右衛門へと引き継がれ、後に道庁から付与を受けた。その位置は北15条以北、今の西1丁目より西は北大に接し、北は北24条から北26条にかけてあった創成小学校の学田地にそれぞれ接していた。

長沼、由仁にも農場

平田類右衛門は、次々に開墾地を広げ養豚、養鶏へと事業を拡張するとともに、明治26(1893)年には長沼(44万坪)、由仁(45万坪)の2カ所の開墾に着手したのである。(明治23(1890)年との記録もある)。
しかし、両農場の開墾は、厳しい自然環境と度重なる水害との闘いで、2年後の明治28(1895)年には、長沼農場を、明治29(1896)年には、由仁農場をそれぞれ手放したのである。
札幌農場のその後については『札幌の百年の歩み』で大正時代に京都合資会社へ譲渡されたとあるのみである(売買は、明治31(1898)年との記録もある)。

グーズベリーの垣根

ここに、15歳まで札幌に住んでいた平田類右衛門の長女ランの思い出をつづった日記がある。
「7歳の水無月(6月)、祖母、父母、妹2人、使い人多数(総勢16名)人力車を連ねて、親族の反対を押し切り……(中略)札幌の第一平田農場に新築せし家より小学校に通学し……(中略)農場も百町歩の内2カ所に牧場をしつらい、畑も区々別成り。下水も竣工して、農夫の合宿所や家族ある者の住宅もあり。機械倉、牛馬豚舎もあり。わずか5月より11月までの真に偉大なる収穫を得る事が出来、林檎(りんご)林やグーズベリーの垣根、いちご畑、麻畑、6町3反のとうもろこし畑、直径3尺もある西洋かぼちゃ、豊かに実れる石狩の野に・・・」と書かれている。
また、牛乳を生のまま冷やして水の代わりに飲んだこと、農場内でのわらび採り、きのこ採りなど自然に親しみ楽しかった少女時代の思い出が強く心に残っていたようである。また、その生活レベルも「高級の境遇であった」と書かれている。

借金が増えて

着々と事業を成功させ拡大していった平田類右衛門。どのような理由で農場の幕を閉じたのであろうか。ランの日記には、「15、6歳のころから経営上苦闘や高利貸を利用したため不利の立場で家計までが思うようでない」と書かれている。また、曾祖母が同農場で働いていたという笹川三枝さんは、「母からよく、農場はぜいたくをしたため」と聞かされていたという。また、ランの長女塚越和子さんは「アメリカから大きな機械などを借金により購入し手広く事業を営んだことが失敗の原因だった」という。
農場区域すべてが、住宅地となった今では、その当時の栄華、足跡をたどる道標は何も残されていない。

(「続・北区エピソード史(昭和62年3月発行)」掲載)

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