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円山動物園は、開園以来、希少種の繁殖に成功して、29回の繁殖賞を受賞しておりますが、今回、ミヤコカナヘビで「初繁殖認定※」を受けました。
ミヤコカナヘビは宮古諸島の固有種で、1996年に新種として発表されました。生息環境の悪化により絶滅が危惧されており、2017年度から環境省及び(公社)日本動物園水族館協会による保護増殖事業の一環として、円山動物園での飼育をスタートさせました。
初年度には飼育下個体群の祖となる個体(創始個体)12匹を導入し、これまでに8世代目(200匹以上)までの繁殖に成功しています。
現在、将来的な野生復元(飼育下で生まれた個体を野生に返す)の取組に向けた個体群形成を進めています。
※初繁殖認定
公益社団法人 日本動物園水族館協会が繁殖技術の向上のために2019年に定めたものです。動物の種ごとに、同協会に加盟する園館において初めて繁殖に成功し、かつ誕生後6ヶ月以上生存した時点で対象となり、授与されるものです。
以前は「繁殖賞」という制度でしたが、2019年から認定区分等の見直しがあり、「初繁殖認定」という制度に変わりました
【ミヤコカナヘビ 豆知識】
ミヤコカナヘビは宮古諸島の固有種です。沖縄や奄美に生息する「アオカナヘビ」と同種とされていましたが、DNA調査により琉球列島にいる3種(アオカナヘビ・サキシマカナヘビ・ミヤコカナヘビ)の中で、ミヤコカナヘビだけが違う祖先から進化した別種という事が分かりました。低木やススキなどの大型草本類の上で暮らしており昼行性。夜は草の上で寝ます。
個体減少の明確な理由はまだ分かっていませんが、開発による生息地の減少や人によって持ち込まれたインドクジャクなどの外来生物による捕食圧、ペット愛好家による乱獲の可能性が考えられます。
国際自然保護連合(IUCN)レッドリストではEN(絶滅危惧種)、環境省レッドリストではCR(絶滅危惧1.A類)、沖縄県のレッドデータブックではEN(絶滅危惧1.B類)となっています。このページについてのお問い合わせ
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