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更新日:2023年2月18日

ホッキョクグマの同居報告

じゃれあう2頭

じゃれあう2頭

ホッキョクグマのホクト(雄、22歳)とリラ(雌、8歳)の繁殖に向けた同居を、1月11日から2月12日まで行いました。このたびホッキョクグマ館でのホクトのリラの同居について、改めて報告させていただきます。

1月11日、同居1日目。ホクトはリラに向かって全力で走っていき、リラは全力でプールに逃げ込みました。ホクトは陸地でリラが来るのを待ち、リラは上陸できずプール内でホクトをうかがう様子が続いたため、初日は30分弱で同居を終了しました。この日、ホクトがリラに詰め寄ったり、逆にリラからホクトへ攻撃を仕掛けたりすることはありませんでした。ホクトがリラに対して一定の距離を持って近寄っていたことから、激しい闘争になる可能性は低いだろうと推測されました。なお、非公開中の最初の5日間は、屋外展示場を見渡せる屋上2か所、観覧通路2か所に職員を配置し、緊急時に対応できるよう、花火と爆竹、大きな音がだせる金物をもって監視しました。

2日目以降もホクトはリラに対して一定の距離を保ち、リラを待っているようでした。1月15日、同居4日目には、ホクトは終始積極的でリラのいるプールに複数回入り、前肢で水をかいたり叩いたりしながらリラを誘う様子が見られました。この日は初めて朝から夕方まで2頭で過ごしました。ホクトを昼の給餌のため一度室内に収容したあとから、リラが自分から近寄るようになり、13時ごろには口を合わせるなど、一気に距離が縮まりました。5日目には、洞穴の入口と出口で30分ほど口を合わせ、その後はリラが発見した牛骨を取り合うなどの様子が見られました。

これまでの5日間、ホクトがリラを追い詰めることなく、2頭の距離が日に日に近くなっていったため、今後も闘争は起こらないだろうと判断し、1月17日午後から監視体制を解除し、ホッキョクグマ館2階の閉鎖も解除させていただきました。

その後、日中は同居、夜間は非公開エリアのサブ放飼場やメイン放飼場に分けて飼育しました。1月30日の9時30分(開園直後)に初めてマウント(オスがメスの背中に乗ること)が見られました。その日の夕方にはリラと離そうとするとホクトがそれを阻止しようとしました。また、リラと別れた後には、ホクトがリラを探しに行ったり、鳴きつづけたりと初めて激しい反応が見られました。そのため、1月31日からは夜間も同居することにしました。

2月6日の早朝に初めての交尾が確認され、その後9日まで交尾やマウントが複数回観察されました。翌10日にはホクトのリラに対する執着は低くなり、11日の朝、給餌後の再同居の際にはホクトはなかなかメイン放飼場に出ていかず、リラもホクトが出てくるのを阻むような様子が見られました。11日の夕方と12日にも同居を試みましたが、リラがホクトを拒否する反応が見られたため、この日で同居を一旦中止しています。

ホッキョクグマの繁殖期は一般的に3月から6月と言われているため、今後も2頭の様子を見ながら繁殖に向けた同居の実施について対応していきます。2頭の状態を最優先に考え判断していきたいと思いますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

同居初日 これ以上は近寄らなかったホクト

同居初日 これ以上は近寄らなかったホクト

同居5日目 牛骨を取られたリラ

同居5日目 牛骨を取られたリラ

早朝交尾しているときの様子

早朝交尾しているときの様子

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