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北海道教育委員会に所属し特別支援学校の教員をしています、土田と申します。私は、2021年4月1日から2022年3月31日までの1年間「教員長期社会体験研修」という制度を利用して、札幌市円山動物園で研修を行いました。この研修は、教員が学校以外の施設で体験を積み、視野の拡大や対人関係能力の向上等を目的とするものです。
研修では、動物園センター2階の事務所でお客様からの動物相談や入園などに関する問い合わせの電話対応をしたり、小学校や中学校、高校生に向けた園内講座や出前講座をしたりしました。また、11月下旬から2月末までの期間は現場に出て、飼育作業やサインを作成するなど動物専門員(以下「飼育員」)の仕事も行いました。
研修に来た最初の頃は、誰からのどんな用件かわからない電話の対応や要件に応じて内線転送をしたり、メールでのやりとりをしたりすることは不慣れだったので苦戦しました…。
・園内講座や出前講座では、小学校、中学校、高校生に向けて教育プログラムやガイドを行い、子ども達が使用できる学習プリントを作成しました。緊急事態宣言が出ている中では、オンラインで講座を行うこともありました。通常の学級で学ぶ子ども達に話をする機会はこれまでほとんどなかったので良い経験となりました。
円山動物園が実施している環境教育プログラムのページはこちらです。
https://www.city.sapporo.jp/zoo/study/index.html
・動物園の仕事と言えば、最初に飼育員の仕事をイメージする方が多いのではないでしょうか?私はそうでした!
・こども動物園のコールダック、シナガチョウ、ニワトリ、ビーバーなどの獣舎の清掃や給餌をしました。
・サインも作成しました。
・獣医さんの検査や治療の様子を見学したり、亡くなった動物の死因を調べたりするための解剖にも立ち会いました。
・言葉が話せない動物たちは具合が悪かったり、怪我をしたりしても教えてくれることはありません。毎日の観察や獣舎の点検が大切なことが分かりました。また、動物が生まれて育っていく様子を見たり、反対に亡くなってしまう場面に立ち会ったりすることもありました。「命の大切さ・尊さ」についても改めて深く考えました。
・動物のお世話は365日、休みなく行わなければなりません。職員はシフト制での勤務なので、情報の共有や引継ぎなどが重要であることも学びました。
・夏と冬には小学校4~6学年を対象に子どもの1日飼育係というイベントがあります。HPやTwitterなどの広報活動や当日の運営に携わりました。
・豊平区産のリンゴの贈呈式では、円山動物園のキャラクター「マルヤマン」になり、豊平区のキャラクター「こりん」と「めーたん」からリンゴを受け取りました。贈呈式終了後、リンゴはニホンザルたちに給餌されました。
・飼育員さんたちがコウモリやトガリネズミの調査や研究に取り組む様子も見学しました。
この1年間の研修では、学校の教員として働いている中では経験できないことをたくさん経験させてもらいました。大人になっても知らないことを知ったり、やったことがないことを体験したりできることは、とても新鮮で楽しく充実した毎日でした。学校に戻ったら子ども達にもそう感じてもらえる機会をたくさん提供していきたいと思いました。4月からは、所属校である札幌伏見支援学校に戻って働きます。円山動物園と同じ中央区に位置する学校です。動物を通して命の大切さや思いやりの気持ちを育んだり、身近にある自然や環境について学んだりする学習を円山動物園とも連携させていただきながら実践していきたいと考えています。
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