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更新日:2017年3月7日

2012年12月12日わくわくアジアゾーンオープン

アジアゾーン完成予想図

2012年12月12日(水曜日)、円山動物園に新施設「わくわくアジアゾーン」が誕生!

【施設の特徴】

「わくわくアジアゾーン」は、地理や気候の違いなどアジアの環境の多様性とともに、希少種の保存や生息域保全の大切さを伝えることを目的とした施設であり、「寒帯館」・「高山館」・「熱帯雨林館」の3棟で構成されます。

展示方法は、動物が生息している自然環境をできるだけ再現し、動物本来の行動を引き出すとともに、動物と観客のいる場所が一体となって感じられる「生息環境展示」を採用しました。

屋内の観覧スペースを広く設け、屋内からも外放飼場にいる動物をご覧いただけるようにし、季節や天候に関わらずゆっくりと観覧をお楽しみいただけます。

※円山動物園では、展示エリアごとに伝えるべきメッセージを設けるゾーニング化を進めることとし、北海道・北方圏ゾーン(エゾシカ・オオカミ舎、エゾヒグマ館)、野生復帰・自然体験ゾーン(猛禽類野生復帰施設、動物園の森)、は虫類・両生類館などの充実を進めてきました。わくわくアジアゾーンはこれらに続く展示充実であり、今後はアフリカゾーンに着手する予定です。

【施設の概要】

(1) オープン日 平成24年(2012年)12月12日(水曜日) 

(2) 総工費等  1,282,300千円(平成23~24年度予算)、敷地面積約10,000平方メートル

(3) 建物及び展示動物  合計1,877平方メートル 展示動物13種類

「寒帯館」

延床面積540平方メートル(RC平屋建)

展示動物2種(アムールトラ、ユキヒョウ)

「高山館」

延床面積393平方メートル(RC平屋建)

展示動物2種(ヒマラヤグマ、レッサーパンダ)

「熱帯雨林館」

延床面積944平方メートル(RC平屋建)

展示動物9種(マレーグマ、シシオザル、クロザル、テナガザル、カンムリシロムク、コツメカワウソ、アジアアロワナ、インドオオコウモリ、マレーバク)

(4)  新エネルギー

「寒帯館」

屋上に10kwの発電能力を有する太陽光発電設備を設置し、館内の電力を賄い、余剰電力が生じた場合には隣接する施設へも給電します。

「高山館」

ヒマラヤグマの外放飼場裏手に雪の貯蔵場所を設け、その融雪水を使い、レッサーパンダの屋内エリアを冷房する雪冷熱システムを設置します。また、このシステムによる冷風を体感頂ける吹き出し口も備え付けます。

「熱帯雨林館」

環境に優しい、木質バイオマスを使ったペレットボイラーを設置しています。このボイラーで作られる温水を館内の暖房に活用します。

なお、当施設の設計・意匠にあたりましては、札幌市立大学デザイン学部から多大なるご協力をいただいております。【主な見どころ】

(1) 寒帯館

○シベリアのタイガの森に生息するアムールトラの展示では、雪の中、木々の間を悠々と歩く姿を、室内からガラス越しでゆっくりとご覧いただけます。

暑い夏には木陰で寝転んだり、水浴びする様子を間近で観察できます。

○ヒマラヤ山脈など山岳地帯に生息するユキヒョウの展示では、高い岩場を再現した。ユキヒョウが岩場に勢いよく駆けあがる様子をご覧いただけます。また、屋外の放飼場には、ユキヒョウの体を下から檻越しに覗けるスポットがあります。

(2) 高山館

○イランやネパール、中国などに生息するヒマラヤグマがじゃれあう姿をガラス越しに間近にご覧いただけます。

○中国四川省などに生息するレッサーパンダが、屋外のハルニレの大木に登る様子をご覧いただけます。また、屋内展示場では、来園者の頭上に設けられた「渡り木」の上をレッサーパンダが行き来する様子や、一部、ガラス面の上を歩く様子を下から観察できます。

(3) 熱帯雨林館

○熱帯雨林の哺乳類、鳥類、魚類といった多様な動物を展示します。屋内展示場は、熱帯雨林の雰囲気の中を探索しながら、動物たちの声・ざわめきなどを感じていただける展示となっています。また、各所に隠された動物達の足跡や糞、木の実などのレプリカを探しながら館内を回ることができます。

○暖かい季節には、屋外展示場にて、テナガザルが池に囲まれた島まで木々の間を抜けて長い手を使って移動する様子や、マレーバクが池で水浴びしたりマレーグマが木登りしたりする様子を同時に眺めることができます。

≪新たに展示する動物≫

コツメカワウソ

インド、中国、東南アジアに棲むイタチの仲間で、最も小型のカワウソです。水中生活に適応した体をしており、肢に水かきもあります。両前肢をつかって餌を器用につかんで口に運びます。

雄・雌の複数頭での展示を予定し、繁殖を目指す。

インドオオコウモリ

インド・スリランカ・ミャンマーに分布し、昼間は大きな木に多数集まり休息し,夕方になると主食の果実を求めて活動を始めます。小型のコウモリのように超音波を出して獲物の位置を確かめること(エコーロケーション)はできません。目が大きく発達し,有視界飛行をしています。

2009年3月3日に死亡して以来、飼育していないが、雄・雌の複数頭での展示を予定し、繁殖を目指します。

カンムリシロムク

バリ島の固有種で、低地の熱帯サバンナに小群ですみ、虫などの小動物や果実などを餌としています。時折、頭の冠を逆立てるディスプレイを行います。近年の生息地の開発とその美しい羽色ゆえに飼鳥として乱獲されたことから激減しています。

雄・雌の複数頭での展示を予定し、繁殖を目指します。

アジアアロワナ

マレーシアやインドネシアに生息しています。幻のアロワナや幸福を呼ぶ魚として珍重され、その結果、乱獲によって生息数が減少している。

複数頭の展示を予定しています。

アジアゾーンの展示13種のうち、インドオオコウモリを除く12種は、国際的な絶滅危惧種に指定されています。(IUCN国際自然保護連合のレッドリストにより指定。)

※アジアゾーンのオープンは、12月12日(水曜日)10時から行われるオープン式典の後です。9時からの観覧はできませんのでご注意ください。

寒帯館

岩山を下るユキヒョウ

高山館

渡り木を歩くレッサーパンダ

マレーグマ

木で遊ぶマレーグマ