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寝室でのカエデの様子(2月26日撮影)
シンリンオオカミのカエデは、2月24日(月曜日)、左後肢に腫れが見られたため、2月25日(火曜日)に麻酔下で検査を実施しました。その結果、左下腿部及び腰から臀部かけての広範囲の皮膚に、咬傷と思われる傷が多数確認されました。このため、しばらくの間、カエデを寝室とサブパドックに隔離し、治療を継続する予定ですので、皆様には、カエデの回復を温かく見守っていただければ幸いです。
負傷の経緯
シンリンオオカミは雌雄のつがいと、その子どもたちといった家族から構成される群(パック)で生活しており、雌雄のつがいを頂点とした厳格な順位が存在します。普段は順位に応じた行動をとることで争いを避けますが、繁殖期前には少しでも順位を上げようとするため、争いが増える傾向があり、時には大怪我を負うような闘争が起こることもあります。
当園で飼育するメスのカエデとジュリについては、普段あまり闘争は見られませんが、発情期になると、優位個体であるジュリが、カエデに対して自分の強さをアピールする示威行動が強くなり、カエデの体を金網に強く押し付けたり、腰部や後肢を甘噛みしながら押さえつけるような行動が続いていました。当初は軽い出血や跛行がみられるものの、ジュリの行動に強い攻撃性は確認できないことから、抗生剤治療をしながら経過を観察していましたが、これ以上の傷を負うことが懸念されたため、2月19日から2頭を分けて飼育しておりました。その後、2月24日に、カエデの左後肢に大きな腫れが確認されたことから、翌25日に麻酔下でカエデの検査を実施しました。その結果、腰部から臀部にかけての皮膚には広範囲に浅い咬み傷と思われる裂傷が多数確認されたほか、左後肢の下腿部には長さ3cmほどの筋肉に達する傷があり、大きく腫れていました。幸いなことに、化膿はしていませんでしたが、完全に治るまでには数週間かかると思われますので、今後も、できる限りの看護と治療を継続してまいります。
なお、オオカミなどの社会性の強い動物は、闘争などにより群れから一度隔離すると、再び同居しても闘争を繰り返して、再同居が困難となる場合があります。ジュリとカエデについてはお互いに強い攻撃性は確認できず、発情期以外には強い示威行動もないことから、カエデが怪我から回復し、発情期が終了してから慎重に再同居を試みる予定です。
カエデの回復状況につきましては、随時ホームページ等でお知らせいたします。引き続き、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
カエデの腰の傷
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