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更新日:2023年1月26日

よもやまくにがまえにとばなし

第16回 同姓同名同書名・・・(?)

 

2011年9月のおはなし

札幌市の図書館では、書名や著者名を入力して市内所蔵の本を探したり、予約することができる便利な機械(検索機といいます)を設置しています。ある日、この検索機を使用されたお客様が「本の置いてある場所が分からない」と、カウンターにみえました。

 

お客様が検索機からプリントアウトした用紙には、場所が「書庫」と印字されています。書庫にお客様は入れないので代わりに職員がお持ちする旨を伝え、ご希望の本をお渡ししました。すると、表紙をご覧になったお客様は「あれ?」という表情で首をかしげていらっしゃいます。

「もしかして本を間違えたか?!」と、先程の用紙と本を見比べましたが、間違いありません。しかしお客様は「本屋さんで見た表紙とは違う」とおっしゃるので、よくよくお話をうかがうと―ご覧になりたかったのは蛇蔵著『日本人の知らない日本語』だという事が判明・・・。書庫からお出ししたのは富田隆行著『日本人の知らない日本語』・・・。著者が違う同じ書名の本だったのです(!)
蛇蔵著『日本人の知らない日本語』は人気があるため、予約の順にお貸ししていますと事情を説明し、予約をしていただきましたが、そうなんです。人間に同姓同名の人がいるように、本にもまったく同じ書名の本があるのですよ。

試しに『旅路』という本を探してみましょう。
『旅路』という題名の本は、札幌市内の図書館が所蔵しているだけでも27冊あります。
著者はキャサリン・コールター、池波正太郎、辻真先、平岩弓枝・・・。
こんなにたくさんの作家たちが、同じ題名の本を書いているんですね。調べてみて、改めて驚いてしまいました。

黒猫1匹と茶猫3匹のイラスト

図書館のカウンターで、題名を言ったら、「著者名は分かりますか?」とか「いつ頃、発売された本ですか?」など、題名以外の事もいろいろ訊かれたというお客様はいらっしゃいませんか?ご希望の本を、より早くより正確に特定するために、題名以外のことをお尋ねすることもあります。お探しの本に間違いないかどうか、念には念を入れるのです。
このやりとりのことを、図書館では【レファレンス・インタビュー】といいます。
第9回 レファレンスって?参照のこと。

え?もしも偶然の一致で題名も著者名も分類記号までまったく同じだけど、別人が書いた本があったらどうするか、ですって?
それこそレファレンス・インタビュアーの腕のみせどころですね。
あたかも推理小説のなぞ解きをするように・・・四方八方からあらゆる糸を手繰りよせるインタビューをして、お客様の一冊を探し出したいと思います。

 

まお

 

 


                                      

 

 

 

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