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更新日:2012年12月26日

よもやまくにがまえにとばなし

第2回 分類記号は本の住所です(分類よもやまその1)

2010年6月のおはなし

「図書館の本の並び方は分かりづらい」
「どうして同じ人の書いた本があっちの棚とこっちの棚とバラバラに入っているの?一緒にすれば探しやすいのに…」

というわけで、今回は、図書館の本の並べ方についてお話します。
実は、図書館の本は、出版社別でも著者別でもなく、「日本十進分類法(NDC)」という方法に基づいた並べ方をしているのです。
NDCとは(Nippon=日本)(Decimal=十進法の)(Classification=図書分類)の略です。現在、日本の公共図書館の約九割で使われている分類法です。
この分類法は「本の内容」を基準に分けるので、同じ人が書いた本でも、「内容」が違えば、違う分類をされて違う棚に入ってしまうというわけです。

背ラベル

ここに2冊の本があるとします。テレビなどでよく顔を見かける有名な内科のお医者さんが書いた、としましょう。1冊は、自分の専門分野(内科)の本。もう1冊は、医者として働くうちに得た教訓とか、生き方についての本。こういう場合、NDCでは専門分野の本は「493(内科学)」の棚に入れ、教訓の本は「159(人生訓)」の棚に入れるので、同じ棚には並ばないのです。

「493」や「159」というこの3桁の数字が、「日本十進分類法(NDC)」です。ただし、この3桁は基礎中の基礎!もっと簡単に2桁で表わすことも(児童向けの本で使用)、逆にもっと専門的に4桁、5桁それ以上の桁数で表すことも(中央図書館所蔵の専門書などで使用)あります。ここでは、基本の3桁のNDCを例にしてご説明します。数字の種類は「000」から「999」まで約1000種類あります。その一つ一つが意味を持っています。この文でいえば(内科学)とか(人生訓)とかの部分です。

また、分類記号の数字どおりに本を並べていくと、自然と、本の整理ができるようにもなっています。しかし、「913」(日本の小説)の棚に「931」(英米文学の詩)の本が紛れ込んでいては、本が行方不明になってしまう原因になります。これを防ぐには、人の手と目を使って、こまめに整理していくしかありません。

というわけで、本の背表紙に貼られた分類記号は、「図書館内の本の住所」といえるかもしれません。

分類記号は本の住所

利用者の皆様、「本の引っ越し」はご遠慮くださいね。本の行方不明を防ぐためにも、ご協力をお願いします。

まお

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