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更新日:2011年2月15日

第1期図書館協議会 第5回会議 平成18年10月7日

1.日時

平成18(2006)年10月7日(土曜日) 14時00分~16時00分

2.会場

札幌市中央図書館 3階 研修室A

3.出席者

梶委員、河村委員、菊池委員、久米委員、小田委員、乳井委員、二ッ山委員、平野委員、源委員、
(欠席者)細谷委員、宮地委員、渡部委員

4.傍聴者

0人

5.会議次第

1.開会

2.議事内容(概略)

乳井会長

開館日時の拡大及び貸出冊数増冊を実施した4月から半年間、事務局に利用統計のデータを取ってもらったので、まずその説明をお願いしたい。

事務局説明

まず、貸出冊数については、前年同期と比較して、貸出上限冊数増と開館日時の拡大により、全施設平均で約30%の伸びを示した。また、一人あたりの平均貸出冊数が、平成17年度は2.6冊だったのに対し、今年度8月末現在では、3.6冊と約1冊増となった。
次に、夜間開館利用者ですが、中央館は1時間延長した結果、昨年度と比べ、曜日平均で約55%増を示している。地区館は昨年度未実施であるため比較対象はないが、2時間延長の結果、平均して約50人の方が17時以降も利用している。

乳井会長

これら結果から、何かご意見などあれば。

二ツ山委員

今年度は、区民及び地区センター図書室も貸出が伸びているようだが、この根拠をどのように推測するかお聞きしたい。

事務局

もちろんPRにも努めたが、実際は、従来利用していた方の利便性が非常に高まった結果といえる。

平野委員

日頃から中央館を利用しているが、本当に人が増えたというか、今までとは大分違うという印象を持った。また、地区館の資料では、交通の利便性の良い厚別の利用が増えているので、そういう地域性もあるのだなと感じた。

源委員

4月からの半年間で、こんなに目に見える成果が出て、また利便性が高まっているので驚いている。今後は、実施後の課題、新たに出てきた課題というのはどういったものかを話題にしていただければと思う。

久米委員

このデータ資料を見て、貸出冊数も増え、本当に良かったと思う。個人的にも、月曜日が開館となり、利用しやすくなった。あと、今回のサービス拡大の結果、新規の利用者がどれだけあったかデータがあれば教えてほしい。

谷管理課長

新規登録者は、例年と比べても、目立った伸びは示していない状況となっている。

菊池委員

今回、改革のスタートとしては非常にいい形できることができたのではないか。課題としては、どうやって新しい利用者を開拓していくかだと思う。また、それと関連して、何かを仕掛けて図書館に足を運んでもらえるよう、利用者の拡大を意識的にしていくことも必要と考える。さらに、今後指定管理者制度の導入などを議論していくにあたり、職員の専門性をどうやって高めていくかということも課題として出てくるのではないかと思う。

乳井会長

図書館のほうで、何か仕掛けていくという考えについてどうか。

谷管理課長

今までは来られるのを待つという受けの立場だったが、今後はこちらから出て行くという姿勢が必要かと考える。そして、夏休み中など、たまたま来館した小・中学生などに、引き続き図書館へ来てもらうような施策を展開していくべきと考えている。今回、秋の読書週間中に、各地区館において、子ども読書推進計画の実施事業やその紹介などをするパネル展を行う計画を進めている。

乳井会長

平野委員、読み聞かせの方は今はどうか。

平野委員

先日、読み聞かせグループで情報交換会を行ったところだが、共通の悩みは老化現象である。希望としては、図書館主催でのボランティア養成講座をしてもらい、若い方たちをどんどん養成していただきたい。

源委員

学校開放図書館のボランティアは、小学校ではかなり若いお母さんが活発に活動しているが、中学校では寂しい状況のようである。

乳井会長

今後は、情報ネットワークとともに、人の活動のネットワークを広げていきながら、図書館に導入するというかたちも、このように開館時間が広がっている中、考えていくべきと思う。

河村委員

このような開館日時の拡大が、新規利用者の開拓につながっているかどうかが一つのファクターとして関心があったが、今後1年間様子を見ていただきたい。また、今回のサービスアップは、従来の利用者の利便性が高まったということであり、市民の約7割くらいの非利用者を取り込んでいく要因が何かを調べていきたいし、図書館側でもデータをとってはどうか。

梶委員

開館日時の拡大は、一利用者としてうれしい。特に、勤労者の方にとっては、夜間開館があるのは大事なことだと思う。一番大きい問題は、貸出冊数が伸びたが、図書館が本来持つサービスが落ちていないかということと考える。リクエストやレファレンスなど、いろいろな苦情が聞こえてくる。早い話、ただの貸本屋になってはいないか。また、貸出冊数が10冊になり、どの図書館・図書室に行っても児童書の棚ががら空きになっている。児童書の蔵書をきちっとしてほしい。さらに、ヤングアダルトに対するサービスも不足しているように思う。ここを充実させることにより、もっと新規利用者の開拓ができるのではないか。

乳井会長

開館日時や冊数の要望に応えて、これだけ満足している部分がでてきているが、まだまだ図書館の課題はあるという委員の皆さんのご指摘があったと思う。これから質的な満足度を上げていくためには、子どもたちに対する配慮、働く人への配慮、これまで利用してきた人への配慮などが必要になるし、今後答申を考えていくときに、この辺りに重点が置かれていくと考える。また、図書館がどういう働きで社会教育の中で子どもたちを育てていき、札幌市なら札幌市のコモンセンス、共通の感覚というものが育っていくような場所として考えられ、またそれをつくりあげていかなければならないと考える。
では、次に大通カウンターについてご説明願いたい。

事務局説明

曜日毎の利用状況としては、日曜日が非常に少なく、水曜日が少し下がってまた上昇していくというM字型となっている。時間帯別では、10時の開室から一定であり、午後4時頃から急に利用率が上がってそのまま閉室の午後7時まで続くという状況になっている。また、貸出冊数が伸びるのは、午後5時から6時の間で、やはりお勤め帰りの方が利用しているという傾向が出ている。返却も多く、札幌市の交通の要衝ということが影響していると考えられる。予約については、中央図書館や地区図書館を上回るくらいの予約冊数となっている。
貸出冊数は、今のところ最大でも100冊前後であり、他館の利用が極端に減るということに影響するほど増えていないと考えている。

小田委員

返却も多く、貸出も金曜日が多いということで、金曜日と交通の便がいいところというのがキーワードと考える。

菊池委員

中央図書館の分館とまで言えなくても、そういった機能が都心部に求められていると感じる。

小田委員

この大通カウンターがこういうプラスの効果が出ているが、駅前にあったときにどうなるか。もっと多いのではないか

梶委員

私たちは、十何年前に「都心にふさわしい図書館」を議会に陳情したが、やはりこれだけ中心街で利用が多いということは、もしビジネスライブラリーを兼ねたものを都心につくったら、どれほど利用が多いかということを改めて感じた。

乳井会長

では、開館日時の拡大、及び大通カウンターを含めても構わないので、ご意見をいただきたい。

久米委員

大通カウンターでは、開室の10時前に返却だけでもできる方法があればいいと感じた。

事務局

返却ポストについては、営業時間外に来られる方にも対応したいと考えたが、駅舎という場所柄、防火対策が非常に厳しく、今の段階では無理との結論が交通局から出された経緯がある。

河村委員

本を借りに行くときは、必要であればどんな遠いところでも行くが、返すときはそこまで行きたくない、近くで返したいという傾向がこの大通カウンターの利用結果からも読み取れるが、今後の図書館サービスにこれが必要かということに疑問を感じる。レンタルビデオ店のようにコンビにでもどこでも返せるというサービスを推し進めていいものか。当然、借りたものをそこに返す、あるいはこれだけの図書館ネットワークの中に自宅から近い施設もあるのだから、そのくらいのことは利用者の義務として負ってもいいのでは。大通カウンターの否定ではなく、札幌市は今ある施設、ネットワークをこれだけ立派に構築しているのだから、これをうまく活用できる方法を今後発展させていってはどうかと思う。

平野委員

外へのサービスと同時に中の充実も考えてほしい。中央図書館には読み聞かせのスペースがあるが、あまり機能していないように感じる。このようなスペースに対する配慮もお願いしたい。
また、団体貸出を利用すると、1割が破損して使えないことがあった。職員の皆さんは一生懸命修理してくれているが、古い本の修理などにボランティアの導入ができたらと思う。修理や何かで協力くださる方や、ボランティアをされたい方はたくさんいるように思う。

梶委員

例えば図書館で、本の修理を覚えたい方を募集して、その中でお手伝いができる方はボランティアとして登録するようなやり方はどうか。

乳井会長

これからは、ただ貸出をしたり、本を増やしたりするのではなく、図書館で本を使って育てていったり、学んでいったりができるような形のものが求められていくのではないか。その辺りの見通しはどうか。

谷管理課長

図書館が貸本屋であるべきでないというのは大命題だと思っている。今後は、いかに利用者のニーズを的確に把握して、それに対する情報を発信していけるか、サービスを展開していけるかだと考えている。

二ツ山委員

こういう会議は、予算の許す限りで何回も開いてくれれば、少しずつでもいい意見は出るのではと思う。ちょっと来て意見を言うのは難しいと感じた。

源委員

皆さんが本当に図書館に対する方向性や夢を持っていて、大変勉強になった。これを実現するとなると、優先順位もあり、中の問題、外の問題もあり、一つ一つ地道に、どこから手がけていけばいいかという問題が出てくると思うので難しいと感じた。

久米委員

大通カウンターができたことにより、返却が便利になったのであれば、近くの図書館に本を借りに入ってみようと利用する方が増えてくれればいいと感じた。

菊池委員

今後の課題は、私たちや市民なりが議論して生み出していくアイデアをどれだけ出していけるか、限られた予算や人材を使い、それをどうやって形にするかだと思う。
キーワードとしては、地域ボランティアなどの人材ネットワークがあると思う。また、都心部にある民間企業が持っている人材なり場があるので、そこに可能性がないのかと考える。

乳井会長

最後に、皆さんの意見を聞いて強く感じたことが二つあるのでお話したい。
図書館は、札幌の地域というもののコモンセンスをどんどん高めていくために機能していかなければならないという認識がある。これを形成していくために、いろんな人たちの知恵をかりて、インフラとして必要な部分が出てくるということを検証していく必要があると考える。これが一つ。もう一つは、民間企業や大学のすぐれた知恵を市民レベルに下げていく。いわゆる専門知識の市民化ができるような形としての図書館が望まれていくだろうと思う。
やはり、この二つの課題を解決していくことがあって、そのコモンセンスをつくっていくために、今、量的な拡大をし時間的な利便性をつくっていきながら、次に質的な転換を図っていきたい。札幌という街の中の一助としてというか、中心的な働きとして図書館というものがあるというような答申ができていくと、私たちの使命もかなり強いものになると思う。
今後については、少し草案をつくる必要があるが、全員でというわけにはいかないので、何人かの方に草案づくりをしていただきたいと思っている。その人選と進め方については、私に一任いただきたいがどうか。

(「異議なし」の声)

乳井会長

それでは、草案づくりに当たった方につきましては、ぜひ皆さんの意見をまとめていけるような形にしていただければと思う。どうかよろしくお願いしたい。

3.閉会

乳井会長

事務局から何かないか。それでは、今日はこれで話を終わりたい。

平成19年(2007年)5月2日

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