ここから本文です。

更新日:2023年1月10日

旭山自然調査隊:私たちの守るもの2022(テキスト版)

<司会>

つづいては「旭山自然調査隊」の皆さんです。発表タイトルは「私たちの守るもの2022」です。それではよろしくお願いします。

<児童・生徒>

皆さんこんにちは、私たち旭山自然調査隊は旭山の森で暮らす生き物の繁殖地を守っています。生き物のえさや棲みかとなる元々あった森や水場環境を守り、持ち出さない持ち込まないを合言葉に、生物多様性を守っています。

まずは水辺の命を守る活動についてです。その一、二ホンアマガエル計画、5月旭山記念公園の学びの森というエリアに、プラスチック製の池を埋めました。二ホンアマガエルの産卵場所を作りました。

この場所は毎年、二ホンアマガエルの声が聞こえる場所です。まだ姿を見たことがないので、産卵場所を作れば観察できると考え、池を作りました。来てくれると思いましたが、野鳥が水場として使うだけで、二ホンアマガエルは来ませんでした。

ぼくたちはどうして産卵場所に使われなかったか、その原因について話し合いました。その結果、池を埋める場所をもっと日影にし、水が少しでも入れ替わるように、埋める高さを低くし、また来年挑戦することにしました。

その二、ふしぎ池だいかいぼう計画、今年9月、ふしぎ池を呼んでいる池を調べました。この池は2016年から、毎年3月から4月にかけてエゾアカガエルやエゾサンショウウオの観察している、湧き水のある池です。池の大きさや深さを測り、溜まったものがどんなもので、どのくらい溜まっているか調べました。その結果は、葉っぱの腐ったドロドロのものや雪解け水と一緒に入った土砂がかなり溜まっていることがわかりました。

バケツリレーで堆積物を取り除きましたが、取り除けた量はわずかでした。これからも生き物が産卵場所に使えるよう堆積物を取り除き、酸素不足を防ぐ作業と池の面積を小さくしていっている土砂を定期的に行うことが必要だと考えます。

次は里山的環境を守る活動についてです。5月には学びの森エリアに散策路や案内看板を取り付けました。6月には近くに通う小学校の皆さんと、オオハンゴンソウを取り除く作業をしました。

エコスタックのある、巨木の谷エリアは2018年、2019年とニセアカシアを伐根したエリアです。毎年春先、ニセアカシアが横臥してくるので、取り除く作業をしてきました。活動が実を結び、今年はほとんど出てきませんでした。

私たちは2016年から、オオムラサキの幼虫のえさである、エゾエノキを植えてきました。園内をオオムラサキが飛び回ることを想像しながら、エゾエノキを点々と円になるように植えてきました。

今年の6月、ついに巨木の谷エリアに植えた木に、オオムラサキの幼虫がいるのを見つけました。無事、幼虫はチョウになり、7月には新たな卵を産みました。卵から孵った小さな幼虫は順調に成長しています。

僕たちが活動を始めたころは、園内には樹齢100年のエゾエノキが1本あるだけでした。オオムラサキが繁殖できる新しい木を育てるために、植樹や育樹を行ってきました。巨木の谷で幼虫を見つけた時、僕たちの夢がかなった瞬間でした。これからもオオムラサキの命がつながっていくと思うと、本当にうれしいです。

私たちはこれからも、在来の樹林や水辺の環境を守り、多く生き物が暮らす旭山を守る活動を続けていきたいです。そして、1種類でも多くの生き物をこの目で見たいです。

今年も私たちの活動を支えてくれた、多くの人たちに感謝します。

<司会>

ありがとうございました。元気な発表でした。自然の中で様々なことについて調査されたのですね。ご紹介ありがとうございます。

このページについてのお問い合わせ

札幌市環境局環境都市推進部環境政策課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎12階

電話番号:011-211-2877

ファクス番号:011-218-5108