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更新日:2019年12月16日

ダイオキシン類とは

ダイオキシン類は、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられる工程で、意図せずに生成するポリ塩化ジベンゾ-パラジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)と、ポリ塩化ビフェニル(PCB)の一種であるコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を含めてダイオキシン類と呼びます。これらの化合物は、塩素の付く数や位置によって形が変わるので200種類以上の仲間があります。

~このページの目次~

  1. ダイオキシン類の毒性
  2. TEQ(等価毒性)とは
  3. 日本人のダイオキシン類摂取量は
  4. 耐容1日摂取量(TDI)とは
  5. ダイオキシン類の環境基準について
  6. 特定施設設置者によるダイオキシン類の測定について
  7. ダイオキシン類に係る排出基準等について

 ダイオキシン類の毒性

ダイオキシン類は、「青酸カリの約2万倍の毒性があると報告されており、人工物質としてはもっとも強い毒性を持つ」と言われていますが、これは日常生活で摂取する数十万倍の量であり、私たちにとって急性毒性が生ずることはないと考えられます。世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、ダイオキシン類のうち、2,3,7,8-四塩化ジエンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)を人においても発がん作用を有する物質として分類しています。また、生殖器官、中枢神経系、免疫系における毒性が着目され、毒性評価の指標としています。

 TEQ(等価毒性)とは

ダイオキシン類は種類によって毒性が大きく異なるので、毒性を評価するときには、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)の毒性を1として、他のダイオキシン類の毒性の強さを換算して評価します。この場合TEQという単位が使われます。

ToxicEquivalentsQuantity

 日本人のダイオキシン類摂取量は

体内に取り込まれるダイオキシン類の大部分は食品を経由しているものと考えられています。平成12年度の厚生労働省の調査によると、食品からのダイオキシン類(含コプラナーPCB)の1日の平均摂取量は、体重1キログラムあたり1.45ピコグラム(pg)で、現時点で食品衛生上の問題はないものと考えられています。

※注1pg(1ピコグラム);0.000,000,000,001g(1兆分の1グラム)

1ng(1ナノグラム);0.000,000,001g(10億分の1グラム)

 耐容1日摂取量(TDI)とは

一生涯毎日摂取しても私たちの健康に被害を及ぼさないと考えられる量で、ダイオキシン類について、体重1キログラムあたり4pgとされています。

ダイオキシン類の環境基準について

平成12年1月より施行されているダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシン類による大気・水質・土壌等の汚染について、表-1のとおり、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい環境上の基準を定めています。

表-1 ダイオキシン類に係る環境基準
媒体 基準値

大気

0.6pg-TEQ/m3以下

水質

1pg-TEQ/L以下

水底の底質

150pg-TEQ/g以下

土壌

1,000pg-TEQ/g以下

備考

1.基準値は、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値とする。

2.大気及び水質の基準値は、年間平均値とする。

3.土壌にあっては、環境基準が達成されている場合であって、土壌中のダイオキシン類の量が250pg-TEQ/g以上の場合には、必要な調査を実施することとする。

 特定施設設置者によるダイオキシン類の測定について

ダイオキシン類対策特別措置法では、一定規模以上の廃棄物焼却炉等を設置する事業者は、排出ガス等のダイオキシン類を年1回以上測定し、その結果を政令指定都市にあっては市長に報告し、市長はその結果を公表することを義務づけています。
なお、この測定は、平成12年1月14日以前から設置している既存施設については毎年1月15日から翌年1月14日までの間に測定を行うこととなっております。ただし、平成12年1月15日以降に設置を行った施設は、設置することとなった日(工事着手日)から1年の間に測定を行うこととなっております。

 ダイオキシン類に係る排出基準等について

ダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシン類の環境基準を確保するために、ダイオキシン類を排出する施設を指定し、それぞれに表-2~4のとおり排出基準等が定められております。

表-2 排出ガスに係る特定施設及び大気排出基準(単位:ng-TEQ/m3N)
特定施設の種類 施設規模
(焼却能力)
大気排出基準
(H12年1月15日以降設置等)
既存施設の基準
(H12年1月14日以前設置)
廃棄物焼却炉
焼却能力50kg/時以上
又は火床面積0.5m2以上
4t/時以上

0.1

1

2t/時以上~4t/時未満

1

5

2t/時未満

5

10

製鋼用電気炉

0.5

5

鉄鋼業焼結施設

0.1

1

亜鉛回収施設

1

10

アルミニウム合金製造施設

1

5

注:既に大気汚染防止法において新設施設の指定物質抑制基準が適用されている施設については、新設施設の排出基準が適用される。

表-3 廃棄物焼却炉である特定施設に係るばいじん等に含まれる量の基準(単位:ng-TEQ/g)
種類 ダイオキシン類の量の基準 既存施設に係る量の基準
(H12年1月14日以前設置)
ばいじん等

3

(3)

注:既設施設のばいじん等については、省令で定められた方法により処分を行う限り適用されない。

表-4 排出水に係る特定施設及び水質排出基準(単位:pg-TEQ/L)
特定施設の種類 水質排出基準

1 硫酸塩パルプ又は亜硫酸パルプの製造の用に供する塩素又は塩素化合物による漂白施設

2 カーバイド法アセチレンの製造の用に供するアセチレン洗浄施設

3 硫酸カリウムの製造の用に供する廃ガス洗浄施設

4 アルミナ繊維の製造の用に供する廃ガス洗浄施設

5 担体付き触媒の製造の用に供する焼成炉から発生するガスを処理する廃ガス洗浄施設

6 塩化ビニルモノマーの製造の用に供する二塩化エチレン洗浄施設

7 カプロラクタムの製造(塩化ニトロシルを使用するもの)の用に供する硫酸濃縮施設、シクロへキサン分離施設、廃ガス洗浄施設

8 クロロベンゼン又はジクロロベンゼンの製造の用に供する水洗施設、廃ガス洗浄施設

9 4-クロロフタル酸水素ナトリウムの製造の用に供するろ過施設、乾燥施設、廃ガス洗浄施設

10 2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンの製造の用に供するろ過施設、廃ガス洗浄施設

11 ジオキサジンバイオレットの製造に係るニトロ化誘導体分離・洗浄施設、還元誘導体分離・洗浄施設、ジオキサジンバイオレット洗浄施設、熱風乾燥施設

12 アルミニウム又はその合金の製造の用に供する焙焼炉、溶解炉又は乾燥炉に係る廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設

13 亜鉛の回収(製鋼用電気炉の集じん機で集めたばいじんからの回収)に係る精製施設、廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設

14 担体付き触媒からの金属の回収の用に供するろ過施設、精製施設、廃ガス洗浄施設

15 廃棄物焼却炉に係る廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設、灰の貯留施設であって汚水又は廃液を排出するもの

16 廃PCB等又はPCB処理物の分解施設、PCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設又は分離施設

17 フロン類の破壊の用に供するプラズマ反応施設、廃ガス洗浄施設、湿式集じん施設

18 上記の施設から排出される下水を処理する下水道終末処理施設

19 上記の施設を設置する工場又は事業場から排出される水の処理施設

10

注1:廃棄物の最終処分場からの放流水に係る基準は、最終処分場の維持管理の基準を定める命令により10pg-TEQ/Lと規定。

注2:水質排水基準は、特定施設を設置している事業場から公共用水域に排出される排出水について、排出口ごとに適用される。

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