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更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1982)

=短報=カンピロバクター・ジェジュニ菌による集団下痢症について(PDF:514KB)

わが国で、カンピロバクター・ジェジュニ菌がヒトの下痢症の起因菌として、1979年に吉崎らがはじめて報告して以来、新しい菌種による下痢症起因菌として注目されてきた。この菌は微好気性であることと、特殊な培地を必要とするため、その分離は困難とされてきた。われわれは、1981年はじめから本菌を検出する機会を待っていたところ、6月、東北地方を修学旅行した中学生の間に発生した下痢症患者から本菌を分離し得た。集団旅行団は総員297名、発病者は112名、発病率37.8%で、主な症状は下痢78.6%、発熱76.8%、腹痛66.1%だった。原因食品は不明だった。北海道においてこの菌による集団発生の報告は、はじめてと思われる。(41-43ページ)

札幌市における過去10年間の食中毒事例(昭和47年~56年)(PDF:413KB)

札幌市において、過去10年間にわたって検査した食中毒事例について、検査結果を発生年別、起因菌別等に集計した。その結果は、札幌市で発生した食中毒の大半は腸炎ビブリオ菌とコアグラーゼ産生ブドウ球菌によるもので、特に、夏期、鮮魚介類によって起こる腸炎ビブリオ菌によるものが多いというものであった。(44-49ページ)

札幌市におけるインフルエンザの流行について(PDF:92KB)

1981年~1982年のインフルエンザ様疾患の流行は、12月と2月~3月にかけて2度あった。12月の流行からはA(H3N2)型、2月~3月の流行からはB型、A(H3N2)型が分離された。今回の流行は、A(H1N1)型が流行した昨年に比べると小規模で、学級閉鎖53校、患者数32,230人であった。(50-53ページ)

札幌市における風しんの流行について(PDF:88KB)

昭和55年の風しんの流行を、昭和50年の大流行と風しん抗体陰性率を中心に比較した。その結果、昭和55年の流行は前回の流行に比べて規模が小さかった。16~20歳の年齢階級での風しん抗体陰性率が昭和53年から低下し始めたが、それはワクチン接種による効果と考えられる。(54-56ページ)

低出生児における代謝異常スクリーニングの採血時期の検討(PDF:170KB)

ガスリー法で代謝異常検査用ろ紙中のアミノ酸の測定を行い、出生体重の違いによってアミノ酸の測定値に相違があるか否かについて採決日齢別に比較した。5~9日齢においてヒスチジンの平均値が2,500g以上と500~1,499gとの間で有意の差を認めたが、フェニールアラニン、メチオニン、ロイシンと同様に日数増加とともに低下したため、低出生体重児の採血日齢を普通児と同様に実施しても先天性代謝異常を見逃す危険性は少ない。(57-63ページ)

クレチン症マス・スクリーニングにおける低出生体重児の甲状腺ホルモン濃度(PDF:101KB)

甲状腺ホルモン(以下「T4」を指標とするクレチン症マス・スクリーニングでは、低出生体重児がT4低値をfalsepositiveの大きな要因となる。T4低値がクレチン症によるものか、低体重によるものかを鑑別するには、低出生体重児の採血時期を従来の生後5~7日に加えて、生後30日程度で採血しスクリーニングすべきである。(64-67ページ)

札幌市における神経芽細胞腫マス・スクリーニング(PDF:132KB)

札幌市では、昭和56年4月から乳幼児の採尿ろ紙による神経芽細胞腫マス・スクリーニングを開始した。スクリーニングは、その疾病の性質上、発見もれの少ない方法でなければならないことから、バニールマンデル酸(以下「VMA」)の定性に加え、ホモバニリン酸(以下「HVA」)を定量し、さらに疑わしいものについては高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」)により測定するという方法で実施している。このスクリーニング法により、第1例目の症例が発見され、早期治療が行われた。(68-72ページ)

札幌市における一般住居の室内環境について(第1報)-冬期間の実態調査成績-(PDF:127KB)

積雪寒冷地としての札幌市における冬期間の一般住居の室内環境実態を調査した。その結果、温度はやや高めなうえ、上下の温度差が開いており、湿度は低く乾燥気味であった。しかし、汚染条件はいずれも低レベルで問題となる項目はなく、衛生試験法注解の普通室内空気試験成績判定基準(以下「基準」)では、それがすべて適であり、その評価もほとんどが優で、全体に極めてよい成績であった。(73-76ページ)

羊毛防虫加工剤DTTBの含有量実態調査(PDF:91KB)

羊毛製品の防虫加工剤DTTB(4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール)について、公定法によって、羊毛製品(毛糸、服地、カーペット見本など)中の含有量を調査した。カーペット見本の一部から10.3~92.5μg/gのDTTBが検出されたが、他の製品からは検出されなかった。(77-80ページ)

高速液体クロマトグラフィーによる食品中のビタミンAとビタミンEの同時定量について(PDF:114KB)

高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」)による、食品中のビタミンA(V.A-OHとして)とビタミンE(α-トコフェロール=α-Tocについて)の同時定量法を検討した。カラムに逆相分配型のLichrosorb RP-8を用い、試料をけん化後、その石油エーテル抽出液を減圧濃縮し、メタノールに溶かし、メンブランフィルターでろ過して、HPLCに注入した。市販食品9検体について分析したところ、測定結果は表示値とほぼ一致した。(81-85ページ)

食品中の天然着色料の分析について(PDF:134KB)

ポリアミドバッチ法による水溶性天然着色料の分析と、薄層クロマトグラフィー(以下「TLC」)及び高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」)による油溶性天然着色料の分析を行った。水溶性天然着色料は、ポリアミドバッチ法で行い、4種の溶出溶媒を用いることによって、アントシアニン系色素他4群に分割することができた。また、油溶性天然着色料は、HPLCによって、高脂肪試料についても分離確認することができた。本法により、市販食品中の天延着色料の分析を行ったところ、16種の色素が検出された。(86-90ページ)

河川底質調査(第1報)-札幌市内河川底質中のLASについて-(PDF:143KB)

高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」)を用いて札幌市内河川底質中の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下「LAS」)濃度を測定した。その結果、茨戸川水系から0.2ppm~13ppmの範囲でLASが検出され、他の水系と比較して高濃度であった。また、LAS濃度とメチレンブルー比色法によるMBAS濃度とを比較すると、各地点での比(MBAS/LAS)の平均が7.9であり、底質試料においては、MBAS濃度から陰イオン界面活性剤の濃度を評価することは難しいと考えた。(91-97ページ)

河川底質調査(第2報)-濃度相関マトリックス法による札幌市内河川底質の検討-(PDF:402KB)

札幌市内主要河川の20地点における底質中のHg、As、Fe、Mn、Zn、Cu、Ni、Pb、Cd、MBAS、T-N、T-P及びPCBを定量した。この結果を濃度相関マトリックス法を用いて解析し、底質の汚染指標としての対照値を算出するとともに、同一水系の調査地点間における底質の類似性について検討した。この結果、汚染を受けているとみられる地点の原因推定及び調査地点間の類似性を判定した。(98-104ページ)

札幌市内の河川における水生生物相(第2報)-豊平川の底生動物及び付着珪藻-(PDF:817KB)

昨年に引き続き、豊平川流域の水生生物調査を行ったが、本年は底生動物(11地点)の他に付着珪藻調査(15地点)も併せて行い、豊平川のほぼ全域にわたっての調査を実施した。調査方法は「水質管理計画調査報告書」にほぼ準じて行った。その結果、付着珪藻ではクチビルケイソウCymbella ventricosaが12地点で優占種となり、底生動物では8地点でユスリカ科(白色又は緑色)が優占種となった。水質階級の判定としては、ほぼos(貧腐水性)からβ-ms(中腐水性)となったが、付着珪藻調査結果に生物指数(B.I)を使用すると、その地点の種数の影響を受けやすく、水質評価の方法としては、あまり適さないものと考えられた。(105-123ページ)

札幌市における河川の水質変動について(第2報)-新川水系について-(PDF:149KB)

新川水系の過去5年間の環境監視データ(60検体)を用いて、時系列解析を試み、長期傾向変動と周期変動を明らかにした。地点、項目によって異なった周期変動が認められ、卓越周期は12ヶ月、6ヶ月周期が多かった。(124-132ページ)

札幌市内3工場におけるトルエン発生源調査について(PDF:193KB)

本トルエン調査は、昭和56年度環境庁委託業務、非特定重大障害物質発生源等対策調査の一環として行った。
(133-141ページ)

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札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

〒003-8505 札幌市白石区菊水9条1丁目5-22

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