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更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1984)

神経芽細胞腫マス・スクリーニングにおける尿中VMA・HVA値について(PDF:193KB)

昭和56年1月から実施している神経芽細胞腫マス・スクリーニングにおいて、58年度にはあらたに3例の患児を発見したが、いずれも摘出手術後の経過は良好である。より高精度なスクリーニングを行うために、高感度名電気化学検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによる検査法を検討し、約3,000検体の乳児の尿中VMA、HVA値を測定した結果、その正常値について若干の知見を得るとともに、クレアチニン補正の妥当性を確認した。(41-47ページ)

新生児の甲状腺機能と先天性甲状腺機能低下症のマス・スクリーニング(PDF:376KB)

新生児において、甲状腺刺激ホルモンは日令、生下時体重、在胎週数と関係なく一定であるが、サイロキシン、フリーサイロキシンは、未熟児で生下時体重が低く、在胎週数が短い児ほど低値となり、その後日令の増加とともに正常域に達する。未熟児の先天性甲状腺機能低下症のマス・スクリーニングでは、甲状腺刺激ホルモンだけでなくサイロキシンおよびフリーサイロキシンの測定が必要であり、スクリーニングの回数も現行の日令5~7に加えて、体重が2,500g以上または修正在胎40週以上の時点でのスクリーニングも必要である。(48-55ページ)

札幌市における一般住居の室内環境について(第2報)-冬期間における温湿度分布-(PDF:280KB)

札幌市における一般住居の冬期間の室内温湿度分布を調査したところ、建築後経過年数、暖房方式などにより差がみられた。即ち、新しい家屋は、断熱性、気密性などの点で優れているため、良好な温度条件であった。一方、古い家屋では、熱流率が大きいため、上下の温度差が激しかった。また、相対湿度は極端に低く、乾燥状態であった。
(56-65ページ)

札幌市における一般住居の室内環境について(第3報)-季節変動-(PDF:133KB)

札幌市における一般住居の室内環境の季節変動を調査したところ、相対湿度の変動は顕著で、気温、炭酸ガス濃度、落下真菌数、ダニ数にも変動がみられた。しかし、浮遊じんあい、落下細菌数では、季節変動はみられなかった。
(66-69ページ)

水中アンモニアのオルトフタルアルデヒドによるけい光定量について(PDF:122KB)

2-メルカプトエタノールの存在下でアンモニアとオルトフタルアルデヒドが縮合してけい光を呈することを利用した数例の定量法の報告がある。これらの方法を改良した結果、より安定したけい光強度が得られ、0.1~2.0mg/lの範囲で検量線が直線性を示した。これを地下水中のアンモニアの定量へ応用したところ少量の試料で短時間の分析が可能であった。(70-74ページ)

食物消費パタン別にみた食品添加物と栄養素の1日摂取量の検討(PDF:257KB)

食品添加物と栄養素の摂取量較差を把握する方法として、偏差パタン類似率を用いて食物摂取状況を数量化し、これにクラスター分析(Ward法)を適用する方法を検討した。当所職員からなる集団を4群に分けたところ、各群間において、食品添加物の摂取量には数倍の較差が見られたが、栄養素の摂取量にはきわだった較差はみられなかった。
(75-84ページ)

有機酸5項目の1日摂取量について(PDF:391KB)

昭和58年度厚生省食品化学課による「食品添加物生産量、流通量、消費量の総合的把握に関する調査研究」研究班の一員として食品添加物1日摂取量方式に基づいて調整された全国9都市10機関の試料中の有機酸5項目、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸およびリンゴ酸を分析し、1日摂取量(天然成分を含む)を算出した。検出割合は酒石酸をのぞいては非常に高く、1日摂取量は最高がクエン酸の693mg、最低が酒石酸の31.2mgであった。ADIが設定されている酒石酸、フマール酸については体重50kgとして対比するとそれぞれ21%、15.2%にすぎなかった。(85-90ページ)

市内排水路水質検査結果の解析(第1報)(PDF:449KB)

昭和58年4月から行っている病原菌等サーベイランス事業の排水路水質の化学検査結果等について濃度相関マトリックスおよびWQI(Water Quality Index)を用いて解析を行ったところ、サーベイランス事業の発端となった地点とは、濃度相関マトリックスでは3地点で、また、WQIの結果では汚濁の程度が同等かそれ以上の地点が15地点中7地点あることが判明し、これらの手法が排水路水質の解析を行ううえで有効であった。(91-97ページ)

メンブランフィルター法による河川水中のふん便性大腸菌群の検討(PDF:167KB)

メンブランフィルター法により河川水中のふん便性大腸菌群を精度よく検出することができた。メンブランフィルター法によるふん便性大腸菌群の検出は、河川の糞便汚染状況を把握する上で、極めて有効な方法である。(98-102ページ)

河川水中の多環芳香族炭化水素の分析(PDF:193KB)

河川水中の12種の多環芳香族炭化水素(PAH)を高速液体クロマトグラフィーで定量する方法について検討した。UV検出器とけい光検出器を接続し、それぞれ波長を変化させ、1試料につき2回注入することによって各PAHがより正確に同定できた。また妨害物質除去のため、市販のSEP-PAK Silica Cartridgeを用いた結果、初期溶出成分が簡便に除去でき、各PAHの定量が容易になった。河川水への添加回収率は、各PAHについてそれぞれ88~104%と良好であった。本法を市内の河川水へ応用した結果、数ng/lのPAHが精度良く定量できた。(103-109ページ)

濾紙血液フリーT4測定によるクレチン症マス・スクリーニングの検討(PDF:99KB)

(111-114ページ)

羊水中の副腎皮質ホルモンの高速液体クロマトグラフィーによる測定について(PDF:67KB)

先天性副腎皮質過形成のハイリスク妊婦を対照に、胎児に対する当該疾患の診断可否を検討する目的で、予試験として、正常妊婦の各妊娠週数における羊水中の副腎皮質ホルモンの測定を行った。(115-116ページ)

クレチン症マス・スクリーニングの精度管理について(PDF:72KB)

TSHを指標とするクレチン症マス・スクリーニングの51回の圧制において、5種類のコントロール検体についての測定を行い、その変動を追跡する精度管理を試みた。その結果、Χ管理図とwithin-assay variance、between-assay varianceを適用した場合には、実験者、標準検体、試薬のロットの相違を考慮すべきことが判明したので報告する。(117-119ページ)

逆相イオンペアクロマトグラフィーを用いた乾燥血液ろ紙中のアミノ酸分析(PDF:105KB)

先天性代謝異常検査の公定法であるガスリー法は、マス・スクリーニングとして優れた方法であるが、抗生物質等によるいわゆる「抜け」検体や、検査に長時間を要するなどの問題点がある。そこで、我々は補助手段として、林らにより考案された逆相イオンペアクロマトグラフ装置を購入し、健常児108件とフェニールアラニン高値の患児3例について、各種のアミノ酸を測定したので報告する。(120-122ページ)

札幌市における病原大腸菌の検出状況について(PDF:434KB)

(123-129ページ)

1983~1984年の札幌市におけるインフルエンザの流行について(PDF:118KB)

今季のインフルエンザ様疾患の集団発生は、例年に比べて早い9月末に、東京都において初発があり、その後11月に本格的な流行となって、A(H1N1)型が分離されt、札幌市においても例年より1ヶ月早い11月下旬に集団発生の初発があった。1980年以降の札幌市におけるインフルエンザの流行は、A(H1N1)型が1980、81年、A(H3N2)型が1982、83年、そしてB型が1980、82年に流行している。このような状況のもとで、1984年4月~6月にあたかも11年前の1973年におけるB/香港/72型の大流行を思わせるB型の流行を経験し、若干の知見を得たので報告する。(130-133ページ)

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札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

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