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更新日:2018年10月30日

平成30年度第11回定例市長記者会見記録

日時

2018年10月26日(金曜日)14時00分~14時39分

場所 記者会見室
記者数 21人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 「平成30年北海道胆振東部地震」の被災者支援状況等について

 発表項目に入ります前に、9月6日に発生しました北海道胆振東部地震の被災者支援の状況につきまして、お手元に資料を配布させていただいております。
 この資料につきましては、今後、月初めの記者会見資料に添付いたしまして、各種支援制度の利用実績などについてお知らせしたいと考えております。
 また、昨日(10月25日)、報道発表させていただいておりますけれども、札幌市独自の新たな支援策といたしまして、被災宅地の地盤の復旧工事や、沈下した住宅基礎部分のジャッキアップなどに要する費用の一部を補助することといたしました。
 さらに、被災者家屋の公費での撤去につきまして、これまでは対象をり災証明の全壊のみとしておりましたけれども、大規模半壊・半壊まで拡大いたします。共に、週明けの10月29日から受け付けを開始いたします。
 併せて、被災した住宅の再建に向けた参考としていただくために、住宅等の復旧にご利用いただける制度を被災の程度ごとに分かりやすく整理した「住宅再建ガイド」というものを作成いたしまして、来週中には配布を開始したいと考えております。配布時期などが決まりましたら、あらためて報道発表させていただきますので、報道機関の皆さま方には、周知方をよろしくお願い申し上げます。

 中国・北京市および瀋陽市における観光PRの実施について

 中国の北京市と札幌市の友好都市であります瀋陽市に、観光PRのために出張いたします。私といたしましては、震災後初めてとなります、直接、海外向けの観光PRをするということになりまして、来月(11月)の4日から6日まで出張いたしますので、お知らせいたします。
 このたびの地震によりまして、道内では、9月だけで延べ114万9000人の宿泊キャンセルがございました。観光への影響額も356億円に上るなど、札幌、そして北海道の基幹産業であります観光分野にも深刻な影響が出ておりまして、今後も、札幌・北海道経済への影響が続くことが懸念されております。
 札幌では、これから、「さっぽろホワイトイルミネーション」や「ミュンヘン・クリスマス市」、さらには、70回目の開催となります観光イベント「さっぽろ雪まつり」など、外国人観光客にも大変人気のあるイベントの開催を控えておりますので、特に例年、多くのお客様にお越しいただいている中国において、札幌・北海道が元気であるということを発信していくことは大変重要であると考えております。
 北京では、在中国日本国大使館や中国日本友好協会などを訪問させていただきまして、札幌が地震発生前と変わらず観光を楽しむことができる、おもてなしをしっかりできるということをアピールしてまいりたいと考えております。
 また、瀋陽市の姜有為(キョウ・ユウイ)市長からは、地震の際にお見舞いと温かい励ましの書簡をいただいておりますので、この機会に直接お礼を申し上げるとともに、今後のさらなる交流促進に向けた意見交換のほか、現地メディアにて情報発信をしてまいりたいと考えております。
 札幌・北海道の観光需要の回復に向けて、札幌市・経済界・観光業界が一致団結して、風評被害の払拭と集客の促進に取り組んでまいりたいと考えておりますので、報道機関の皆さま方には周知方をよろしくお願い申し上げます。

 JR苗穂駅自由通路の供用開始と新苗穂駅の開業について

 JR苗穂駅の自由通路の整備と駅舎の移転が完了いたしまして、いよいよ11月17日からご利用いただけることになりました。
 苗穂駅周辺地区につきましては、(JR)札幌駅から約2キロメートルという好立地にもかかわらず、これまでは、JR函館線による南北地域の分断でありますとか、駅周辺に点在する空き地の未利用など、まちづくりの点で多くの課題を抱える地区でありました。
 こうした課題の解決に向けて、平成3年(1991年)に、地元の住民の皆さまから、苗穂駅の北口開設に関する要望をいただいて以降、地域やさまざまな関係者の皆さまと協働でまちづくりに取り組んできたところであります。
 このたびの自由通路の完成、そして苗穂駅の移転によりまして、地域の皆さまが望まれていたように、南北地域の分断が解消されることで、回遊性が高まり、地域の活性化につながるものと考えております。
 さらに、2019年度には南北の駅前広場が完成予定でありますほか、2020年度以降には、民間開発により設置される空中歩廊を通じて、自由通路と駅北口側にあるアリオ札幌が直結する予定でありまして、買い物など生活面でも利便性が向上いたします。
 また、北3条通と北8条通をつなぐ「苗穂駅連絡通」の整備や、駅周辺における民間開発も進んでおりまして、これから苗穂地区は大きく変わることとなると思います。
 苗穂駅周辺地区は、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」におけるまちづくりの重要な拠点としておりまして、今後も、創成イーストのまちづくりと連携して、地域の活性化と魅力の向上を図ってまいりたいと考えております。引き続き、ご注目いただくようお願い申し上げます。

質疑応答

 中国・北京市および瀋陽市における観光PRの実施について(1)

時事通信

 地震後、観光客の出足は戻ってきていると思いますが、今朝(10月26日)いらしていた(札幌)狸小路商店街の方もおっしゃっていましたけれども、国ごとに出足にばらつきがあるというお話をされていて、中国ではどういうところをセールスポイントとして強調していくおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

市長

 宿泊の状況では、震災前の8割ぐらいまで稼働率は戻ってきているというふうに各施設等から聞いております。ただ、国内のお客様が多い状況のようでありまして、非常に好調だった海外からのお客様はまだまだのようであります。
 とりわけ、韓国、それから中国からのお客様については、中国は地域によっては違うと思いますけれども、地震があまりない所が多いということで、地震に対しての不安が非常に大きいというふうに聞いております。そういう意味で、総領事館の方や行政のトップ、あるいは、いろいろな経済界のトップの人たちから、いわゆる安全宣言のような形で直接お話をいただくのが効果的なのではないかというようなサジェスチョン(示唆)などもありまして、韓国、それから中国、そして、これから冬に向かいますので、東南アジアの方々への観光プロモーション、こういった所も一つのターゲットにして進めていきたいと考えております。

 地震における課題の解消に向けた検証について

時事通信

 地震に関連して、初動対応の検証について2点ございます。
 検証する体制ですね。例えば、PT(プロジェクトチーム)であったり会議であったり、どういう規模感を想定していらっしゃるのかというのと、あとは、時期のめどとして、例えば年内に始めたいとか、そういうおおよそのスケジュールが決まっていればお聞かせいただけますか。

市長

 今、全局区を通じて、それぞれの初期対応等について検証を始めてほしいという指示をしています。それは、災害時の初期対応、さらには避難所の運営、防災関係機関との連携等はどうだったのか、そして、住民への情報提供というようなことはどうだったのか、加えて、停電によります対応上の支障がいろいろと出ておりましたので、こういったことでの課題の抽出をすでに指示しております。
 この後、そういったものを取りまとめながら、必要に応じて有識者からの助言をいただくような形なども考えておりますし、住民の方からも、住民の立場で、どういう状況であったのか、避難所あるいは情報提供がどうだったのかということについてもアンケート調査などをしたいと思っています。
 これらは、(2019年)2月ぐらいをめどに検証結果をある程度まとめて、(2019年)3月に予定しております(札幌市)防災会議で報告をさせていただく、このようなスケジュール感を考えております。

時事通信

 市長は、前回(10月23日)の災害対策(本部)会議で、すみやかに対応するものと中期的に進めるべきものを分けて考える必要があるというお話がありましたけれども、すでにそれぞれの課題が見えているものがあればお聞かせいただけますか。

市長

 例えば、里塚の復旧、こういったところには少し時間がかかってくるものと考えておりますし、避難所の環境改善も、すぐにできるものと、例えば、非常用電源の配備のようなものは、各学校ですとか公共施設に配置するということになると、これは、かなり計画的にやっていかなければならないだろうと思います。どの程度のものを用意するのかということにも、非常用電源の規模にもよりますし、今、全国的にやはり品薄というようなことにもなっていますので、発注をしてどの程度で調達が可能なのかというようなことも含めて、短期的にすぐできるものと中期的に全体計画を作りながら進めていくもの、こういったものに切り分けていかなければならないかと思っています。
 連絡体制のことですとか、避難所の管理体制のようなものについては、比較的、内部検討だけで済んでいきますので、こういったものについては、見直しは早期に対応できるのではないかなと思っています。そういう意味では、軽易なものについては、すぐにやっていくというものに位置付けてやっていきたいと思います。
 例えば、住民の方々の防災への備え、あるいは、そのエリアで注意をしていただくような「地震防災マップ」の全戸配布は早急に進めていきたいと思っています。

時事通信

 スケジュールで来年(2019年)の3月までに取りまとめるとおっしゃったのは、いわゆる短期的にすぐできそうなものを中心に。

市長

 検証の結果として、課題を今後どういうふうにしていくかということ、やれるものはすぐ解決をしていくということですが、その中で、例えば、非常用電源の整備というようなことになっても、非常用電源の整備をどういうふうなスケジュール感でやるかということは、3月までに整理するということではありません。

 免震・制振オイルダンパーの国土交通大臣認定等への不適合について(1)

北海道建設新聞

 一部メーカーの免震装置のほうに、データ改ざんであったりとか、建築基準法の法令違反であったり、大臣認定の不適合という恐れがあるということが問題として発覚しているのですが、札幌の市有施設2施設と区分所有1施設でもそういったものが使われているということが分かっている中で、これから災害に強いまちづくりを掲げられる札幌市長として今どう受け止めておられるかというのをお願いいたします。

市長

 地震等の被害を小さくしていく、そういったものから守るという形での免震装置であったり制振装置ということで、通常の建築の耐震性よりもさらに強めたものとして付けているわけですよね。ですから、そういったもののデータが改ざんをされていた、安全性というようなことに不安を抱かせるということは大変遺憾なことだと思っておりますし、あってはならないことだと思っています。
 今、その会社の製品を使っているということは分かっていますが、その製品が、今回、データの改ざんがあった製品なのかどうかということについてはまだ報告がありません。早急に報告を求めておりますけれども、現時点では、データの改ざんがあったものが使われているのかどうかということについては分からない状況になっています。
 データの改ざんがあったものが使われているのか、使われていないのかを早急に知りたいと思っていますので、引き続き報告を求めていきたいと思います。仮に、データの改ざん等があった、そういう不適格な製品が使われているということであれば、取り換えというようなことを求めていかなければいけませんが、例えば、簡単に取り換えられるものかどうかというようなことにもなっていきますので、やはり、詳しい情報といいますか、的確な情報を迅速にいただきたいと思っておりますし、メーカーあるいは施工者、こういったものを通じて情報を早急に出してほしいということを求めております。

 中国・北京市および瀋陽市における観光PRの実施について(2)

北海道新聞

 中国のトップセールスの関係だったのですけれども、同じく地震が少ないとされている韓国の観光客もかなり減っているということですけれども、韓国など他国・他地域へのトップセールスの予定というのは、特に今のところはありますか。

市長

 ございます。私が直接行けるものと、例えば副市長なりと手分けをして行かなければならないものがありますが、基本的には北海道や北海道観光機構、あるいは商工会議所等の経済界・観光界を含めて、合同でいろいろな所に行くという状況に、今、調整をしています。

北海道新聞

 今、具体的になっているのは中国ですか。

市長

 そうです。直近のものは。

北海道新聞

 この間、確か、議会(平成30年第3回定例市議会)の答弁で、韓国もという。

市長

 韓国のほうはすでに行っておりまして、議会中でありましたので、私、直接は行けませんでしたけれども。

北海道新聞

 先ほど、8割ぐらいに回復してきているということでしたけれども、目標というか、トップセールスする上での目標として、いつぐらいまでに回復させたいとか、どの水準に持っていきたいとかという目標はありますでしょうか。

市長

 これから、雪まつりですとか冬のシーズンに入りますので、少なくとも、(2018)年度内には、被災前の状態、例えば昨年(2017年)の状況と同程度まで持っていきたいというのが目標です。

 免震・制振オイルダンパーの国土交通大臣認定等への不適合について(2)

北海道新聞

 先ほどあった免震耐震装置の不正の関係なのですけれども、市長のお話の中で、取り換えを求めていきたいというような、もし不正があったならとおっしゃいましたけれども、その中に組み込まれている場合などは、工事がかなり必要なケースも想定されるのですけれども、そういった取り換えだけではなく、ほかにかかってくる費用などについては、賠償というか、穴埋めを求めるような考えはありますでしょうか。

市長

 公共施設というよりは、例えば、さっぽろ創世スクエアが少し壁の中に(オイルダンパーが)入っているというふうにも聞いておりますので、これは(札幌創世1.1.1区北1西1地区市街地再開発)組合全体としての話となると思いますが、かかった費用を求めていくということは、当然に考えられることではないかなと思います。

 災害時における市と町内会の連携について

北海道新聞

 これから、震災を受けて、さまざまな対策を練り直していかれると思うのですけれども、町内会も自主的な防災組織として市内で活動することになっていたかと思うのですが、町内会条例((仮称)札幌市町内会に関する条例(素案))を今作っている中で、防災に住民組織がどう関わっていくかとか、今回の地震を踏まえてどういうふうに町内会と市が連携していこうかということについて、市長のお考えがあればお願いします。

市長

 今回の災害の時も、地域の方々、町内会であったり自治会の皆さんが、支援が必要な方のいろいろな状況を把握したりとか、断水等の対応でそれぞれ協力し合っていた、あるいは、停電の際の携帯の充電などについても対応したというようなこともあります。ですから、かなり、そういった自助・共助の部分のことが必要だということはあらためて私も認識しておりますし、今後ますます、そういった地域での支え合いというものが重要になるだろうと。
 一方で、高齢化が進んでいきますので、地域コミュニティーとしての町内会の在り方について、必要性をきちんと認識していかなければならないということで、一つの案として条例の制定というようなことも提案をしていこうと思っています。
 特に札幌の場合、街自体が大きいですから、こういった災害のときに公共で直ちにできるものにも限りがありますので、共助ということがますます重要になって、そういう意味で地域コミュニティーの重要性が高まってくると思っています。

 ブラックアウト(大規模停電)に関する検証委員会(平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会)の中間報告と北海道電力の責任について

読売新聞

 先日(10月23日)、国の認可法人(電力広域的運営推進機関)の検証委員会がブラックアウトに関する検証の意見書の中間報告をまとめました。その中では、北海道電力の対応について不適切な点はなかったということを述べて、さらに、再発防止に向けた強制停電の枠を拡大するなどの報告書を出されていますけれども、この報告書に関する市長のご感想と、責任がないというふうにされていますけれども、ブラックアウトということで市民生活に多大な影響を与えたことに関して、北電に果たして責任がないと言えるのか、その点について市長の考えを伺わせてください。

市長

 こういった公的機関、委員会等での検証の中では、地震そのものの後のブラックアウトに対する過失であるとか法的な責任はないということだったと思います。そういう意味では、法的な責任あるいは重大な過失というようなことは認定ができないということだったのかなと思いますが、現実問題として、停電によってかなりの被害が起きましたので、これは、責任問題というよりは、今後の対応として、やはり、安定した電力供給体制をしっかり取っていただくということ。電力の分散化ですとか、北本連系(北海道・本州間連系設備)の強化、こういったことについては、北電さん、あるいは国においても、しっかりやっていただきたいと思っています。
 加えて、迅速な情報提供ということについて、今後、しっかりやっていただきたいと思っております。このことについては、今後も北電さんにも求めていきたいと思っています。

 地震における大都市特有の課題について

読売新聞

 昨日の決算特別委員会(平成30年第3回定例市議会第二部決算特別委員会)の水道局の答弁の中で、マンションで停電によって断水が起きたということを大都市特有の課題というふうに答弁の中で指摘していました。そういう点があるかと思いますけれども、市長がこれまでの地震の被害を見ている中で、大都市特有の被害について、こういったものがあるというものがあればお教えいただけますでしょうか。

市長

 一つは、(札幌市は)非常に人口規模も大きいですから、建物の戸数も非常に多いです。ですから、建物損傷・損壊などの全体の把握というものについてかなり時間がかかる、これは都市の規模として課題はあると思います。加えて、札幌市内では、高層の集合住宅・マンションがかなり多く建設されておりますので、断水ですとか、エレベーターの停止というようなことについては大都市特有の課題なのではないかと思っています。
 加えて、今回の課題の一つということになりますけれども、帰宅困難者の方、(地震が)日中に起きたらそういうことでしょうし、今回は、海外のお客様も含め、観光客の方々への対応の体制・応対の仕方があると思います。これは、多くの方々が訪れる都市そのものの課題であろうと思っています。

 2018年プロ野球ドラフト会議の結果について

北海道新聞

 昨日、プロ野球のドラフト会議がありまして、北海道日本ハムファイターズが秋田(秋田県立金足農業高等学校)の吉田輝星(よしだ・こうせい)選手の交渉権を得ましたが、それについてはいかがお考えですか。

市長

 秋田の金足農業の吉田投手ですけど、今年(2018年)の夏の甲子園(第100回全国高等学校野球選手権記念大会)で本当に大活躍をされましたので、そういう意味では非常に話題性の高い選手の交渉権を獲得したのかなというふうに思って、大変期待をしているところです。非常にダイナミックな投法で、球も速いですから、そういう意味では、非常に、将来性といいますか、期待できるのではないかなと思っております。話題のある選手として期待できるのではないかなというふうに思っていますし、ファイターズさん自体が、これまで、ダルビッシュ有選手であったり大谷翔平選手だったり、才能のある選手をしっかりと育成して、世界でも活躍できる選手に育成してきているという実績がありますので、そういう意味では、そういうプログラムを球団としてしっかり持っているのだろうというふうに思っています。そういう意味では、才能のある人たちを育成していく球団でもあるということで、今後も大いに期待できるのではないかなというふうに思っています。

北海道新聞

 あと、札幌市出身の福田俊(ふくだ・すぐる)選手と北海高校の大窪士夢(おおくぼ・じゆ)選手も、育成ですけども、指名されましたが、その点、札幌市の市長としてはどうお考えですか。

市長

 札幌の北海高校の出身者であったり、道内の出身者の方も、他球団にも指名されたり、育成選手として指名されていますので、地元の子どもたちといいますか、選手たちが一日も早くトップで活躍できることを期待し、頑張ってほしいと思います。

 避難所の運営について

北海道新聞

 東区の待避所の閉鎖ですとか、まだ避難者が残っていたけれども、ちょっと早く閉鎖したりですとか、清田も確か1カ月で閉鎖されたりしたかと思うのですけれども、生活保護ですとか、そういった方々、弱者の方々への配慮が足りなかったのではないかという指摘があるのですが、市長はどうお考えかということと、今後、避難所での弱者対策というのをどのようにするか、初期対応なんかをこれから検証するとおっしゃっていましたけれども、そこにどのように生かしていきますか。

市長

 避難所の運営ですとか、閉鎖の考え方とか、そういったものについて、今回の対応がどうだったのかということをしっかり検証して、今後に生かしていかなければいけないだろうと思います。
 例えば、震災直後の避難所が大原則でありますけれども、自宅に戻るのが不安だというような方々にどう対応するか。震災特有のものなのか、あるいは、いろいろ不安な状態を通常の生活でのサポートの中で見ていけばいいのか、非常に微妙なところがあって、そのあたりをどうしていくかが大きな課題ではないかなと思っています。
 いずれにしても、例えば、避難所なども、避難されている方の数が徐々に少なくなれば、縮小していって統合していくというようなことを今回してきましたけれど。私も直接、(避難所に)お伺いしましたけれども、何度も避難所を移ることに対する不安に、先行きを示しながらお話をしていかなければならないということがあります。
 ですから、私も当事者の方々にお話をしたのは、行き先がないという状況には絶対しませんよと。必ずどこかで対応するということ。移っていただくことはあるかもしれないけれども、先がどうなっていくのかが不安だということにしていかないということも、情報の伝え方とか説明の仕方ということにも誤解があったのではないかという部分もあります。
 あとは、先ほども言いましたように、通常の生活の支援と被災者への支援をどこでバトンタッチしていくのがいいのかとか、いろいろな課題があるかなと思います。
 避難所の関係については、いつまで、どういうふうにしていくのか、あまり判断基準が明確ではありませんでしたので、そういったことも検証していかなければならないと思っています。あと、直接そのことではありませんけれども、キーボックスの暗証番号が分からないというようなこともありましたので、セキュリティーの問題で、区役所に連絡してくださいということですが、例えば、今回のような電話が通じないとか、そういったこともありますので、いろいろな点で初期対応の状況で不都合があったこと、あるいは、住民の方から出た事柄というようなことを含めて検証して、今後の対応に生かしていきたいと思います。

 災害対策体制の見直しについて

NHK

 災害対策本部、かなり絞っての実施になっていると思うのですけれども、会議とかですね。この体制、今後はどうされていく、解散というか、通常モードにどこで切り替えるか。

市長

 どの段階で災害対策本部をいったん平常運用に戻すかという状況は、これからの判断になりますけれど、現状では、里塚地区を含めて、復旧の方向性ということがまだ途中ですので、例えば、里塚地区の対策検討会議(清田区里塚地区における地震対策会議)も本部会議の下にぶら下げている状況にあります。そういったものも含めて、本部会議の中で何か指示を直接していかなければならないことですとか、共有しなければいけないことはだいぶ少なくなってきていると思います。

 被災者支援の取り組みについて(1)

NHK

 今回、支援状況の実績、途中経過ですけれども、いくつか出ているのですけれども、国の予算を引っ張って通常どおり災害対応として支援するものもある一方で、市が独自に対象拡大したりしているケースも多いと思います。まだ途中ですけれども、実績状況、申請件数とか決定状況を見られて、どんなふうにお感じになられていますか。かなりニーズは対応できているのか、かなり少ないところも時期的にはありますが。

市長

 それぞれ、受理件数、あるいは、結果をきちっと出した数字というのはまだまだ少ないですね。これからまだまだ増えてくるのだろうと思います。
 加えて、建物についての国の支援等はありましたけれども、宅地(についての支援)がないので新たに市独自に(支援することと)いたしました。先日(10月18日)の里塚地区に関する地元住民説明会の中でもやはりありましたのは、今回、公費での解体も、全壊だけではなくて半壊まで拡大としましたけれども、そういう適用範囲の拡大は、国が決めているものの枠を超えて拡大するというようなケースも今後出てくるかもしれません。いろいろな支援策で、可能な限り拡大していくということを考えていきたいと思います。
 これから、国のほうの支援の枠も拡大していくかもしれませんし、その辺は状況を見ながら、できるだけ被災された方々が生活再建・住宅再建が早期にできるような支援をしていきたいと思います。

 被災者支援の取り組みについて(2)

朝日新聞

 今、国の支援の拡大のお話もありましたけれども、先ほどご案内いただいた被災者支援の開始についてのところで、公費撤去対象の拡大というところで、全壊の家屋などについては国の費用でやられると思いますけれども、大規模半壊とか半壊のものについては、まだ国のほうからはっきりとは出ていないかと思うのですけれども、財源はどうされるのかというのと、何戸ぐらいという見込みを教えてください。

市長

 見込み数ということはあれですけれども、例えば、半壊でも、建物を除去しなければならないものがどれだけあるかということになります。これは、持ち主の方のご意向ということもありますので、里塚地区の非常に被害の大きいエリアで半壊というのはそんなにないので、それ以外の方でどれだけ撤去が出てくるかということについては、現時点ではそう大きくは見ておりません。
 そういう意味では、国の支援を待たずに、ある程度、既存の財源の中で飲み込めるだろうという判断で出しております。ですから、公的に面的に整備をしなければならないのはほぼ全壊で、こういった所の半壊住宅、あるいは、大規模半壊というのは戸数が限られておりますので、それ以外の所がどれだけ出てくるのかということだろうと思います。

 次期市長選について(1)

朝日新聞

 来年の市長選の関係で教えていただきたいのですが、間もなく選挙まで半年近くになってきましたけれども、来月に市長のセミナーも2日にありますけれども、出る出ない、そのあたりの出馬に関してのお考えを明らかにする時期とか場所はどのようにお考えなのかというのを教えてください。

市長

 今、まさに、震災の対応等で被災された方々の支援を第一に考えておりますので、自分のことをどうするかということについて、まだ考えに至っている状況ではありません。まずは、被災された方の生活再建に一定程度めどを付けていくことに全力を挙げたいと思っております。

朝日新聞

 年内に考えを明らかにする場所というのはあまりないという見込みというか。

市長

 いろいろな状況と、それから、支援者の方々ともいろいろなご相談をしていきたいと思っていますが、現時点で、まだ、どの時期に、どうして、どういう判断をするかというところまで、考えに至っておりません。

 次期市長選について(2)

北海道新聞

 今の市長選に関してですけれども、今はまだどうされるのかという表明はされておりませんけれども、今後、出るにしても出ないにしても、どんなことを条件に進退についてお考えになっていきたいというふうにお考えでしょうか。イメージがあればお願いします。

市長

 先ほど言いましたように、いろいろなことが起きていて、自分のことをゆっくり考えるという状況にまだないというのが正直なところです。
 少なくても、この3年半、取り掛かってきたまちづくりの方向性と、できたこと、できなかったこと、こういったことを整理しながらいろいろなことを考えていきたいと思います。

(以上)


 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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