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更新日:2014年6月4日

平成26年度第4回定例市長記者会見記録

日時

2014年6月2日(月曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 「札幌国際芸術祭2014」について

 札幌初になります国際芸術祭、これまで、パンフレットがないとか、いろいろな意味合いで心配をいただいておりましたけれども、ようやく完成をいたしまして、昨日から精力的に配布をさせていただいているところでございます。メディアの皆さま方にも、きょうはお手元に配布させていただいておりますけれども、ぜひ、ご一覧の上、もう50日を切りましたので、市民の皆さん方に情報が届きますように、ぜひ、いろいろな機関にご案内をいただきますように、特段のご協力をお願い申し上げたい、このように考えるところでございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。

 きょうは、芸術祭におきます新たな企画を1つ発表させていただきたいと思います。

 昨年、NHKで放送され、大変評判の高かった「あまちゃん」という番組がございます。この「あまちゃん」のテーマソング、軽快な音楽がとても印象に残るわけでありますが、あのテーマソングをお作りになられました大友良英さんが、この芸術祭におきまして、納涼盆踊りイベント「フェスティバルFUKUSHIMA!北3条広場で盆踊り」という企画でご参加をいただくことになりましたので、この点についてご紹介をさせていただきたいと存じます。

 これは、真夏の8月10日に、北3条広場を会場にいたしまして、札幌国際芸術祭2014の特別プログラムとして行われるものでございまして、特設のやぐらを建てまして、アーティストと参加者たちが入り交じって、オリジナルの盆踊りを踊るというものでございます。「あまちゃん」のテーマ曲をアレンジいたしました「あまちゃん音頭」だとか、北海道で広く普及しております「こども盆踊り」の曲を大友さんによるアレンジ版などとして、この盆踊りが行われるということでございます。併せて、プロ・アマを問わない一般公募のメンバーが、楽器を持ち寄りまして、即興で演奏をする「オーケストラSAPPORO!」を開催する運びとなりました。演奏ができない方でも参加できる市民参加型のワークショップを同時に開催させていただきまして、これらにつきましては事前応募制ということになっておりますので、6月10日から参加者を募集させていただきます。

 このイベントは、誰でも気軽に参加できて、踊りや演奏でアートを体感できるというものになっておりまして、ぜひ多くの方々にご参加をいただきたいと考えておりますので、報道機関の皆さま方に、周知方、よろしくお願い申し上げたい、このように思います。

 冒頭にご案内いたしました国際芸術祭のパンフレットでございますけれども、各所におきまして懸命に配布をし、告知方、徹底させていきたいというふうに考えて努力しておりますけれども、明日、チ・カ・ホで、私も、このパンフレットを、直接、市民の皆さま方に配布をしたいということで企画をいたしております。12時になると思いますが、北2条広場等のチ・カ・ホでパンフレットの手渡しをいたして、直接、市民の皆さま方にお知らせをさせていただきたいというふうに考えておりますので、当日の様子につきましてもご取材いただければ大変ありがたく思っているところでございます。

 「札幌市エネルギービジョン(案)」に対するパブリックコメントの実施について

 札幌市では、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、平成23年、24年度の2年間にわたりまして、「エネルギー転換調査」というものを行ってまいりました。その成果を踏まえまして、今後のエネルギー施策の指針となります「札幌市エネルギービジョン」というものを策定する方向で検討を重ねてまいりました。

 このたび、ビジョンの素案がまとまりましたので、お知らせをするものでございます。

 このエネルギービジョンは、市民・事業者・行政が、エネルギー利用の目指す姿というものを共有することによりまして、「低炭素社会」の実現に加えまして、「脱原発依存社会」を目指すものでございます。計画期間は、平成34年度までの9年間でございます。省エネルギーの推進などの「エネルギーの有効利用」、そして、再生可能エネルギーや分散電源の導入拡大などの「エネルギー転換」というものを基本的な方向性としてお示ししているものでございます。

 また、このたび、そのために必要な取り組み、あるいは具体的な目標値というものを盛り込むことで、平成34年度には、平成22年度の市内の電力消費量のうち、原発により発電された分の50%を生み出すということを目指しているものでございます。

 さらに、将来の札幌市が目指す姿といたしまして、平成42年度には、原発により発電された分の100%を、省エネによる削減、再生可能エネルギーと分散電源による発電によって賄っていくという姿も併せて示しているところでございます。

 脱原発依存社会を目指すということは、札幌市議会においても、平成23年6月と平成25年3月の2度にわたりまして意見書が全会一致で採択されるなど、札幌市民の総意であると考えているところでございます。今回、市民の皆さん方の意見を募集するために、6月4日からパブリックコメントと子ども向けのキッズコメントを求めることにしておりますので、ぜひご協力いただきたいというふうに思っております。未来を担う子どもたちに、この美しい札幌のまちというものを残していくためにも、一人でも多くの方に関心を持っていただき、ご意見を寄せていただきたいと考えておりますので、報道機関の皆さま方には、周知方、よろしくご協力のほどをお願い申し上げたいと思います。

 平成25年度の観光客入り込み状況について

 平成25年度の観光客入り込み状況を取りまとめた結果、詳細はお手元の資料のとおりでありますけれども、外国人宿泊者数は、「第3次札幌新まちづくり計画」の目標でございます100万人を初めて突破いたしまして、過去最高となります105万5千人を記録したところでございます。国・地域別では、台湾、香港、中国および韓国といった上位4カ国が、いずれも対前年比30%以上の大幅な増加となりました。また、東南アジアからの宿泊者数の増加が顕著となっておりまして、特に、タイは、平成24年度比で約3.2倍の数となっているところでございます。

 その理由として、直行便の就航やビザ発給要件が緩和されたということなどの外的な要因はもちろんあるわけでありますが、昨年8月に、私も含めてタイ国政府の観光庁を訪問させていただきまして、札幌市を売り込んだことだとか、タイ現地のエアポート・トレインを初音ミクのデザインでラッピングするということなど、これまでの積極的なプロモーションが実を結んだのではないか、こんなふうに考えているところでございます。

 一方で、来札観光客数は約1356万人となりました。平成24年度比で4%増加したということでございまして、東日本大震災の影響で大幅な減少となった平成23年度から完全に回復いたしまして、昨年度に引き続き、順調にその数を伸ばしているところでございます。ちなみに、過去最高は、平成18年度の約1410万人でございます。それに近づきつつあるということでございます。

 平成25年度に策定をいたしました「札幌市観光まちづくりプラン」では、平成34年度までに、観光客数は1500万人に、外国人宿泊者数は約160万人に増加させる目標を設定させていただいております。

 これらの目標を達成するために、観光イベントや観光スポットの魅力アップというものに加えまして、国内向けには、道内中核都市などと連携をしながら、スタンプラリーやクーポン機能を盛り込んだガイドブックを発行するなど、道内への観光客の集客を図っていく予定でございます。

 また、海外向けには、アジア地域の市場というものを大変重要に考えておりまして、現地のメディアを活用させていただくなど、札幌の魅力というものを効果的に伝えられるようなプロモーションを行いまして、積極的な誘客を図ってまいりたい、このように考えております。

 ぜひ、今後の札幌市の取り組みにもご注目をいただきたい、このように考えております。

 6月の海外出張について

 今年は、アメリカのポートランド市と姉妹都市提携を結びましてから55周年という記念すべき年を迎えました。これを記念いたしまして、4日から8日まで、市民訪問団らと一緒にポートランド市を訪問することといたしております。

 今回の滞在では、「ポートランド全姉妹都市レセプション」があるということでありまして、それにお招きをいただいておりますので、参加をさせていただきます。さらに、友好、親善の促進をこの中で図ってまいりたいというふうに考えております。そして、路面電車あるいは再開発地区のリノベーション施設の視察などを通じまして、「創造都市さっぽろ」につながるポートランドの先進施策について学んでいきたいと考えているところであります。

 また、13日から18日までは、フランスのアンギャン・レ・バン市において開催されますデジタルアートフェスティバル「バン・ヌーメリック」に招待を受けておりますことから、開会式などに出席をするために、アンギャン・レ・バン市を訪問することといたしております。

 アンギャン・レ・バン市は、札幌市と同じ、昨年11月11日、「ユネスコ創造都市ネットワーク」のメディアアーツ分野に加盟を成し遂げたまちでございます。その後、今年の3月に、札幌市で開催いたしました創造都市に関する国際フォーラムにアンギャン・レ・バン市の関係者をお招きしたことを契機にいたしまして、クリエーターの交流等が既に始まったところでございまして、今回のフェスティバルでも、札幌市のクリエーターがお二人ほどご招待を受けて出展をするということになっております。

 日程等はお手元の資料のとおりでありますけれども、フェスティバルの視察やメディアアーツの専門家会議に参加をするほか、地元の行政、経済界の主要人物と意見交換を図るなど、両市の交流がクリエーティブ企業など経済面にも広がるきっかけをつくるための訪問となることを期待しているところでございます。

 併せて、パリにございますユネスコ本部に参りまして、そのユネスコ本部の創造都市ネットワーク事務局、ここを訪問させていただくことにしておりまして、このネットワークの今後の展開につきまして情報収集を図る所存でございます。

 今月のこの2つの海外出張におきましては、札幌国際芸術祭についても広くアピールをし、芸術祭の開催期間中に多くの方々にご来訪いただけますように働き掛けをしていきたい、こんなふうに考えているところでございます。

 それぞれの出張の成果につきましては、帰国後、皆さん方にご報告をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

質疑応答

 任期残り1年を迎えるに当たって

読売新聞

 市長の3期目の任期が間もなく残り1年という形になります。たしか、6月7日だったと思うのですが、そういった節目を迎えるに当たってのご所感を、あらためて一言伺えたらと思います。

市長

 3年たちましたというのは、大変感慨深いものがございます。その中で、市民の皆さま方にお約束をしたマニフェストで91の項目を立てて、これをやるぞということでお約束をさせていただきましたもので、ほぼ全てについて事業に着手するということで、お約束を守ろうと努力してまいりました。

 最後の年になりまして、今日まで52項目は既に完了、達成ができているわけでありますが、(未達成の39項目のうち、22項目は、今年度達成見込み)、13項目は、今年度中に何とかいろいろな事業の遂行の中で実現するよう、最大限努力をしようということでございます。残りました4項目は、例えば、まちづくりセンターの自主運営化を10カ所増やすということはなかなか難しいという状況、あるいは、公契約条例もお約束しましたが、これもなかなか難しいというふうな状況等がございます。

 これらの難問はもちろん到達できなかったということでありますけれども、ほぼお約束をした部分についてはしっかり努力させていただいて、それなりの成果を上げることができたということについては、安堵するとともに、まだまだ未達成の部分がありますので、今後1年の間に最大限努力をさせていただくということで、気を引き締めさせていただいているというのが実感でございます。

読売新聞

 その関連で、それでですね、来春、任期満了からちょっと前倒しで選挙があるわけですが、次の市長選に向けたお考え、態度なりを一言お願いします。

市長

 私は、先ほど申し上げましたように、1年間ありますので、これをしっかりやるということでございまして、特に、市長選挙について、今、申し述べるところは何もないというふうにお答えさせていただきます。

 泊原発の再稼働問題について

北海道新聞

 先ほどの話と、エネルギービジョンに関わると思うのですけれども、泊原発の再稼働についてお聞きしたいのですが、これまでも、札幌市は、再稼働議論への参加を求めてきましたが、これから先の再稼働議論に対する考え方と、先ほども出ましたけれども、来春の選挙で、道知事選、札幌市長選などで泊原発の再稼働についてどのように取り上げられるのがふさわしいと市長はお考えでしょうか。

市長

 再稼働問題につきまして、周辺の意見を聴取する範囲が一応は広がったとはいうものの、それが本当に原発事故が起きたときに影響を受けると想定されるところまでは広がっていないというようなことを大変危惧しているところでございます。

 函館市が大間の原発訴訟を起こされまして、非常に果敢な主張をされていることに、私は大変敬意を表しているところでありますけれども、このような矛盾が今の原子力行政の中ではあるのだということを、しっかり、工藤市長も何度も述べられておりますように、私も同感だというふうに思います。

 また、過日、大飯原発の3・4号機について差し止め請求が出されました福井地裁の判決文を読ませていただきましたが、250キロ圏に原告適格を認めるということでありました。まさに、原発というのは、一旦、過酷事故が発生すると、30キロとか、UPZ(緊急時防護措置準備区域)で仕切られるとか、そういうものではないのだということをはっきり裁判所も言っておられるわけでありまして、私どもの札幌市としても意見がしっかり述べられる、そして、それが反映されるような仕組みというものがなければ安心できないというふうに考えておりますので、そのことはしっかりとこれからも述べていきたいというふうに思います。

 知事選あるいは市長選におきましても、そういう重要な道民あるいは市民の命を守るという自治体の最も大切にすべき行政の責任というものがあるわけでありますので、これほど地域住民の皆さん方が福島の例を見まして、その生活、命、健康、仕事、さまざまな生活関係が破壊し続けられているという状況の中で、明確なこれに対応する手段が取られていないという状況の中で、再稼働についてどういう認識を持つのかということについて、しっかり知事候補も市長候補も認識を道民に示して、道民と共に考えるという態度を表明していただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

 「札幌国際芸術祭2014」について

NHK

 最初にお話しいただいた国際芸術祭のことについてなのですけれども、「フェスティバルFUKUSHIMA!北3条広場で盆踊り」ということで、これは、震災の被災地とも関連するイベントだと思うのですけれども、このイベントを札幌国際芸術祭でやる意義というか、狙いについて、市長なりのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

市長

 被災者が福島等から自主避難をされたりですね、という方々が、1,500人ほど、今、まだ札幌におられます。「あまちゃん」の番組は、まさにそういう人たちをとても勇気づける素晴らしい番組だったというふうに私は思っております。そして、軽快な大友さんの曲がとても愉快で、そして、諦めないぞという気持ちを本当にあらわにする、あらためてそういう気持ちを引き起こす、とても素晴らしい曲想のものだったというふうに私は思います。

 また、大友さん自身も、そのような思いを持って作品を作られたのだというふうに思いますので、被災者ばかりではなく、被災者を支援する側にとっても、まだ終わっていないぞということと、これからもみんなで頑張らなければいけないよねという気持ちを1つにできるものになればうれしいなと、そんなふうに思っているところであります。

 国際芸術祭というのは、さまざまな方々が集まって、いろいろなことを、パフォーマンスなり、いろいろな感性といったものを共有し合う場面として設けられるものでありますので、地元発の札幌バンドも含めて、ぜひ、にぎやかに成功することを期待したい、こんなふうに思っております。

 NHKでしたね、あれは。ありがとうございました。

 「札幌市エネルギービジョン(案)」に対するパブリックコメントの実施について

朝日新聞

 お話が戻って恐縮ですが、エネルギーの関係ですけれども、こちらを、今、ざっと拝見したところ、平成42年度にはこれまでの原子力発電の分を再生可能エネルギーや省エネで賄い、原発は不要であるというふうになるかと思いますが、まだ、これまでの間の原発についてはどうお考えなのか、原子力発電はやはり必要、やむなく必要であるとお考えなのか、市長のお考えを聞かせてください。

市長

 ここは、やはり、今の現状でどうかということになれば、リスクがあまりにも大きいというふうに考えております。それは、再稼働についてどう考えるかということについて問われたときに、ずっと申し上げているところでありますし、高橋知事もまた同じように、福島原発の事故がどういう原因で起こったのかということについて未解明であるときに再稼働を議論する余地はないというふうに言っておられました。私も、全くそのとおりだというふうに思います。

 いろいろ大変だというふうに思いますが、大変というのは、経済的に、石油、原油を輸入せざるを得ない状況というものについて、経済性が極めて問題だというふうな意見もありますけれども、しかし、それは、福井地裁の判決が述べておりますように、我々の国にとっての富とは一体何なのかという根源的な問いについて、私たちは、相当、共鳴する部分が多くの方々にあるのではないかというふうに思っておりますので、いろいろな困難があるけれども、それは、絶対に我々にとっては判断の基礎として、経済と人間の生存というもののどちらが優先すべきものなのかという考え方によって、おのずと結論が出てくるのではないかというふうに思っております。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

 

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