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更新日:2011年3月1日

平成19年度第3回定例市長記者会見

日時 2007年5月25日(金曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 22人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「平成19年度補正予算(肉付け予算)の概要について」

補正予算の規模

今回の「肉付け予算」におきましては、当初予算で保留してまいりました地方交付税の20億円を主な財源といたしまして、一般会計で46億3400万円の予算を計上させていただきましたほか、企業会計で高速電車事業会計と中央卸売市場会計で減額を含む補正予算を計上させていただきましたので、全体としては46億2300万円の規模ということになりました。

補正後の一般会計予算では、7802億3400万円ということになりました。前年度と比較した予算規模といたしましては、3年連続の減少というふうになりますマイナス0.5%でありますが、マイナス幅としては最も小さくなりまして、ある程度の予算規模を確保することができたというふうに考えております。

規模としては小ぶりな予算といたしましたけれども、これからご説明いたします数多くの事業を盛り込みましたし、少ない予算で大きな効果が得られるように、今後行います「事業仕分け」などを活用いたしまして、執行段階でもさらに創意工夫により経費の削減といったものを図りまして、庁内や他団体との連携を一層高めることによりまして、そういう努力をしようということを全庁に指示をしたところでございます。言うなれば、「職員の知恵と汗を活用する、活用型の予算」というふうに言うことができるかもわかりません。

予算の規模の多寡という尺度ではなかなか計り切れない内容豊かな予算にすべく、われわれがしっかりこれから頑張っていかなければならないと、そんな思いでつくらせていただいたということを初めに申し上げておきたいと、このように思います。

予算編成の考え方

肉付け予算編成に当たって、これからの4年間のまちづくりの目標、これを引き続き、「市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街」というふうにした上で、私がマニフェストとしてお示しをいたしました公約を踏まえて、5つの政策目標、これを定めるとともに、この目標に沿ってできる限り早期に着手もしくは事業化のめどを付ける必要があるものについて盛り込んでまいりました。

明確な政策目標を示しまして施策や事業を重点化し、めりはりのある予算編成をするという財政運営の基本は今後も変わることはございませんが、今回は、特に子どもの関係や、あるいは安全・安心、また市民自治といった身近な市民生活を応援いたします、そのような事業に力点を置くとともに、特段の予算計上をしなくても、職員みずからが汗をかいてこのまちをより生活しやすくする、そういう取り組みが随所に盛り込まれており、そういうことも進めていきたいと、このように考えているところでございます。

なお、「市民活動促進条例」、それと「子どもの権利条例」につきましては、議会のご承認をいただけませんでしたけれども、現在、平成19年第1回定例市議会でご承認をいただけなかったその理由などについて検証を進めておるところでございます。今後は、あらためて多くのご賛同をいただけるような努力をした上で、できるだけ早期に議会にお諮りをしたいというふうに考えておりまして、今回の予算におきましては、条例制定に向けたフォーラムの実施など、市民の皆さまとともにより理解を深めていく、そういう取り組みなどを盛り込んできたところでございます。

「子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街」の実現に向けた取り組み

子どもを生みたいと考えている方が安心して出産を迎えられるように、現在、妊娠期間中1回としております妊婦一般健康診査の公費負担というものを、大都市の中でもいち早く5回まで拡充をいたします。

また、子育てに関する不安や悩みを抱える子育て家庭に、直接、市の保育士が訪問いたしまして支援をするという取り組みもスタートさせたいということでございます。

心豊かな子どもをはぐくむための事業として、昨年実施をして好評を得ました「ミニミニさっぽろ」を発展させ、子どもたちが働くことの大切さだとか世の中の仕組みというものを楽しみながら学ぶということができますイベントを開催いたしますとともに、札幌市にゆかりのある芸術家でございます佐藤忠良さんの作品から学ぶ「佐藤忠良と子どもの世界」といったものをテーマにした体験型の芸術空間の創出に着手していきたいと考えております。

「主体的な活動が生まれ、経済の活力みなぎる街」の実現に向けた取り組み

市民主体の地域づくりを推進するために、区民協議会を中心とした、さまざまな意見を市政へ反映させるための新しい仕組みづくりや、まちづくりセンターの地域における自主運営化に向けた支援を行うとともに、厚別にございます厚別清掃工場跡地について区民協議会などの提言を生かした具体的な利活用の検討を進めてまいります。

また、大学と地域が連携をしてまちづくりを進めていくために、ネットワーク会議やワークショップを開催するなど、大学の知的資源と学生の活力をまちづくりに生かす取り組みを進めてまいります。

ITやコンテンツ産業につきましては、2015年までに売り上げを1兆円にまで伸ばすということを目標に掲げておりますが、IT、コンテンツ、バイオ関連の企業誘致を進めるために、企業進出に係ります事務所開設や研究費への補助を新たに行うとともに、世界的な規模で実施をしております「札幌国際短編映画祭」の開催地であるというこの優位性を、さらなるコンテンツ産業の振興につなげていく、この事業をコンテンツ産業の振興に生かしていくために、デジタルコンテンツのマーケットの創出ということに向けた研究調査を行ってまいりたいと考えております。

「高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街」の実現に向けた取り組み

初めに、高齢者の地域での生活への支援でありますが、在宅で介護を必要とする方が夜間を含めて24時間安心して生活を送ることができるように、定期巡回と通報による随時訪問を組み合わせた介護サービスであります夜間対応型の訪問介護をスタートさせることといたします。

また、新たに地域密着型の特別養護老人ホーム2カ所の新築に対する補助を行い、58人の定員増を図るとともに、社会問題となりつつあります若年性の認知症の方が地域で安心して暮らすことができるように、保健師や社会福祉士などによります電話相談や交流会などを通じて支援をしてまいります。

次に、障がいのある方の自立に向けた支援でありますが、働く機会が不足しがちなこの障がいのある方の雇用の場を確保するために、一定の条件を満たしてこの障がい者を雇用する事業者に対します補助をさらに進めるとともに、障がいのある方の社会参加を促進するために、知的障がい者みずからがホームヘルパーの資格を取得するためのモデル事業の実施を行います。

このほか、障がいのある方も快適に身近な公園を利用できるように、身障者対応のトイレ整備を大幅に拡充いたします。

「安全・安心で人と環境にやさしい街」の実現に向けた取り組み

廃棄物の少ない循環型社会というものを目指して、家庭ごみの減量化やリサイクルを進めるために、市民の意識調査や意見交換会などを実施するとともに、定山渓や、新たにススキノの事業系の生ごみを分別いたしまして、再利用に結び付くような取り組みを進めます。

地球規模の環境問題に対しましても、札幌市が世界をリードしていけるように、「環境首都・札幌」の宣言に向けた環境憲章や行動計画の策定を進めるとともに、国内でも数少ない1,000キロワット級の大規模な太陽光発電施設を官民で協力して設置・利用できるように調査に着手をいたします。

また、環境に配慮した建築物の普及・促進を図るために、大規模な建築物を新築する建築主などが自ら建築物にかかわる環境への配慮事項について評価を行うことなどを義務付けいたします「建築物環境配慮制度」を導入させていただきます。

次に、安全・安心を確保するための取り組みでありますが、近年、高齢者の消費者被害というものが大変増加し続けております。誠に憂慮すべきこのような状況を踏まえまして、救済する新たな取り組みを立ち上げたいと思います。
また、119番通報により、より速やかに対応するために、これまで発信場所が特定できなかった携帯電話などについての位置情報を確認するためのシステムの整備を行うとともに、札苗出張所に救急隊1隊を増強いたしまして、救急体制を一層充実させたいというふうに考えております。

「文化の薫る、都市の魅力が輝き、にぎわう街」の実現に向けた取り組み

市民の皆さんが文化や芸術を気軽に楽しんでいただけるように、札幌市内で行われるさまざまな文化イベントについての情報を集めて市民に見ていただく「文化情報ステーション」、これを地下鉄大通駅構内にオープンさせます。

また、冬の札幌の魅力を新しい形で感じていただけるように、昨年度、実験的に大通公園において設置をいたしましたスケートリンクでございますが、一般の方にも滑っていただける大きさにいたしまして、さらに試行を続けてまいりたいと考えているところでございます。

その他の取り組み

円山動物園につきましては、昨年度末に、リスタート委員会からの提言を基にいたしまして、これからの円山動物園が目指す方向性を定めました「円山動物園基本構想」を策定いたしましたが、今年度は、その先行取組期間といたしまして、「北方圏動物展示ゾーン」の整備と、それから「子ども動物園」の改修などを行い、基本構想の理念でございます「人と動物と環境の絆をつくる動物園」の実現に向けた第1歩にしたいと考えております。

道路・街路・河川事業につきましては、当初予算に加えまして、必要となる事業を20億円ほど計上いたしますが、これらを含むいわゆる「普通建設事業」につきましては、補正後で18年度と同水準の690億円程度を確保しているところでございます。

「石狩市訪問について」

きょう(平成19年5月25日)午前中、私は、石狩市の田岡市長をお訪ねいたしまして、1時間半ほどご一緒させていただいて、石狩市と札幌市の連携といったことについて意見交換をさせていただいてまいりました。

非常に有効な時間を過ごすことができたと考えているところでありますが、これまで札幌市と石狩市と誠に地理的には近い関係にありながら、札幌市と石狩市の間で、あるいは周辺の市町村との間で協働して何かをやるというふうなことについては、一般論としては広域圏組合というものがございますので意見交換はしておりましたが、この「グループ交際」から「カップリングで相手を決めてお話をさせていただく」というのは、なかなかそういう機会がなかったわけでありますが、私からお訪ねをさせていただいて、協議をさせていただいたということでございます。

お互いに、ごみの問題あるいは水道の問題、さまざまな問題、ございます。そういったことについて、これから一生懸命、協働できることはしっかりやろうということ。それから、札幌市が「北海道の中における札幌市」としてさまざまな貢献ができる、そのことを、石狩湾新港を活用するというようなことによって何かできないだろうか、具体的な貢献をする、そういうことをお互いに考えていこう、こんなことも話し合いをさせていただきまして、これから、私と田岡市長ばかりではなくて、職員のレベルでも交換しながら、交流しながら議論を発展させていこうと、こんなふうに総括をさせていただいた、確認をさせていただいたところでございます。

私どもは、これから、石狩市との関係ばかりではなく、隣接をいたしております北広島あるいは江別、こういう町とも、これから訪問させていただくなり、どこかでご一緒するなりというような機会をつくって、道央圏のこれからの発展といったことについて具体的な協議をさせていただきたいと、そんなふうに考えておりますし、そのことが「オール北海道」という意味合いで札幌の役割を発展させる、そういうようなことにつながっていくだろうと、こんなふうに考えているところでございます。

具体的な話があれば、皆さま方にまたご案内をさせていただきたいと、このように思います。

「不法投棄撲滅緊急宣言について」

全国各地で、不法投棄ということが大問題になっているところであります。

札幌市の状況も大変深刻でございまして、市が確認した不法投棄の件数というのは、昨年度(平成18年度)1年間で1、800件を超えております。平成14年度、5年前でありますが、5年前の件数は790件でありました。ここ5年間で2倍以上に増えたという計算になるわけでありまして、非常に深刻な問題状況にあるというふうに言うことができると思います。

この不法投棄されている物でございますが、これは事業系の廃棄物ばかりでなくて、家電リサイクル法の対象製品や粗大ごみなど一般家庭から出されるものも非常に多いということが、今回、指摘をすることができると思います。

このような事態を受けまして、札幌市が不法投棄撲滅を目指して強い姿勢で臨んでいくということをここで表明するために、「不法投棄撲滅緊急宣言」をさせていただきたきます。

「『不法投棄撲滅緊急宣言』四季折々の季節感に満ち、美しい自然を享受できる私たちの街さっぽろ。この美しいさっぽろが心ない人たちの行為により危機に瀕しています。いま、市内の各所で悪質な不法投棄や野外焼却により、市民の良好な生活環境が脅かされていることは、とりわけ深刻な問題であります。不法投棄は、環境に対する破壊行為であり、私たちの自然に恵まれた良好な環境の中で生活する権利を侵害する極めて重大な犯罪行為であります。札幌市では、不法投棄の撲滅のために、これまで以上に関係機関との連携を深めていくこととともに、司法手続きも念頭に置きながら、市民と一体となって不法投棄を絶対に許さないまちづくりの実現を目指していくことを宣言致します。平成19年5月25日札幌市長上田文雄」こういう強い決意表明をせざるを得ない、そういう状況に今あるということを、ぜひ、メディアの皆さん方にも知っていただきまして、さまざまな観点から、市民に、そういう状態にあるということ、これを何としても市民の力で回復していく、そういう力をちょうだいしたいということを涵養(かんよう)していただくために、皆さま方のお力もお借りしたいと、このようにお願い申し上げたいと思います。

そして、5月30日から6月5日までは「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」ということになっております。札幌市といたしましても、ヘリコプターでの監視、それから夜間パトロール、不法投棄に対する講習会等の各種事業を展開しようというふうに考えているところでございます。

監視パトロールの際に、報道各社の皆さん方に同行取材していただきたいということも考えております。どうか、市民の皆さんへの呼び掛け等、不法投棄の撲滅に、皆さま方にも絶大なるご協力をお願い申し上げたいというふうに希望させていただきます。

「『札幌市不当要求行為等対応マニュアル』の整備について」

長崎市長の射殺という大変痛ましい、かつ、ショッキングな事態を受けまして、札幌市でも、行政対象暴力に対する組織的な対応策を検討してまいりましたけれども、このたび職員向けの対応マニュアルを整備いたしまして、本日(平成19年5月25日)、全庁に通知したところでございます。

マニュアルでは、不当要求行為があった場合の対応例などを示しておりまして、特に脅迫等の刑法上の犯罪に当たるような行為については、対応内容の記録方式だとか、警察との連携の手順についても詳しく記載をしているところでございます。

近日中に全庁の幹部職員を集めて、マニュアルの内容や庁内での情報共有、これについて周知徹底を図るということのほか、行政対象暴力などに詳しい専門家をお招きいたしまして、全部長職および各局の庶務担当課長等を対象に、さらに実践的な研修会を実施するというふうに考えているところでございます。

暴力をもって不当な要求を行うというような行為を許すことは、行政の信頼性や公平性というものを損なうものでございます。その意味におきましても、絶対に許すことができないという決意を表明させていただきたい。

今後とも、警察はもとより、専門の弁護士等の関係機関との密接な連携関係を構築いたしまして、毅然(きぜん)たる対応を取ってまいりたいと、このように考えているところでございます。

「来札観光客1,400万人突破について」

平成18年度に札幌を訪れた観光客が、この種の調査を開始して以来、初めて1,400万人を突破し、過去最高の1410万4千人という人数を記録することができたということのご報告でございます。

これまで国内外に向けて札幌の魅力を発信してきたことが実を結びまして、本当にうれしい限りだというふうに思っているところであります。

特に、札幌のPRのために、昨年(平成18年)8月、私自身も出向いてまいりましたシンガポールからの観光客が、これまた大幅に増えていることで、プロモーションの手応えといったものもしっかり実感をさせていただいているところでございます。

2,000万人来客プランということも前の選挙の際にお約束をさせていただいたわけでありますが、実績としては「すぐ行動を起こしてすぐ増える」ということにはなかなかなりませんけれども、ここに来て、ようやく手応えを少しずつ感ずることができる、そんな状況になってきたというふうに思い、非常に職員一同、うれしく思っているところでございます。
今後とも、さらなる観光客の増加を目指して取り組んでまいりますので、報道各社の皆さん方のご協力も心からお願い申し上げたいと、このように考えております。

配布資料

「平成19年度補正予算(肉付け予算)の概要について」
「マニフェスト関係の肉付け予算(案)の状況および今年度の主な動き」(PDF:70KB)
「不法投棄撲滅緊急宣言について」(PDF:462KB)
「来札観光客1400万人突破について」(PDF:170KB)

質疑内容

「『ふるさと納税』制度について」

読売新聞

予算とかではないのですが、「ふるさと納税」制度について、市長のお考えを聞かせていただければと思うんですが。

市長

近時、話題になっております「ふるさと納税」、自分の住んでいるところに納めている住民税の10%の限度において、みずからのふるさとに納税したいと、こういう制度のようでございますが、これは、みずからのふるさとが財政的に苦しんでいるという、そういう状況に対する救済の問題を市民がどう協力できるかというふうな発想だというふうに思います。

みずからのふるさとが、そこに住んでいる人たちの財源で賄い切れない。本来、それは地方交付税がしっかり交付をされてバランスを取るというのが地方交付税の目的であり、そういうために使っていただくために、われわれは所得税というものをみんなで納めているということでもあるわけであります。

そんな意味で私どもは、本来、国と地方との間で調整すべき問題を、市民同士の、あるいは地方自治体同士の問題として扱われるのは、いささか問題解決の筋が違うのではないか、そんな疑念を抱いております。
今月(平成19年5月)の末に政令市の市長会議が新潟市で行われますが、私もそこに出席をいたしまして、各市長のご意見も拝聴させていただこうというふうに考えておりますが、多分、同じような意見が出るのではないか。意見が一致できれば、今の政府に対する検討課題に挙がっているようでございますので、それに対する意見を表明させていただきたいなと、こんなふうに考えております。

「清田区内に放置されている廃棄物への対応について」

TVh

清田区の「ごみ回廊」の話なのですけれども、今月(平成19年5月)の31日が期限になっておりますが、仮に、この期限までに撤去が行われない場合、どのような対応を、今検討していらっしゃるのでしょうか。

市長

ご指摘のように、5月末が措置命令の期限でございますので、期限までにしっかり所有者の皆さん方にご協力をお願いしたいということを、再度、お願い申し上げるのが1つでございますが、どうしても従っていただけないということになれば、これは、「廃棄物処理法」の25条に罰則規定がございますので、この罰則規定の発動を促す告発等の手続きも含めて検討してまいりたいというふうに思います。

違法状態を正常な状況に戻すということのために行政が代執行をするということも考えられないわけではないわけでありますが、非常にコストの掛かる問題でもございます。これに税金を、市民の皆さん方の大切な税金を使うということについては、なかなか合意をいただくのに難しい問題もあろうかというふうに思います。

従いまして、これは、このごみを持ち込み、そして集積をしている方の責任の問題として、しっかり自ら解決していただくということを第一に考えたいというふうに思っているところでございます。

「平成19年度補正予算(肉付け予算)について(1)」

北海道新聞

予算に関して2つほど。

1つは、市長は、この間の選挙でマニフェストを掲げて、それで当選されたわけですが、今回、76項目マニフェストのうちの5項目で達成し、33項目で着手されたということで、その点に関して、市長はどのように自己評価をなさっているのかというのをお聞かせください。それが1つ。

もう1つは、それとも関連しますけれども、2期目4年間の初年度という位置付けに今回はなるわけですが、4年間の中の今回の予算の位置付けをどのようにお考えになっていらっしゃいますか。以上の2点です。

市長

項目ということで言えば、今、ご指摘の通りであるわけでありますが、これを達成するための下準備といったものは、既往の予算の中でもしっかりやっていくという立場でおりますので。今回の、先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、項目と額の多寡だけでは、なかなか財政事情から言いまして厳しいものがございますので、それだけで計るのではなくて、そこに通じているその精神によって、職員が汗をかき、知恵を出す、その中でマニフェストに書かれている事項をこれから実現するための力を付けていくというふうな意味合いで、今回の予算を考えて、そのような評価をさせていただいているということでございます。

それから、2つ目のご質問でございますが、4年間のスタートの初年度だということで、どう位置付けるかというふうなことでございます。もちろん、これは、4年間の最初の年ではありますけれども、ある意味では5年目のスタートというふうにも言うことができるというふうに思います。

幸い、4年間やってきたことが市民の皆さま方にご評価を得て、再選をしていただいたと、そのことに私は大変市民の皆さんのご理解を、これまでの私の進めてきた市役所改革なり市民自治といったものが、「その路線で行け」ということを皆さま方にご承認いただいたというふうに理解をしております。「自治基本条例」もこの(平成19年)4月から施行されたわけでありますので、前回(5月10日の記者会見)も申し上げましたけれども、局実施プラン、区の実施プラン等でも、必ず自治基本条例にのっとった施策の運用をするということが付けられております。

そんな意味で、多くの市民、職員に、この5年目の私の市政に一緒に汗をかいていただけるという意味でスタートを切らせていただいたというふうに理解をしているところでございます。

「2,000本安打を達成した北海道日本ハムファイターズ・田中幸雄選手の表彰について」

スポーツニッポン

この間、(平成19年)5月17日の日に日本ハムの田中幸雄選手が2,000本安打を達成したときの市長からのお祝いコメントで、何らかの形で表彰みたいなものをということがあったのですけれども、札幌市としてはどのような賞で彼の成果をたたえるのかというのと、具体的な日付等が決まっていましたら教えてもらいたいのですが。

市長

私どもは、札幌市民として、大記録を作っていただいたその選手に学ぶところがたくさんあるという思いもございまして、彼の22年間頑張って大記録を達成したということについて、感動を与えていただいたことに感謝を申し上げたいというふうな趣旨の表彰といいますか、感謝状といいますか、そういうものを差し上げたいということで用意させていただいております。

それで、日付でございますが、あす(5月26日)のヤクルト戦、円山球場で行われるということになっておりますので、その際に、私から田中選手に贈呈させていただきたい。

ただ、球団を通じてお話をいただいたところによりますと、あまり派手なことをしたくないという田中選手の、彼の人柄だと思いますが、「大騒ぎはしたくないので」というふうなお話でありますので、一般の皆さんが観戦に来ておられるときの前でできるのか、それとも控え室になるのか、というようなところは、まだちょっと決まっていないということでありますが、われわれの、札幌市民を代表しての感謝の気持ちは、しっかりとそういう形で伝えさせていただきたい、そんなふうに用意をさせていただいているということでございます。

スポーツニッポン

特に、市民栄誉賞だとか、そういう形のタイトルみたいなものはないと。

市長

市長表彰という制度が札幌市にございます。その一対応ということで、特別表彰ということになろうかと思います。

「平成19年度補正予算(肉付け予算)について(2)」

北海道新聞

再度、確認みたいな質問にもなりますけれども、今回の肉付けの予算案で、いわゆるマニフェストとの関係で、既に公約達成となる見込みの5項目、この関係なのですけれども、やはり、既に実質2期目のスタート、最初の年から、もう公約達成となるというふうに目配りするものであるわけですから、それなりの理由を持って、ここに重点的にある予算を配慮したと思うのですけれども、冒頭も、安全・安心とかは喫緊の課題であるというふうにおっしゃっていましたけれども、もう一度、この5項目をなぜ一番最初にまず公約達成というふうに目配りの配慮をしたのか、その辺りのところを、概論で、総括的でいいので、もう一度教えてください。

あともう1点。

先ほどから市長のお話を聞いていまして、何となく、市民にもちろん語り掛ける予算案なのですけれども、もう1つ、職員にも向けて何かしゃべっていらっしゃるような部分が、私の頭にちょっと残ったような感じがあるのです。つまり、職員に汗をかいていただく、もしくは、具体の予算案、金額を明示せずに、この予算書の中でですね、予算計上を伴わずに、職員がそのマニフェスト、上田さんが過去4年やってきて訴えてきたことをとらまえて、職員がやっていっていただけるようなことともというような言い方をされていますよね。やはり、あえて、そういう言い方を今、しなければいけないというような部分、そういうこともあるのでしょうか。

市長

少子高齢社会の対策の問題として、妊婦の無料健診の回数を上げる、5回にするというふうなことだとかですね、やはり緊急性を要するといいますか、政策として、これを実現することが、そう時間をかけていられないという問題等について一生懸命努力をさせていただいたというふうなことでご理解をいただきたいというふうに思いますのが1つであります。
それから、職員に向けというふうなことも、これも、20億の保留財源では、到底、やりたいことの何分の1かはできないということもございます。それは、本当にこれから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、「事業仕分け」だとかいろいろな形でこれから仕事をもっともっと絞り込んで、効率良く、そして無駄のない、そういう行政にしていかなければならない。これは、職員の工夫がどうしても必要なわけでありますので、市民に満足的な行政サービスといったものを分かっていただくためには、職員が一汗も二汗もかかなければいけないのだ、そんな思いを今持ったということでお話をさせていただいたわけであります。

札幌市の財政がどうなっているかということについて、これは市民自治を推進する上でも極めて重要な情報でございますので、市民の皆さん方に、私は選挙期間中、懇切丁寧に、何度も何度も繰り返しそのことを申し上げてまいりました。今回の予算の中でも、「これだけの財源なのだ」「だから、これをこんなふうに使おうではないか」というふうな形で申し上げることによって、市民の皆さん方にご理解をいただく、そして、職員にはもっと厳しい認識をもって仕事を自己点検し、連携、あるいは、無駄を省く、そういうことに意を用いる仕事をしてほしいということを呼び掛けているところでございます。

「『札幌市不当要求行為等対応マニュアル』について」

STV

不当要求の対応マニュアルの件で1つお伺いしたいのですけれども、先ほど市長、長崎の例も挙げていらっしゃいましたけれども、このマニュアルの中で、特に新たに評価した点とか、具体的に変えた点とかがありましたら、この中で具体的にあったら教えていただきたいのですが。

市長

特に目新しいというものはないというふうに思いますが、基本中の基本といったものをいま一度確認しようということが。何と言っても、毎日そういうことがあるというわけではありませんので、なかなか認識を常に持つということは難しいと思いますけれども、この際に原理原則をしっかり総合学習しようと、こんな思いで作られたというふうにご理解いただきたいというふうに思います。

まず、本当に基本中の基本は、「絶対に1人では対応しない」「必ず複数で対応し、そして記録化をするということ」が大事だということを、繰り返し、いろいろな実践場面で確認をさせていただくということであります。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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