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更新日:2011年3月1日

平成18年度第20回定例市長記者会見

日時 2007年2月20日(火曜日)15時~
場所 記者会見室
記者数 16人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「『世界ノルディックスキー2007』開幕に向けて」

ノルディックスキー世界選手権札幌大会が、いよいよ、あさって(平成19年2月)22日、この札幌で開催される。以前から申し上げていますように、単独開催では、アジア地域で初めてとなります「ノルディックスキー世界選手権大会」でございますので、皆さま方にも、この間、いろんな意味で報道していただきまして関心を高めていただくということで大変ご努力いただきまして、いよいよあさってでございますので、本当に多くの皆さま方にお集まりいただいて、楽しんでいただく、応援していただくということに、いま一度市民の皆さま方に呼び掛けをさせていただきたいなと、そんなふうに考えております。

3月4日までの大会期間中、現在のところ参加国49カ国、そして485人の世界の(ノルディック)スキーに関するトップアスリートがこの札幌に結集をし、熱い熱い戦いを繰り広げるということでございます。

日本の代表選手には、地元開催ということで、地の利も生かしていただきまして、持てる力を思う存分に発揮をしていただきまして、大活躍をされることを心から願っているところでございます。この大活躍をされることによって、実際にスキー人口というのが少し減っているという状況にございますが、これを盛り返すという意味合いでも、この大会が北海道・札幌のスキーに対する理解、関心を高める、そういう一助になっていただければ大変ありがたい、そんなふうに思っておりますので、市民の皆さんには、ぜひとも、競技会場に実際に足を運んでいただきまして声援をしていただきたい、このようにお願い申し上げたいというふうに思います。

この大会では、総勢3,600人の運営スタッフがおりまして、延べ5,500人の警備員を配置いたしまして、万全な体制で選手や観客の皆さんをお迎えをするという準備を進めているとこでございます。

このスタッフの中には、2,000人ものボランティアが含まれておりまして、これほど多くのボランティアに集まっていただけるということに、「さすがに札幌だな」というふうに思い、そういうボランティア活動をしていただける方々に対して心から感謝を申し上げたいというふうに思いますとともに、日ハム(北海道日本ハムファーターズ)の優勝パレードであれだけ素晴らしいパレードをみんなでやり遂げたということがあるわけでありますので、「何かの時には一肌脱ぐぞ」と、こういう「札幌人かたぎ」といったものがあるのではないかと、そんなふうに感じ、市長としてこの街に対する、そして街の人々に対する誇りといったものを感じるところでございます。

また、世界各国から、選手、コーチ、役員のほかに、メディア、それから観客が札幌を訪れることになります。

今、大通公園で準備をしておりますが、「札幌にぎわいまつり」が3月4日までの間、繰り広げられることになります。このにぎわいまつりは、札幌でおいしいものを気軽につまんで、そしてビールでも飲みながら、みんなでワイワイやろうと、こういう企画でございます。こういう楽しい冬の過ごし方といったものもみんなで味わいながら、「また札幌に来たいな」というふうに思っていただけますように、また、競技会場はもとより、観光スポット、それから、街角などにおいても「おもてなしの心」を持って市民の皆さま方にも積極的にお客さまに接していただく、そんなご協力をいただければというふうに考えているところでございます。

先般の「さっぽろ雪まつり」でも「おもてなしの心」で、市民、事業者、行政が一体となってお客さまをお迎えいたしました。総数、概算でございますが210万人を超えるお客さまに、この札幌市の「大通会場」、そして「さとらんど会場」「すすきの会場」に訪れていただきまして、大成功というふうに私ども理解をしておるところでございますが、特に大通会場は、平成14年がこれまでの中で一番人出が多かったというふうに記録がございますが、その次に多い人々にこの大通会場へ来ていただきました。189万人を超える方々が大通公園を見学していただいたと。この189万、どこかで聞いたことがある数字だなと思いますが、札幌市の人口そのものであります。これが、(2月)6日から7日間の雪まつりにおいでいただいたということを私たちは本当にうれしく思いますし、ここまで至るまでに、さまざまな皆さま方のご協力があって、このまつりが、また息を吹き返したというふうな気もいたしております。この勢いで、「北の大都市・札幌」というものが、このノルディックスキーでもたくさんお客さまをお招きするわけでありますので、熱気に包まれる、そんな期間を過ごしていきたい、こんなふうに思っているところでございます。

報道機関の皆さま方のご協力なくしては、成功はございません。冬季五輪開催からちょうど35年を経て成長した札幌を、ぜひ、世界に発信し、ご披露申し上げたいと考えておりますので、皆さま方の一層の報道等についてご協力のほどお願いできればというふうに申し上げたいと思います。

「『まちづくりプレゼンテーション大会』に参加して」

去る(平成19年)2月18日、日曜日でございますが、市内の大学生によります発表会「まちづくりプレゼンテーション大会」が、札幌市立大学のサテライトキャンパスで行われました。タイトルは「“大学生と地域が共に考え行動する”まちづくりプレゼンテーション大会in札幌」。この第1回が開催されました。参加をしたのは、札幌市立大学、札幌国際大学、北星学園大学、北海道大学、北海道東海大学の5大学でございます。それぞれ、その大学がございます地域との協働で取り組んでおります、まちづくりについての活動だとか、そこでのアイデアなどを若者らしく楽しく発表していただく、こういう機会でございました。

具体的には、沿道空間を美しくしようということでいわゆる「シーニック・バイウェイ構想」に挑戦をしている事例の発表がされたほかに、キャンパスでのラジオ体操とその後の活動を企画いたしまして、学生と地域の方々が一緒に健康づくりをやると、そしてそこでつくられた人間関係を元に、また地域のまちづくりに生かしていこうと、こんな、地域の連携を図っていこうという意欲に燃えたご提案がたくさん発表されました。漫才ブームもございまして、漫才のような発表もありまして、若者ならではの大変活気のある発表会だったというふうに思います。第1回ということで私ども非常に大成功だったなというふうに思っているところでございます。

また、学生たちと一緒に来場していただきました地域の方々や、まちづくりセンターの所長、あるいは区長も参加しまして、和気あいあいとしていて、まちづくり活動を基点にいたしました素晴らしい人と人のつながり、「緩やかな連帯」といったものが生まれてきているというのが、今回の私も参加をさせていただいての実感でございます。

参加した学生からは、昨日でありますが手紙をちょうだいいたしまして、「この大会をきっかけに、ほかにもいろいろ熱い思いを持った学生がたくさんいるということを知った」と。それで「各大学の学生同士の連携を図って、札幌を日本で一番学生が熱い街にしたい」、こんな声が札幌市に寄せられております。学生自身が、他の大学の学生のまちづくりについての活動報告に非常に刺激を受けて、「自分たちだけじゃない」「もっと面白いことをやろう」、こんなことを言い始めていることを私は非常にうれしく思います。こういう意味で、さらなる展開といったものが非常に楽しみだというふうに今考えているところでございます。

札幌市では、来年度も今回参加をした大学以外の学生による発表会を計画をしているところであります。このような地域の皆さんと学生による市民自治の新しい流れといったものが、しっかりと根付いていくことを期待しているということでございます。

昨日、手紙をちょうだいした学生の手紙によりますと、本当に楽しそうに、自分たちが、大学のキャンパスの中だけではなくて、そのキャンパスがある街との連携、人との連携、「フィールドワーク」といいますか、こういったものを通じて札幌で学ぶということの意義を語るということでありまして、私は、本当にうれしいことだなというふうに考えておりますので、彼らの活動がさらに広がりを持ち、また深みを持って、私たちのまちづくりにさまざまな形で提言をしていただける、そんなふうに発展していくことを心から願いたいなと、そんなふうに思っているところであります。

「元気ショップの売り上げ状況について」

昨年(平成18年)12月2日に、「元気ショップ」を地下鉄の大通駅コンコースにオープンをいたしましたが、おかげさまで、本当に市民の皆さま方のご理解をたくさんちょうだいいたしまして、今年度の売上目標は1千万円というふうに置いておりましたけれども、1月29日にこれを突破いたしまして、その後も、順調なペースを保ちまして、2月16日で、1300万円を超える売り上げを達成することができました。

これは、立地条件が良いということに加え、パンだとかクッキーだとか、こういう食品が大変人気を保っているということのほか、クリスマスや、正月、それからバレンタインデーなど、時節に合わせた商品を取りそろえたことが、主な好調な要因だというふうに分析をしているところであります。

この好調な売り上げを受けまして、商品を持っていくとすぐに売れるということで、製品を作っている障がいのある方々から「非常にやる気が増して、作業も非常に早くなった」というような感想をお寄せいただいております。また、「たくさんパンが売れたので、月の工賃が1万円以上上がった」というふうなことなど、作業所からも大きな喜びの声をいただいているところでございます。

また、元気ショップの存在が、作業所で働く障がいのある方々に非常に励みになっておりまして、「『もっと売れるものをつくろう』というふうに、工夫するようになった」ということも作業所からお聞きをしているところであります。

これを受けまして、札幌市では、来年度、新商品の開発などについて、アドバイスを希望する作業所に専門家を派遣する、そういう企画を実らせたいというふうに考えて今準備に取り掛かっているところでございます。

また、道内各地の作業所などの工芸品等を扱います「福祉ショップいこ~る」、これも大変好調でありまして、JR札幌駅の「北海道さっぽろ『食と観光』情報館」に隣接をしているという立地の良さもございまして、(平成19年)2月1日のリニューアル・オープン以来、売り上げが以前の約2倍に伸びておりまして、大変うれしく思っているところでございます。

名前のとおり元気いっぱいの元気ショップと併せまして、より一層、障がいのある方々の自立支援というものを図るとともに、今後も、市民の皆さまに、気軽にお立ち寄りいただくような取り組みを企画いたしまして、障がいのある方々の活動に対する理解というものを深めていただきたいというふうに考えております。このことを通じて、障がいのある皆さん方の就労を支援するという側面と、それから健常者と障がいのある方々との間の精神的な障壁、これを乗り越える、「心のバリアフリー」といったものも実現できる1つのきっかけになるのではないか、そんなことも期待をさせていただいているところでございます。

札幌市、さまざまな形で障がいのある皆さん方に、いろんな形でサポートをさせていただきたいというふうに考えておりますが、比較的順調に、この間、取り組んできたことについて、市民の皆さま方のご理解を得て今日まできているということをご報告申し上げ、ご支援をいただいている皆さま方に心から感謝を申し上げ、これからもどうぞよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

配布資料

質疑内容

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(1)」

HBC

「子どもの権利条例」と「市民活動促進条例」の2つの条例がきょう(平成19年2月20日)の市議会で否決されたことについてなんですけれども、否決されたことについて今どのようにお考えになっているのかが1点と、否決されたことで選挙戦への影響、どのような影響があるとお考えになっているのか、以上2点聞かせてください。

市長

2つの条例がきょう本会議で否決をされたということを大変残念に思っておりますし、とりわけ、この間、市民活動を一生懸命頑張ろうというふうに思っておられたNPO活動をされておられる方、あるいは町内会活動の中でも非常に期待をしておられた皆さん方のご期待に沿うことができなかったということを、非常に申し訳なく思っているところであります。
それから、子どもの権利条例につきましても、たくさんの子どもたちが参加をして、今この権利という側面から自分たちの置かれている状況をどう認識し、そして、今の状況からひとつ改善していくためには何をしたらいいのかということについて、広範な議論をしていただいたということもございますので、この条例作りのためにさまざまな形で参加をしていただいた子どもたち、そしてお父さんお母さん、保護者の皆さん方含めまして、ご期待をいただいていたにもかかわらず、議会を説得し切れなかったということについて、私も大変責任を感じておりますし、大変申し訳ないという感想でございます。

この2つの否決をされたということが、今後の選挙にどう影響するかというご質問でございますけれども、私は、昨年の12月20日に、「立候補いたします」という宣言をさせていただきましたので、この2つの条例をいま一度公約に掲げさせていただいて、もちろん、このまんまということではないかもわかりませんが、より説得力のある、そして、今回の案をベースに、多くの方がもっともっと賛同していただけるような工夫をしながら、この2つの条例が札幌市の今後のあり方を定めていく、そういう条例になりますよう成立を目指すということを、私の公約に加えるということにさせていただきたいなと、現在のところ考えているところであります。

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(2)」

毎日新聞

先ほど、議会を説得し切れなかったというお話でしたが、その内容について、どういう面が足りなかったというふうにお考えですか。

市長

私は、足らざる部分というのは、あまり今のところ思い浮かばないのですが。通常の条例制定に向けた諸手続きといったものは、十分実践をしてきたというふうに私は思っておりますし。

市民活動促進条例についても、これは条文だけ並べたという、そういうものではなくて、この私の市政を預からせていただいた3年7カ月の集大成といいますか、という意味合いでの市民活動促進条例ということでございますので、あるいは、これまで、いろんな議会のご意見もちょうだいしながら作ってきたという経過もございますので、そういう意味では足らざる部分というのは、今のところあまり思い当たりませんし、子どもの権利条例につきましても、時期尚早だとか、子どもの権利というものを認める、条例化することによってその権利乱用が起こるのではないかというふうな、あるいは家庭崩壊、学校崩壊が起こるのではないかというふうなお話がきょうもございましたけれども、少し私は反論がございます。

日本国憲法で基本的人権を宣言したわけでありますが、乱用することによってわがままな国民になったんだろうか、そんなことは決してないというふうに私は思いますし、憲法の12条でも、「権利の乱用は認めない」ということが宣言をされております。それはどんな権利でもそうなわけでありますので、使い方、自ら頭の中に権利というものを置くだけではなくて、実践を重ねていく、失敗をすることもたくさんあると思いますが、その失敗を踏まえて、「何が権利なのか」「何が尊重しなければならないものなのか」ということを実践の中でわれわれが体得をしていくという根拠にするべき条例でございますので、「もう少し説得をできれば良かった」というふうに私は思っているんですが、そういう説得活動をこれからも続けていけるように、あるいは謙虚にもっといろんな意見を聞くということも進めながら努力を重ねてまいりたいと、そんなふうに思っているということであります。

毎日新聞

ちょっと関連で。
きょう(平成19年第1回定例市議会本会議)の討論の中で、賛成側からは「政争の具にするな」というようなお話もありましたが、それについてはどういうふうにお考えですか。

市長

そういうご意見もあろうかというふうに思います。

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(3)」

北海道新聞

関連してということで。

そういう意見もあろうかということですが、市長ご自身はどのような印象をお持ちでしょうかというのが1つと、「説得を続けていく」と、「公約に掲げていく」ということですが、現状ではなかなか、市議会の勢力というのは、賛成勢力が少ないんですけれども、その議会側への説得も含めて公約の中でどのような打ち出し方をしていくのかと。

もう1つ、市民の民意はどちらにあるのかと。この条例をとるのかとらないのかという部分では、どっちの方に民意があるのかと。そういうことも含めて議会の説得の方法というのをどのようにお考えなのか。

市長

当然、私が公約に掲げさせていただく、そしてその公約の出し方というのは、市民の皆さま方にご理解を得るという、そういう努力をしていくという意味合いであります。従いまして、そこで選択をしていただいて、民意の一環を私自身に対する支持をするかしないかという形で問うというふうなことになろうかというふうに思います。

その結果、どうなるか分かりませんけれども、私が勝利させていただきましたら、当然そのことを基に議会にいま一度ご理解をいただく手続きを開始したい、そんなふうに考えているということであります。

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(4)」

北海道新聞

関連になります。条例を今回提案するまでの間に、市民活動(促進条例)でいうと、当初は入っていなかった「町内会支援」という言葉を前に持ってきたり、あと、子どもの権利(条例)についても、「他人の権利の尊重」ということを新たに盛り込んだりという作業をしました。

そうした作業をしたことに対して、例えば市民活動でいえば、市民団体の皆さんからは「町内会条例ではないぞ」というようなお話があったり、子どもの権利でいうと、「それは当たり前ではないか」という声があったりして、市が行った条例のいわゆる改善というのでしょうか、に対してやや批判の声もあると思うのです。そこについてのご認識をお聞かせください。

市長

市民活動促進条例につきましては、先進自治体といいますか、で行われているNPO市民活動の促進というか、市民活動の範囲の問題としてNPOを中心にしたというところが比較的多いように思います。町内会という形も明記をしたのは恐らく札幌が初めてではないかなというふうに思います。

これは、やはりその土地、その土地柄における市民活動の、あるいは住民活動の歴史といったものと現状認識というものが大事にされるべきだというふうに私は思います。

そんな意味で、団体補助というよりも、その活動をどう保障していくかというふうな意味合いでの条例にしていこうと、議論の過程でそういう判断をさせていただいたわけでありますので。いろんな意味でご批判はあろうかというふうに思いますが、私は、さまざまな旧来からの活動主体と新しい問題意識を持った活動主体といったものがさまざまな形で絡み合って、既存の組織も新しい組織もそれぞれ活性化していく、相互に刺激し合って、いい活動が生まれてくることを目標にしたいというつもりでおりますので、議論の過程でいい案ができたのではないかなというふうに私は考えているところであります。

それから、子どもの権利条例については、これは言わずもがなと言えばそれまででありますし、先ほどご案内申し上げましたように、何よりも憲法の第12条に、権利の乱用は、これは認めないという規定がされておりまして、そういう意味では、「もう一度それは確認すべきだ」と言われれば、確認しても邪魔になるものでもありませんし、例えば学校教育等で先生方もご苦労されるというようなお話も少しくお聞きいたしましたので、ご心配ならそこは、はっきり、子どもたちに指導する際の指導原理として、一助になるのであればそれは入れても、それは何ら問題のないことだろうと、こんなふうに考えておりますので。分かりやすくというのが大事な要素であり、自分たちの今置かれている社会状況、それを踏まえて最善のものをつくっていくというのが趣旨でございますので、そんな意味では、今提出させていただいた条例案というのはそれなりに密度の高いものに出来上がっているというふうに私は思っております。

ただ、救済方法とかオンブズマン制度とか、ここら辺はまだこれからという話でもございますので、あるいはそういったものも、制度といったものも含めて再提案をするような形になることも考えられるな、こんなふうに思っているところであります。

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(5)」

朝日新聞

今ほどの質問に関連ですが、まず市民活動促進条例ですが、町内会とNPOというところで、今のお考えは「相互に刺激をし合う」ということだったのですが、議会の中には、「別々に条例を作って、それぞれに支援をするような仕組みを作った方がいいのではないか」というような意見もありますが、それについてのお考えはどうかというのが1点と、もう1点は、子どもの権利条例は特にそうだと思うのですが、議会の構成と議会の賛否を考えると、否決というのは提案される前からある程度想定ができたかなというところで、それでもあえて提案されて、否決という結果になっているわけなのですが、その点、あえて否決ということでも提案をするということの意義をお持ちになったのでしょうか。

市長

1点目の、町内会は町内会、NPOはNPOという形で、別々の条例でというふうな考えも、それは考え方としてはあるというふうに思いますが。

町内会の皆さま方も非常に一生懸命やっておられて、元気いっぱい活動されているところはたくさんございます。しかし、問題点もいろいろ抱えておられるということは皆さんおっしゃることであります。高齢化だとか、役員のなり手が少なくなる、あるいは町内会の加入率が少し落ちてきているというようなこと等々ございまして、私は今回の議論の中で、これを解決する1つの方法としては、地域のさまざまな活動主体といったものと交わるということによって、新しい間口といいますか、「町内会活動」「住民活動」「地域活動」といったふうな枠組み、玄関口を広げていくということが町内会にとっては大変大事なことではないだろうかと。それを可能にする1つの方法として、いろんな活動をしやすい、連携がしやすい、そんな市民活動、他の団体との交わりといったものが、さまざまな資金的な援助を得たいと思うときに、発想の中に活動を共同していくという視点が生まれる可能性があると、そんなふうにも思いますし、NPOの活動も、町内会のような在来の地域住民の皆さん方の活動に対してどう関与していくかといったことがこれからの課題でもあるだろうというふうに私は思います。

そんな意味で、1つの条例の中にそれぞれの活動をプレゼンテーションし、そして、資金的な補助といいますか、といったものを得られるために共通の舞台で競い合って主張し合っていくということが大事ではないかと、そんなふうに考えたわけであります。

子どもの権利条例につきましては、私は、これもこの3年半なり、私が就任して以来、子どもたちを人権の主体として、そして札幌市の大事なメンバーとしていろいろな意見を聞きながら子どもの施策を立てていこうと、こんなことをやってきたことの1つの集大成という形でこの条例を提案したいということで準備をさせていただきました。

そして、現実に、この条例作りのために子どもたちも「子ども委員会」をつくって、主体的に参加をしていただいたという経過がございますので、私の任期満了までの間にそれを提出しないという選択肢は私には残されていないというふうに考えた次第でございます。

「札幌市長選を控えて」

uhb

きょう(平成19年第1回定例市議会本会議)の議論にも関係するかと思いますけれども、市議会会派の中で、公明党との関係なのですけれども、きょうも含めて、最近、これまでの協調姿勢から対決姿勢に傾く部分がかなり多いという印象を受けます。特に、選挙戦を控え、ここ昨今ですが、公明党の本部の方がいわゆる対立候補の清治さんの方に傾いていると、そういうような報道もありました。そのような公明党の動きに関して、市議会の動きに関してどのようにとらえていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。

市長

私は、私の市政の目標、こうあるべきだというふうに考えていることをじゅんじゅんと、一緒にできるだけ多くの方々とご理解を得ながら進めていきたいという姿勢には、今までと全く変わるところがありません。
そんな意味で、選挙絡みでどういう選択をされるかということは、これはそれぞれのお立場でお考えになることですので、私がとやかく言うことではございませんが、今現にご提案させていただいているようなことについて、できればご一緒に考え、一緒に悩みながら一緒に行動を取っていただきたいという呼び掛けはこれまでどおりさせていただくという姿勢に変わるところはないというふうにご理解いただきたいというふうに思います。

「子どもの権利条例案と市民活動促進条例案の市議会での否決について(6)」

毎日新聞

もう1回戻りますが、きょう(平成19年第1回定例市議会本会議)の討論の中で、自民党が、市民の意見の吸い上げ方が足りない、あるいは偏っているというような言い方をしていましたけれども、それについてはどのようにお考えですか。

市長

私は、もちろん、189万人の大都市で、「どの部分にどの程度」という程度の問題はあるというふうに思います。ただ、何万人に意見を聞いたから十分だ、あるいは少ないとかいうことは、なかなか私は、どちらででもそれは言えることでありますので、何が基準だという基準はないというふうに思いますが、しかし、かなりの情報提供は、この間、させていただいてきたというふうに私は考えております。

ほとんどの子どもたちに、この(子どもの権利条例素案の)概要をお渡ししておりますし、それをどこまで学校で利用していただいたかということについては、札幌市立の小中学校等については、それなりのご感想等はちょうだいしておりますけれども、全部についてどうだったかというところまで把握はもちろんしておりません。

ただ、5、000件を超える子どもたち等からのパブリックコメント、意見、こういったものがあったというのは、これまでの条例制定過程では、この規模でのものはなかったというふうに私は思いますので、そんな意味ではかなり原局も頑張ってやってくれたというふうに思いますし、ほかの政策を実現するときも、メディアの皆さん方のお手伝いもちょうだいしながら、比較的、発言をする、発表をする、あるいは意見を形成するチャンスは相当提供させていただいたというふうに私は考えておりますので、必ずしも、少なかったという、あるいは偏っているというふうには。私どもは、理解は少し異なるなというふうに考えております。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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