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更新日:2011年3月1日

平成18年度第18回定例市長記者会見

日時 2007年1月25日(木曜日)15時~
場所 記者会見室
記者数 20人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「平成19年度予算・定数・機構編成について」

予算・定数・機構編成の総括

平成19年度は、4月に市議会議員そして市長選挙が実施をされますことから、義務的な経費や例年実施をしております事業などを中心にした、いわゆる「骨格予算」ということになります。それに合わせまして、定数・機構も編成させていただいたということでございます。

また、これまで進めてまいりました市役所改革を継続するとともに、財政構造改革や出資団体の改革を着実に実行し、そして行政評価の検証結果なども踏まえまして、事業の選択と集中といったことを進めていくとともに、民間への委託あるいは移譲などを進めていくと、さらなる組織のスリム化や効率的な執行体制というものを整備することとさせていただきました。

次に、予算総額についてでございますが、一般会計が7756億円、特別会計が4,797億円、企業会計が2,982億円、合わせますと1兆5,534億円となっております。

組織・体制についてでございますが、北海道新幹線の札幌延伸の早期実現に向けまして、「新幹線推進室」というものを新たに設置をいたします。また、「市民自治推進室」を新設いたしまして、市民自治のさらなる実現に向けた推進体制の強化を図りたいと、こういうふうになります。

また、昨年(平成18年)の地方自治法の改正によりまして、現行、特別職といたしまして置かれております収入役が廃止されることになっております。新制度への移行には任期いっぱいまでの経過措置というものがございますけれども、収入役から退任の意思表示がございましたので、(平成19年)4月1日より収入役を廃止し、一般職であります局長職の会計管理者を置くことといたします。

次に、職員定数でございますけれども、18年度14、985人でありました職員定数ですが、これを185人減らしまして14、800人ということにさせていただきます。

予算の概要

予算のポイント

先ほども申し上げましたとおり、19年度予算は、いわゆる骨格予算として編成いたしましたけれども、私の任期が6月までということになっておりますことから、新しい体制の下で編成される「肉付け予算」が成立するまでの間、市政運営に空白が生じることがないようにする必要がありますし、また、骨格(予算)といえども、札幌の街が元気で健やかに発展していくために手を休めることができないことは、ある程度盛り込むことが必要だというふうに認識をしたところでございます。

こうしたことから、子育てに対する支援だとか、安全・安心な暮らしの確保だとか、あるいは教育環境の整備など、最近の社会情勢から重要であり、かつ早急な対応が求められている政策課題にしっかりと対応するとともに、公共事業についても発注に支障が生じないよう、見込むことができるものは相当程度盛り込む予算といたしました。
その一方で、これまで取り組んでまいりました財政構造改革についても、歩みを止めることなく進めていく必要があるというふうに考えておりまして、19年度は開発系の基金を含む基金の有効活用や、ホームページなどを活用した広告事業といった新しい取り組みにも着手をさせていただきます。

この結果、市債の計上額について4年連続で縮減をしていくこととともに、17年度から減少に転じました市債残高についても3年連続で減少するなど、持続可能な財政構造の確立に向けた取り組みというのが着実に成果を挙げていくものと考えております。

元気な経済が生まれ、安心して働ける街さっぽろの実現に向けた施策

平成16年度から3年間の期限で実施しておりました「札幌元気基金」につきましては、目標としておりました500億円を達成し、昨年の12月末現在でありますが、融資実績が533億円、そして利用件数が10、029件というふうにこの実績が挙がっておりまして、さらにこの実績を伸ばしておりますことから、無担保・無保証人扱いといった借りやすく優れた部分を、既存のいわゆる「マル札資金」、これは「中小企業金融対策資金貸付」というものでありますが、皆さま方の間では「マル札資金」というふうに愛称で呼ばれております、その一部にこの元気基金の優れた部分を取り入れていくということで、引き続き中小企業の皆さまの資金ニーズに対応した支援を進めてまいります。

建設業などの構造不況業種への対応といたしましては、家屋補修や除雪などの地域の生活ニーズと建設業が持っております人材・技術をうまく結び付ける「コミュニティ型建設業創出事業」をこれまで5区で行ってまいりましたが、これを全区へ実施エリアを拡大するとともに、中小建設業者などが新分野へ進出したり、あるいは経営効率化に取り組む場合の支援についても引き続き進めてまいりたい、このように考えております。

また、建設業の厳しい状況を勘案いたしまして、建設事業について見込めるものはなるべく当初の予算に計上いたしましたが、当初予算と同時に提案いたします18年度の補正予算において、なお、道路等の防災対策や発注の平準化などについて盛り込む方向で検討を進めているところでございます。

集客交流都市の魅力の発信といたしましては、「雪まつり」や「ライラックまつり」など歴史あるイベントを、市民や海外とも連携しながら魅力を高める取り組みを進めるとともに、市内の梅の名所でございます平岡公園においてライトアップを行いまして、夜も美しい花を楽しめるような場にしていきたいというふうに考えているところでございます。

健やかに暮らせる共生の街さっぽろの実現に向けた施策

合計特殊出生率が17年で1.0を割り込むという極めてショッキングな状況から、少子化対策は待ったなしの政策課題であると認識をいたしております。

こうしたことから、18年度に改定した「子ども未来プラン」に基づいて保育所定員を270人増加するとともに、保育と幼児教育の機能を併せ持つ、仮称でありますが「市立認定こども園」の整備に向けた実施設計や、子どもたちの放課後の活動場所となります「ミニ児童会館」について昨年を上回る11カ所の整備を進めるなど、誰もが安心して子どもを生み育てられる環境を整備いたします。

また、昨年12月にオープンいたしました「元気ショップ」を拠点として授産製品の販売を促進する事業に着手するとともに、地下鉄駅や市営住宅などのバリアフリー化を進めるなど、障がい者や高齢者が地域で自立して暮らすことができるような取り組みを展開してまいります。

世界に誇れる環境の街さっぽろの実現に向けた施策

まず、円山動物園につきましては、動物とのふれあいイベントを充実したほか好天が続いたことなどから入園者数が大幅に伸びておりまして、冬場に入っても好調な状況を維持しております。誠に喜ばしいことだと思います。19年度は、オランウータンに伴侶を迎えるとともにその新居となります類人猿館の整備を行うほか、野生動物の復元事業など、動物園の魅力をさらに高める取り組みを進めてまいります。

また、新たな温暖化対策といたしまして、これまで進めてまいりました「CO2削減アクションプログラム」について、例えばエコライフ宣言のような10万人の目標をすでに達成したものは市民の継続的な環境行動を支援するように見直すなど、取り組みを再評価し、さらに効果的な展開を図るとともに、子どもたちへの環境教育についても充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

都心の再生につきましては、駅前地下歩行空間整備や創成川通アンダーパスの連続化を引き続き進めるほか、今年度末に閉館を予定しております市民会館に代わります市民交流複合施設についての基本計画の策定などを実施いたします。

芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろの実現に向けた施策

11月を芸術文化月間と位置付けて、演劇、音楽、美術など市民が気軽に楽しむことができるようなさまざまなイベントを開催する「アートステージ」を開催するほか、芸術の森の野外ステージに仮設スタンドを設置いたしましてイベントを集中的に行う取り組みなども引き続き進めてまいります。

ゆたかな心と創造性あふれる人を育む街さっぽろの実現に向けた施策

最近、いじめの問題により子どもたちが自らその命を絶つという非常に痛ましい事件が相次いでおります。極めて遺憾であり、深刻な問題であるというふうに考えております。

札幌市としてもできる限りの対策を速やかに講じることが必要でありますので、こうしたことから、生徒指導上のさまざまな問題に対応するスクールカウンセラーについてすべての小学校への派遣が可能となるような拡充を図るということにさせていただきました。教育委員会内にいじめ問題に専任で対応できる相談員を配置いたしまして相談体制を充実するほか、特別な教育的支援が必要な児童を適切に指導するための巡回指導員について大幅に増員をいたします。

このほか、老朽化した中学校2校について、バリアフリー化や環境にも配慮した改築を行うほか、後ほど説明いたしますが校舎の耐震化などについても進めてまいります。

その他の取り組み

初めに安全・安心対策でありますが、今年度策定いたしました「市有建築物耐震化緊急5カ年計画」に基づいて、災害時の応急活動の拠点や避難所となります施設のうち耐震性能が低い特定の市有建築物64施設のうち、およそ半分に当たります29施設の耐震化に着手するとともに、社会現象にまでなりました耐震偽装等の再発防止だとか、木造住宅に係ります耐震診断の推進にも取り組んでまいります。

またJR篠路駅西地区における再開発や厚別副都心地区のバリアフリー化など地域の中心となります拠点の基盤整備を進めるとともに、新たな組織を新設いたします新幹線については要望活動や広報啓発活動経費などについて拡充をしてまいります。

財政構造改革の取組状況と収支不足の解消

札幌市では、持続可能な財政構造への転換を図るとともに、中期的に見込まれます収支不足を解消するために、平成16年12月に策定をいたしました「財政構造改革プラン」に基づく個別の取組項目を進めて17、18年度の2カ年で273億円の効果を挙げました。

19年度についても、財政構造改革の歩みを止めることなく、プランの取り組みの方向性に沿ったさまざまな見直しを行うことといたしまして、69億円の効果を見込んでいるところでございます。
19年度の予算編成に当たりましては、扶助費の伸びの鈍化などによりまして、当初の見込みよりも収支不足が減少しましたが、なお100億円を超える不足が生じました。

これに対して先ほど申し上げましたさまざまな財政構造改革に向けた見直しを行いまして、さらに不足をいたします49億円について財政調整基金で対応してまいります。

19年度予算を踏まえた新しい中期財政見通しにつきましては、肉付け予算編成に合わせて公表する予定でありますが、これまでに公表したものから大幅に好転するという状況には無いと考えておりますので、今後も財政構造改革に向けた取り組みは引き続き進めていく必要があるものと認識をしているところでございます。

「AEDの地下鉄全駅への設置について」

札幌市交通局では、突然の心肺停止の状況に陥った方に電気ショックを与えて救命をいたしますAED(自動体外式除細動器)を地下鉄全駅に設置することといたしました。

既に昨年から乗降客の多い「大通駅」「さっぽろ駅」「すすきの駅」の3駅にはこれを設置をしているところでありますが、万が一のときに、どの駅でも救命活動ができるだけ速やかにできますように、残りの駅にすべて設置をすることとしたものでございます。

また、(平成19年)2月は「雪まつり」だとか「世界ノルディックスキー2007」などで多くの観光客の皆さまをお迎えすることとなりますので、その前の2月1日に設置を完了するように準備をしているところでございます。

地下鉄の駅の職員545人全員もこのAEDを取り扱えるように、既に講習を修了しているところでございます。

前回の会見でもご報告いたしましたとおり、消防局でも1月9日から消防隊54隊にAEDを積載いたしまして、救急隊と連携した救命活動を始めておりまして、札幌市のこれらの取り組みによりまして、市民の皆さまや札幌においでの皆さんの命を少しでも多く救うことができるように期待をしているところでございます。

「『雪に負けないサッポロづくり本部』の取り組み状況について」

通称「ゆき本」でございますが、区役所などで配布をするとともに、私自身も、お招きをいただきました新年会に持参をいたしまして配布をさせていただいてまいりました。これまで59カ所の新年会でご協力をいただいた結果、約15、000冊を配ることができ、当初2万部印刷をしたわけでありますが、新たに2万部を増刷させていただきました。

お読みになった方々からは「市の取り組みがよく分かった」と、「市民も何かやらなければいかんですねぇ」と、こういうふうな声が寄せられ始めております。

地域、そして除雪の事業者、そして行政が一体となって地域の除排雪を考える「地域と創る冬みち事業」では、現在176の町内会でいろいろな取り組みについて話し合いが行われております。

その中でも、公園を雪置き場にしようというようなことも試みとして行われておりまして、当初想定しておりましたのは、50カ所程度でやろうというふうな考え方でございましたけれども、さまざまな議論を通じて、これを大きく上回りまして、104の公園において雪を置こうというふうなことで住民の皆さま方との合意ができ、これを今実施しようというふうに考えているところでございます。

また、つるつる路面にまきます砂を置きます「砂箱」も、行政で用意するもののほかに、民間事業者の寄贈により設置をしたものが、現在のところ市内に78カ所ご協力をいただいて設置済みとなっているところでございます。

さらに、全市にたくさんございますコンビニエンスストア業界にも砂まきへの協力のお話を受けていただきまして、現時点で、市内約500店舗で砂を置いていただくことにご協力をいただくことになっているところでございます。これからもこれが相当数伸びていくという見込みでございます。

さまざまな場面で、事業者、そして商業者の皆さま方にもご協力をいただいて、市民の安全といったものをみんなで実現していこうというふうな機運といったものが盛り上がってきているように私どもは考えております。市民、事業者を巻き込んだ取り組みというふうに言うのでしょうか、雪を題材にした市民自治と。市民参加のまちづくりが芽吹いてきた1つの表れだと私は大変喜んでいるところでございます。

これまで、ことしは少雪といいますか、雪があまり降らない傾向にありましたけれども、ここ2日ほどまとまった雪が降りまして、これから冬本番、本来の札幌の雪との格闘が始まる、冬真っ盛りということになります。

この「雪に負けないサッポロづくり本部」の取り組みを、今後とも私どももPRをさせていただきたいというふうに思いますし、報道各社も引き続き積極的に取り上げていただきたいと、このように心からお願いを申し上げたいというふうに思っているところであります。

配布資料

質疑内容

「札幌市長選への出馬を表明している清治氏の記者会見について」

HBC

予算とはちょっと関係のない質問なのですけれども、今、同じ時間に、市長選に立候補予定の清治氏が会見を開いて、みずからの政策をアピールする場を設けているわけなのですが、それについてはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

市長

いろいろお考えになっていろいろ活動されるのは、いろいろな考え方があるというふうに思いますので、私から特にコメントする立場にはないというふうに申し上げたいというふうに思います。

「事業の選択と集中について」

朝日新聞

予算づくり4回目ということなのですけれども、掲げられた財政構造改革であるとか、あるいは借金を減らす、市債の削減というところで言うと、目標額とその達成度合いというのは数字で把握することができるところなのですけれども、事業の選択と集中ということをかつて掲げていらっしゃるので、その上で減らすところは減らしていって必要なところへ投下するという、その辺は元気ビジョンの中、公約だと思うのですけれども、ここを数字的に何とか見ることができると非常に分かりやすいのかなと思うのですけれども、その点、なかなか、大きな箱物を造れば、「どんと、これだけできました」みたいな、そういう言い方ができると思うのですけれども、そういう形の政策分野ではないので、なかなか難しいのかなと思うのですけれども、そういう辺りをどういうふうに市長はお考えになっておられますでしょうか。

市長

従来の予算の中で大きな位置を占めておりました公共事業とか、直接市民の目に見える、「これができたから、これにお金を使ったんだよ」というふうに説明できるものが、だんだん少なくなってきたということがございます。これは札幌市だけではなくて、全日本的なレベルでそのように言うことができるというふうに思います。

その反面、セーフティーネットといいますか、扶助費とかいう義務的な経費、ここら辺が非常に伸びてきているというようなこともありますので、なかなか市民の皆さん方にご理解いただくのは難しいといいますか、というところはご指摘のとおりかなというふうに思います。

ただ、市民の皆さん方に本当にこれからのお金の使い方をしっかり考えていただけるような、そういうシステムといいますか、市民がいろんな活動をできる場面といったものに力を入れて、今、まちづくりセンターでの活動だとか、その地域での活動に対する支援だとか、そういったことにお金を少し増やさせていただくというようなことでやっておりますので、「何かに参加をしよう」というふうなお気持ちを持っていただけたならば、「予算の中で札幌市がこういうことに重点を置いているのだな」というようなことはよくお分かりになれるのではないかな、あるいは、小さいお子さんを持っておられるお母さん方、あるいはご家庭の皆さん方には、札幌市が両立支援をしていこうというふうな形で、子ども関連予算というものにかなり力を入れているということはご理解いただけるというふうに思いますし、「ミニ児童会館」等、子どもの放課後の居場所を確保していくというようなことも含めて、相当程度充実をしているというようなことはご理解いただけるのではないかと、そういうふうに考えております。

「骨格予算の規模について」

朝日新聞

骨格予算ということなのですけれども、かなりそういう意味で言うと、先ほどご説明のとおり、必要な少子化対策、緊急性のあるものなどを盛り込んでいるので、かなりのボリュームになってきているのかなと思うのですが。

市長

そうですね。

いわゆる骨格予算というふうに言われておりますけれども、私が6月まで任期があるということも、1つ特殊事情ということも言えるかというふうに思いますので、行政の継続性の問題と社会的なニーズについての基本的な認識というものに従って滞りのない行政サービスを展開するというふうなことになりますと、どうしてもこれぐらいの規模になってしまうというふうに。

私どももなるべく肉付け予算を多くしようと考えていたのですけれども、なかなか現状の厳しい歳入額等を見ても、こういう規模になってしまったというふうに言わざるを得ないところであります。

「肉付け予算に向けての財源留保額について」

朝日新聞

財源留保が20億ということなのですけれども、この20億というのは、市長は再選を目指されるので、実際は「その20億でこういうこと」というのは頭の中にはおありになるのかなと思うのですけれども、20億というところになった意味合いみたいなのは、どんなふうにご説明されますか。

市長

財政調整基金もほかに55億ほどございますし、そういう意味では、20億というのは決して少なくない額ではなかろうかというふうに思います。

「基金の有効活用について」

北海道新聞

今回、事務事業の見直しの中で、収支不足解消のために基金の有効活用ということで、まちづくり(推進基金)、あと土地開発(基金)、両基金の現預金を取り崩したということなのですが、これはかなり知恵を絞って有効な、斬新な手法、手だてを見つけたというようなものなのか、それとも、禁じ手であって、本来付けてはいけないところに手を付けたというようなスタンスのものなのか。さっきのお話を聞いていますと、有効化ということでこういうふうにやったと。どちらかというと前向きなような印象を受けたのですけれども、基本的にはどう認識すべきようなものなのですか。

市長

褒めていただけるような方向というふうに私は思っているのです。基金は、基本的には基金という形で管理をし、そして、それの運用益をうんぬんという形になるのが普通でありますが、ここから借り受けて、そして使うというようなことで、金利分を節約するとかいうようなことは昨年もやりましたけれども、やはり札幌市、非常に進んだ使い方として、私は有効活用、黙って置いておくのではなくて、もっと今の財源不足に、基金の額は減らさないけれども、それを有効に使うということができるという新しい方法を札幌市が編み出したと言ったらおかしいですが、努力をさせていただいている、知恵を出させていただいているということでご理解をいただきたいというふうに思います。

「財政構造改革プランについて」

朝日新聞

平成16年の12月から始まった「財政構造改革プラン」ですが、内部的な努力、事務事業の見直しですけれども、17、18年度に比べると19年度の努力のしどころの額が少しやっぱり少なくなってきたかなと。これは、かなり取り組みが進んだからということなのでしょうけれども。

市長

過去2年、20%、20%ということで削減をして、これは本当に何度か、「乾いた手ぬぐいをさらに絞る」といいますか、というような思いで、各局でさまざまな努力を重ねて273億円という成果を挙げてきまして、さらに行政サービスの質を維持しながら経費節減といったことを考えていきますと、かなり限界点まで来ているというふうなところもあろうかというふうに私は思っております。

これから、もちろん外部委託とかそういうふうなことで努力を重ねていかなければならないというふうに考えておりますが、それはまた新しい市長が決まった段階で政策決定をするべきことかなというふうにも考えますので、とりあえず今の段階では、69億円の経費節減効果、そこまでが限界だったというふうにご理解いただきたいというふうに思います。

「『新幹線推進室』の新設について」
「少子化対策について」

uhb

事業について2点ほど伺います。

まず、新幹線についてですけれども、今回、「新幹線推進室」という独立した部局を設置して、1000万円程度予算計上されています。もともと就任当時は慎重なご姿勢だったというふうに記憶しておりますけれども、この4年間で新幹線の意義付けというのはどのように変化されて、来年度(平成19年度)、新年度ですけれども、どのようなところまで活動を目指したいのかというのが1点。

あと、少子化についてですけれども、0.98という政令都市では一番低い(合計特殊出生率)ということで、かなりショッキングな数字ですけれども、この対策を見る限り、それほど斬新なという印象は受けなかったのですが、特に札幌市として力を入れる、もしくはこれから力を入れたい事業というのは何かありますでしょうか。

市長

「新幹線推進室」をつくるということで、当初慎重だったのではないかというふうにお話がございましたが、私は、誤解を受けていると思いますけれども、当初から慎重だったということは、いろいろな報道機関の皆さん方そうやっておっしゃいますけれども、そのような発言をしたことは一切ございません。問われなかったというか、あるいは札幌延伸なんていう問題は当初から運動課題としては凍結されていたという状況であります、私が就任した当時。

それから話が進んで、新函館まで来るという、北海道まで新幹線が伸びるのだという展望ができて、それから札幌延伸ということが次の課題ということになったわけであります。これまでの間、札幌市はずっと(北海道新幹線建設促進)期成会の立場で、私もしっかり役職(副会長)としてはちょうだいしておりましたし、それが特に状況が変わって、私自身の政治的な姿勢が変わったということは一切ございません。ですから、そこはちょっと誤解があろうかというふうに思います。

そして、函館までの着工が成ったということで「次は札幌だ」ということで、「本当に出番は今だ」ということで、私は昨年来運動を大展開するというふうにさせていただいているわけであります。

そんな意味で、どういう展開をするかということについては、当然のことながら、市民の皆さん方に、新幹線を札幌に延伸するという意義、その経済効果といったものをしっかりご理解をいただくということが第一でありますし、その熱を政策決定をする中央に伝えていくということが大きな運動課題としてあるだろうというふうに私は考えますので、私の立場で多くの市民の皆さん方の声を集約し、そして、特にこの1、2年がかなり札幌延伸の山場だというふうな判断をされている方々も結構多くおられますので、そこはしっかり新幹線対策室をつくって官民挙げて運動に取り組んでいきたい、その先頭に私も立たせていただきたいというふうに考えているところであります。

少子化対策の問題については、目新しいもの、斬新なものというのはないのではないかというご指摘ですが、これは本当にそうだと思います。斬新なアイデアというのは、これは本当に多くの皆さん方に知恵を出していただいてあるべきことだろうというふうに思います。

そして、私どもは、対策としては、やはり生み育てやすい環境をつくるということに多分尽きるのかな、というふうに考えておりますので、仕事との両立支援とか、あるいは、お子さんを生んだときだけではなくて、就学前の子どもたちをどうするかとか、子育てサロンのようなものでしっかりサポートをしようというようなことだとか、子育てサロンについては全国的にも結構注目をされている活動だというふうに私どもは自負をしておりますけれども、お母さんが働きながらお子さんを育てるご家庭については、これは両立支援ということで、保育所なり、そういう定員を増やすとかいうような形で、あるいは時間外の保育を担当していただける施設を多くするとか、そういうことでサポートの範囲、バラエティー、バリエーションといったものを整えていくというようなことに力を入れていくということになろうかというふうに思います。

ぜひ多くの皆さん方に知恵を出していただいて「こんな施策があるともっといいんだがな」というふうなことは、お聞かせいただければというふうにわれわれも謙虚に考えておりますが、昨年、商工会議所の会頭さんともお話をさせていただきましたけれども、働く、そして生活をする、「ワーク・ライフ・バランス」というのでしょうか、こういうことも企業の中でも意識改革をしていただくというようなことも、大変重要なことだというふうに思います。それらも含めて、生み育てやすい労働環境、生活環境といったものをわれわれがどこまでつくっていくことができるかということが重大課題でありますので、そんな問題意識でまちづくりにしっかりいそしんでいきたいと、そんな決意でございます。

「地方自治体の予算規模の縮小について」

朝日新聞

この4年間の取り組みを見ていくと、だんだんやっぱり自治体の予算というか規模が縮小していく、政府で言うと小さな政府という形で、小さな自治体というのでしょうか、そういう指向になってくると、やっていかなければならない事項は市民活動との協働というのですか、そういうところを模索していかないと、これからのまだまだ続く収支不足、そういう点も解消されていかないということだと思うのですけれども、その辺りのお考えは、次へ向かってどんなことでしょうか。

市長

ご指摘のとおり、自治体の歳入が、見通しがそんなに明るくはないという、従って予算規模もだんだん縮小していくというようなことになること、ましてや少子高齢社会ということになりますと、生産労働人口が減るといいますか、そういう人口構造の問題もありますので、必ずしも明るくない展望というふうにあろうかと思います。

しかし、われわれはお金があれば豊かなのかと、豊かな行政サービスができるのかというと、それはそういう側面もあるかもしれませんが、例えば、安心・安全というふうなことが、地域で生活をする者にとっては最も大事な、最も気になる観点かなというふうに思いますし、それを担う人間が、行政ではなくて、やっぱり周りにいる方々、地域、そこの地域力を高めていくということが、多分、「この街に住んでいて良かった」という気持ちにつながるだろう、私はそんなふうに思います。

そんな意味で、何を基準に考えるかということについては、私は、目標としては、長く住み慣れた場所で長く生活することに安心感の度合いが高まったかどうか、そういうふうな、自分が住んでいる場所で生きたいように生きることができることについて、安心感、安全感、そういったものが少しでも高まる状況をつくっていくということがこれからの評価の基準になっていくのではないだろうかというふうに思います。

そういう意味では、隣近所の人たちが、独居老人だとかご高齢の皆さん方だとか、そういった方々に声を掛けてあげる、あるいは隣人同士がお互いに気を掛け合うといいますか、配慮していくというような、地域における地域力といいますか、といったものが高まっていくということがどうやってできるだろうかということが、これから私たちがやっていかなければならないことではないかと、そんなふうに思います。

そこで、私どもは、まちづくりセンターにおける地域活動のバックアップとかいったことにかなり力を入れてやっていくことが、満足度なり安心度の度合いを高めていくことに資するだろうということで取り組みをさせていただいているところでございます。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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