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更新日:2011年3月1日

平成17年度第2回定例市長記者会見

日時 2005年4月26日(火曜日)14時~
場所 記者会見室
記者数 14人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「『札幌元気基金』の新たな中小企業向け融資制度について」

札幌市では、札幌の街全体を元気にするためということで、地域経済を支えます中小企業や新規事業に挑戦する市民、NPOに対し、平成16年度から18年度までの3年間で、「札幌元気基金」といたしまして、500億円の資金枠をつくるということを進めております。

今年度、このうちの中小企業向けの融資制度につきましては、200億円の資金枠を確保するとともに、さらに使いやすくすると、そして拡充をしようということで、企業ニーズに応じた効果的な資金面での支援を行っていくことといたしました。

具体的には、小規模事業者の経営や資金繰り、これを安定させるために必要な運転資金を、円滑かつ迅速に融資するということで、「金融機関提携資金」というものを設けるということ。

それから、「札幌スタイル」の製品だとか、デジタルコンテンツの制作などを行う事業者に対する「札幌ブランド・コンテンツ推進資金」、ISOやHACCP(ハサップ)の導入に取り組む事業者に対する「ISO認証・HACCP対応資金」などを創設いたしまして、現在申し込みを受け付けているところでございます。

5月2日からは、大型の設備投資に対する資金面の援助を行うことを目的といたしました「大型設備資金」というものの取り扱いをスタートすることといたしております。

中小企業事業者の皆さまにおかれましては、ぜひ、この資金を経営の安定化、あるいは事業の拡充、拡大に生かしていただきたい、札幌の街全体が生き生きと元気になれるようにこれをご利用いただきたいと、このように考えております。

「『まち本』(まちづくりに役立つ都市計画の本)の発行について」

自分の住んでいる地域に高層マンションが建つと分かったときに、また、家を建てようとしても駄目だというふうに言われたとき、市役所のどこに聞けばいいのか、なぜそのような仕組みになっているのかという疑問が多く寄せられることがございます。

都市に住む者みんなが安心して快適に生活するためには、土地利用についての一定のルールというものが必要であります。そして、公共施設の整備など、まちづくりに関する計画というものが必要であるわけでありますが、その仕組みや用語というものがかなり専門的でありまして、分かりにくいという状況がございます。

市民の皆さま方にきちんと理解をしていただくということが難しい状況にあることから、この都市計画の基本といったものから、マンションの問題、あるいは札幌の街並みなどについて、分かりやすく説明をした「まちづくりに役立つ都市計画の本」、略称「まち本」というものを、編集サポーターをはじめ多くの市民のご協力をいただきながら制作させていただきました。

あす4月27日から、市役所をはじめ各区役所、まちづくりセンターなどで配布をいたします。そして、5月上旬にはホームページにも掲載をすることといたしております。

都市計画のかなり難しい問題についても、「都市計画ってなんだろう」というタイトルで、札幌市役所と時計台が会話をするというような書き方で、分かりやすくお知らせするものでございます。

今後、この「まち本」を有効に活用いたしまして、「市民自治が息づくまちづくり」というものを推進していくために、出前講座での説明、あるいは地域でのさまざまな取り組みに対する支援などを積極的に行っていく考えであります。

その一環といたしまして、5月5日の「こどもの日」には、JRタワーの展望室と共催をいたしまして、「空からわかる『さっぽろのまち』~教科書に載っていない「へぇ~」がいっぱい!~」などという、ちょっと長いタイトルでございますが、そのようなイベントを予定しているところであります。

JRタワーの展望室から札幌の街並みを眺めながら、教科書だとかガイドブックなどには載っていない街の謎について札幌市の職員がご紹介いたしますので、多くの子どもたちの参加をお待ちしております。
皆さま方の広報のほう、よろしくお願い申し上げたいと思います。

「円山動物園ラッピングバスの運行について」

ことし開園55年目を迎えます円山動物園でありますが、「もっと楽しく、もっと身近に」ということを目指し、1年間何度も入園できます年間パスポートの発行をはじめといたしまして、先週土曜日には、道内初となりますスーパーミニホースとも触れ合うことができる「こども動物園」もリニューアルオープンいたしました。

さらに、ジェイ・アール北海道バスの協力を得まして、ゾウだとかキリンだとかサルなど、円山動物園の人気者たちのイラストが描かれましたラッピングバスを制作いたしました。皆さんに動物園によく親しんでいただくというような目的でございます。

あす4月27日から運行を開始いたしますけれども、10月30日までの土・日、祝日には地下鉄円山公園駅発着の動物園線のシャトルバスとして往復をするほかに、平日には市内5路線を走りますので、多くの市民の皆さま方の目に留まり、来園者の増加につながるのではないかということを期待しているところでございます。

ゴールデンウイークの期間中は、吹奏楽の演奏会だとか、動物クイズ、キャラクターショーなど、盛りだくさんのイベントがあります「動物園春まつり」が行われます。駐車場や周辺道路が大変混雑をする時期でございますので、このシャトルバスなど公共交通機関をご利用の上、多くの方にご来園をいただきたいと、このように期待をしているところでございます。

「『広報さっぽろ』の大幅リニューアルについて」

市民と札幌市役所をつなぎます情報誌「広報さっぽろ」は、市民自治によるまちづくりを進めるための情報共有手段ということで重要な役割を担っておりまして、私も市長就任以来、その充実・改善に最大限努めてきたところでございます。
平成16年度に実施をいたしました市民アンケート調査でも、「広報さっぽろを必ず読んでいる」というふうに答えてくださった市民の方の割合が57.7パーセントということになっております。2年前に同じ調査をいたしました時と比べまして6.1ポイント、これはかなり優位な数字だと思いますが、6.1ポイント増加するということで、この「広報さっぽろ」に親しんでいただけるという効果、成果が徐々に表れているというふうに考えております。

今年度は、さらに多くの方に読まれ、親しまれる広報誌を目指しまして、読者の声や広報モニターの意見などを踏まえまして、5月号から、誌面のデザインをはじめといたします大幅なリニューアルを行うとともに、経費節減ということを目的にいたしまして、表紙の紙質を、今まで上質紙を使っていたのですが、相当経費が節減できるということがございますので、中身と同じ紙質のもの、中質紙に切り替えました。てかっておりませんけれども、ちょっと地味になりますけれども、経費節減に努めて、内容をもっと豊かにするというつもりで頑張ろうというふうにしているところでございます。

また、新たな企画といたしまして、市政の重要課題を市民の皆さまと考えるシリーズ「待ったなしごみ減量」だとか、地域のまちづくり事例を紹介いたします「あなたの声が街を変える」というシリーズだとか、こういったものをスタートさせたいというふうに考えております。

そして、「何やってるの!?市役所って」というコーナーでございますが、子ども向けにリニューアルをし、将来のまちづくりを担う子どもたちにも親しまれる広報誌を目指していきたいというふうに考えているところでございます。

さらに、多くの市民の方に広報誌を手に取っていただくために、市内の観光施設とタイアップをいたしました読者プレゼントといったものを充実させます。その第1弾といたしまして、5月号では、「本郷新展」や「時計台・テレビ塔」の共通入場券を抽選でプレゼントするほかに、羊ケ丘展望台と藻岩山のロープウエイの割引クーポン券を提供し、施設の集客にも役立たせていきたい、このように期待をしているところであります。

これからも市民の皆さんの声をしっかり受け止めながら、多くの方に読まれる、そして親しまれる広報誌を目指して努力をしていきますので、意見、提言、感想等を多くの皆さまからぜひお寄せいただきたいと、このように考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「夏季オリンピックの誘致について」

HBC

夏のオリンピックについて伺いたいのですけれども、今、福岡で誘致に前向きのようですが、あらためて上田市長のお考えをお聞かせください。

市長

議会でも答弁させていただきましたとおり、オリンピックの持つ、スポーツの祭典という意味合いでの素晴らしさ、それから、まちづくりという観点からの素晴らしさ、効果が絶大であるというようなことは、札幌オリンピックを経験した私たちが一番良く知っているところであります。そういうことを体験した札幌市民が夏のオリンピックを誘致したいという気持ちは、十分に私も理解をすることができるところであります。

しかしながら、この誘致には相当な経費がかかるということ、さらには、冬のオリンピックよりは、はるかに多種目であり、かつ、多くの方をお迎えしなければならない、そういう規模の大きさ等からいいまして、これを包括的に札幌市の財政力等でカバーしていくということは、極めて難しい問題がたくさんあると。あるいは、その後の、終わった後のメンテナンスと施設利用等を考えると、これまた非常に大きな問題があるというふうなこともございます。

そういう意味で、1つのオリンピックがいい方向に作用することと、私どものまちづくりの将来にとって、かなり制約をもたらすということも想定をされるところでありますので、ここは相当慎重に考えなければならないのではないだろうかというのが、私の議会での答弁だったところでございます。

もちろん、市が中心になってということではなく、民間の方々がお金を出し合って、それでも頑張るぞというふうな意欲、そして実際の行動というものが起こされるのであれば、これはまた話は違う方向に行く可能性もないわけではありませんけれども、大阪での誘致の経過等を踏まえまして、やはり当面慎重にならざるを得ないというのが現状だということで、従前申し上げていたことと現在変わらないということでございます。

「札幌元気基金について」

朝日新聞

最初の元気基金の関係で、中小企業融資の充実ということに取り組んでいらっしゃるということなのですが、札幌をはじめ道内の民間企業は、今、低金利の中で、かなり資金需要が、資金の金余り的な状況が続いていて、その一方で、北海道の企業、札幌の企業は資本の蓄積が非常に脆弱(ぜいじゃく)であるというところで、融資よりもファンド、基金として出資をしてもらいたいという要望も、また一方であろうかと思うのですが、融資なのか、それとも出資なのかというところで、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

市長

出資をしてベンチャー等について育てていこうという考え方で共同出資というふうな資金枠も一応考えておるところでありますが、基本的には資金の融資という枠で事を進めるというのが今の考え方であります。

今回、私どもの一番の制度改革は、非常に迅速に対応できるというふうなところが売りであります。無担保というような従前の制度とかみ合わせまして、1週間以内に審査が終わり、迅速に融資が実行できるというふうな使い勝手の良い、そういう資金枠をつくらせていただくということが売りでございますので、ぜひ、そこのところを有効にご利用いただきたいというふうに考えております。

朝日新聞

早急な融資・資金繰りが必要なのだという企業がかなり多いというふうにお考えですか。

市長

平成16年度の融資実績は、おおむね151億円でございまして、ご利用いただいた方が3、000件を超えるというふうに聞いておりますが、これらの方々のご要望を踏まえて、私ども、制度改正といいますか、充実、拡張といったことを図ったということでありますので、使い勝手がいい資金枠といいますか、そういったものを設けさせていただいたということでございます。

「勤務成績不良を理由に職員に退職を求めることについて」

時事通信

勤務評定に関してお伺いしたいのですが、鳥取県が先日、2年連続で勤務成績が最低ランクだった職員に自主的な退職を求めて、それを受けて3人が退職したということがありまして、それをある新聞は、「時代の波で当然のことだ」と報じているのですけれども、自治体が勤務成績不良を理由に職員に退職を求めることについて、市長はどのようにお考えでしょうか。

市長

ケース・バイ・ケースであるというふうに思います。これはもちろん身分保障があるというのが、地方公務員法で定められたそういう制度でありますので、公務員法違反だとか、そういうふうなことになれば、当然、懲戒処分というような形になるわけでしょうし、あるいは健康上の問題、あるいは業務を遂行する能力に欠けるということになれば、それは分限の問題になると思います。

そこにまだ至らない状況の中で退職を勧告するというのは、どこまでできるのかということについては若干の疑問もありますが、本当に適正でないのではないかという場合には、それは、上司から言うというよりも、職場の中でいろいろ解決することもありましょうし、さまざまな努力を重ねた上で物事を考えなければならないというふうに思いますので、そこら辺は、今のご質問に端的にお答えする形にはなりませんけれども、職場の中でさまざまな支援をし、そして手当てを尽くして十分に働いていただく方策を考えるべきだというふうに考えます。

「雪まつり真駒内会場の代替地について」

STV

雪まつりの真駒内会場に代わる会場を6月か7月には決定するというようなお話だったのですけれども、現在どのような、ここら辺でというのが決まっているとか、こういうふうに考えているというのは何かあるでしょうか。

市長

ここら辺でも、こういうほうにも、まだ決まっていないというのが現状でございまして、いろいろなご意見を今収集している、そういう段階だというふうにお考えいただきたいと思います。

「尼崎市で発生したJRの脱線事故について」

NHK

きのうの朝なのですが、兵庫県の尼崎市の方で事故がありまして、いろいろ札幌市なんかに当てはめて考えてみますと、当然、札幌市でも、あれほどスピードの出る車両ではないにしろ、朝の通勤、通学時には地下鉄、それから市電なんかも結構満員の状態で、大勢の人が利用していると。事故は札幌でも、万が一ですけれども、全くないとは言い切れない部分もあるのではないかなと思うのですが、そう考えると、きのうの事故をどう考え、どうとらえて、どんなことをしていくことが必要なのかということを考えることも必要ではないかなと思うのですが、その点、市長はどうお考えになりますか。

市長

大変痛ましい事故でありまして、70人を超える死者が出るという、史上まれに見る大事故が起きたということで、お亡くなりになられた方、傷つかれた方にお悔やみとお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

鉄道事業者、あるいは地下鉄を含めて運送事業者が最も大事にしなければならないのは、安全性ということでありますので、私どもの交通事業者が、今回のことを他山の石として、本当に問題がないか、あらゆる観点から自分たちの今の運行管理といったものを含めて再点検をせよということは、当然、やらなければならないことだというふうに思います。
ただ、現在、この事故の原因というものが全く分かっていない状況でありますし、その参考にすべき事項といったものが、どの辺にあるのかということが、だんだん絞られて、事故原因調査委員会の方で明らかになってくるでありましょうから、それを待ちながら、点検すべきことはしっかり点検するというふうに思っているところであります。

「市長就任後、間もなく2年を迎えるに当たっての感想について」

朝日新聞

先般、市長さんは市役所を離れられて、札幌の歌のCDをお出しになったところなのですが、のども聞かせていただいたところなのですけれども、その感想をその席で聞かれて、「大変気持ちがいい」というふうに市長はおっしゃったのですが、片や、市長になられて間もなく2年になろうかというところなのですが、市長のお立場として、市長になられてから、気持ちがいいというふうに思われたのはどんなところでしょうか。

市長

なかなか困難な世情でございますので、気持ちがいいといいますか、さわやかなというふうなことを言える場面が少ないとは思います。

しかし、その困難な状況の中で市民自治というものを進めていくというのが私の基本姿勢でありますので、そのことを2年間、多くの皆さん方にしっかりお訴えをし、まちづくりの仕組みといったものも展開させてきていただいているというふうに思います。

そういう中で、多くの新しい運動といいますか、住民の皆さん方の活動といったものが、あちこちで生まれてきているということを私自身が目にし、そういう活動をされている方とお話をすることで、まちづくりや市民自治というものが確実にいい方向に動いているという実感を持てることは幸せなことであるというふうに考えております。

6月10日が本当の2周年ということになりますので、また、多くの皆さん方から2年間をどう総括するかというふうなご質問をちょうだいするようになると思いますけれども、それまでに、2年間の私の公約の進ちょく状況だとか、今後2年間どうしていくかというふうな点、意欲、意思、そういったものもお伝えできるように、まとめるようにしていきたいというふうに考えております。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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