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更新日:2011年3月1日

平成17年1月臨時市長記者会見

日時 2005年1月27日(木曜日)15時50分~
場所 記者会見室
記者数 20人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「(仮称)札幌市立大学初代学長予定者の決定について」

この度、(仮称)札幌市立大学学長予定者として、日本デザイン学会の前会長であり、筑波大学大学院教授の原田昭氏をお迎えすることを決定いたしましたので、皆さまにご報告させていただきます。

昨年秋以来、学長予定者の選考につきましては、数十人の候補者をリストアップし、関係の方々に対してご相談をしながら慎重に選考を行ってまいったところでございます。この間、事務レベルでは、さまざまな調整を進めてまいりましたけれども、この度、原田先生が市立大学の学長予定者に最も適任であるという判断をいたしまして、去る1月25日に、おとついのことでありますが、私が直接ご本人とお会いをし、就任要請をいたしました。原田先生からは、これまでの札幌市の市民議論を経て進めてまいりました市立大学の設置経過と趣旨といったものを高く評価していただきますとともに、そのうえで市民に開かれた大学の実現と、世界に発信できる大学づくりに取り組んでいきたいと、力強いご返事をいただいたところでございます。

先日、21日の定例記者会見の際には、私はどなたにも要請を行っていないと申し上げておりましたけれども、それから1週間も経ないうちにこのような喜ばしい結果が(報告)できたということで、正直、大変うれしく思っているところでございます。

ここで、お手元に資料を配布しておりますが、原田先生の経歴を簡単にご紹介させていただきたいと思います。

原田昭先生は、現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻長をなさっておられる方であります。1942年に大阪でお生まれになりまして、現在62歳でございます。1964年に東京教育大学教育学部芸術学科を卒業された後、日本の工業デザイン界の基礎を築いた栄久庵憲司(えくあん・けんじ)氏が経営をいたします、GKインダストリアルデザイン研究所の計画部部長を経て、1978年から現在に至るまで筑波大学で教鞭を取られておる方でございます。2002年からは中国北京理工大学に客員教授として招かれ、また、同年9月には中国清華大学美術学院の名誉教授の称号を授与されるなど、世界でご活躍されておられる方でございます。1996年には筑波大学でデザイン学の博士号を取得されておりまして、ご専門は製品計画、インターフェースデザイン、感性情報デザインでございますが、感性工学という新たな学問領域を築かれたお1人でもございます。

また、学会でもご活躍をされておりまして、2000年4月から2004年3月まで、日本デザイン学会およびアジアデザイン学会それぞれの会長を歴任され、現在は日本感性工学会の会長の要職に就かれているなど、まさに日本のデザイン界の第一人者でございます。

原田先生を学長候補者として決定をさせていただきました主な理由でございますが、1つは、公立大学法人としての市立大学の管理・運営に対する高いマネジメント能力とリーダーシップが期待できるということでございます。
原田先生は、筑波大学大学院の研究科長や各学会の会長職を経験されておりまして、教育研究、管理・運営のいずれにおいても長年の経験と実績を有しておられます。また、国立大学の法人化も体験をされておりますことから、全国でも例が少ない公立大学法人方式での大学運営に対し、高いマネジメント能力とリーダーシップが期待できるということでございます。

2点目といたしましては、デザイン界のトップとしての抜群の実績と国際性を有しているということでございます。
原田先生は、先ほど経歴でもご紹介いたしましたけれども、日本デザイン学会およびアジアデザイン学会それぞれの会長を歴任されておりまして、デザイン界のリーダーとして長く日本の、そしてアジアのデザイン界を引っ張ってこられた方でございます。また、ご自身も中国の清華大学の名誉教授の称号を授与されておられるほか、先生の教え子の方々も中国や韓国、アメリカなどの大学において、副学長などの主要教員としてご活躍されているとお聞きしております。

市立大学は2学部の小さな大学でありますが、産業界や保健・医療・福祉機関はもとより、国内外の大学・研究機関、NPOなどと幅広く連携して、大きなネットワークを構築し、それを展開して、世界に発信していこうと考えているところであります。先生の持つ国際的なネットワークは、これを実現するための非常に大きな力になっていただけるものと考えているものであります。

3点目といたしましては、市立大学の使命と役割や、その将来像について、明確な展望を、先生ご自身持っておられるということでございます。

市立大学は、デザインと看護の2つの分野における人材の養成と研究に取り組むことによりまして、地域産業の振興、住民に対する福祉の充実に寄与するということを最大の目標、目的といたしております。原田先生のご専門であるデザインと感性科学の専門的な見地から、北海道という特殊性に根ざした保健・医療・福祉を主題とした、寒冷地特有の製品あるいはデザインを創造することにより、市立大学が地域に多大な貢献をもたらしてくれるものと確信をしたところでございます。

そして、4点目でございますけれども、デザイン、看護の2領域における理解とビジョンを、先生が非常に多く持っておられるということでございます。

原田先生の専門分野の1つである感性情報デザイン、感性と申しますのは直感だとか、感動、ひらめき、あるいは好奇心、創造といったものでございます。この感性とデザイン、そして看護の分野において、筑波大学大学院で「自閉症児向け臨床訓練法の開発研究」という感性情報学を中核とした異分野の横断的な教育研究に取り組んだ実績がございまして、看護とデザインを融合させた教育研究を、本学でも大いに実践していただけるものと期待をしているところでございます。

このような理由から、原田先生が市立大学の初代学長に適任であると私が判断したものでございます。

これから開学に向けまして、市立大学では、まだまださまざまな準備がございますが、これからは原田先生とともに一丸となって開学準備を進め、市民に開かれ、市民の力になり、市民が誇れる大学づくりに全力を尽くし、札幌市立大学に対する市民の皆さま方の期待に応えてまいりたいと考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「(仮称)札幌市立大学初代学長予定者の決定について」

NHK

原田さんご本人のコメントみたいなものはありますか。

市長

今、皆さん方に向けてというものはありませんが、私どもとの間では、大学の今までの設置準備をしてきた段階でつくられてきた議論を踏まえて、最大限その趣旨に沿った活動をしていきたいということでした。

原田先生ご自身のプレゼンテーションは近々行わさせていただきます。私どもとしては、なるべく2月中にお願いしたいというところであります。

NHK

今までの趣旨というお話でしたが、具体的に分かりやすく言うとどのようなことですか。

市長

先ほどから言っておりますが、地域に貢献する大学であるとか、それから市民に開かれた大学であるというこの2点がどうしても欠かせないことでありますので、そういう趣旨であります。

NHK

非常にメディア的で申し訳ないのですが、白黒の写真はいただいているのですが、なぜ、カラーの写真がないのでしょうか。いい話ですから、せっかく…。

事務局

今のところ、それがいただいたものです。

市長

それでは、手配をさせていただきたいと思います。

NHK

感性デザインというのがなかなかピンとこないのですが、例えば、先ほど自閉症児のお話があったのですが、このような話というものはあるのでしょうか。

市長

感性はどこによって来るものであるかを研究しながら行う学問だとお聞きしておりますが、フィーリングとかすべてのものに対処していくその能力について研究していこうというのが感性学というものだそうであります。

それがデザインについてどう結び付いていくかを準備室のほうから説明できますか。

事務局

デザインを作ると同時に使う側のことがあります。使う側にいろいろパターンを提供したときにどう感じるのか、その感じ方を分析しながら、またデザインに戻していくということ。使い手の受け取り方や感じ方、その戻し方を、感性を使ってデザインしていくということです。

ですから、自閉症の子どもたちがそれをどう受け止めていくのか、どう感じていくのかというところから、また別のデザインを提供して使い勝手などを開発していくという手法です。

事務局

補足説明をします。自閉症児のお子さんというのはなかなかコミュニケーションがとれない。そこで、感性のある人と子どもたちの間で、ツールを使ってコミュニケーションができるようにする、そういうふうな研究をなさっているということであります。

NHK

新しい分野ということでいいのでしょうか。

事務局

はい、そういうことになります。1990年代です。今までの学問というのは、理性、理論的なもの、科学などですが、一方の理論的にできない部分の感性、感情とかいうものを研究するものです。

NHK

具体的に言うとどのようなものになるのですか。

市長

これが感性工学だということでは多分ないと思います。要するに、物を作っていくときの動機とか、そういうことに深く関係する分野の研究だとお考えいただければいいと思います。

事務局

ですから、感性工学だけで物を作るのではなく、常に横断的な学問のプロジェクトでやっていくということです。

NHK

学長人事を巡っては、端的に混乱というか紆余(うよ)曲折があったかと思うのですけれども、今回この発表に至った経緯について、市長としては率直にどのようにお考えですか。

市長

人選過程でいろいろな報道がされたりしたということがございましたけれども、私のほうで、いろいろな経過を踏まえながら、最適の人事ということで、こういう先生に出会えたということで、本日は大変うれしく思っているところであります。
必ず市民の期待に応えていただける最適任者ということで、本日皆さん方にご報告できることを大変うれしく思っているということでございます。

北海道新聞

25日に市長が伺って要請されたということなのですが、いきなり行くというふうな話ではなかったと思うのですけれども、いつぐらいから接触というのは。先生との。

市長

もともとは公募の教授ということで応募していただいた方でございます。それは昨年の11月1日に締め切ったものですが、それに、ご応募いただいた先生のお1人でございます。

北海道新聞

では、その中で、ぱっと見たときに「非常に大物がいる」というので、「この方に要請したらどうだろう」というふうな、部内での意思決定がなされたというのはいつぐらいだったのでしょうか。

市長

意思決定の時期は申し上げられません。

北海道新聞

と申しますと。

市長

もちろん、いろいろな経過がございますので、人事の過程について、いつ決定したかということは申し上げられないということであります。

NHK

そうしますと札幌市立大学、仮称ですけれど、とのかかわりとしては、去年の11月の時点で公募に応じられたというところのかかわりがあるということで。

市長

そうです。

NHK

それ以外は特にないわけですか。

市長

それ以外はないです。応募していただいた動機といいますか、大学に対する思いとかいうことについてつづっていただいたものがございまして、それがあまりにも素晴らしいということと、それから、今までやってこられた先生の研究・教育活動といったものを賞して、私どもは「この先生にお願いしたい」というふうなことで、今日に至ったということであります。

HBC

市長が実際にお会いになってみて、(原田氏の)人物像というか、何か感想がありましたらお願いしたいのですけれども。

市長

極めて人に優しい、そして教育に最も熱心な情熱を傾けておられる方だというふうに私は印象を持ちました。

HBC

市長ご自身お名前を聞いたのは、その応募の時に会って、そのときが初めてなのですか。

市長

私は応募のときには会っているわけじゃありません。

HBC

お名前を聞いたのはそのときが初めて。

市長

ええ。

HBC

動機のところなのですけれども、動機のときに先生は、原田先生はどのようなことをお書きになっていらしたのでしょうか。

市長

要するに、2つの学部の取り合わせというのが自分の追求してきていることと非常に近接性があるということ。そして、そういうことに情熱を傾けたいというですね、その趣旨の言葉がつづられているということでございます。

HBC

北海道あるいは札幌とのかかわりというのは、それ以前には、何かあるのでしょうか。

市長

私は存じ上げておりません。

読売新聞

ちなみに公募について原田先生が知ったいきさつとか、その辺は聞かれていますか。

市長

先ほどの(発言)にちょっと付け加えたいんですけれども、原田先生は、この札幌市立大学が開設準備をしているという情報をいち早く持っておられまして、ずっと構想について非常に関心を持っておられるということでございました。今までの経緯もすべて、事情は学会の一員、もちろん責任者でもあった経歴の持ち主でありますので、ずっと札幌市立大学がどういうふうになるのかということは、関心を持って見ておられたということと、公募されるならば応募したいということでおられたようでございます。

HBC

さっき(感性デザインには)どんなものがあるかという質問があったのですけれども、おそらく代表作としては、この受賞歴にある「カプセルハウジング」だとか「横浜市営地下鉄サイン計画」というものがあると思うのですが、それは具体的にどんなものか説明していただけませんでしょうか。

市長

(事務局に対して)何か絵的なものがありますか。

事務局

カプセルハウジングは、多面体の形で拡張できるような形のデザインになっております。写真がありますので、後ほどお見せしたいと思います。

読売新聞

先生を送り出す側の筑波大学の理解といいますか、先生と筑波大学の関係、それと札幌と筑波大学の新たな関係が生まれる可能性があるのか、そんなところを、もし分かれば教えていただけますか。

市長

現在62歳でありますので、来年開学の時には多分定年になられるんだというふうに思いますので、大学とのバトンタッチは問題なくできるというふうに考えております。それからもちろん大学でそういう学科の長を務めておられる方でありますので、そこでの研究成果等あるいは連携といったものは札幌市立大学において十分人的ネットワークのストックとして保っていけると私は期待しているところであります。

事務局

定年は、この春でございまして、あと1年筑波大学にはおられる予定ということです。

市長

ごめんなさい。訂正させていただきます。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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