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更新日:2011年3月1日

平成16年度第13回定例市長記者会見

日時 2004年10月22日(金曜日)15時30分~
場所 記者会見室
記者数 19人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「『Kitaraファースト・コンサート』の開催について」

世界に名だたる音響効果を誇ります札幌コンサートホールKitaraが地元にあり、そして札幌交響楽団という立派なオーケストラがこの街にあるということで、何とか多くの市民の方々に親しんでもらうことが発展的にいくように、子どもたちの感性豊かなときから本格的なオーケストラを聞いていただきたいという企画をいたしまして、ことしから予算を付けさせていただきました。

「Kitaraファースト・コンサート」、いよいよ来月の4日、5日、そして12月の13日から15日まで、この5日間で午前・午後合わせて10回の公演をやっていただくということで、市内の15、500人ほどの小学6年生に、このコンサートに参加していただいて、札響の良さ、音楽の素晴らしさといったものを感じていただくということになりました。

札響の正指揮者であります高関さんと、それから音楽監督であります尾高さんのお2人に、非常に好意的にこの企画に賛同していただきまして、指揮を執っていただけると。そして、合わせて子どもたちに分かりやすい音楽にまつわるお話をしていただきながら、ポピュラーなクラシック音楽を聞いていただいて子どもたちに関心を持ってもらうと、こんな企画でございます。ぜひ記者の皆さん方に取材をしていただいて、その意義等について市民の皆さま方にも分かっていただきますようにご案内いただければありがたいというふうに考えております。

「『札幌市IT産業国際交流スペース』の開設について」

アジアのIT企業を誘致するために、札幌テクノパークのエレクトロニクスセンター内に「IT産業国際交流スペース」というものを新設いたしました。来週の水曜日でありますが、27日にこれがオープンするということでございます。
札幌市では、財団法人であります札幌産業振興財団と共同で、アジアのIT技術先進都市と、ITを中心としたビジネスや文化の交流・連携というものを図ることを目的にいたしまして、平成13年からいわゆる「e-シルクロード構想事業」といったものを展開してまいりました。

その結果、ことしの2月には、韓国の大田(テジョン)広域市と「経済交流促進に関する覚書」というものを締結することができまして、7月に大田市に開設されました大徳(テドク)バレー・テクノマートセンターの中に札幌市の情報だとか技術をPRする常設展示場を開設するということなどの成果を挙げてきたところであります。

今回開設いたします「IT産業国際交流スペース」、これはこうした動きをより積極的に進め、IT企業の誘致を促進するためのもので、大田市に集積する製品だとか技術を展示するなど、海外IT産業の企業の製品や技術といったものを展示するコーナーを設置いたしまして、札幌市内のIT企業への情報提供を行うことを目的にいたしております。
もう1つの目的は、札幌への進出といったものを目指す海外企業の準備室という機能をそこで持ちまして、そのサポートをしていこうということでございます。

さらには、海外企業と市内企業とのコミュニケーションの場を提供するということによって、そういう複合的な目的を持った拠点施設としていこうというふうに考えているところでございます。

私は、来月、11月に大田市を訪問いたしまして、このIT企業の札幌への進出といったものを要請すると、そういう予定にしております。あわせて環境都市会議が大邱(テグ)という街で開かれますが、それに参加をするために韓国を訪問いたします。その際に大田市も訪問し、「札幌市IT産業国際交流スペース」のPRもやってまいりたいと、こういうふうに考えているところであります。

こういう交流スペースの開設を契機に、さらにビジネスや文化の交流というものが活発化するように私たちは希望しているところであります。

「『メール119番通報システム』の運用開始について」

「119番の日」である11月9日から、「メール119番通報システム」の運用を開始します。

今までは、聴覚だとか言語の障がいがある方々は、肉声で119番通報ができないという状況にありますので、ファクスとか、本当に急ぐときはファクスでとても間に合わなかったと思うのですが、ファクス通信等でご連絡いただいていたということであります。最近は携帯電話を利用される方が多いというようなこともございますので、こういうことを制度化していこうということで仕組みをつくったということでございます。既に政令指定都市では6都市が実施をしているところであり、札幌市は7番目の実施地になるということであります。

このシステムを利用するためには、あらかじめ登録作業が必要でございますので、先にご自分の端末機を登録していただくという手続きをやっていただいた上で、緊急時における通報に利用できるようにしていただきたいということでございます。登録用メールアドレスに携帯電話などからアクセスをして、住所、氏名等、必要事項を入力しておくという手続きが必要でございますので、少し面倒かもわかりませんけれども、緊急時のためにぜひご利用いただきたいということであります。

来月1日から消防局や携帯電話用のホームページに登録方法等を掲載いたしますし、パンフレットを本庁の3階の障がい福祉課や各区の消防署、保健福祉サービス課等で配布をいたしますので、ぜひ多くの方にご利用していただきたい、このように考えております。

「札幌市の二酸化炭素排出量と平成15年度の札幌市環境マネジメントシステムの実施結果について」

地球温暖化防止については、温室効果ガスということで二酸化炭素、メタンガス等、こういうものの削減目標を定めた京都議定書というのがございますけれども、つい先日、ロシア政府がこれを批准するということになりましたので、来年前半にも発効する見通しとなっているところであります。

この議定書が発効いたしますと、国ごとに二酸化炭素等の削減量といったものが義務付けられるということになりますので、今まで以上に削減の取り組みというものをやっていかなければならないと、こういうふうになるわけであります。
札幌市におきましては、「CO2削減アクションプログラム」というものを策定いたしまして、アイドリング・ストップだとか、Web版の環境家計簿の作成だとか、環境都市首脳会議の開催、あるいは札幌環境未来カップの開催など、市民・企業・行政が一体となって省資源・省エネルギー運動に取り組んできたところであります。

しかし、具体的な目安となります札幌市のCO2の排出量といったものがそもそも分かりにくいというふうなこともあり、そのことからなかなか運動に熱が入らないというようなこともございますので、そういう不都合を補正するために、一体どれぐらい排出しているのかというようなことを明らかにする、そんな取り組みを、今、しようとしているところであります。
そこで、排出量を算出できるシステムを構築した上で、平成12年度の札幌市の二酸化炭素排出量を算出いたしました。そして、13年度から15年度までの排出量についても推計をするというような作業をしたわけであります。

それによりますと、平成12年度の札幌市のCO2排出量は1070万トンであると。京都議定書の基準年になります平成2年、1990年と比較をいたしますと、この1070万トンというのは16.3パーセント増えている、削減するどころか増えていると。人口も増えておりますので、そういうこともあるのかもわかりませんが、基本的に増えているという結果になっております。

また、公表されておりますエネルギー消費量から平成13年度以降の二酸化炭素排出量を推計いたしますと、どんどん増加傾向にあるということもいえるわけであります。

私といたしましては、「世界に誇れる環境の街さっぽろ」というものを施政方針の1つとして掲げておりますので、この数値は非常に重いものがあるというふうに考えております。

地球温暖化といいますと、漠然としてなかなか分かりにくい、あるいは他人事のように思われる方も多いようでありますけれども、温暖化の影響については、既に国立環境研究所などの研究チームが試算をして、このまま行きますと、2050年ごろには、真夏日が現在の倍の100日を上回るだろうと、こんな予測をしております。真夏日、30度以上の日が100日を超えるのではないか、というふうに言われているところであります。

それから、気象庁の気象研究所の分析結果によりますと、温暖化で大気中の水蒸気が増えまして、台風の勢力も強まるというふうに言われています。昨今、札幌市は台風18号の直撃を受けました。また、台風の23号、あるいは、その前の福井だとか福島だとか新潟だとかの集中豪雨、台風、こういったもので大変な打撃を、ことし日本列島は受けておりますけれども、この温暖化が続きますと、これが決して珍しいことではなくなるということが、かなり科学的に言われているところでもございます。

こういったことを多くの市民の皆さん方に知っていただき、さらに市民挙げて省資源、省エネルギーといったものに取り組んでいくということが必要だなというふうに考えているところであります。

次に、市役所におけます平成15年度のCO2排出量でありますけれども、これは、前年に比較いたしまして4パーセント、12、000トン削減をしておりまして、経費に換算をいたしますと3億8000万円の節減ということになっております。平成13年11月にISO14001の認証を受けておりますけれども、環境マネジメントシステムによる全庁的な取り組みの成果といったものがこういうことになっているわけであります。

市役所の平成15年度の取り組みの効果につきましては、より多くの市民や企業の皆さん方にも知っていただくために、この冊子(実施結果報告書)を今月25日から本庁の2階の市政刊行物コーナー、環境マネジメント担当課、そして、区役所、札幌商工会議所等で配布をさせていただきまして、こんなに効果が上がるのだよということ、経済的にもメリットがありますよということをお示しをし、大量消費をされる企業の皆さん方に、省エネということが、いかに自分たちのメリットでもあり、社会的にも、地球温暖化の問題にとっても、極めて有効な手だてなのだということを知っていただきたいというふうに考えております。

ちなみに、(この冊子の)12ページに、経費削減効果ということで記載をしておりますが、11年度と比較いたしますと13億円節減になっております。13億円であります。これは、区役所も含めて市役所全庁挙げまして、昼休みは電気を消すとか、小まめにスイッチを入れたり切ったりとかというような努力を重ねて、そういう力の結集がこの13億円という節減に反映されているということであります。

何もしなかったときから見ると、それだけ節減になると、消費が少なくなるという経済的メリットもあり、かつ、CO2削減に極めて有効な手だてであるということでありますので、皆さんも十分知識はあろうかと思いますけれども、私どもは、しっかりこういう実践をしましたと、これを多くの方々に一緒にやっていただきたいというようなつもりでやっておりますので、実際に企業、あるいは、大量エネルギー消費をする事業所等に、そのことを含めて広報をお願い申し上げたいと思います。

「『ROUND-TABLE about SAPPOROTOURISM(ラウンドテーブル・アバウト・サッポロ・ツーリズム)』の開催について」

ネーミングに若干難があるようにも思いますが、来客2000万人を目標として展開しております観光客の誘致の問題であります。例年、「さっぽろの夕べ」というふうな形で首都圏あるいは関西で開催しておりましたが、もう少し実のあるといいますか、すぐ効果が上がるようなものをやろうというふうなことで、今回は大幅に企画を変えまして、「ROUND-TABLE about SAPPOROTOURISM」という名前で、11月10日と12日、大阪と東京を会場に、札幌観光協会、札幌商工会議所との共催で、観光プロモーションを開催することになっております。

この観光プロモーションは、「プロの目で札幌の魅力を再発見。札幌観光のリスタート(再出発)」をテーマに、首都圏および関西の旅行会社や雑誌等のメディアなどの代表者をお招きいたしまして、札幌観光に関するセミナーや意見交換を行い、札幌の魅力をより強くアピールするということを目標にさせていただいております。

私も東京に参りまして直接トップセールスといった形でやりますし、大阪は日程の都合で収入役に行っていただくというような形で札幌をアピールしていきたいと、このように考えております。

「『ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo』の開催について」

初冬の札幌の夜を幻想的に彩りますホワイトイルミネーションの会場に、ご好評をいただいております「ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo」を、ことしも11月20日から12月14日までの25日間、開催する運びとなっております。

ことしで3回目でありますけれども、来場者の方には、よりドイツ文化というものに親しんでいただきたいということで、新たに、ドイツのクリスマスを体験できるヴァイナハツ、ドイツ語でクリスマスという意味だそうですが、ヴァイナハツパビリオンを設置いたしまして、暖かい屋内で一休みをしながら、ドイツのクリスマス市に関する展示だとか人形劇だとかレース編み実演などミニイベントを繰り広げて、ドイツの人たちとの交流を楽しむということができるように工夫をしたいということでございます。

期間中、会場にはサンタクロースが登場いたしまして、これは例年でありますが、来場者にプレゼントを配る、あるいは緑のケープをまとったドイツ文化伝道師が、ドイツに関するいろいろな質問に答えるというようなことも行います。
そして、土日あるいは祝日には、主に特設ステージで、ゴスペルだとかアカペラ、ジャグリングといったイベントを行いたいと考えています。

そんなことでクリスマス気分を盛り上げると。そして、併せて、ドイツ文化、姉妹都市でありますミュンヘンを身近に感じていただいて、幅広い人格形成にも影響を与えていくことができればいいなというふうに考えているところでございます。

PRのための絵はがきを今回初めて作成いたしまして、東京でのイベントで配布をしているほか、市内の施設などでも配布をする予定でありますので、多くの方にご来場いただき、新しい冬の札幌のイベントというものを堪能していただきたいと、このように考えているところでございます。

配布資料

質疑内容

「敬老パスについて(1)」

毎日新聞

敬老パスのことについて3点ほどお伺いいたします。

きょう初めて再修正案というのが公表されましたけれども、まず1点目なのですが、敬老パスの関連補正予算案が厚生委員会では可決されましたが、経済公営企業委員会では否決されたと。まず、こういう結果についてどういうふうに受け止めているかということをお伺いします。

2点目なのですが、きょうの委員会を見ておりますと、今回の再修正案にも反対の声はかなり根強いように見受けられますが、28日の本会議の最終日までに、この再修正案にさらに修正をかける、見直しをする可能性というのがあるのかどうかということを伺います。

さらに、3点目なのですけれども、この再修正案というのは、きょう初めて提示されたということで、市民には、まだ知らない人が多いかと思うのですけれども、10月28日の本会議最終日までに、市民への周知をするための集会とか何かイベントというものが予定されているのかどうかと、この3点をお伺いしたいのですが。

市長

1点目ですが、一方の委員会で可決され、一方の委員会で否決されるという状況でありますが、最終的には本会議で報告があり、全議員の皆さん方のご判断をいただくということになります。私どもはもちろん、敬老パスについて本当に苦渋の選択をしながら続けて考え、意見を聞き、協議をし、練り上げて今日までまいりましたので、その案をぜひ可決をしていただきたいと、このように希望をしているわけであります。

2点目の、28日までに最終案が変わるかということでございますが、その予定はございません。

それから、市民に、きょうの案を示したのは正式には今回が初めてということなので、それについてどうかということなのでありますが、これは確かに現象的に言うとそうであります。しかし、昨年の7月以来、敬老パス問題については、ずっと議論を重ねてきて、「広報さっぽろ」等でも特集を組みまして、その問題点を、そして3月には案を、原々案といいますか、これを提出して、いろいろ問題点を皆さん方からご議論いただいたという経過を踏まえた上での話であります。
私どもは上限額を3万円というふうに9月の段階でさせていただきました。そして、それもぎりぎりだというふうに考えていたわけですが、これは敬老精神ということでありますので、より多くの方々に支えていただく、ご納得いただけるというふうなものがなければいけないというふうに私どもは考えております。

多くの方々に賛成をしていただいて、気持ち良く使っていただくということが何よりも大切なことであるというふうに考えておりますし、市民の皆さん方も問題意識を持たれた上での最終案の提示でございますので。時間的な観点からも、きょうのぎりぎりの段階での提案ということで、それをもっと早くやれというご意見があったことも確かでありますし、それが良かったかとは思いますけれども、しかし、諸般の事情から、こういう形での提示しかできなかったというのが今日の姿であります。

そういう意味において、これから28日までの間に市民集会を開くとかいうことは物理的にも非常に困難であるというふうに考えますので、これまでの1年数カ月の間の議論の上に立って皆さん方にご理解をいただきたいと、このように考えます。

「敬老パスについて(2)」

NHK

今の敬老パスについてなのですが、今の言い方ですと原々案の後の原案になる上限3万円のときですが、このとき、おそらく支給率が85パーセントで上限3万円という話で、その理由として、継続可能な制度をつくっていくためという話でしたが、それで今回支給率を80パーセントにして上限5万円と。支給率にしても、いわば数字合わせではないかという、そういう見方もしてしまうのですけれども、根拠ある数字として、この支給率なり上限なりというのが果たしてどこまで根拠あるものなのかと思ってしまうのですが、それについては市長はどのようにお考えでしょうか。

市長

いろいろ想定しなければならないことがあると思います。数字合わせかという厳しいご指摘ですけれども、私どもは、予算を立てるときに、ここなら大丈夫だろうというふうな一定の確信を持って、責任を負うという立場でやるわけでありますので、85パーセントの交付率ととらえるのか80パーセントととらえるのか、これは、その条件が、段階制にするということと、それから5万円までの上限を設けるということとの関係で、それも少し変え、厳しく見るというふうに考えた上でこのような数字を出させていただいたということでありますので、ご理解をいただきたいというふうに思っております。

NHK

前回の3万円、85パーセント支給率の場合も継続可能な制度ということでしたが、今回の支給率80パーセント、5万円というのも継続可能な制度と。

市長

その枠内ということです。

もちろん、先ほどの委員会でもお話をしておりましたけれども、きちっとしたデータが取れるような、そういう制度改革のための投資を、今、しなければならないということもありますので、これも過程の話が本当にたくさんございます。そういうところから各会派でもそのとらえ方についていろいろ意見が違うということがあって。そういうことが30年続いてきたわけです。

その30年続いてきた、何とか続けてきた、その上に立って今改革をしなければならないというところでありますので、多少の幅というものはどうしても出てくるというふうに思いますが、できるだけ多くの方にご理解いただける、あるいは、それなら何とかやっていけるかなというふうに思っていただける線を模索するといいますか、そういう範囲として5パーセントぐらいの交付率の差というのは、単なる理事者のほうの数字合わせという厳しいご批判だけではなく、温かく見守っていただきたい、このように思います。

「議会の政務調査費について(1)」

NHK

続いて政務調査費の関係でお伺いしたいのですが、先日、札幌高裁のほうで裁判の判決がありまして、その中で、立証できない支出というものは不適切な支出と言わざるを得ないという厳しい指摘があったわけですが、その判決に関してまずご感想をいただきたいのと、現在、札幌市の政務調査費は1人当たり40万円で、この額も多いのではないかと。また、指摘があったように、透明性をより高めていく必要も、時世的にもそうではないかと思うのですが、今後、政務調査費に関してはどうしていくおつもりなのか、お考えをお伺いしたいのですが。

市長

まず、基本的には、これは地方自治法と、それから条例がありまして、条例は、会派に対する支給であるということと算定根拠が人数ということであります。札幌市の条例によりますと、会派のために使うということが規定されているわけでありますので、より厳しく文言を限定解釈するというふうな立場で見るのか、それとも一審のように少し柔らかめにとらえるのかということで、一審の判決と高裁の判決が異なってきたというようなところもあると思います。

ただしかし、高裁の判決が言おうとしていることはまさに透明性であり、立証できないものについては返還をしなければ、違法なのだというふうなとらえ方をされているわけでありますので、この判断がどういうふうになるか分かりませんけれども、これまでの政務調査費に対する住民監査とかさまざまな形で問題提起をされている批判の焦点は、その不透明性といいますか、そういうところにあるわけであります。

そこに対してこの高裁判決は警鐘を鳴らすものであるということは間違いのないものでありますので、札幌市としてはその判決の意味するところといったものをしっかり受け止めていきたいと思います。また、会派の皆さん方のご意見といったものも大切にしなければならない側面もございますので、そこら辺も、議会のほうでも改革をしていこうという方向で、今議論をされているというふうに聞いておりますので、その議論と合わせて、今後、市のほうも、その方向に沿うような考え方の調整をしなければならないと思っております。

NHK

できれば少し具体的に、こんなことが必要ではないかと。これは市長ご自身の個人的な意見でも結構なのですが、より透明性を高めていくというお考えがあるのであれば、どういったことが必要なのかと。

市長

今直ちには。一般論として言われていることは、会派のために使用したことが立証できるかどうかと、こういうことでありますので、そこに当該の会派がどういうふうにお考えになるのか、具体的にどういう方法を取られるのかということは、ご意見を聞きながらというふうに考えますが。

NHK

確かに会派とか市議のほうの意見というのは大切なのは私も理解できますけれども、あくまでも政務調査費も公金なわけで、言ってみれば札幌市民の税金でありまして、そういう意味では市としての考えを、議会を抜きにしてお伺いしたいと思っているのですけれども。

市長

市としてどうするのかということになりますと、これがもし違法な支出だということが、この判決が確定して、この考え方が有権解釈(国家機関の行う、拘束力をもつ法の解釈)といいますか、そういうことで確定するということになりますと、立証できないものについてずっと支払い続けるということは札幌市の責任の問題になると思います。ですから、それは議会と、よほどきちっと議論をして、立証してくださいと。証明手段をくださいというような形、現に領収書関係をそろえるということをやっておられる自治体もあるというふうに聞いておりますが、しかし、領収書ですべてが分かるわけでもないということもまたあろうかというふうに思います。

政治活動、会派の活動ということについては、それなりに自立性といったものが必要なわけでありますし、あるいは、市民の代表として選出をされている会派の皆さん方、議員の皆さん方は最も信頼を置かれているという前提に立った制度でありますので、どういうものが一番いいのかということについては、議会の皆さん方の自立性といったものを大事にしながら、市民に対してこういう支出をしているということを私たちも説明できるような状況にしていくためには、どういう程度の何が必要かということをこれから考えていかなければならない、こういうことです。

NHK

要は、現状ではなく何かが必要だというお考えだということは、そういう認識でよろしいのですか。

市長

これはまだまだ議論してみなければ分かりません。方向としては、2つ判決が出て、一審の判決と控訴審の判決とありますね。両方それは透明性がなければいけないよということは言っていると思いますので、それは踏まえた上で、現状についてもう少し検討させていただく。私も勉強しなければいけないというふうに思っております。

NHK

ただ、今後自民党の方で上告するかどうかというのはこれからの判断になると思うのですが、いずれにしても、一度なりともこういう判決が出たわけで、それは、市長もおっしゃっていますが、とても重きを置かなければいけないことだとは思うのです。

市長

議会でももちろんこの判決が出る前から、どういうふうにしようかという議論をされているというふうに聞いておりますので、その議論は十分尽くしていただいて、自立性を大事にするというところは私は第1にありますので、議会のほうでご議論いただいた上で、その結果について私どもは受けて、さらに必要な議論がこちらから提起できるかどうかというふうなことになると思います。

NHK

ちょっと長くなって恐縮なのですが、結構前から政務調査費に関しては何とかしなければみたいな話が市議会の中でも続いているという話を聞いています。1年半なのか2年なのか、そのぐらいだと聞いていますが、大きな変化がこれまであまり見える形で出てきていないように思いますが、今回の判決を機に新たに議論を進めていく必要があると、あらためて何か組織をつくってとかという考えはありますか。

市長

上告するにしろしないにしろ、こういう判断が1つあるということです。しかも、高裁での判断だということでもありますので、今、議会で各会派が議論されている論点として、この判決抜きに議論することはないのではないのだろうかというふうに思いますし、それは少し状況を見なければいけないというふうに思います。

NHK

そうしますと、市としては議会の動きを見て判断をしていくと。

市長

はい。

NHK

1カ月40万という額についてはいかがですか。

市長

これも、もっと高いところもあり、60万円とか出しているところもあるようであります。札幌市の場合、多分政令指定都市の中位ぐらいに位置するものだろうなというふうに思っております。これが高いか安いかというのは、それが何に使われているかということで、そういう議論になるのではないかなと私は思います。本当に市民が見て納得できる内容のものであれば、もっと額が高くてもそれは納得ということになるでしょう。

NHK

中身は分からないですよね、何に使ったか。

市長

ですから、そこのところはこうですと、言えるようにしなければいけないということとセットになると思います。ただ、それがどういう証明方法なのか、また、裁判所が要求している証明は何なのか、そこら辺は議員さんの方で議論を尽くしていただきたいというふうに思っております。

「議会の政務調査費について(2)」

NHK

政務調査費の絡みで1点確認します。先ほどの話の中で、裁判の判決の意味するところをしっかり受け止めていくというお話があったと思うのですが、そこはまさにその意味するところは何かというと、お話の中では透明性の話だというふうに私は理解しましたが、よろしいのでしょうか。

市長

はい、結構です。

NHK

では、一方で、やっぱり議員や議会各派の判断というところも、それは尊重していきたいと考えていますか。

市長

はい。

NHK

判決が出てから2日しかたっていないのですけれども、市としては、これだけ財政危機が言われている中で、例えばこのぐらいのタイミングでは各派頑張って結論というか、意図を示してほしいですとか、そういったご希望みたいなものはないのでしょうか。

市長

市役所改革についてもいろいろご議論をいただいて、私どもも努力しなければいけないというふうに議会では言われているわけでありますので、議会においても、当然、市民との関係で説明責任というのは負っておられるというふうに私は思います。これは一般論です。

そういう意味で、おのおのの信頼を寄せられての仕事をしているわけでありますので、その信頼に応えるための手だてをやはり自ら律していかなければならないというふうに思います。

NHK

総じて、今までのケースはどういうふうにご覧になっていますか。

市長

それは特に、私は具体的にまだよく存じ上げていないところもありますが、こういう問題を提起されているわけですから、市民の皆さんからすれば、それは早い方がいいのでしょうね。

「札幌交響楽団に対する補助金について」

北海道新聞

市長もファンクラブの一員である札幌交響楽団なのですが、道が補助額を一部削減するようなことを発表したというようなこともあったのですけれども、市としても同様な補助をされていますが、市として新年度予算について現時点でどのようなお考えがあるか、もしあればお聞かせ願いたいと思います。

市長

これまでの経緯を見てみますと、北海道と札幌市が同額補助を出すというような慣行が、長年続いてきたというふうに思います。北海道が正式にそのように発表されたかどうか私は存じませんが、先日、新聞で、そういう方向でというふうなお話がありましたので、これは、札幌交響楽団の内容をそれなりに知る者にとってはなかなか大変な状況かなと思います。

札幌市も補助金についてはそれなりに見直していかなければならないという立場でもありますので、札響がどういう状況にあって、そして補助金を削減するということが可能な団体であるかどうかというようなことや地域に対する貢献度などから、市民が納得できる補助金の額であるのかどうかということを多面的に考えていかなければならないと思っております。慎重に判断させていただきたいというふうに思っております。

「市立大学の学長の人選について」

北海道新聞

市立大学のことに関してなのですけれども、学長について、川崎さんが辞められてからだいぶたつわけですけれども、その作業の進ちょく状況というのはどうなっているのかということなのですが。

市長

大変ご心配いただきましたけれども、時間の問題からいえば、来年4月に申請をするまでには、学長予定者は内定しておかなければいけないということになります。もちろん、それまでには間に合うように、今、慎重に人選をさせていただいているという状況でございます。遅くとも来年2月ぐらいまでには決めなければいけないというふうに考えておりまして、鋭意努力をしているということでございます。

北海道新聞

来年2月ぐらいまでにはというのは何か理由があるのでしょうか。

市長

4月に申請をしなければならないという意味です。

北海道新聞

余裕を持たせるという意味で2月までということなのですか。

市長

はい。

北海道新聞

分かりました。もうだいぶん絞り込みは進んでいるという形なのでしょうか、何人かぐらいに。

市長

絞り込みと言っていいのかどうか分かりませんが、準備室ではそれなりに方針を立てております。皆さんから誇りに思われるような大学であるとか、いろいろテーマがございますし、信頼を得られ、かつ、市民に親しまれというふうなテーマを持っておりますので、それにふさわしい人選をしようということで、現在努力をしているということでございます。

北海道新聞

デザイン分野とか看護分野、もしくは全然別の分野とか、そのような学長を選ぶ上での分野の絞り込みみたいなものはあるのでしょうか。

市長

そういうふうに考えて適当な方がおられればもちろんそれでいいですし、そうではなくて、大学運営のマネジメントをしていただけて、人望のある方であれば、特に専門ということにこだわることも、また必要ではない状況も生まれる可能性があるということです。

北海道新聞

今、大学運営のマネジメントをしてくれて、人望のある人ならというふうな話をされましたが、それは必ずしもいわゆる前学長予定者のようにビッグネームではなくてもよいというふうな考え方でしょうか。

市長

そこまでは私は特定の方をイメージして言っているわけではありません。

北海道新聞

分かりました。

「敬老パスについて(3)」

札幌タイムス

敬老パスの話に戻ってしまうのですけれども、従来、担当部局の方は大体4年ぐらいデータを見て、それからまた見直すなり、考えていきたいということをおっしゃっていたのですけれども、今回5段階と選択肢が多くなりまして、見込みよりも多かれ少なかれ差がつく可能性もあると思うのです、交付率にしても。5段階になったことで見直しの期間を短く、例えば2年になるとか、そういう可能性というのはありますでしょうか。

市長

そこは何とも言えませんけれども、いったん制度をつくりますと、なるべく落ち着きのある使い方といいますか、そういう状態をつくるということが1つ大事かなというふうに思います。落ち着いたデータといいますか、そういうのが大事かなというふうに思いますので、当初事務局で言っていたような内容でできればというふうに思っております。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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