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更新日:2011年3月1日

平成16年度第12回定例市長記者会見

日時 2004年10月6日(水曜日)13時30分~
場所 記者会見室
記者数 16人

冒頭、市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

発表内容

「札幌市次世代育成支援対策推進行動計画『さっぽろ子ども未来プラン』の策定について」

平成16年度から21年度を計画期間といたします「さっぽろ子ども未来プラン」、正式名称は「札幌市次世代育成支援対策推進行動計画」というものでありますけれども、これを、このほど策定いたしましたのでお知らせをさせていただきます。

平成14年の合計特殊出生率、これは全国平均が過去最低の1.32であるのに対しまして、札幌市は1.06となっております。日本の場合、今の人口を減らさない、静止人口の合計特殊出生率は2.07というふうに言われておりますので、1.06であればどんどんどんどん減っていくということが明らかなわけで、この少子化というものが社会経済上非常に大きな影響を与えるということは必至なわけでありますので、今日の相当深刻な問題を解決する手段として、対策といたしましてこういう計画を立てたということでございます。

この「さっぽろ子ども未来プラン」というものは、昨年の7月に制定をされました次世代育成支援対策推進法に基づき、札幌市の行動計画として策定したものであります。子どもを産み、そして育てやすい環境をつくっていくために、これまで市が進めてまいりました「子育て支援計画」、「青少年育成計画」と「健康さっぽろ21」の母子保健分野の取り組みを再構築して、1人の子どもが生まれ育つ、そして成長する、そういう過程をすべて網羅的に、総合的に支援する計画ということになっているものであります。

このプランでは、子どもを産み、育てやすい環境をつくっていくのには、家庭はもとより、行政、地域、そして企業などが、それぞれ役割を分担し、かつ、連携を図りながら社会全体で取り組んでいくということが必要だという判断から、基本理念を「子どもの輝きがすべての市民を結ぶまち」というふうにいたしまして、地域、区、そして全市レベルの三層構造による全市的な子育て支援の充実に重点を置いているところです。

基本理念を実現するために、「健やかに生み育てる環境づくり」、「子育て家庭を支援する仕組みづくり」、「豊かな子ども時代を過ごすための社会づくり」、「次代を担う心身ともにたくましい人づくり」、「子どもと子育て家庭に優しいまちづくり」と、こういう5つの基本目標を立てまして、基本施策と200の個別事業を掲げております。こういったものを挙げて、これを実践していきたいということでございます。

この200の個別事業のうち118事業には、具体的な数値目標などを設定しているのが特徴であります。例えば、地域型の子育てサロンは、設置済みの小学校区の割合が平成15年度では58パーセントでありますけれども、平成21年度までには小学校単位ではすべてつくるというような、100パーセントの目標数値を設定させていただいておりますし、認可保育所の整備事業につきましても、(保育所定員数は)平成16年度(4月)は15、195人というのが現状でありますけれども、21年度には16、725人と、こういうふうな形で数値を設定させていただいているところであります。

また、こういうプランを立てて、どういうふうに実施状況というものを把握していくかというようなことについても、市内部の横断組織、保健福祉施策総合推進本部や、学識経験者あるいは公募市民からなります札幌市次世代育成支援推進協議会において年度ごとに点検をして公表していく、着実にそういう計画を推進していくという仕組みをとっているところであります。

今月25日から、市政刊行物コーナーや子ども未来局の子ども企画課、子育て支援総合センター、各区役所などで概要版の配布と計画書の閲覧を行うほか、ホームページでも計画の内容を公開いたしますので、ぜひ多くの方々にご覧いただきまして、関心を持っていただければありがたいと、このように思っております。

「産学官連携で商品開発した『室内用木製歩行器』の販売について」

産学官が連携いたしまして、札幌ブランドというにふさわしい商品の開発を進めております「札幌スタイル・デザイン開発プロジェクト」が、家具調の室内用歩行器「poco a poco(ポコ・ア・ポコ)」を開発いたしました。今月13日から、丸井の南館5階の札幌スタイル・デザインギャラリーで展示をし、発売をいたしますほか、13日から15日まで東京ビッグサイトで開催されます「第31回国際福祉機器展」にも出品をするということになっておりますので、これをご紹介したいと思います。
この歩行器は、お年を召して生じます体の不自由さを補いつつ、「快適でおしゃれに暮らしたい」というご高齢の方の声にお応えして、平成13年度に開発をスタートし、モニタリング調査や強度実験などを経まして、このほど完成させた歩行器具であります。歩行「器具」というよりは、木のぬくもりのある「家具」といいますか、それに近いインテリア性というものが特徴であるというふうに言うことができると思います。

札幌発の福祉商品として多くの方に利用されるとともに、この商品の開発をきっかけに家具製造業者が福祉関連産業に参入していくというようなことで、産業振興の新しい可能性というものを追求するということを目標にさせていただいておりまして、非常に私どもも期待をしているところであります。

「poco a poco」というのは「少しずつ」という意味の音楽用語でありまして、PとPを重ね合わせてデザイン化したものをシンボルマークにさせていただいております。

病院なんかでよく歩行器がありますけれども、家庭の室内でこういうふうなものがあると非常に歩行の補助になるということですし、デザインもとても良く、売れ筋になるのではないかなと思います。ぜひご紹介いただければというふうに思っております。

「モエレ山の完成について」

イサム・ノグチさんの最後の作品であります、われわれの誇りとするモエレ沼公園に、東区のランドマークとなります52メートルの高さのモエレ山が完成いたしまして、今月17日に市民の皆さま方にお披露目の山開きを行うということになりました。

札幌市北東部では唯一の山になるモエレ山でありますけれども、平成14年から造成してきたもので、市内の公共工事から発生いたしました建設残土などを集めまして、ダンプカー33万台分、165万立方メートル積み上げて実現をしたものであります。ほぼ札幌ドーム1杯分の残土ですね、土を重ねて造り上げたのがこのモエレ山でございます。

円形に広がります頂上には、イサム・ノグチ氏が手掛けましたパリのユネスコ本部の庭園を参考に、9センチ角の石を埋め込みます「ピンコロ舗装」と呼ばれる工法を採用いたしまして、ヨーロッパ風の庭園を思わせる造りとなっているものであります。

登山口といいますか、頂上への階段というのは、テニスコート側、ガラスのピラミッド側、野外ステージ側の3方向から5コース用意されておりまして、いずれも10分ぐらいで頂上まで到達することができる、こういうことになっております。

今回完成したモエレ山は、冬のスキーだとか子どもたちのそりなんかにとてもいい場所でございます。そういう冬の遊び場、そして夏は山肌を感じながら回遊する階段を上っていって山頂から360度の展望を楽しんでいただけるということで、「1年を通して親子で遊べる公園」として利用していただければありがたいというふうに考えているところであります。
17日には、ここに記載がございますように、先着500人に「登頂証明書」というのを出すということです。1部300円です。セレモニーをやりますので、ぜひ多くの市民の方々にお集まりいただければありがたいなというふうに思っているところでございます。

配布資料

質疑内容

「日ハムの活躍に対する感想等について」

uhb

日ハムのことなのですが、今回プレーオフに進出したり、かなりの活躍がありましたが、ファイターズが来たことで札幌の発展にどれだけ寄与されたと思うのかというご感想をあらためてお伺いしたいのと、もう1点、選手の方々がかなり活躍をされましたが、その中でも特にヒルマン監督に対してメッセージをいただけたらと思うのですが。以上2点でお願いします。

市長

日ハムの活躍については大方の方が喜んでおられまして、プレーオフはもちろん、その前のデッドヒートの3位争いをやっているときの札幌ドームの盛り上がり方というのは尋常ではないと。われわれ札幌人、北海道人が経験したことがない、みんなが心を1つにして日ハムを応援しようというふうな機運が本当に盛り上がったということを喜びたいと思います。

私も時間があれば本当に行きたかったのですけれども、残念ながら一緒に見ることはできませんでした。本当に感激をしてテレビで見たりしておりましたが、非常にいい試合だったと思います。

プレーオフ制度というのは、こんなに楽しく野球を最後まで見させていただけるということでは、大変いい制度だなというふうに思いまして、ぜひ来年もプレーオフに残っていただいて、頑張っていただきたいと思います。

ヒルマン監督は、本当に冷静沈着な方だなというふうに思いますし、とても北海道を愛していただいているという、そんな気持ちを表情の中から読み取ることができまして、北海道に対する、非常に真摯(しんし)な、温かい思いを持っていただいているということに、とても感謝をしたいなというふうに思います。来年についても契約をされたということでありますので、ぜひ道民の1人として、みんなと、この北海道を盛り上げていただきたい、そして、ぜひいい成績を来年挙げていただきたいということをメッセージにさせていただきたいと思います。

あと、テレビ放送をもっとたくさんしてほしいというのをどこかのテレビ局の皆さんにお願いしたいのですけれども。

「敬老パスについて」

NHK

今行われている定例議会の中で最大懸案ともいえる敬老パスの関係について、一部団体からは反対の意見があったのですが、本会議等で各会派からも正式に、今の案に対する修正意見とか、上限を上げてほしいなどさまざま意見があるのですが、そのあたり、市長として今後改善の余地に対してどうお考えでいらっしゃるのかというのを、あらためてお伺いしたいと思います。

市長

今ご指摘のように、議会においても各会派からさまざまなご意見をちょうだいしておりますが、私の方では、265億円をどうしようかというふうなことも含めて、財政事情から始まってご説明をたくさんさせていただいております。

今、議会においてご議論をいただいておりますので、なるべく多くの方々にご理解いただけるように今後も努力をしてまいりたいというふうに思っております。本当になるべく多くの方にご理解いただけるような、そういうふうなことを目標に、最終的にはお話をさせていただきながら、私どもは市民の理解なしにはなかなか進めないということもございますので、こちらもしっかり説明をし、ご理解をいただけるように頑張っていきたいというふうに思っております。

NHK

すべてを否定するということではなくて、上限をもう少し緩和したらいいのではないかとか、そういうどちらかというと修正というか、そういった意見もあると思うのですけれども、敬老パスにこういった上限を作るということを認めた上で、そこの折り合いのつけ方というところで交渉の余地があるのではないかというような見解もあるのですが、そのあたりはどうなのでしょうか。

市長

この間1年間議論をやってまいりまして一番成果があったのは、ご負担をしていただくということと上限を付けるということについて、大方のご同意を得られたというふうに私は思っております。その成果を踏まえて各論について現在議論させていただいておりますので、もうちょっと議論の推移を見ていただきたいというふうに思います。

NHK

議論次第では、相違というか、もうちょっと変わる可能性もあるというところも含むということでよろしいですか。

市長

それはどういうふうに解釈いただけるか分かりませんが、私は今一緒に多くの方にご理解いただけるようにということで提案をさせていただいて、ご理解をいただこうというふうに考えています。

「特別養護老人ホームでの虐待問題について(1)」

NHK

市内の特養老人ホームで虐待の疑惑があるということで、先日も札幌市のほうから「強く疑われる」というような調査結果が出たのですけれども、それについての市長のあらためてのお考えと、今後の対応、指導、さらにその処分等を含めて、今回、事実だとすれば非常な人権侵害でありますので、そのあたりをどのように受け止めておられるかというのがあったらお願いします。

市長

私どもで調査に入らせていただいて、今出ているのは中間報告でございまして、園の内部の方々の事情聴取をさせていただいたという段階です。これからもう少し角度を広げて、ご家族の方々だとか周辺の方々のご意見をちょうだいするというふうな段階でありますので、まだ事実が確定したということではございません。

ただ、今までの調査の中では、「強く疑われる」という結論を担当部局から私は受けておりますので、より厳格な調査を続けていただきたいというふうに指示をしているところであります。

そしてまた、内部告発者という皆さん方、勇気を持って語られた方に対する保護というものも徹底するようにということは指示させていただいているところであります。

「特別養護老人ホームでの虐待問題について(2)」

毎日新聞

関連なのですけれども、施設側と、損害を受けたと言われている家族が、双方、訴訟を起こしていますが、そういう現状はどういうふうにご覧になっていますか。

市長

損害を受けたということで訴訟される、虐待を受けたり、けがをしたりして訴訟をされるのは、それは、何が原因だったのかということを原告はそれなりに考えて被告を定められたわけでありますし、施設の方は名誉棄損だというふうなことで言われているわけであります。これは訴訟の中でお互いに立証を尽くしていかなければならないことでありますので、訴訟活動をされること自体について私の方でコメントすることはできません。

その後、裁判所でどういうふうに認定されるか分かりませんけれども、私どもは私どもで行政の責任として調査をさせていただくということであります。

「職員あての市長のメッセージ配信について」

札幌タイムス

このたび全職員あてに市長のメッセージということでメールを配信したというふうに伺ったのですが、これに対する市長の思いというのはどんなところにあるのかなということを教えていただけないでしょうか。

市長

「ときどき『元気通信』」というのですけれども、定期的にということではなくて、気が付いたことを職員の皆さんに、私の考え方とか物の感じ方だとかいったものを分かっていただければうれしいなということで、そういう形にさせていただきました。

つくづく、この1年半ぐらいここにおりまして、16、000人近くいる職員と市長の距離というのが相当遠いものがあるというふうに思うことが何度かございました。そういう意味からも、どれほど役に立つか分かりませんけれども、私は職員の皆さんと一緒に仕事をやりたいという気持ちを持っておりますし、職員の皆さん方の力を借りなければ市政というものは運営できないわけでありますので、みんなで札幌市のために頑張ろうということを呼び掛ける、そういう作業をしていきたいということで始めたことであります。

札幌タイムス

ニセコの逢坂町長がホームページにも掲載して、一般の方でも見られるようになっているのですけれども、そういうふうに誰でも見られるようにするお考えとかはございますでしょうか。

市長

今のところ、私と職員の関係でというふうに考えておるところであります。

「雪まつり会場の候補地について」

STV

モエレ山が完成したということで、つながるかどうかあれなのですけれども、雪まつりに関して先日、新聞報道で、(モエレ沼公園を)候補地として考えているというお話もあったのですが、あらためて何か雪まつりに関して、こういったことを考えていますというのはありましたでしょうか。

市長

真駒内会場が将来的に使えなくなるということを一応想定しなければならないような状況にございますので、参加型の雪まつり会場として、今まで真駒内は機能しておりましたので、それを確保しなければならなくなって、どういうことが考えられるだろうかというときに、候補地の1つとしてモエレ沼公園も、市民の方々に使っていただきたい施設でもありますし、あるいは札幌ドームも活用していきたいというふうなことで、今候補といいますか、1つの考え方として、この間お答えしたわけでありまして、具体的にここで何をとか、どういうことというふうなことは、まだまだこれから議論していくというところであります。

「特別養護老人ホームでの虐待問題について(3)」

NHK

さっきお尋ねした特養ホームの件で、強く疑われるというふうな市の見解、中間報告というのは、それは限りなくあったという、事実に近いというニュアンスだと私は受け止めるのですけれども、市長のご発言の中では、基本的にはまだ調査中なので、具体の話はこれからみたいなお話だったのですが、強く疑われるというニュアンスというのは、市長としてはどうなのですか。明らかに事実と断定はできないまでも、限りなく近いということなのでしょうか。

また、今後の対応について、今の時点から検討すべき余地があるのではないかというようなことを思うのですけれども、どうでしょうか。

市長

当然それは今の中間的な調査結果ということでありますので、1回あるいは何回かあったか分かりませんけれども、過去の事実についてどう認定するかという問題と、仮にそういうふうな事態があった場合に、今われわれは何ができるかということの両面の問題があると思います。過去に何があったかということについては、今、司法の場で裁かれるという事態になっているわけでありますので、そこで決着がつくと思うのですけれども、われわれ行政としてやらなければならないことは、過去の事実が確定すればもちろん行政処分とかいろいろあると思いますけれども、今は、そういう調査をして、もし疑わしいことがあるならば、そういう事態にならないように、今後発生しないように何らかの対応を取らなければならない、こういう話になってくると思います。

そういうことが言えるかどうかを今やろうとしているわけです。その中で、こういう疑わしい話もあるということを、今報告を受けているわけであります。疑われないような状態にしていただくことは、私どもはそこに入所されておられる利用者の皆さん方にとっても大変重要なことだと思いますし、当然それで疑われることがないような環境をつくるということは当事者も認識をすることになるのではないかという思いでおります。

(以上)

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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