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日時 | 2004年4月27日(火曜日)14時~ |
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場所 | 記者会見室 |
記者数 | 15人 |
冒頭、市長から下記の話題について発表しました。
引き続き、次の話題について質疑が行われました。
これまで札幌市は、「Made in 札幌グランプリ」とか、あるいは「福祉のデザイン研究開発プロジェクト」など、地域の特性を生かしたさまざまな産業振興といったものに取り組んでまいりまして、その成果を上げてきました。また、市立高等専門学校がことしで14年たち、多くの卒業生を輩出いたしまして、札幌市内でもいろいろな場面で活躍をしておいでになるというようなことからも、さまざまな環境といったものが整備されつつあるというようなこともございまして、今年度からこれらの実績といったものを集約し、幅広い産業分野の活性化を図るということを目的として、デザインを活用した「札幌ブランド構築・推進事業」というものに取り組んでいきたいと考えております。
過日、新まちづくり計画の提案を市民会議の方からちょうだいいたしましたけれども、そこでも札幌ブランドといったものをしっかり定着させるようにというふうなご提言がございました。そのことともリンクをしていることでございますけれども、札幌の地域特性を生かした産業を起こしていこうという考え方でございます。
その一環といたしまして、札幌のスタイルを提案するデザインギャラリーを丸井今井の南館の5階に開設をしたいと考えております。
このギャラリーは、札幌ブランドの発信拠点というふうに考えておりまして、当初は市内のデザイナーがデザインをした家具や食器などの展示だとか、札幌高専の学生がデザインをした作品を発表する場所にするというようなこととか、デザインワークショップだとかセミナー、こういったものをここを拠点に開催していきたいというふうに思っているところであります。
今後は、札幌ブランドとして認証した製品だとか、デザインコンペの入賞作品などを展示したり、販売の可能性といったものも探っていきたいというふうに考えているところであります。
デザインギャラリーについては、あした、28日にオープニングセレモニーを行う予定でございますので、どうかよろしく取材をお願い申し上げたいと思います。
それから、札幌ブランドの構築に向けまして、札幌ブランド開発プロジェクトといったものを設置するとともに、札幌ブランドとしてふさわしい製品を発掘・認証する認証制度を設け、募集をしようと考えております。
また、5月中旬に札幌ブランド戦略会議といったものを立ち上げ、7月中旬には札幌デザインコンペを実施していきたいというふうに思っております。
札幌ブランドというものを認証するということでありますけれども、認証をした製品には、ここにございます札幌スタイルというこのマークを付けるというようなことで、シンボルマーク、ロゴをつくったものですから、これも広く市民の皆さまに認識をしていただきたいというふうに思っているところであります。
この札幌スタイルというシンボルマークですけれども、3本の線がクロスをしているわけですけれども、一つの線は「デザイン性」、もう一つは「品質」、それから「地域特性」といったものがこの3つの線に託されているということでございます。
そして、この丸は、札幌だということであります。この3つの地域性、デザイン性、それから品質といったものが交ざり合ったところに札幌のスタイルといったものがあるのだという思いを込めて、こういう札幌スタイルというシンボルマークをつくったということでございます。これを札幌ブランドとして認証した製品に張り付けをするというようなことで、広く市民の皆さま方に愛される製品というものを作製していただきたいというふうに考えているということでございます。どうかよろしく広報をお願い申し上げたいと思います。
札幌市では、水と緑豊かな都市空間をつくるということを目指しまして、これまでも水枯れをいたしました河川の清流を復活させるというような事業に取り組んできたわけでありますけれども、その一環といたしまして、平成13年から北海道大学と共同で進めてまいりましたサクシュ琴似川の再生事業がこのほど完了いたしまして、来月、5月中旬には通水式を行うことになりました。
サクシュ琴似川は、北大植物園の付近にありましたわき水を水源とし、現在の北大キャンパス内を通りまして、琴似川に流れ込むという河川で、かつてはサケも遡上してきたという川であったようでありますけれども、都市化の進展に伴いまして、地下水の低下というようなことが起こって、水源も枯渇をして、川の一部は埋められたというようなこともございましたので、見えないような状況になっていたわけであります。
このような状況の中、北大の創基125周年記念事業ということで、この河川を再生するということになりまして、札幌市としてもこれに協力をしていこうというようなことで、藻岩浄水場の放流水を導水することによって施設の整備を行うということにいたしまして、北大と札幌市が共同でこの事業を進めてきたところでございます。
来月、通水式を行いますけれども、その通水をいたしました後は、昔をしのぶ散策の場といたしまして、また、憩いの場ということで、学生ばかりでなく、市民や観光客、ここは本当に観光客の方もたくさん訪れる場所のようであります。そういうこともございますので、そういう方々に愛される場所といたしましてご利用いただければと期待をしているところであります。
一度散策をされますと、大都会の中にこんなにのんびりとできるところがあるのかというふうに思えるような場所でございます。私も、過日、視察をしてまいりましたけれども、大変いい雰囲気に出来上がっておりますので、ぜひ皆さん方も一度行かれるとよろしいかというふうに思います。
市の職員が市民の皆さん方の要望に応えて地域に出向いて、札幌市の施策や事業について分かりやすくご説明するという出前講座を、昨年の10月から募集させていただき、リクエストしていただきまして、そして11月から実質スタートとさせていただいたわけですけれども、ことしの3月までに52件のご要望があって、出前講座を実施させていただいております。月に10件程度の実施状況ということになります。
実際に利用された方々からのご意見といいますか、感想をお聞きいたしますと、「大変ためになった」、「また利用したい」という意見が多かったものの、全体的にはまだ周知が不十分であるというようなこともありまして、利用が少ないというのが実感でございます。
今年度につきましては、より多くの方々にご利用いただきたいということで、昨年度は191講座を設けておりましたけれども、少し増やしまして、例えば、札幌元気基金がどういうものなのかというようなことだとか、市民参加による緑化だとか、高齢者の現状と福祉だとか、消費生活など日常生活に身近な話題といったものについても、この講座で取り扱わせていただいて、全体で10分野、211の講座、20講座ほど増えたということになります。そういう講座をつくって、皆さん方のご要望に応じて出前講座をさせていただきたいというふうに考えておりますので、「広報さっぽろ」来月号にもこの要領等についてまた広報させていただきますけれども、皆さま方にもご注目をいただきたいというふうに考えております。
それから、利用時間、日時ですが、通常の勤務時間を一応基本にさせていただいておりますけれども、もちろん勤務時間外でも、あるいは曜日も、勤務日以外であっても、皆さま方のご要望に応じてご相談に応じたいというふうに考えておりますので、ぜひ多くの方々にご利用いただきたいというふうに考えております。
出前講座は、こちらから情報提供するというばかりでなく、そこに出向いた職員が直接市民の皆さん方と接して、そしていろいろなご意見をお聞きできる非常に市の職員にとっても勉強の場になる、そういう制度でございますので、皆さん方でこの利用を促進していただき、そしてより意思疎通を図るよう、市役所と市民の皆さん方の接点になれるように努力をしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
先にお伝えいたしておりましたけれども、身体に障がいのある方を対象とした職員の採用ですが、3月14日に1次選考を行い、これは筆記試験になりますが、そして4月17日に2次選考、面接試験等を行いまして、本日最終合格発表を行ったところでございます。最終合格者は7人でありまして、男性5人、女性2人ということになっております。
今回の合格者の中には、障がいの程度が非常に重い、身体障害者手帳1級、2級の交付を受けている方もおりますけれども、他の職員採用の試験と同様に、教養試験、身体検査、作文および面接を受けまして、最終的には14.6倍もの倍率をくぐり抜けてこられた方々でございます。面接を担当いたしました職員によりますと、みんな、札幌市職員として仕事をしたいというやる気が十分の方ばかりというふうに聞いております。
これらの方々につきましては、6月1日付で採用を予定しております。採用後の配置につきましては現在検討中でありますけれども、他の職員と一緒に札幌市職員として市民のために活躍してくれるものと私どもは期待しているところでございます。
先週、陸上自衛隊第11師団を中心とするイラク派遣第2次部隊の編成命令というのが出て、きょう編成完結式もあったようです。地元札幌の陸上自衛隊の隊員がイラクに派遣される日が迫っているというふうな状況にあるかと思います。一方で、イラクをめぐる情勢ということで言えば、前回の市長の定例会見の直後に日本人の人質事件というのが発覚する、そういう状況もありました。間もなく憲法記念日を迎える状況にありますけれども、あらためて自衛隊のイラク派遣について、憲法との兼ね合いも含めて、市長の見解をお聞かせいただければと思います。
昨年12月の定例市議会におきまして私が申し上げました見解でありますけれども、現在は当時の状況よりもさらに悪化しているのではないかという基本的な認識を持っております。そういう意味で、昨年12月に申し上げた見解というのは現在も変わらないということでお答えとさせていただきたいと思います。
憲法との兼ね合いで、自衛隊のあり方ですとか、あるいは派遣の憲法上との整合性とかで議論のある部分がありますけれども、それについては。
たくさんのいろいろな議論、今国民的な議論がされているところでありますので、私も十分にさまざまな意見をお聞きしているところであるということであります。
今の関連で1問と、全く関係のない質問をします。1つは、イラクで人質になった札幌市の今井さん、あと千歳の高遠さんら3人をめぐって自己責任論というのが今問題となっていますけれども、市長はこの自己責任論についてどのようにお考えかお聞かせください。
もう1点は(保育所の)待機児童の問題です。札幌市では子ども未来局をつくったり、この2年間で定員を1、300人に増やしたりしていますが、ことしの4月の時点でまだ待機児童が150人以上出ているのです。今後、待機児童解消のためにどのような施策をお考えか、お聞かせください。
第1点目ですが、報道機関等を見ておりますと、自己責任バッシングといいますか、ああいうふうなことでさまざまな報道がされていることは承知をしているところであります。しかし、バッシングをされるべきは人質を捕った加害者であるべきであるというふうに私は思います。被害者となりました方々に対して非難が向けられるべきではないというふうに私は思います。
今井さんあるいは高遠さんらが解放されたというのは、それはどうして解放されたのか。それは、彼らに対する認識というものがイラクの人々に受け入れられたからだというふうに私は思います。そして、彼らの活動というものが、イラクの人にとっては日本人に対する親愛の情といったものを失わない、そういうきずなの1つになったのだろうというふうに私は思います。
そういう意味で、私は、彼らの活動というのは、もちろん状況認識だとか、さまざまな問題についてこれから議論されることは、それはいいかと思いますけれども、しかし、彼らに対して非難を向ける今の風潮というのは根本的に少し方向が違うのではないかというふうに考えております。
私は、イラクの方々と日本人との付き合いというのは、非常に親密ないい関係が今まであったように思いますし、それを実践していたのが彼らのような活動ではなかっただろうかというふうに考えておりますので、ご本人に対する非難はこの際するべきではなかろうというふうに思います。
2番目の待機児童の問題でございますけれども、これはいつも計算がなかなか難しいところがございます。一応年度当初における予測に向けて待機児童の解消ということをやっているわけですが、年度途中からまた多くなったりということもたくさんあって、ぴたりと解消するというのは非常に難しい問題ではあろうかと思います。転勤で来られる方もおられますし、出入りも、その計算も十分尽くされた上でゼロという形をつくるのは非常に難しい。
ただ、目標にしなければならないことだけは確かでありますので、解消に向けて努力をするということで、さまざまな情報を取りながら計画的にゼロに向けてやっていきたいというふうに考えているということでございます。
イラクの人質関係のことなのですけれども、札幌市も対策本部を立ち上げていろいろ対応したと思うのですけれども、金銭的なところでどのくらいかかったのかというのと、そのお金を請求するというような形になるのかというのを教えてください。
経費としては、対策本部をつくって、職員の超勤手当というふうな計算になりますけれども、それを主とした額になりますが、対策室の計算によりますと、270万円ぐらいの額が、この間かかったというふうに聞いております。
それを家族や本人に請求するかというご質問ですが、そういう考え方は一切ございません。
先ほど出ていましたけれども、自衛隊がいよいよ派遣ということになりますが、同じように、自衛隊の隊員が人質にとられたというようなことがもしあった場合に、対応としては、今回の高遠さんや今井さんが人質になったときのような形での対応になるのでしょうか。いわゆる対策本部を立ち上げてというようなことですけれども。
自衛隊の方々は国の命令で行かれているわけでありますので、その方々への対応というのは国が第一義的に、しかも最大限の情報収集能力をもって対処できるというふうに私は考えておりますので、今回と同じ対応をとるかということについては、それは現在のところ考えていません。
しかし、そういう事態が発生した場合には、札幌市民の一人であるわけでありますので、私どもは、情報収集等、できることがあるのであれば十分に対応したいというふうに考えますし、その際に対策本部を立ち上げる必要性が現実にあるという認識に立った場合には、その状況に応じて考えたいというふうに思います。
今のことに関連してなのですが、彼らの状況認識に関してはいろいろ議論があるだろうからとおっしゃいましたが、市長ご自身は彼ら3人の状況認識についてはどのようにお考えでしょうか。
これは、価値判断は非常に難しいところだと思います。というのは、ああいう状況であればこそ必要な活動なのだというふうに判断をされたということもあろうかと思います。そういう困難な状況の中で自らの意思を貫徹するのだという形で行かれたのだとすれば、それはそれで理由のあることだというふうに思います。
ただ、いろいろな議論があるという状況の中で、私がどう判断するかというのは、なかなかそれは、それがいいとか悪いとかという判断を私はするわけにはいかないというふうに思います。それは、市民の皆さん方が各活動をするときに、自らの責任において判断していくことだというふうに私は思いますので。
彼らはものすごい被害を受けているのです。大変な思いをしてこの1週間、自分の命がどうなるかわからないという、そういう負担を彼らはしているわけです。それに対してわれわれが何を言えるかという問題ではないかと思います。
札幌スタイル・デザインギャラリーの開設ですけれども、これは、市立大学にデザイン系の学部をつくることが決まっている、この辺との絡みもあるでしょうか。
当然そういった関連が全くないわけではもちろんありません。札幌がデザインということにこだわりを持ち、そして広く環境を整えていくということの一環として考えたいと。そして、産業とちゃんと結びつくのだということをアピールしていきたいという場でもあるというふうに私どもは考えているわけであります。
敬老パスのことで、途中経過みたいなことになろうかと思いますが、コールセンターの方にこの間どんな意見がどんなふうに寄せられていて、市長はどのように判断というか、感想を持っているかというのをお聞かせください。
コールセンターで今月末までご意見をちょうだいするということでご案内を差し上げていたところでありますけれども、26日までに市民の皆さまから電話、ファクス、電子メール等で906件ほどご意見と、それからご質問等もちょうだいしております。その半数以上が70歳以上の方から寄せられたご意見、ご質問であります。
市の案、上限2万3,000円、平均して3,000円負担ということに対して、市の案に賛成だとか、あるいは現行のままでよいといったご意見のほかに、特徴的には、自己負担に関する意見としては、自己負担することを容認するという声が比較的多かったということと、それから、利用上限額に関する意見としては、利用上限を設けることには反対、疑問というふうな声が比較的多いわけであります。それから、利用上限の引き上げを求めるという声も相当数寄せられているという状況に今のところございます。
それから、居住要件ですね。札幌に来てすぐ適用になるというのではなくて、少し期間を置いての方がいいのではないかというふうな居住要件を設けることを容認するという声も比較的多く寄せられているというのが現状でございます。
これらの意見、それから、今私どもで事業者との間の意見調整等もさせていただいておりますので、これらをふまえて、10月の実現までに間に合うように努力をしていきたいというのが現状でございます。
現在、私の方で、私はこう考えるというところまではいっていないと。一応,素案を出しておりますので、それとの関連でどう修正できるかということを今考えているというところでございます。
関連なのですけれども、10月までに間に合わせるにはいつぐらいまでがリミットだとお考えになっていますか。
これは、いろいろな手続きがありますので、事務的なところでもう少し詰めなければいけないことだというふうに思っておりますので、直ちに今お答えすることはできません。
今のペースでまだ間に合うという考え方で、それはよろしいのですか。
なるべく努力をしているという意味でご理解いただきたいと思います。
(以上)
この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。
(作成:札幌市広報課報道係)
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