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今回繁殖したエゾリスのこども※金網の隙間から撮影しています。見づらくてすみません…
円山動物園では、北海道に生息する野生動物の繁殖に取り組んでいます。
この度カンガルー館で飼育中のエゾリスが繁殖いたしました。
出産自体は5月17日ごろと思われますが、巣箱の中での子育てもひと段落し、2頭の子供が巣穴から顔を見せてくれるようになりましたので、お知らせをいたします。
今年、エゾリスの繁殖に取り組むにあたり、当園で飼育しているエゾリスでは、血縁関係のある個体が多かったため、2025年3月に、のぼりべつクマ牧場とオス個体の交換を行いました。
<エゾリス「クシル」が来園しました!>クシルが来園し、検疫(病気などがないか、一定期間隔離すること)が終わったあと、カンガルー館の展示場でメス個体と同居させました。同居4週間後にはメス個体の腹部のふくらみが確認できたため、妊娠していると判断し、同居を解消したうえでメス個体の観察を続けました。
同居開始から1週間後、腹部がさらに膨らみ、乳頭が目立ってきていることから、おなかの中のこどもも順調に成長している様子でした。その後、5月17日に腹部の膨らみが小さくなったことから出産したと考えられます。
エゾリスは、毛も生えていない状態で産まれてきて、巣立ちまで2カ月ほど母親が授乳して育てます。今回繁殖した個体は初産の個体であったため、妊娠中の栄養状態にも気を使いながら飼育を行いました。
6月初旬に、こどもの生育状況と繁殖した頭数を確認するために、母親がエサを食べている間に巣箱内を確認したところ、2頭のこどもを確認しました。その後は、親の警戒心が高まったため、巣の中を確認することはせず、母親の巣への出入りの状況を確認しながら見守ってきたところ、6月28日に2頭のこどもが巣の中から顔を出しているのを発見しました。
今はまだ巣の外に出ている時間は短いですが、これから少しずつ長くなり、日中でもご覧いただける機会が増えると思います。観察していると出てくることがあります。
円山動物園に来園された際には、ぜひエゾリスを見に来てくださいね。
【エゾリス基本データ】
和名:エゾリス
英名:Hokkaidosquirrel
学名:Sciurusvulgarisorientis
繁殖周期:2月~8月ごろまで繁殖している記録がある。
妊娠期間約40日
特徴:夏は赤褐色、冬は灰褐色の毛に生え変わる。冬眠はせず、厳冬期も活動する。子育ての時期には、巣を引っ越す行動も見られ、円山動物園周辺でも引っ越し中のエゾリスの姿を観察することができる。
円山動物園での飼育個体数
オス1頭
メス4頭
性別不明2頭※今回繁殖した個体
合計7頭
同居時の様子この写真のときには交尾が確認できませんでしたが、同居当初はオスがメスを追いかける様子が見られました。
巣箱の上にいるのが母親で、巣穴から外をのぞいているのが子どもです。
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