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更新日:2025年9月20日

シンリンオオカミの飼育方針について

当園では現在、2頭のシンリンオオカミを飼育しています。

令和7年1月頃から発情に伴い、他個体の臀部や脚を噛むなどの行動が頻繁になり、2月には1頭が負傷したため治療を行いました。それ以降、発情が見られる期間を目処に、安全を最優先にして別々に飼育してきたところです。

現在は発情が終わり、外傷の治療も終了しているため、準備が整い次第、再同居を行う予定です。

既に当園ではオオカミの飼育担当者を増員し、行動や体調を細かく観察するよう努めていますが、檻越しの生活では、じゃれあったり、上下関係を確認したりするなど社会的な行動をとることができず、フラストレーションを感じている行動も観察されています。当園のオオカミにとって最善の飼育環境を検討した結果、再同居によって個々の福祉を改善できる可能性があると判断しました。

なお、オオカミは強い社会性を持つ動物であり、群れの中には順位があり、振る舞いや鳴き声などによって順位を確認したり、じゃれあったりと常に社会的なコンタクトを取りながら暮らします。一度別居を挟むと順位が不明確になり、関係性が戻らないことがあるため、今後の再同居が不適と判断した場合は、「再度、別居」「他園への移動」など、別の飼育方法をとる可能性があります。

いずれの手法を選択するにしても、2頭の福祉を重要に考えております。今後も2頭の動物福祉が最大化できるよう、動物の健康と安全に配慮した飼育管理を行ってまいります。


【令和7年9月19日追記】

令和7年9月10日(水)、11日(木)、13日(土)、18日(木)の4回にわたって2頭の同居を実施しました。

1回あたり44~90分間の同居を行い、この中で、軽い闘争や腹見せ、相手が近づいたときに唸るなどの上下関係の決定に関連する行動や、鼻を突き合わせたり、高い声で鳴き合ったり、少し離れたところで一緒に休んだりといった友好的な行動等がみられました。初回同居時、順位付けの過程で1頭が1箇所、顔に軽度の切り傷を負いましたが、回数を重ねるごとに攻撃的な行動は減る傾向にあります。

また、複数回の同居の経て、2頭の日常の行動や関係性にも変化が見られています。6月頃より、寝室内では相手への吠えや唸りといった行動が目立っていましたが、現在、このような行動は大きく減り、両者ともバックヤードで落ち着いて過ごすことができています。日中も、放飼場で檻越しに2頭が寄り添って寝るといった様子も観察されるようになりました。

現時点では、2頭のシンリンオオカミの間で友好的な行動ばかりが見られるわけではないため、今後も引き続き各個体の様子を慎重に観察し、同居の是非も含めて2頭にとって最適な飼育方法を検討してまいります。

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