収容避難場所見学会の実施（平成24年度）

• 日頃の災害への備えを進めるには、備えの大切さを認識することが重要です。収容避難場所を見学することで、備蓄の状況や避難した際に使える場所と使えない場所を事前に確認したり、避難場所の開設・運営手順などについて理解を深め、災害が発生した際の状況や避難者の役割などについて具体的に考えることにつながります。
• 区民会議では、収容避難場所見学会に取り組むこととし、平成24年8月23日、平岡小学校のご協力のもと、収容避難場所として指定されている同校の見学会を行い、収容避難場所について考えました。

1.事前勉強会

まず、校内の見学に先立ち、勉強会を行い、避難場所の開設・運営手順や備蓄について理解を深めました。

（事前勉強会概要※）

避難場所の開設・運営手順は？	開設にあたって市職員、学校職員が参集。 建物の被害状況を確認し、避難者を誘導。 ライフラインの確認、区災害対策本部への連絡、避難スペースの設定、避難者の受付、負傷者や要援護者の対応、住民による自主運営委員会の編成などを行います。
札幌市の備蓄物資の内容は？	アルファ米、パン、クラッカー、粉ミルク・哺乳瓶、毛布、寝袋、簡易トイレ、紙オムツ、ろうそくランタン、手回し充電ラジオ、生理用品など。
避難者の役割は？	運営初期は市職員を補助、その後、立ち上がった自主運営委員会を引き継ぎ、自主運営を行っていきます。
備蓄場所は？	平岡小学校をはじめ区内で13カ所（市全体では213カ所）に分散して備蓄。災害発生時に市全体で必要なところに搬送されます。（※）

※事前勉強会を実施した時点の内容です。平成25年3月、「札幌市避難場所基本計画」が策定され、避難場所の分類や応急救援備蓄物資の配置方針などについて見直しがなされました。備蓄物資は、全ての市立小中学校にあらかじめ配置されることとなっています。

2.校内見学会

勉強会終了後、備蓄物資や屋上、電気室、ポンプ室、体育館などを見学しました。

• 自家発電設備はなかった。停電下ではポンプが動かないので、水洗トイレも使えないようだ。
• 飲料水の備蓄はなかった。災害時は区役所の貯水槽(応急給水拠点施設)から給水するようだ。
• 避難時、全ての教室を当然に使えるものではないことが分かった。

3.見学内容の振り返り

見学会終了後、区民会議において、8月23日に見学した内容を振り返りました。

（主な意見）

• 災害状況によっては備蓄物資がすぐ届かないことも想定され、最低3日分は自分で備えておくことが重要だ。
• 夜間や休日に避難場所が開設される場合、災害状況によって市職員がすぐに集まるとは限らないと思う。
• 冬場に避難場所が開設されるとき、建物の安全確認を待っていたら、避難者は凍えてしまうのでは。
• 避難したときにどの教室を使うことができるのか、平岡小学校以外でも事前に確認しておくべきでは。
• 日頃から、地域と避難場所である学校とがよく連携して、有事の際に備えておくことが大事だ。
• 防災の取組を実効性あるものにするには、地域の実情に沿った内容で進めていくべき。避難場所見学会も、いくつかの単位町内会ごとに、最寄りの学校と連携して実施していくとよいのでは。
• 区民会議としては、先行して実施される地域の事例を情報発信していくなど、各地域でこうした取り組みが実施されるよう働きかけを進めていくべき。

4.地域の取り組み事例の紹介

平成25年3月19日、区民会議において、里塚美しが丘地区センター館長の石丸浩一氏から、平成24年12月1日から2日にかけて同センターで実施された宿泊型避難所体験について事例紹介をいただき、情報共有を図りました。

• 真冬に停電・断水状態で避難所生活を体験し、災害時のことを考えました。
• 実際に宿泊してみて、耳栓や枕、手回しラジオなどがあればよかったと思いました。
• 避難所の運営に自ら携わっていかなければならないという認識を改めて持つことができました。
• 参加者の方には、災害時のリーダーの役割を期待して修了証を交付しました。