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更新日:2023年1月10日

第2回公開講座

◇テーマ
求められるスポーツ施設-活用・運営・連携の課題-

◇講師
清田区体育館・温水プール館長 樋口 智也氏
札幌国際大学社会学部ビジネス社会学科助教授 飯田 俊郎氏
札幌国際大学観光学部観光科学科助教授 蔵満 保幸氏

◇日時
平成17年(2005年)3月19日(日曜日)13時30分より

◇場所
清田区民センター2階集会室2・3

内容

説明「地区センター建設とワークショップの概要について」(清田区市民部地域振興課)

平成16年度に3回にわたり開催した(仮称)清田区地区センター建設ワークショップの概要について、清田区から説明しました。具体的には、ワークショップの開催趣旨、位置づけ、建設予定地、各回の内容、今後の予定についてです。

演題「清田区体育館・温水プールの現状と新たな取組み」(樋口 智也氏)

樋口智也氏樋口館長から、体育館・プールがどのように利用されているか、また、新たな取組みについてお話いただきました。現在、使用者数は毎年増加しており、利用形態は体育館で一般開放が7割を占めていました。そして、利用者の年代を過去と比較してみると、中学生以下の年代と高齢者の利用が増えていることがわかりました。それらをふまえた体育館・プールの取組みとして、「住民だれもが、それぞれの体力や年齢・技術・興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる環境を整えることを目標にする」ことを強調していました。そして、気持ちよくご利用いただき、元気に帰っていただくことを大切にしていきたいとのことでした。

 

演題「スポーツによるコミュニティ形成」(飯田 俊郎氏)

飯田俊郎氏飯田先生からは、過去に清田地区で行ったスポーツに関しての調査結果をお話いただきました。
・高齢になればなるほど、スポーツをする人、しない人がはっきり分かれる
・40代の男性はスポーツをする機会が少ない
・近所で気軽にできるスポーツが好まれ、競技性の高いスポーツは実施率が低い
・スポーツをする目的は様々で、(1)健康増進志向(2)友人職縁志向(3)地域生活志向に分類される
などをご紹介いただきました。

そして、それぞれの志向から、どのような年代・性別・生活パターンの人が多く、望むスポーツの種類は何なのかを分析いただき、それらを総合して、パークゴルフ・ジョギング・水泳など「地域の人と気軽に楽しめる種目」が共通して求められているスポーツであることがわかりました。これらは「コミュニティの形成を促すスポーツ」としての役割が期待できます。

まとめとして、清田区の今後のスポーツのありかたとして、海外の事例をご紹介いただきながら「ジョギングコースの充実」「ウィンタースポーツの振興」「総合型地域スポーツクラブの創設」「スポーツをきっかけとするコミュニティ活動への参加」をご提案いただきました。

 

演題「スポーツ施設=舞台・主役はあなた」(蔵満 保幸氏)

蔵満保幸氏 蔵満先生からは、現在の地域社会が抱える問題として、「少子高齢化」「老人医療費が全国ワースト1」「滞った社会システム」「子どもの教育力の低下(家庭・学校)」「協働意識の低下」「活気と魅力を失うまち」を挙げられました。

それらを背景として設立された、江別市にある総合型地域スポーツクラブ「きらり」の事例を挙げて、このクラブが持つ特色として「地域にふれあいの場を提供している」「地域の人口が急激に増えているため加入者が確保しやすい」「地域に子どもたちが多い」「地域行事やスポーツ活動が活発」であることをご説明いただきました。また、クラブの課題として、「経営の安定化」「クラブハウス自体の場所の確保」「地域スポーツ団体の取組み」などがあります。

それらをふまえ、地区センターでの活動が地域にもたらすメリットとして「楽しみの多様化」「世代間交流」「住民参加」「連帯意識」「自治意識」「地域への愛着心」「健康増加と医療費削減」を挙げたうえで、スポーツクラブを中心とした地域振興についてご提案いただきました。

 

意見交換

公開講座の受講者の方々と、講師の先生で質疑応答と意見交換会が行われました。その一部をご紹介します。

意見交換の様子1 意見交換の様子2 意見を述べるメンバー

〈Q〉清田区体育館と他施設の棲み分けと連携のありかたは?
〈樋口〉体育館は、区の体育館の拠点的な役割を行っていきたい。

〈Q〉総合型地域スポーツクラブとして想定される施設について。
〈飯田〉体育館の外にも地域の人々との交流の場を設けるとよい。スポーツをコミュニティ作りのひとつとして捉えてみてはどうか。

〈Q〉スポーツを身近に楽しむ活動として総合型地域スポーツクラブの運営を行う際に、どのような活動や組織づくりをしたらよいのか。
〈蔵満〉清田区のターゲットは子どもと高齢者である。この層が来やすい施設にするとよい。

〈Q〉新しい地区センターの特徴として、清田区より「地域みんなで交流」「子育て支援ができる場所」「サロン的なフリースペースの充実」などの説明があった。そこで、スポーツ施設に対するニーズと施設づくりのあり方を調整していく方法のご提案をお願いしたい。
〈樋口〉清田区は他区に比べ世帯年齢が若いので、初心者向けの教室から展開していった。体育館ができたときにプログラムをたてたのがポイントである。そして年数がたってその後の地域の要望をどう汲み上げるかが大切である。
〈飯田〉子どもに利用させたいというニーズから、親も一緒に活動させるように巻き込む。そして、運営にも携わってもらう。
〈蔵満〉スペースの用途を固定せず、多目的で大きなスペースがあればいろいろなことができる。

〈意見A〉ジョギングの場所として、堤防の上があるがラッシュ時は信号を渡るのが大変である。しかし、川を眺めながら歩くことができる。道幅がもう少し広くて、川沿いをいろいろ巡れるといい。

〈意見B〉現在、近くの会社の人が使えるような施設がない。また学校のクラブの受け皿、競技人口の減少に伴う受け皿などが不足している。体育館で予定している今後の事業計画は地域に浸透していないので、地域のスポーツ関係者とコミュニケーションを取る場を設けてほしい。

〈意見C〉地区センターがスポーツの場になるのであれば、スポーツをする人の意見を汲んでほしい。センターの開放だけではなく、自主開放の時にも指導者を派遣してほしい。

このページについてのお問い合わせ

札幌市清田区市民部地域振興課

〒004-8613 札幌市清田区平岡1条1丁目2-1

電話番号:011-889-2024

ファクス番号:011-889-2701