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更新日:2021年6月30日

令和3年度第5回定例市長記者会見記録

日時

2021年6月25日(金曜日)17時00分~17時56分

場所 市本庁舎16階第一特別委員会会議室
記者数

17人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で文字掲載しています。

引き続き、次の話題について質疑が行われました

発表内容

 新型コロナウイルス感染症への対応について

 はじめに、6月23日に北区で2歳の男の子が亡くなられたという大変痛ましい事案が発生しました。お亡くなりになられた松原莉蒼(まつばら・れいあ)ちゃんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。

 現在、亡くなられた経緯等について警察で捜査中でございますけれども、母親が20歳と若い年齢であったということ、また母と子の2人世帯であったことから、北区役所におきまして、生活支援あるいは子育て支援という視点で、この家庭との接触を図っておりましたので、札幌市といたしましても今後の捜査の行方を注視してまいりたいと考えております。

 続いて、新型コロナウイルス感染症の対応について説明させていただきます。

 「緊急事態宣言」が、6月21日に「まん延防止等重点措置」に移行しましてから、明日(6月26日)で1週間となります。

資料「専門家会議での主な意見」(PDF:284KB)

 本日(6月25日)は、市内の感染状況と、23日に開催いたしました専門家会議(令和3年度第1回札幌市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議)においてご指摘をいただいた点について、先ほど第21回札幌市新型コロナウイルス感染症対策本部会議で決定した取り組みの内容をお話いたします。

資料「新規感染者数の推移」(PDF:456KB)

 まず、現在の札幌の感染状況でございますけれども、新規感染者数は、市民の皆さまのご協力によりまして、ピーク時と比較いたしますと大幅に減少しております。

 昨日(6月24日)時点で人口10万人当たりの新規感染者の週合計が13.2人ということで、国の「ステージ3」の指標であります15人を下回るところまでになってございます。新規感染者数だけで見ると、「ステージ2」の状態まできているという状況です。

資料「入院患者数・新規感染者数・重症患者数の推移」(PDF:301KB)

 入院患者数も減少傾向でございまして、入院を必要とする方がすぐに入院できないという状況は解消されておりますけれども、新規感染者数に比べまして、入院患者数の減少速度は遅い状況になっております。入院患者数は依然として高い状況になっており、昨年(2020年)11月の第3波のときよりも、まだ多い状況でございます。そういう意味では、受け入れ医療機関への負荷は継続をしている状況でございます。

 札幌市では、さらなる病床確保に向けた取り組みを進めているところでありますけれども、今後の第5波に備えて、より多くの医療機関に参画をいただいて、入院受け入れ病床の増床を図ることに加えまして、透析を必要とする患者や回復期で介護を必要とする患者の受け入れなど、状況に応じて入院受け入れ病院の役割分担を行い、これまで以上に効率的な医療体制の整備を進めていきたいと考えております。

資料「新規感染者数と人出」(PDF:573KB)

 次に、人出の状況でありますけれども、昨年の秋は新千歳空港における道外からの往来が増えてきた後、少し経ってから市内の新規感染者数が増えてきています。

 今年(2021年)の春先におきましても、3月・4月に空港の人出が増えてきた後に、北海道・札幌の感染者数が急拡大するという状況があり、非常に相関関係がございます。

 現在、市内の新規感染者数は大きく減少している状況にございますけれども、この数字は昨年の状況からしますとまだ高い状況にあります。そして、新千歳空港、あるいは市内中心部における人出も、6月以降上昇傾向にあるということでございます。

 北海道はこれから夏本番を迎えるにあたりまして、道内の感染者数が落ちてくると、道外から観光で来られる方、あるいは、出張で来られる方が増えてくる状況がございますので、その後の感染の再拡大につながらないように注意をしていかなければいけないわけでございます。

 この状況を踏まえて、感染の再拡大を抑えていくための対策について、北海道と共に、早急に協議を進めて対策を講じていきたいと考えております。

 加えて、現在デルタ株の拡大ということが全国的に懸念されております。

 いわゆるアルファ株よりも感染力が強いと言われておりまして、札幌市内では、本日時点でデルタ株の感染者は確認されておりませんけれども、今後、デルタ株の患者さんが市中に広がっていった場合には、専門家のご意見では、第4波を超える感染拡大も予想されるという状況でございまして、今後このデルタ株の動きについて、最大限の注意を払っていかなければならないものと感じているところです。

資料「デルタ株に対する水際対策方針」(PDF:294KB)

 札幌市としましては、デルタ株の感染が確認された場合には、早期発見・早期対策に取り組み、感染の広がりを可能な限り抑え込んでいきたいと考えております。

 基本的には早期に感知し、囲い込み、地域に情報発信をしていく、こういった対策を柱に進めてまいります。

 まず一点目の「感知」でございますけれども、6月7日からデルタ株のスクリーニング検査を行ってございます。直近の6月13日から19日までの新規陽性者数375人のうち、約6割についてデルタ株のスクリーニング検査を行っております。現在はデルタ株の患者さんはいないということですが、検査率を上げて早期に発見できる体制を進めていきたいと思います。

 次に「囲い込み」でございます。3月にアルファ株の感染が市内において確認された当初、食品関連会社主催の集会でクラスターが複数発生したということがございました。

 こういったことから、デルタ株につきましては、発生の初期段階で、まず徹底して感染の広がりを抑えていく必要があるということで、仮に何かの集会で感染が拡大した状況になりましたら、その区の集会施設などについては、市有の公共施設は休館し、民間の施設に対しては休館の要請を行うことで、できるだけ人が多く集まる機会を減らす対策を行います。また、クラスターが発生した要因となった活動についての停止も要請していきたいと思っております。

 事業者の皆さまにおかれましては、早期に濃厚接触者の確認などをしていくために日頃から従業員の名簿を作っておいていただき、早期の調査にご協力いただくことが重要となりますので、ご協力をお願いしたいと思います。

 最後に「情報発信」でありますけれども、いち早く市民の皆さまに注意喚起をしていく必要があると思います。

 そういう意味では、今も区ごとの感染者を公表させていただいておりますが、(デルタ株が)発生した区を速やかに公表しますとともに、クラスターと認められるケースにつきましては、できるだけ2日以内に公表できるようにしていきたいと考えております。

 また、各区役所のネットワークを活用して、地域の住民・団体の方々へいち早く情報発信を行うことで、その地域の活動についても自粛をお願いしてまいりたいと考えています。

 それから、感染拡大を防ぐためには、こういった人流、人出を減らしていくということもございますけれども、クラスターの発生を防ぐことも重要です。

 これまでは、高齢者施設・医療機関でのクラスター発生が多かったのですけれども、5月・6月の感染状況を見ますと、事業所においてのクラスターの発生が多くなってございます。

 事業所では業務上、多くの方が集まっている中で会話をする場面が多かったり、休憩室、あるいは勤務時間外で、つい気が緩んだ状態で感染対策が不十分であったことなどが、集団感染につながった要因であると聞いております。

資料「事業所への感染対策支援」(PDF:194KB)

 クラスターが発生した事業所には、直接訪問して、いろいろな確認をしてまいりましたけども、事業所の中でも特にコールセンターで大変多くの感染拡大がございましたので、まずはコールセンターでの感染対策支援に取り組んでまいります。

 具体的には、クラスターの対応経験のある看護師によります、講習会の実施でありますとか、実地での確認や助言指導を行う取り組みを進めたいと考えております。

 また、実際にクラスターとなった際の対応、それから、休業後の事業再開におけるフォローも含めて、感染防止対策を進めてまいりたいと考えています。

資料「今後のワクチンスケジュール1」(PDF:326KB)

 続いて、ワクチン接種についてお話させていただきます。

 まず、基礎疾患を有する方への接種券の送付につきましては、今月(6月)17日から事前登録を行っていただいており、本日の9時時点で、約7万3000人の方にご登録いただいております。

 これらの方々につきましては、6月30日から接種券を送付させていただき、お手元に接種券が届き次第、予約が可能となりますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。

資料「今後のワクチンスケジュール2」(PDF:343KB)

 続きまして、16歳以上64歳以下の一般接種対象者の方についてでありますが、7月13日から、年齢を区切ることなく接種券を一斉に送付いたします。

 高齢者の方につきましては、年齢で区切って、段階的に送付してまいりましたけれども、職域接種でありますとか、国が行っております東京・大阪などでの全国を対象とした大規模接種会場もございますので、接種券をできるだけ早くお渡しすることは接種情報を管理しやすくなり、スムーズな実施につながりますので、一斉に送付させていただく予定でございます。

 ただ、ご注意をいただきたいのは、これまでは接種券がお手元に届きましたら予約できますという体制でございましたけれども、これからは、予約については優先接種の方、年齢ごとというように、段階的に予約ができる体制を取ってまいります。接種券が届いてもすぐ予約ができるという状況ではありませんので、ご注意いただきたいと思います。

 まず、優先接種対象者につきましては、7月の中旬から予約の受け付けを開始いたします。対象者につきましては、クラスターリスクの防止・社会的機能の維持という観点から選定しておりまして、介護サービス従事者や障がい者施設などの従事者・保育園等の従事者・教職員・公共交通機関の従事者などを対象としているところです。

 現在、職域団体などを通じまして、対象者の確定作業を進めているところでございますけれども、概ね15万人程度を見込んでいるところでございます。

 次に60歳以上64歳以下の皆さまにつきましては、優先接種対象者の接種状況や、集団接種会場の空き状況などにもよりますけれども、7月下旬ごろから開始をする予定で準備しているところでございます。

 50歳代以下の皆さまにつきましては、今後の空き状況などを踏まえまして、年齢ごとに段階的に予約の開始いたしますので、それぞれ見通しが立った段階でお知らせをさせていただきます。

資料「接種加速化に向けた取り組み」(PDF:322KB)

 このほか、先日(6月18日)もご説明させていただきましたが、個別の医療機関において、急な予約のキャンセルによって余ったワクチンの情報を広く市民の皆さまにお知らせし、希望する方がお電話で予約をお受けする取り組みを進めてまいります。

 「ワクチンロスゼロセンター」という名称で、7月1日から開設すべく準備を進めているところです。各医療機関から、その日の急なキャンセルがあった場合に連絡をいただき、その情報をLINE・Twitterといった札幌市の公式SNS、あるいは市のホームページでお知らせいたしますので、キャンセルに応じられる方にお電話をいただいて、医療機関をご紹介する仕組みとなっています。

 市のLINE・Twitterにご登録いただきました方には、情報をプッシュ型でお知らせすることができますので、ぜひワクチンのキャンセル等での接種を希望される方についてはご登録いただきたいと思います。

資料「今後のワクチン接種スケジュール3」(PDF:290KB)

 現在の枠組みからいたしますと、8月末までに全市民の約4割の方に、2回の接種を完了する見込みでございます。しかしながら、先日(6月23日)の専門家会議でも、次の感染拡大の波を抑えるために可能な限り前倒しで接種を進めるべきだというご意見もいただきましたので、8月末までに全市民の約5割の接種完了を目標に進めてまいりたいと考えているところでございます。

資料「集団接種会場について」(PDF:909KB)

 札幌市として4カ所目の集団接種会場となります「つどーむ」会場につきまして、ワクチンの供給量にもよりますけれども、7月14日をめどに予約を開始いたしまして、17日から接種を開始することを目標に準備を進めているところでございます。

 つどーむ会場では、1日あたり最大3,000人の接種を見込んでおります。予約の開始時期などにつきまして、詳細が決まりましたら、あらためてご報告させていただきます。

 ワクチン接種に当たりましては、医療機関の皆さまのご協力を、引き続きお願いすることになりますけれども、札幌の感染の再拡大をできる限り抑えていくためにも、希望される方が安心して速やかに接種できる体制づくりに努めてまいりたいと考えているところでございます。

資料「市内中心部の人出(20時、7日間平均)」(PDF:500KB)

 最後になりますけれども、今月20日に緊急事態宣言が解除され、21日からまん延防止等重点措置の適用へと移行してございます。

 一定条件のもと、午前11時から午後7時までの酒類の提供が可能になったこともあり、すすきのをはじめとして、市内中心部の人出が増加傾向にございます。

 先ほどご報告させていただきましたように、市内の新規感染者は確かに減少傾向にございますけれども、昨年の感染者数と比べても依然高い水準でありますし、全国的に感染の拡大が心配となっているデルタ株のことも考えますと、第5波が非常に大きな山になると懸念されている状況であります。

 緊急事態宣言は解除されましたけれども、医療体制も含めて、札幌の感染状況は完全に収まっているわけではありません。市民の皆さまには、警戒態勢の継続が必要でございますので、引き続きご協力をお願い申し上げます。

 また、時間制限などはありますけれども酒類の提供が解除になったということで、開放感に浸ってお酒を飲みたい、多人数で集まりたいという方もいらっしゃるとは思いますけれども、ここで気を緩めて感染が拡大してしまうと、元の道に戻ってしまいます。

 飲食店の皆さまにも、大変ご負担をお掛けしている状況であります。今後、さらに感染状況を抑えて、早期に飲食店の皆さんにお願いしている状況を改善していくためにも、感染状況をリバウンドさせないことが大変重要であります。

 決してお酒が悪い、飲食店が悪いということではなく、近い距離で大きな声で話をする、マスクを外して話をすると、飛沫(ひまつ)が飛ぶということで感染リスクが非常に高まり、感染が広がることにつながります。ぜひ飲食店をご利用の際には、感染リスクに注意していただいて、できるだけ少人数で、大きな声を出さずに、食事も楽しんでいただくということにご協力をいただきたいと思います。

 人出が増えて、感染が拡大してしまうと、またブレーキを踏まざるを得ない状況にもなりかねません。ぜひこのことを皆さんにご理解いただいた上で(飲食店を)利用していただくことで、今後のいろいろな制限の解除につながってまいりますので、引き続きのご協力をお願いいたします。

質疑応答

 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

北海道建設新聞

 (6月)21日に開会した令和3年第2回定例市議会の中で、職域接種の促進に向けた融資制度の関連費用を予算化されたと思うのですが、制度開始に向けた今の準備状況というのはいかがでしょうか。

市長

 融資の取り扱いについては手続きを進めておりまして、一部の金融機関では来週早々には融資の取り扱いを開始できるという状況にございます。

 この資金を取り扱う金融機関が決定いたしましたら、皆さまにもお知らせをしますとともに、ホームページでも公表させていただきます。

北海道建設新聞

 事業所への感染対策支援の関係ですが、今の感染状況を踏まえ、コールセンターを対象にしたかと思うのですが、今後の感染状況にもよるとは思うのですが、それ以外の業種に広げるというお考えはあるのでしょうか。

市長

 感染者がクラスターとして出ている事業所について、これまでも文書等で注意喚起をしておりますけれども、例えばクラスターが発生したコールセンターなどでは、(感染対策の中で)少し見逃していた点がありますので、感染が拡大したと思われる具体的なところについて注意をさせていただくですとか、現地の職場の状況を見て注意すべきことを、感染管理の専門家である看護師を派遣して進めていきたいと思います。

 今後の状況もありますけれども、いったんコールセンターなどが終わった後で、さらにまた感染者やクラスターが発生するような業種があれば拡大していきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

北海道新聞

 先日(6月23日)、河野太郎(新型コロナウイルスワクチン接種担当)大臣が職域接種や大規模接種会場の新規受け付けの一時停止を発表しました。

 札幌市では、つどーむ・エミシア・コンベンションセンターなどで、モデルナのワクチンを使うことになっています。

 今後供給が追い付かないような状況になることも想定されるのですが、8月末時点で総人口に対して接種率46.2%という見込みが立っていますけども、これは本当に達成できるのか。(ワクチンの供給状況に)懸念があると思うのですが。

市長

 先日、職域接種の新規申請、それから新規の自治体が行う大規模接種会場の申し込みを一時停止するという発表がございました。つどーむを含めて、すでに申請している会場については、7月の供給量は確保されておりますので、だいたい2週間単位ぐらいで、こちらから申請した供給量に対する国からの通知が来る予定です。

 国のほうでは新規の受け付けは止めるという状況でありますので、私どもとしては、すでに開設をしているところには影響がないと考えたいと思っております。ただ、全体の確実な供給をお願いすることについて、国にも強く要請をしていきたいと思います。

 職域接種も全体の接種を早めるという意味では非常にいい仕組み・制度でありますので、ぜひ新規の申請の受け付けも含めて、安定した供給を国にお願いしていきたいと思います。

北海道新聞

 重ねてですが、接種率の見通しについて見直す予定はないですか。

市長

 河野大臣の発表によって何か影響が出るとは思っておりませんが、先ほど言いましたように、今後、全体の2週間ごとのワクチンの供給が、きちんと要求した供給量どおりに来るという状況であれば変わらないと思います。先日(6月23日)の専門家会議の中でも、できるだけ早くということでありますので、札幌市としても、つどーむ以外での少しきめ細かな接種会場の設定や、職域接種がうまく回転すると、さらに接種が進んでくるという意味で、8月末までに市民全体の5割の接種完了を目指したいと申し上げましたけれども、そこには少し影響が出てくるかもしれません。

北海道新聞

 デルタ株の水際対策(B.1.617系統の変異株(デルタ株等)に対する水際強化措置)が先日(6月21日)出されましたけども、空港での水際対策といいますか、(人が)入ってくる前にスクリーニング検査を実施するなど、何か具体的なお考えがあれば教えてください。

市長

 そのことについては北海道と協議をしていきたいと思っています。すでに北海道、それから国が、新千歳空港でスクリーニング検査をしてございますけれども、そこではデルタ株の検査までは行っていない状況であります。空港でのスクリーニング検査をもう少し拡大できないか、あるいはデルタ株の検査も含めて、その中で兆候を早くにつかめないかということについて、北海道と協議をしていきたいと思います。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会について(1)

読売新聞

 オリンピックでのマラソン・競歩における観客対応ですが、5者協議(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・東京都・政府・国際オリンピック委員会・国際パラリンピック委員会)にて、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が認識を示されたと思いますが、先日(6月23日)鈴木直道知事がSNS上で無観客を前提でやってほしいという発信をされました。

 例えばマラソンや競歩の本番で観客を入れるのか、自粛を呼び掛けるべきか、あるいは札幌ドームでの遅い時間帯のサッカーは無観客がいいという主張されている方もいらっしゃいますが、市長としてどのように考えていらっしゃるでしょうか。

市長

 鈴木知事のTwitterでは、先日(6月23日)、関係自治体と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、丸川珠代五輪担当大臣との間で、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた関係自治体等連絡協議会」のオンライン会議がありました。

 その中で知事が発言されたのが、いったん観客の上限を決められていますけど、各自治体の感染状況に応じて、観客上限数は無観客の関係も含めて柔軟に対応すべきだという発言をされまして、Twitterでもそういう発言をしましたという内容であります。

 ですから、マラソン・競歩に限って無観客というふうにおっしゃったわけではありませんし、沿道での観客対応をどうするかということについては、組織委員会のほうでも、武藤敏郎事務総長が記者会見で関係自治体と協議していくとおっしゃっておりましたし、関係自治体の会議の中で、橋本聖子(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)会長も、自治体と協議していくということをおっしゃっていました。マラソン・競歩だけではなくて、静岡などでは自転車競技などもございますので、そういった公道を使っての観客対応については今後詰めていくという状況であります。

 そして、協議会の中で、首都圏の知事を中心に、一般のイベントについての時間調整をしている中で、それとは違う対応を取ることは難しいということで、仮に今後、例えばまん延防止等重点措置ですとか、緊急事態宣言がどうなっていくのかは分かりませんけれど、その状況の中で、他のイベントと同じような扱いにするためには、夜間の時間帯の競技については同一に扱うべきではないかという意見があったということでございます。

 基本的にサッカーの開始時間は午後7時半となっており、終了時間が要請内容に引っ掛かるケースがあろうかと思いますが、具体的なことについては今後、組織委員会と協議してまいります。いずれにしても、その時点での感染状況に応じたイベント開催ということになってくるだろうと思います。

読売新聞

 市長としては、例えばマラソン・競歩は組織委員会に早急に指針を示してほしいとコメントされましたが、市としても見に来てもらってもいいとか、テスト大会と同様に自粛を呼び掛けるとかの考えがあるというよりかは、やはり組織委員会に示してほしい・・・。

市長

 市の考えを申し上げていきたいと思いますが、公道のレースについては会場の人数という概念がありませんので、仮に自粛をお願いしても来られる方が一定程度いらっしゃるし、どこか場所を区切って入っていただくということ自体も難しいという状況がありますので、どういう形が実効性を保てるのかということをしっかり議論していかなければいけないと思います。

読売新聞

 実効性というと何かしらの自粛に関する要請は必要だけど、そのやり方を考えているということですか。

市長

 (それも)含めてです。

 北区における2歳男児死亡事案について(1)

読売新聞

 最初に市長からの北区の2歳男児死亡の件の話がありましたが、市として今後何か状況を調べるとか対応される予定はあるのでしょうか。

市長

 例えば、日常的な虐待があったのかどうかについては、警察の捜査で明らかになってくると思います。今回も転居されてから、あまり時間が経っていないということもありまして、区役所のほうでの接触も始まったばかりというような状況でもございましたけれども、こういった若年の母親の親子に対して、どのような支援をしていかなければいけないのかということは、市としては大きな課題でありますし、以前、外部委員会(札幌市子ども・子育て会議児童福祉部会)からも、この課題を指摘されているところであります。

 ですから、今回の案件について、例えばもう少しこういったことができなかったのかということも含めて、市としての検討を進めていきたいというふうに思っておりますし、外部委員会にもご相談させていただいて、一緒に考えていきたいと思っています。

 北区における2歳男児死亡事案について(2)

北海道新聞

 区の職員が母子に接触している段階であったということで、最終的には男の子が亡くなってしまったということについて、市としての認識、市長の認識はどのようにお持ちですか。

市長

 幼い命が奪われるという大変痛ましい事案だと思っています。死亡の原因ですとか、日常的な虐待があったのかどうかなどについては捜査の過程で明らかになってくると思いますけれども、職員が接触しており、以前の居住地の自治体からの情報では、日常的な虐待の兆候があったというふうには思えなかったということでございますから、虐待ということだけではなくて、先ほど申し上げましたように、若い女性だけで子育てをされて母子だけで生活をされる困難さ、あるいは育児の困難さということがございますので、こういった方に対してどのような支援をどのタイミングでしていけばいいのかということは課題であると思っています。

 ですから、今回の事案を検証して、どういうふうに支援を届けていけばいいのかというようなことについて、外部の先生方のご意見なども踏まえながら検討していきたいと思います。

北海道新聞

 虐待について現段階で判断できるようなものではないと。

市長

 区のほうでは把握している状況ではありませんでした。

北海道新聞

 ですが、亡くなったっていうことについては重く受け止めていると・・・。

市長

 大変痛ましい事件であったと思います。

北海道新聞

 多分コロナ禍で職員も自宅療養者の健康観察に回ったりとかして、虐待事件が増えている中で対応が難しかった点もあるのではないかなと思われるのですが、現時点で、職員対応について、市長の認識としてはどのようにお持ちでしょうか。

市長

 例えば日常的な虐待の兆候とか、通報があったというような案件ではなかったというふうに聞いております。そういう意味では、先ほど申しましたように、今回の対応については、自治体間の連携など、過去の事案とは少し違っている状況かと思います。

北海道新聞

 現在も続くコロナ対策の中で、虐待事案に対してですとか、母子の支援に対してどんな難しさがあるというふうに考えられていますか。

市長

 一昨年(2019年)の事案(中央区における2歳女児死亡事案)では、近所などからの通報が非常に多くありました。

 そして過去の課題の中で、こういったリスクというものを察知しながら、情報が共有されなかったということがございますので、今回は共有されるというところまではいっていないというか、そういう虐待についての兆候が明らかになっているわけでありません。結果として、クローゼットに閉じ込められて亡くなられたということでありますけれども、例えば、日常的な育児放棄ですとか、食事を与えないというようなことが今のところ情報はなかったというふうに聞いております。

 いずれにしても、虐待の案件の通報があったときには、児童相談所や区の家庭児童相談室を中心として、地域の方々も含めて情報を共有して見守っていく体制というものができております。ここで何か対応が漏れたという事案ではないと思います。

 繰り返しになりますが、若年の小さな子供を抱える女性の出産から育児に関しての支援については、この案件ということだけではなく一般的な課題として認識しているところでありますので、それについて、例えばこういった案件はどうしておけば良かったのかというようなことも含めて検証していく必要があると思っています。

北海道新聞

 コロナ対策との両立は。

市長

 コロナ対策との両立は当然のことであります。今、職員全員がコロナ対策に当たっているわけではありません。乳幼児健診などを一時的に停止いたしましたけれども、すでに再開しておりますし、区の家庭児童相談室は何か業務を停止しているわけではありませんので、コロナの影響で対応できなかったというわけではありません。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会について(2)

北海道新聞

 東京五輪の特にワクチン接種の関係ですが、都市ボランティアサポート・職員・選手・ホテル従業員などが対象になっているのですが、どれぐらいの人数の規模になるのかということと、一般市民とは別枠で職域接種での対応を検討中ということですがどういうことを指しているのでしょうか。

市長

 大きく分けると、サッカー競技とマラソン・競歩がございますので、基本的には選手ですとか役員ですとか組織委員会で対応する部分は、IOC(国際オリンピック委員会)からのワクチンで対応するという状況でございます。それ以外のボランティアの方、警備に関わる方、そういった方へのワクチン接種や検査も確実に行ってほしいという要請をしてきております。

 そういった中で、国からは、各自治体でできることをやってほしいというようなことも要請されてきておりますので、基本的には先ほど言いましたように、マラソン・競歩の関係の方々も含めて職域接種で申請しております。これは5月のテスト大会(北海道・札幌マラソンフェスティバル2021)の実行委員会のような枠組みで職域接種を申請してございます。

 マラソンは8月に入っての競技でありますので、モデルナワクチンで(1回目の接種から)4週間空けても、(競技開始までに)間に合うという状況であります。(7月)21日から始まるサッカー競技については、今の職域接種のモデルナワクチンの対応では間に合わないという状況がございます。

 そのため、医療機関でのファイザーワクチンの接種ということにしていかなければいけないのですが、すでに一般の高齢者の方に接種している枠組みとは別に、ワクチンを供給していただかなければならないという状況になっておりまして、これらは組織委員会・内閣府のほうに別枠でお願いします。

 医療機関については、今、日常的に個別接種をしている病院の枠組み、外側の枠組みですでに確保ができているということで進めていきたいと思います。

北海道新聞

 人数規模は。

市長

 サッカーで1,000人弱,マラソンで約3,000人、合わせて4,000人ぐらいと聞いております。

北海道新聞

 医療逼迫(ひっぱく)時の大会関係者の宿泊療養について、医療逼迫時など、宿泊療養ホテルに空きがない場合、陽性になった関係者が待機する場所となっているのですが、

 宿泊療養施設はまた別の施設ということになるんでしょうか。

市長

 東京などでは、選手の対応が非常に多いということでありますので、専用の宿泊療養施設を用意しているというふうに聞いています。例えば、札幌でホテルを1棟用意するかというところまでは、感染者は出ないのではないかというふうに考えたときに、ホテル1棟全部ということでなくて、例えばフロアを区切るというようなやり方などもあるのではないかといったことについて組織委員会として検討していただきたい。

 基本的にオリンピックの関係者だから特別な扱いはできませんということはお願いしております。ですから、札幌市内で陽性になった患者さんについては札幌市民などと同様の対応をさせていただく。入院が必要な方は入院していただく状況でありますけれども、感染状況が(2021年)5月のように厳しい状況になってくれば、入院ができない、宿泊療養施設にも入れないという状況になりますので、そういったことを想定して組織委員会として別立てで検討してくださいというお願いをしております。

北海道新聞

 宿泊療養施設については組織委員会がこのような形で用意するという形になってますけど、病床についてはどうなるのでしょうか。

市長

 基本的に組織委員会のほうで、個別の病院医療機関と折衝して、病床も含めて確保してくださいということです。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(3)

uhb

 ワクチンロスゼロセンターを利用する際の接種券の必要性について、現時点ではどのように考えていますか。

市長

 接種券が届いていれば問題ないですが、(一般接種対象者の)接種券は7月中旬から順次送付させていただきますので、場合によっては接種券が手元にない場合がございます。

 その場合には、お名前と住所を確認させていただいて、それをこちらで登録し、後日、接種券が届いた段階で接種番号などを(医療機関に)お知らせいただくというような対応で、接種券がなくてもワクチン接種を希望される方がいらっしゃればご連絡いただくという取り扱いにしていきたいと思います。

uhb

 そうしますと基礎疾患がなくても、あるいは64歳以下でも申し込むことは可能ということでしょうか。

市長

 はい。できるだけワクチンを無駄にしないということが大事になってきます。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(4)

北海道新聞

 ワクチンの接種率の目標について、もともと8月末の時点で、全市民の4割の接種完了を目指すいうことだったけれども、専門家会議の指摘を受けてこれを5割を目指すというお話だったと思います。

 河野大臣の発言を受けてですね。すでに(職域接種の)受け付けを終えて、準備を進めていた札幌市内の企業も厚労省のほうから日程を見直しすようにと連絡がきている状況だと聞いております。

 こうした中で、目標を上方修正して本当に達成できるのでしょうかということをお伺いしたい。

市長

 専門家会議の中でご指摘いただいて、できるだけ拡大をするという手法の中には、個別接種の枠を拡大していくというやり方、それから、市が行っている集団接種会場を増やしていくというやり方、それと職域接種で進めていくというやり方がございます。

 先日、河野大臣の発言で(職域接種が)一時停止、あるいは日程が変更になるというようなことで、この職域のところはかなり影響があるかもしれないですけど、今現状ではまだ分かりません。ですから、第5波の感染の山を大きくしないというためには、できるだけ早期に接種を進めるという基本的な考え方は変わりません。

 そういう意味では、8月末までに全市民の5割の接種完了を目標にして、個別接種のところでどれだけ上積みをできるか。今、例えば土日ですとか、休診の日でも個別接種をやっていただけるというところも出てきておりますので、そういった状況を踏まえて、まずはこの目標値前提としてお願いをしていきたい。

 集団接種ですとか、職域接種についても、ワクチン供給量についての情報が急にまた出てきている状況でありますので、正直戸惑いはございますが、目標に向けて鋭意努力をしていきたいと思います。

 北区における2歳男児死亡事案について(3)

北海道新聞

 今回のケースでは、クローゼットに閉じ込められたということをもって、現時点で、札幌市として児童虐待というケースには至らないということでしょうか。

市長

 違います。仮にクローゼットに閉じ込められて、そのことが亡くなられた死因になるというような状況であれば、これはやはり虐待に当たり、虐待行為自体はあったと思わざるを得ない。

 私が申し上げたのは、事前といいますか、これまでの訪問なり電話での対応なり、あるいは、従前生活されていた自治体からの虐待に関する情報からは日常的な虐待の兆候がなかったということです。ですから、虐待のリスクを懸念しなければならない家庭ではなかったという認識なわけであります。

 結果として今回亡くなられたということは、本当に痛ましい事件だと思っており、このこと自体が虐待ではないと思っているわけではありません。

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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