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更新日:2021年11月1日

令和2年度第1回定例市長記者会見記録

日時

2020年4月14日(火曜日)14時00分~14時57分

場所 記者会見室
記者数

24人

市長から下記の話題について発表しました

配布資料

引き続き、次の話題について質疑が行われました

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 新型コロナウイルス感染症への対応について

 冒頭に、新型コロナウイルス感染症の関係について、昨日(4月13日)の(第3回札幌市新型コロナウイルス感染症対策)本部会議の中でも現在の状況等をお知らせしておりますけれども、あらためて、感染状況などを踏まえて、今現在の状況についてお話をさせていただきたいというふうに思います。

資料1「札幌市における発症状況(4月13日現在)」(PDF:157KB)

 昨日現在の数字まで入ってございます。

 これまでもお話をしてきておりますけれども、2月の末から道内で非常に感染者が増えてきて、2月28日に鈴木直道北海道知事の緊急事態宣言が出されて、その後、発生状況は落ち着いてきておりました。

 そういった状況にありまして、4月に入ってきましてから、とりわけ4月7日から、4人、4人、8人、8人、そして、それまでは3月の一番多かった時でも(1日当たりの新たな感染者は)9人ということで、新たな感染者が1日で10人発生したという状況はありませんでしたけれども、ここに来て、11日には、12人、そして(12日は)10人ということで、新たな感染者が非常に増えてきたという状況があります。

 そういう意味では、いわゆる第2波的な感染の拡大期に入ってきているのではないかということで、警戒をしなければいけないということを10日の(第2回札幌市新型コロナウイルス感染症対策)本部会議の中でも申し上げたところであります。

 感染者の日々の状況もそうですけれども、ここに折れ線グラフがございますけれども、これは、新たに発生した感染者のうち、陰性確認されて退院をされた方と、現在入院をされている方の数であります。

 一時期、ずっと減ってきまして、20人ぐらいのところまで入院をされていた方の数が減ってきた状況でありましたけれども、先ほども申し上げましたように、4月8日からまた急激に新たな感染者が確認されまして、今は60人という入院患者の数になっているという状況であります。

資料2「札幌市における感染者状況(濃厚接触の有無別)(4月13日現在)」(PDF:114KB)

 そして、これも何度かお話をさせていただいておりますけれども、この赤い部分が濃厚接触者の感染者数ということで、どなたかが感染されて、そこから関係のある人たちを手繰っていって、そこから陽性が確認されたという方であります。

 このグレーの部分は、どこでどういう形で感染したのかが特定できない、リンクが追えないという方の数でありまして、札幌では3月、非常に多く陽性の確認があったわけですけれども、そのときはライブバーでの感染というようなことで、濃厚接触者、あるいはリンクが追える方の感染が多い中での上昇ということでしたが、3月の末から4月に入って見ていただきますと、リンクを追えない方の数がぱらぱらと出始めてきて、4月に入ってから、グレーの、いわゆるリンクの追えない方の数が増えてきていたという状況です。ここが、非常にわれわれも危機感を持って対応しなければいけないというふうに感じたところであります。

 11日、12日については、病院での院内感染ということで、濃厚接触者、リンクが追える方の数が増えてきている状況ではありますが、4月に入ってからリンクの追えない方の数が増えてきている、そして、その数も一日一日増えているという状況もあって、これは第2波的なことに警戒していかなければいけないとわれわれは思ったところであります。

資料3「札幌市における陽性者の状況(4月13日現在)」(PDF:45KB)

 先ほども申し上げましたが、現在の患者さんの数ですけれども、入院をされている方は全体で60人です。重症の方は5人ということでありまして、重症の方の数はそんなに増えていない状況でありますので、医療体制については、今確保できているベッドの状況をオーバーフロー(超過)するような状況にはないということであります。

 そういう意味では、現状、市内の入院ベッド(の利用を)を抑えられているという状況でありますが、先ほど申しましたように、軽症の方の数が増えてきておりますので、この全体の患者さんが、軽症・中等症の方の数が今後も増えてくるということになりますと、今確保している病床がオーバーフローすることが想定されます。

 そこで、これは今、道と調整を進めているところでありますけれども、病院以外の施設で、ホテル等の宿泊施設でこの軽症の方とかを受け入れられるような準備を進めているという状況でございます。

 こういった状況の中で、12日でありますけれども、第2波的な状況が来ているということで、北海道の鈴木知事と会談をして、このように「北海道・札幌市緊急共同宣言」というものを発出したところであります。

 その1つ目は、やはり、今回の新型コロナウイルスが人と人との感染によって拡大していくということになりますので、人との接触機会を減らしていくということであります。

 東京などでは、感染拡大しているエリアでは、(人との接触を)8割減らしましょうと言っている状況でありますけれども、人との接触を減らしていく、まずは札幌市内における接触機会を減らしていく、5月6日までの間、札幌市民の皆さまには、感染リスクを高めるような不要不急の外出をお控えいただきたいということ、また、札幌以外の地域の皆さまについても、札幌との往来をお控えしていただきたいということが1点目。これは人との接触機会を減らしていきましょうということであります。

 それから、2つ目は、4月11日の国の対策本部会議(第28回新型コロナウイルス感染症対策本部)の中で、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が一部改正されました。

 これは、皆さんご案内のとおり、繁華街の接客を伴う飲食店への外出自粛ということで、これは今、緊急事態宣言の対象エリアとなっている7都府県以外の道府県についても同じように要請をすると、国の対処方針が変わりました。これを受けて、この緊急共同宣言の中にこのことを盛り込んだところであります。この2項目は、札幌だけではなくて、北海道全域に対してお願いをするという状況になります。

 そこで、これは国の対処方針を踏まえて外出自粛をお願いするものでありますから、これによって飲食店等の休業というようなことがあれば、これは国の責任でやっていただきたいということをこの中に盛り込んだということであります。

 それから、緊急事態宣言地域7都府県の出張や旅行による往来によって、今回のこの第2波的な患者さんの増加が出てきております。そういう意味では、緊急事態宣言エリアからいらっしゃった方、こういった方々には、2週間ほど健康観察をお願いしたいということであります。そして、道民の皆さまにもそういうエリアにはできるだけ行かないでくださいというのがこの3つ目であります。

 そして、4つ目は、こういう人との接触機会をできるだけ減らすということ、それから、特に札幌市内におきましては、特定できない、リンクを追えない感染が広がっているという状況から、小・中学校と公共施設については、5月6日まで、これは道教委の関係になりますけれども、近隣の高校もこちらのほうと合わせて休業することにしようということになりました。そして、同じように、不特定多数の人が利用する札幌市内にある市営あるいは道営の施設についても閉館することを決めたということであります。

 5つ目が、医療供給体制の充実ということであります。

 先ほども申しましたように、現状の中では、今すぐ札幌市内においても逼迫(ひっぱく)するという状況にはありませんけれども、今後、感染者が増加してきたときに、やはり、重症患者さんをしっかり受け入れる、病院のベッドは重症の方のために空けておくということからしますと、軽症の方が入る宿泊施設、こういった所についても準備をしていきましょうということです。

 北海道全域としては、もっともっと余裕があるわけでありますけれども、札幌市のこの特有の状況を考えたときに、全体をもってやっていこうということであります。

 最後は、道内経済への影響も非常に大きくなっております。こういった影響から、国のほうも新たな経済対策を打ち出しました。それらをベースにしつつも、今後、必要な措置を北海道と市が連携して、国への要請も含めて進めていきましょうと。

 この6点を12日に知事と合意いたしまして、発出したところでございます。

 最後に、道内経済の支援のところにつきましては、先週(4月7日)、閣議決定されて、国の経済対策が出されました。それを受けて、これで十分なのかどうかというようなことも含めて、明日(4月15日)、道内の経済団体の方々に緊急にお集まりいただきまして、意見交換をさせていただきたいと思っています。

 これから、札幌市も国の補正(予算)などを受けまして、市としての補正予算を今月(4月)中にでも、臨時市議会を招集させていただいて、提案したいというふうに思ってますが、その中に盛り込む内容として、まずは国の経済対策の状況を見ていただいて、そこに付ける部分といいますか、足りない部分、拡大するような部分がないかというようなこと。例えば、融資も枠は出ていますが、仕組みとして融資実行されるまでに時間がかかるというようなことも言われています。では、資金供給をできるだけ早くするためにはどうするのかというようなことも含めてでありますけれども、そういうご意見を経済界の方々にお集まりいただいてご要望等をお伺いして、市の補正予算の中に組み込んでいきたいというふうに考えているところであります。

 繰り返しになりますが、市民の皆さまには、引き続き、感染予防にお一人お一人がやはり注意をしていただいて、手洗い、せきエチケット、それから、免疫力を高めるという意味では、十分な睡眠・栄養・運動ということも含めてお願いをしたいと思います。

 それから、今月末からゴールデンウイークがあります。例年であれば、レジャーシーズンの始まりということになり、北海道も札幌も非常に気候のいい時期ではありますが、現状のこの新型コロナウイルスの感染状況を踏まえまして、先ほどの共同宣言で出させていただきましたように、ゴールデンウイークの外出はできるだけお控えをいただきたいというふうに思います。

 ただ、やはり、家の中にばかり閉じこもっていると、精神的なストレスというのもあります。人混み、人が多く集まるということを避けていただければ、屋外の公園、あるいはそういった所で時間を過ごしていただくということも健康の維持のためには必要だというふうに思いますので、まずは、外出する際に、3つの「密」ですね、密閉空間・密集場所・密接場面、この条件が重なる所は絶対に注意をしていただいて、それ以外の所については、人との距離を保ちながら、屋外の施設、公園等でお過ごしいただくということも考えていただきたいというふうに思います。

 このことにつきましては、札幌市のホームページやSNS、こういったところでもお知らせをしていきたいというふうに思います。

 今回、北海道で独自で出された緊急事態宣言により、3月19日にいったん、収まりつつといいますか、感染者が少し減ってきた状態でありましたけれども、ここに来てあらためて、またこういうような行動の自粛、あるいは学校の休業、公共施設の閉館・休館ということに至らざるを得なかった、このことを市民の皆さまにご理解いただいて、引き続き、良識ある行動をお一人お一人が取っていただきたい、このように思います。

 令和2年国勢調査の実施について

 お手元に資料がございますが、今年(2020年)の9月から10月にかけまして、令和2年の国勢調査が行われます。

 これは、5年に1度の調査でありますが、将来の人口構造等を見越していくために大変重要な調査になります。4月28日に国勢調査実施本部を設置いたしまして、調査の円滑な実施に向けて準備を進めてまいります。

 市民の皆さまには、この調査の趣旨・重要性をご理解いただきまして、調査への回答にご協力をお願いしたいと思います。

 また、報道機関の皆さま方にも、市民の皆さんへの周知方、よろしくお願い申し上げます。

質疑応答

 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

朝日新聞

 まず1点目に、先ほど市長のお話にもありましたが、第2弾の補正予算ですが、今おっしゃったことのさらに補足として、規模がどのくらいになるのか、あるいは、項目としてもう少し具体的なものがもしありましたら、あと、財源などについてまず教えてください。

市長

 今、国の補正予算等を見ながら必要な対策を取るということにしておりまして、そういう意味では、その指示をしたところであります。それぞれの部局で、今、整理をさせておりますので、規模ですとか内容について、現時点で申し上げられる状況にはございません。

朝日新聞

 2点目ですが、今、不要不急の外出の自粛の要請をされているということで、これを実効性あるものとするためにはどのようにしたらいいかというのは、お考えがありましたら教えてください。

市長

 この外出自粛要請というのは、今、東京都などで行われている法に基づくというもの、いわゆる特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)の特定地域でのものとは違って、市民・道民の皆さんへのお願いということであります。そういう意味では、強制力というものはございません。

 しかしながら、北海道民・札幌市民の皆さんは、法に基づかない状況ではありますけれども、一度、緊急事態宣言ということで知事が発出したものを、真摯(しんし)に受け止めて行動変容をしていただいたというふうに思っています。その結果、3月末には一定程度の増加に収まっているということで、今の感染拡大警戒地域というところまでには至っていない、いわゆる特定地域として指定をされてないという状況になっています。

 その意味では、これは強制ということではなく、お願いベースではありますが、道民・市民の皆さんはそこをよく理解していただいているというふうに思います。これは、やはり、今の新型コロナウイルスは、どこでどのように感染をしていくのかということがなかなか分からない、非常に恐ろしいといいますか、非常に巧妙なウイルスとでも言えるぐらいであります。そういう意味では、一人一人が注意をして、かからない、うつさないということを注意していかなければいけないというふうに思います。

 子どもたち、あるいは、高齢者の方、病気を持った方など、社会的に弱い方の命を守るということと、ご家族や、自分自身の健康・命を守ることが大事。今、日本国内が大変な状況、経済状況もほとんど壊滅的な状況になっています。これを一日も早く回復させるためには、私たち一人一人が、今、何をすべきか、何を行動しなければいけないのかということをぜひ市民の皆さん・道民の皆さんにお考えいただいて行動していただきたいというふうに思います。

 あくまでもお願いベースではありますが、そこをよくお考えの上、行動を取っていただきたい、このように思います。

朝日新聞

 3点目ですが、今のことにも関連しまして、札幌は北海道でいいますと東京のような存在かと思うのですが、首都圏のほうでは出勤者を最低限7割減というような取り組みも始まっているかと思うのですが、札幌では、例えば市長として在宅勤務を呼び掛けるご予定とか、あるいは、もしこのような局面になったらそういうようなことも考えたいということがありましたら教えてください。

市長

 基本的には、できるだけ人と人との接触機会を減らすことが大前提ですので、出勤などについても、在宅勤務、あるいは、時差で行うとか、同じ10人いるのであれば5人ずつ少し分けて仕事をしていただくというようなことも含めて、職場勤務についてもいろいろな工夫をしていただくようお願いをしたいというふうに思います。

 それは、明日の経済界の団体の会議の中でもお願いをしていきたいと思います。

 ただ、どうしても仕事で、例えば医療機関にお勤めの方ですとか、保育所などの子どもさんを預かるような職場の方とか、それと、札幌の場合は商業施設が多いですので、例えば、スーパーとか食料関係の方ですと、日用品を扱うところはお休みになりませんので、そこは在宅勤務といっても現実的にはなかなかできない、商業・サービスのところは在宅勤務といってもなかなか難しいところがあるとは思います。

 それ以外の方で、できるだけ在宅で対応できる仕事・業種などがありましたら、それ(通常通りの通勤)はできるだけ控えていただく。時間をずらして、地下鉄などの混み合う時間を避けていただくとか、そういった取り組みを一人一人、そして、会社が工夫してできることをお願いしていきたいというふうに思います。

朝日新聞

 それをあらためて要請の形で各事業所に・・・

市長

 これまでも何度か通知でお願いしておりますが、明日、また皆さんにあらためて緊急共同宣言を出したという状況をご説明させていただいて、できるだけ職場で工夫をしていただくよう、それぞれの経済団体のほうからご通知いただくことをお願いしたいなというふうに思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

NHK

 緊急共同宣言の中での繁華街の接客を伴う飲食店についてお伺いします。

 実際にすすきのなどの現場からは、どこまで自分がこれに掛かるのか、どこがこの店になるのか分からないといった声もありますが、実際に業種とか、実際にこういう業種を当てはまるとか、具体例を教えていただけますでしょうか。

市長

 国の対処方針の中でも具体的なものが示されていないので、今のように、どこまで、接客を伴う飲食店というのがどういう業態なのかよく分からないという声が非常に多いです。

 それで、先日(4月11日)、全国知事会の飯泉嘉門(いいずみ・かもん)知事会長が、そこはよく分からないので、国がこの対処方針を決めているわけですから、国として、その中身について明らかにしてほしいという要請をされました。

 その時に、西村康稔(にしむら・やすとし)経済再生担当大臣から、東京都が、今、休業を要請しているところがあるので、そういったものを参考にしてほしいということが示されました。

 いったん示されているものは、今、それしかないものでありますので、われわれも、そのご発言を受けて、東京都で休業の要請をされているお店・業種をいったん想定していくしかないのかなと、こういうふうに思っています。

NHK

 補正(予算)の関係なのですけれども、今、各部局から整理・精査しているということで、市長のお考えの中で、補正で柱になるものはどんなことになるか。

市長

 柱といいますか、これまでも申し上げていますように、まずは大きく2つですね。感染症対策、感染の防止をさらに進めていくということで、先ほどの医療体制の強化はこういったところにも出てこようかと思います。それからもう一つは、経済対策でありますけれども、まずは雇用の維持や、事業が継続されるということをしていかなければいけませんので、そういったものへの支援。それから、収入が減って生活に困られている方の生活への支援ということが1つの大きな柱になるのではないかなと思います。

 経済対策も、2つのフェーズ(局面)に分けて考えていかなければいけないかなというふうに思っています。それは、今の感染拡大を防止していく段階での経済政策。ここでは、例えば資金繰りへの対応ということが1つの大きな柱になると思います。そして、その次に出てくる感染の終息が見えた段階でV字回復をしていくための、今、落ち込んだ需要を元に戻していくための観光ですとか消費、こういったものへの対策という2段階ということになっているのかなと思っています。

 柱としては、そういう前提で物事を組み立てていきたいと思っています。

NHK

 休校の関係なのですけれども、札幌市のほうでは、金曜日(4月10日)に休校をやりたい方針を固めていたというのが取材で分かっていたのですが、確か、道とのやりとりの中で、それが、いったん、検討指示という形になったと思われます。これは、道庁とのやりとり、知事とのやりとりはどういった経緯があったのか、教えていただけますでしょうか。

市長

 一つは、先ほど申しましたように、休校だけのことではないのですけれども、4月4日、5日、4月の7日以降ですね。7日、8日、9日と、(新たな感染者が)4人、4人、8人というふうに札幌で急速に増えてきて、そのうちリンクを追えない患者さんの数が増えてきているということで、これは第2波的なことを考えなければいけないということで、9日から道との協議を始めました。

 なぜ道との協議を始めるかというと、皆さんもご存じだと思うのですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法の権限の問題です。法第24条に都道府県対策本部長の権限とあります。都道府県対策本部長、これは知事ですね。これは、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ対策等を的確・迅速に実施するために必要があると認めるときは、公私の団体または個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に対して必要な要請をすることができる。ですから、これは、お店の営業自粛をしてくださいですとか、お店に対していろいろなお願いをする要請の権限は都道府県知事にあるという法の立て付けになっています。

 一方、これは政令市も含めてでありますけれども、市町村の対策本部長は、当該市町村の区域について、同じようなのですけれども、都道府県知事に対して必要な要請をすることができると。つまり、私ども市町村の長の権限は、都道府県知事にこういうことをお願いしますということを要請して、それを知事が決めて、市民・道民の皆さん、あるいは企業の皆さんにお願いをするという立て付けになっています。

 そういう意味では、札幌の感染の状況が非常に増えてきているので、市民の行動自粛あるいは休校の措置などについて考えていかなければいけないという状況があって、9日から道と調整を始めたということです。

 これも何度かお話ししておりますが、では、今、札幌・北海道はどういう感染状況で、例の国の(新型コロナウイルス感染症対策)専門家会議が出された3つの地域区分がありますが、それのどこに当たるのかということがまず出てまいります。

 「感染確認地域」ということで、「感染拡大警戒地域」にまではいっていないというのがこれまでの認識であります。それで、今回、直近1週間の状況を見ますと、新たな患者さんも増えていますし、リンクの追えない人も増えています。ただ、医療機関の切迫というところまでは行っていません。ということで、いわゆる感染拡大警戒地域にまではなっていない。これは、道と市の共通認識でありました。

 その上で、学校の休校などについては、感染拡大警戒地域に入ったら、学校の休業なども考えてくださいという立て付けになっています。例えば、市民への行動要請あるいは休校ということも、感染拡大警戒地域まで行っていないけれども、そこまで本当に必要なのだろうかということに、道・市でそれぞれいろいろな考え方があって、調整をして、札幌市としては、感染が拡大をしてきていて、やはり子どもたちの健康を守るという観点から休校措置というものが必要なのではないか、感染拡大警戒地域までは行っていないけれども、そこに近い状態になっているのではないかということで協議を始めましたけれども、やはり、学校の休業というのは大変なことで、影響が大きいです。子どもたちの学ぶ権利を奪うということにもなりかねませんので、そういう意味では、一般の市民の皆さんにお願いをすることと併せて、どこまでやるべきなのか、ここは慎重にしていかなければいけないということ。例えば、休校にしても、いきなり休校なのか、分散登校なのかということも含めて議論を始めましたけれども、いったん、札幌市としては休校にしたいという思いを持っていましたが、道との調整、最終的には知事との調整の中で、10日の朝までには決着ができませんでした、合意に至りませんでした。

 そこで、先ほど申しましたように、知事との合意ができていない以上、それを発出することができないというふうに判断をいたしまして、10日の本部会議では、準備をしてください、休業の準備にとどめましょうということにしたところであります。

 その後、先ほども申しましたように、11日の日に、国の対策本部会議の中で、基本的対処方針の中に、先ほどの夜の部分ですね、繁華街の接客を伴う飲食店への外出、こういったものが新たに追加をされました。

 そこで、11日の夜にこれが追加をされましたので、この対処方針の変更を受けて、12日の日に知事とあらためて全体をどのようにやっていきましょうかということを協議して、休校も含めてでありますが、この6項目について合意をして、共同宣言を出したわけであります。

 そういう意味では、いろいろな市民の皆さんへの行動自粛のお願いですとか、あるいは、学校の休業というのは、大変なことです。それも、法に基づかずお願いしていくということになりますが、ただ、法に基づかない要請でも、やはり大変なことです。すすきのの店への影響などもあります。そういう意味では、慎重にいろいろ議論をしていったという経緯があって、一部、休校の準備ということが進んでいたものですから、現場のほうでは、休校というようなことで、一部、通知が行ってしまったりという混乱があったというふうに思っております。

 そういう意味では、非常に限られた時間の中でいろいろ詰めてきているという状況でありまして、きょう(4月14日)、一部の報道にもございましたけれども、何か忖度(そんたく)をしたのではないかという報道がありましたが、全くそういうことはありません。そのことははっきり否定をしておきます。

NHK

 道との決着は翌朝までにせず、その後、状況を見て日曜日の宣言に至ったと。10日のときに判断して発出されなかった、調整して発出されなかったのは、適切なタイミングと考えていらっしゃるかどうか、あらためて教えてください。

市長

 タイミングという意味では、4月8日以降、(新たな感染者が)増えてきましたけれども、9日、10日の朝に8人、8人ということで、極端に増えなかったという状況と、先ほども申しましたように、法の立て付けとして、これは休校だけの問題ではなくて、感染症対策の中での休校ということになりますので、北海道知事とそこは合意が取れなければ進められないという状況があったということです。

 そういう意味では、感染拡大警戒地域というところまでは行っていないけれども、そこに近い措置を取りましょうということを12日の段階で協議をして決めた、そういう経過であります。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(3)

HTB

 きょうから学校は休業ということなのですが、前回のときは、最終的に分散登校を実施されたのですが、今回についてはどのように市長はお考えでしょうか。

市長

 いったんは、先ほども言いましたように、分散登校をするというような考え方もありました。一方で、やはり、危機管理は、まず最初に大きく行って、徐々に緩めていくというのが基本でありますので、一度リセットといいますか、せっかく学校が始まったばかりで、大変、子どもたちにとっても、学校の現場の先生方にとっても大変な状況であります。その意味では、先ほどの話も、できるだけぎりぎりで状況の判断をしていかなければいけないということですが、決断としてこのようにさせていただきました。

 そういった中で、いったんは休校というところから始まりますけれども、やはり、子どもたちがずっと家庭にいるということになりますと、今回、いろいろなプリントなどで学校の学習の中身についてそれぞれ伝えておりますし、これから少し、いわゆる時間割り的な、学校でいえば1時間目は算数をやります、国語をやりますみたいな時間割り的なものも、今、教育委員会で検討しているようです。

 あとは、体を動かすことも含めて、学習の進捗(しんちょく)と健康の維持管理というようなことについて、教育委員会としても、在宅であってもそれをきちんとフォローできるような体制をして、場合によっては、状況によって、休業中ではありますけれども、一時登校をするとか、そこを分散にするとか、いろいろなやり方があると思いますが、その辺を、今、引き続き教育委員会のほうで検討していただいています。

HTB

 もう1点ですが、市長、きょうはいつもとマスクが違うのですけれども、それも手作りの布マスクですか。

市長

 できるだけ、使い捨てのマスクは使いたくないというか、不足の状況だということで、今まではしておりませんでした。それで、これも洗っていきますが、マスクをするときは布製のマスクをしております。たまたま職員が手作りをしてくれたマスクをもらったものですから、それを今日はしています。

 非常に、私の顔を測ったぐらいぴったりのものを作ってもらって、大変ありがたく思っています。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(4)

朝日新聞

 先ほどの秋元市長のご説明によりますと、札幌市としては、(4月)10日には、学校の休校を含めた自粛要請について、何らかの宣言を出したいという意向だったけれども、10日朝までに知事との合意に至らず、12日に出すことになったという理解です。

 お話しできる範囲で結構ですけれども、合意に至らなかった理由にはどんなものがあったのでしょうか。

市長

 先ほどお話しましたように、これは学校の休業だけの話ではありません。学校の休業、それから、市民の皆さんへの外出自粛要請など、どこまで今出すべきなのかということについては非常に難しい判断です。札幌でも非常に(新たな感染者が)増えてきているという状況がありまして。4月9日の段階でリンクの追えない人の数が増えてきているという状況がありましたので、先ほど言いましたように、道との協議を始めました。この時には、学校の休業、あるいは、分散登校という手法も含めて、人と人との接触をどれだけ控えるか、市民への行動自粛要請も含めて、どこまでやるべきかということの協議を始めさせていただきました。

 ですから、早ければ、13日、その日は月曜日になりますので、金曜日の10日にでも休校するしないという判断をしなければいけないだろうということから、早ければ月曜日から休校にということを前提に検討、準備していたというのは事実です。

 ただ、10日の発症の状況を見ますと、院内感染の方とか、リンクを追えない方の数がそんなに増えていないという状況でした。行動の自粛・休業などの対策をどこまでやるかという、感染拡大警戒地域までは行っていませんので、要請されていない休校措置までやる必要があるのか、そのことに市民の理解が得られるのか、ここを知事は慎重に判断されていたのだというふうに思います。そのため、最終的な合意には至りませんでした。

 その後、感染リスクのリンクを追えない人の感染は、土曜日(4月11日)と日曜日(4月12日)は収まっておりましたけれども、全体としての数が増えたということ、それから、これも何度も申し上げましたけれども、土曜日(4月11日)に国の基本方針が変わりまして、繁華街への呼び掛けというものが出てきました。ですから、その呼び掛けとセットに議論をして、最終的に日曜日(4月12日)の対談で最終の合意をしたということです。

朝日新聞

 確認になりますけども、先ほどおっしゃったような、一部報道にあったような国政の政権与党の議員らに対する忖度ということで12日に遅れたということではないということですか。

市長

 そういう事実はありません。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(5)

道新スポーツ

 まず、5月6日まで学校を臨時休業とされるとおっしゃいました。経過にはよりますけれども、分散登校をした場合、部活動の再開についても、完全な形での登校再開でなければできないということになるのでしょうか。

市長

 それは教育委員会で考えていただくことになると思います。

 私の市長の権限として、そこまではございません。子どもたちの教育の関係については教育委員会で、例えば、部活のこと、あるいは、先ほど言いましたように、休業中ではありますが、一時登校し、健康観察をするということも必要だというふうに思います。しかし、その回数や手法については、感染状況を見ながら、教育委員会のほうで判断をしていただくということになります。

 ですから、現時点で私が何かの考えを持っているということではありません。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(6)

北海道建設新聞

 今後、工事関係で本格的な着工期を迎えていくと思いますけれども、現時点で市の発注工事への影響はあるかということが一点。

 もう一点は、工期の延長ですとか、入札契約制度などについて、今後懸念されている新型コロナウイルスの課題を教えていただければと思います。

市長

 現状で工期に影響が出ているというものは聞いておりません。ないようであります。ただ、これから、例えば、テレワークなど、職場では分散して出てくださいというようなお願いをしていったとき、少し工期を延長してほしいというお話は出てくるかもしれません。

 それについては、契約ということではなく、今回の新型コロナウイルスの感染対策ということから必要なものだということであれば、しっかりご相談を聞いて対応するということになっていくと思います。

北海道建設新聞

 現時点で何か指示を出していることはありますか。

市長

 現状では、先ほど言いましたように、一時期、緊急事態宣言が出され、自宅待機をする職員が出て、そのために少し工期を延ばしてほしいということはあったようで、それはご要望に応じてということでしたが、工事そのものに何らかの影響がある、あったというものは今のところは出ていないようであります。

 ただ、先ほど申しましたように、臨機応変に対応していくということになろうかと思います。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(7)

読売新聞

 緊急共同宣言は5月6日までを期限とされていますけれども、その解除について考え方についてお伺いさせていただきたいと思います。

 道独自の緊急事態宣言は、3月19日の期限をもってということでしたが、その段階で、知事は、社会経済活動との両立、また、医療提供体制が整ってきたことを理由に挙げていました。

 今回、医療提供体制について、現状では逼迫していない状況かと思いますけれども、感染状況の推移を見ながら、どの段階で、どういった基準から、5月6日に解除するといいますか、終了するのか、それとも、延長するのか、そこについてはどのような判断をするのでしょうか。

市長

 やはり、その時点での感染状況がどうなっているのかということになろうかというふうに思います。少なくとも4月末、ですから、5月に入った時の感染状況、あるいは、患者の数ですとか、そういったものがどうなっているのか、収まってきているということであれば5月6日をもって終了するという判断ができるというふうに思いますし、仮に収まっていない状況であれば、かえって増えているというような状況であれば、さらなる措置というか、単なる期間の延長だけでいいのかどうかも含めて、そういったことが出てくると思います。

 ですから、少なくとも、5月に入った時の感染状況等を勘案し、知事とも相談して決めたいというふうに思います。

読売新聞

 確認ですけれども、少なくとも前倒しして解除するという判断はないということでしょうか。

市長

 現時点では、ないです。

 気持ち的には、先ほども言いましたように、ゴールデンウイークなどがあり、非常にいい時期ですから、その前にという思いもないわけではありません。ただ、逆に、ゴールデンウイークによって人の動きが出てきたとき、第三波的な感染拡大というようなことも懸念されるということから考えると、今、国で(緊急事態宣言が)行われている期間までは、市民の皆さん、道民の皆さんにも行動を自粛していただくということを前提に考えたいというふうに思っています。

 新型コロナウイルス感染症への対応について(8)

北海道新聞

 休業補償について、政府のほうでは、1世帯当たり30万円という話が出ていますけれども、それとは別に、市独自に、現時点、あるいは、今後、第2弾、第3段ということで予算を組まれることは考えられていないですか。

市長

 基本的に、補償等の事柄については国の感染症対策の中で取り組み、そこに都道府県があって、市町村があってという立て付けになっていまして、補償なり給付についてはそれが大原則だというふうに思っています。

 先ほども言いましたように、給付だけの問題ではありませんけれども、いろいろな経済対策等で十分か、あるいは、手の届いていない方がいらっしゃらないかという隙間などについて、市独自、あるいは、道と一緒にやれるものがないかということについてはこれからいろいろと検討していきたいというふうに思っています。しかし、現時点でこういうことをやると申し上げる状況にはありません。

 丘珠空港の活用について

北海道新聞

 3月末に利活用検討会議(札幌丘珠空港利活用検討委員会)が予定されていたのですが、コロナの関係で延長されました。そこで、地元の住民側から一定の考え、方向性が示される予定でした。そして、今年度(2020年度)は、それを受けて、将来像といいますか、市としての考え方を示すということになっています。

 市長は、4年前か5年前ぐらいに、フジドリームエアラインズの静岡線が就航した後、延長の検討もしていかなければいけないというようなご発言をなさっていて、その方向だと思うのですが、延長について、1,800メートルだとか2,000メートルだとかという数字が出ていますけれども、延長幅も含め、現時点でのお考えを聞かせていただけますか。

市長

 基本的に、丘珠空港をどう活用していくのか、これは、環境や騒音など、市民生活に影響を大きく及ぼすことなく利活用していくためには、特に、冬期間の問題がありますので、今の滑走路長ではなかなか不十分だという認識があります。

 ただ、その中で、1,800メートルがいいのか、2,000メートルがいいのかというのはまた別な議論でありまして、現時点で私として何メートルと思っているものはありません。いろいろな議論を進めていく中で検討を進めていければというふうに思っています。

 ただ、新型コロナウイルスの状況から、航空業界に大変大きな影響が出ております。空港は誰が使うのかというと、一番多く使われる方はエアラインの方であります。今後、新千歳空港もどんどん活用していきましょうということで、民営化といいますか、新しい体制になったばかりでありますけれども、ご案内のとおり、ぴったり止まってしまっています。

 そういう意味では、今後、空港の一番の利用者であるエアラインの状況がどうなっていくのかということを見据えなければいけないことからすると、今はその状況が見据えられないわけですので、今、活性化の延長の議論をしても、その根底となるものが崩れてしまっているのではないかという認識を持っています。

 ですから、状況が回復し、エアラインとの話があらためてできなければ、ここ1カ月、2カ月という当初想定していたスケジュールでは難しいのではないかという認識を持っています。

北海道新聞

 それはいったん立ち止まる必要があるということですか。

市長

 立ち止まるというか、将来を見据えた議論をしていくには、今はできませんよねということです。

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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