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更新日:2012年9月15日

平成24年度第8回定例市長記者会見記録

日時

2012年8月29日(水曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 19人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事案について

 まず、このたび、有限会社岩井食品の白菜の切り漬けを原因といたしますO157におけます食中毒でお亡くなりになられました7人の方々に、まずもってご冥福をお祈り申し上げたいということとともに、これを原因として感染されました100人を超える方々に、心からのお見舞いを申し上げたいと、このように思います。

 札幌市では、これまで、岩井食品に対する立ち入りなどによりまして、事故原因となりました製品や流通経路の特定調査というものを進めてまいりました。併せて、市内の漬物製造業者にも一斉立入検査を行いまして、衛生管理状況の確認や改善指導を行ってきたほか、本日は、市内の食品製造事業者約2,000社に注意喚起文書を送付するなどいたしまして、再発防止に向けた取り組みを進めているところでございます。

 これまでも、北海道とは密接な連携を図って、さまざまな取り組みを進めてきたにもかかわりませず、流通先の確認、確定作業に若干の時間的な差異が生じたことによりまして、連携が不十分だったのではないかとの印象を与えてしまったことは、非常に残念に思っているところでございます。

 27日には、北海道と「O157食中毒合同対策会議」を立ち上げておりまして、30日には、北海道と共催で農業団体や消費者団体、食品製造事業者などとの意見交換会を設けることにいたしておりますし、9月10日には、北海道や商工会議所などと共に、道内・市内の食品製造事業者や飲食事業者を対象といたしました、食品衛生管理をテーマとするセミナーを開催するという運びにしているところでございます。

 漬物や道産の野菜に対する市民あるいは道民の不安を取り除くために、今後もより一層、北海道や関係機関との連携を図りまして、引き続き、原因究明に取り組むとともに、事故の再発防止と風評被害の拡大防止を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。

ドイツ・ミュンヘン市等への出張について

 札幌市とミュンヘン市とが、ことし姉妹都市提携40周年を迎えることになりますので、これを記念いたしまして、9月7日に開催されます式典に参加するために、市民訪問団と共に、私がミュンヘン市を訪問することとさせていただいております。この節目を両市民と共にお祝いをいたしまして、今後のさらなる友好と相互理解を深めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

 なお、今回の訪問では、環境先進国でございますドイツの再生可能エネルギー政策などもしっかり学んでまいりたいというふうに考えております。

 ミュンヘンにございますフタッグ社の風力発電機や、ウンターハッヒング深層地熱発電所を視察するほかに、ミュンヘン商工会議所を訪問いたしまして、環境ビジネスの分野でどのようなビジネスが展開がされているのか、その取り組みについてもお聞きをしてまいる所存でございます。

 さらに、オーストリアのウィーン市にも足を延ばしまして、中心部にございますシュピッテラウごみ焼却場発電所や、ヨーロッパで最大の木質バイオマス発電所と言われておりますジメリングバイオ発電所を視察するほかに、ドイツのカールスルーエ市では、議員訪問団と共に、路面電車などのドイツでもトップクラスの近距離公共交通システムを視察する予定でございます。

 今回の出張の成果につきましては、帰国後、皆さま方にまたご報告をさせていただきたいと考えております。

「さっぽろオータムフェスト2012」の開催について

 9月14日から30日までの17日間、「さっぽろオータムフェスト2012」が大通公園で開催されます。「北海道・札幌の食」をテーマとするこのおまつりも、ことしで5回目ということになります。道内各市町村の特産品が味わえるおなじみの「札幌大通ふるさと市場」をはじめ、人気店が自慢の1品を提供する「さっぽろ大衆グルメ」や、道内に13ある全ての蔵元が集まります「日本酒BAR」など、今回も魅力的な企画が満載でございます。

 ことしは、このまつりを始める際に参考といたしました「オクトーバーフェスト」で有名なミュンヘン市との姉妹都市提携40周年を記念いたしまして、西4丁目の本場ドイツのビールや料理を楽しめるブース「さっぽろPROST!」、プローストというのは乾杯という意味だそうでありますが、オクトーバーフェストの様子をその場所で放映するというようなことでお楽しみいただく、あるいは、ミュンヘン市との友好といったものを深めていただくといった企画もさせていただいております。

 また、21日からの3日間は、サッポロファクトリーを会場にいたしまして、姉妹都市提携40周年を記念した「ビールのまちさっぽろ」の取り組みといたしまして、「オータムビヤフェスト2012」が開催されます。ここでは、ミュンヘンで使われております麦芽で仕込んだ記念ビールが販売されることになっておりまして、初日には、ミュンヘン市長の乾杯メッセージの映像や、札幌・ミュンヘン両市民による乾杯の映像を放映いたしまして、会場の参加者全員でドイツの乾杯の歌を歌って40周年をみんなでお祝いするということにしているところでございます。

 さらに、オータムフェストのにぎわいをまち全体に広げるために、ことしは、昨年は3地区、円山、薄野、創成川東に広げてさまざまな催しをしておりましたけれども、ことしは藻岩山地区も加えてスタンプラリーを実施し、回遊、そして滞在型のおまつりにしていきたい、こんなふうに考えております。

 オータムフェストは、来場者が100万人を超える人気のおまつりとしてほぼ定着をしてまいりました。会場を訪れた市民の皆さん方が、市外や道外の方々にその魅力を伝えていただくことで、このまつりはさらに大きく育つものだと期待しております。北海道の観光、経済を元気にするためにも、ぜひ多くの方々に、会場で北海道・札幌の食を堪能していただきたいと、このようにお願いしたいと考えております。

「第7回札幌国際短編映画祭(SAPPOROショートフェスト2012)」の開催について

 9月12日から17日まで、第7回札幌国際短編映画祭が開催されることになっております。ことしは、世界93の国と地域から、2,723作品という膨大な数の作品が応募をしていただいております。

 ことしの見どころは、東日本大震災をテーマといたしましたドキュメンタリー等8作品を紹介いたします「After3.11」特集や、北海道在住または出身の監督を対象といたしましたコンテスト作品の上映、初音ミク誕生5周年を記念したプログラムなど、非常に盛りだくさんな、話題性のある企画をしているところでございます。

 この映画祭の来場者は、例年、1万人前後で推移しておりますけれども、さらに多くの市民の皆さん方にご来場いただきまして、この映画祭が市民と一体となって、「創造都市さっぽろ」を推進していく契機になるように、ことしは、映画館だけではなく、地域においてもショートフィルムをご覧いただく取り組みを進めていくことにしております。

 これまでに、市役所1階のロビーや市内の図書館などで無料PR上映会を実施しておりまして、平和都市宣言20周年記念事業として、過去に同映画祭で平和賞を受賞した作品の上映会も開催したところであります。

 今後も、大通公園や地下鉄大通駅構内での上映会を予定しておりますので、ぜひこうした場でショートフィルムの面白さといったものを知っていいただき、映画祭にも足をお運びいただきたい、このように期待をしているところでございます。

 札幌市は昨年、国から「札幌コンテンツ特区」の指定を受けまして、映像産業の振興に加えまして、映像のプロモーション効果といったものを観光や食などのさまざまな産業に波及させることを目指しているところであります。この映画祭は、札幌が世界に誇れる映像の都市として発展していくための象徴的なイベントでもございます。より多くの市民や観光客の皆さん方にご来場いただけますように、報道機関の皆さま方には、周知方ご協力をお願い申し上げたい、このように思っているところでございます。

質疑応答

腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事案について(1)

読売新聞

 まず、食中毒の件なのですけれども、最終的に、今現在で死者7人ということで、全国で見ても異例なケースになったと思うのですけれども、今後、再発防止策を考えていく必要があると思うのですが、今現在、監視指導体制が、施設によっては数年に1回しか見ていないところもあるという現状があると思うのですが、そこら辺で今後どういった対策をすべきだと市長は考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 先ほども少し申し上げましたけれども、基本的には、事業者の皆さん方にしっかり衛生管理をしていただくということが何よりのことだと思います。そういう注意喚起をし、あるいは、特に非加熱食品の製造、加工に当たりましては、業界等でのマニュアルもあります。あるいは、厚生労働省からの指針も出ているところでありますので、こういったものをしっかり順守していただくということを徹底していくということが何よりも大事であります。

 事業者の中には、大手の工場もあれば、本当に家内工業的なところもあれば、さまざまな条件が違う状況にございます。これらの皆さん方に丁寧に仕事をしていただいて、食品の安全というのがいかに大事なのかということを常に意識していただくという、そういうアピールをしていくことが必要だろうということで、今回、セミナー等もですね、業界の皆さん方にお集まりいただいて、しっかりやっていくということをまず考えているところであります。

読売新聞

 マニュアルなのですけれども、基本的に、食品衛生法のように罰則のあるようなものではなくて、あくまで自主的な基準を作ってもらって、それを守ってもらうということだと思うのですけれども、今回のような事例が起きて、規制を強化したりとか、義務化したりとか、そういうような考えは何かありますでしょうか。

市長

 今回、浅漬けの場合は、作り方についても事業者によって相当ノウハウがございまして、例えば、殺菌といいますか、消毒の作業を一つ取っても、味との関係で、どういうふうなものを相当とするかということについても見解が分かれるというようなこともあるようであります。非常に難しい問題ではありますけれども、厚生労働省等ともご相談をさせていただきまして、こういう悲劇的な状況が起こらないようにするためにはどうしたらいいかということをご相談させていただきながら、規制の強化ということにならざるを得ないという状況であれば、これは前向きにそのような提言もさせていただきたいと、このように思っております。

読売新聞

 国との関係なのですけれども、最終的に道と札幌市で話し合って、国のほうにも何らか要望というか、意見はすると思うのですが、今段階で規制強化にならざるを得ないときは提案ということですが、考えられるものとしてはどんなものがありますか。

市長

 今、厚生労働省で出ている(漬物の衛生規範の)原本を見せていただいても、かなり、分かりにくいといいますか、曖昧な部分がございます。それを、順守すべき事項ということで明確化するというか、よりはっきりさせるというようなことは大切なことだなと思います。

読売新聞

 曖昧なことというと、いわゆる今回の消毒液の話とか、そこら辺の数値的なものということですか。

市長

 これも含まれるというふうに思います。

読売新聞

 それと同じく食中毒に絡んでなのですが、道との連携ということなのですが、今、合同対策会議が開かれて、連携が進んでいる状況ではあると思うのですけれども、最初の11日にわれわれのほうに発表があった後、実際に会議が開かれるのが27日ということで、間が空いているという指摘もあると思うのですが、市長としてそこはどのように考えていらっしゃいますか。

市長

 会議については、若干遅くなっていることは否めないというふうに思いますけれども、この原因の特定というのは非常に難しい状況にあったという報告を私どもは受けておりまして、岩井食品さんの販売先の特定といったことが、必ずしも十分な根拠、証明手段がなかったというようなこともお聞きをいたしておりまして、かなり手間取ったといいますか、という状況にあったようにお聞きしておりますので、総力を挙げて原因、販売先を早く特定したいというところで努力をしていた経過の中でのお話というふうにご理解いただきたいと思います。

札幌市の孤立死対策について(1)

読売新聞

 分かりました。

 今度は、いわゆる孤立死、孤独死に関してなのですけれども、先月、札幌市内で、生活保護を受給している方が1人亡くなっているというのが見つかった事例がありましたけれども、例の白石区の姉妹の孤立死の問題以降、事業者との連携だったり、再発防止をいろいろ打ち出していったと思うのですけれども、今の現状と、今後どういう呼び掛けをしていきたいのかという市長のお考えをお願いします。

市長

 白石区の2人の姉妹がお亡くなりになったという非常に悲劇的な状況について、私どもは、公共料金、水道だとか、電気だとか、ガスだとか、こういったものを止めるというような状況の中で、いち早く生活状況を把握する端緒をそこから得たいということで、各事業者の皆さん方と現在協議をさせていただいているところでありますが、なかなか、顧客との信頼関係等々の事情によりまして、事業者の皆さん方からは、滞納があれば直ちに情報を提供するということにはなかなかご協力いただけないという状況にございます。ただ、事態が非常に深刻であるということについての認識は共有していただいておりますので、徐々に、何回かお話をさせていただいている中で、札幌市が対策として考えたいというふうなことについてもご理解が進んでいるように考えておりますので、今後まだまだ、しっかりと議論させていただきたいと、こんなふうに思っております。

市有施設の節電の取り組みについて

読売新聞

 分かりました。

 最後に、節電についてなのですけれども、先日、7月の節電対策の実施分が公表されて、(2010年同月比)14%節電という、目標を上回った結果なのですけれども、まず、それについて、市長はどういうふうに捉えていらっしゃるかということと、あと、まだ夏の節電中ではあるのですけれども、今後、冬の節電も考えていかなくてはならないと思うのですが、そこら辺の2点をお願いします。

市長

 ピークカットということで、一生懸命努力して14%のカットができたということについては、多くの職員がしっかり趣旨を踏まえて努力をした成果だというふうに思います。全体では10.2%という目標を現在のところは上回ることができておりますので、これを、単に一時しのぎの問題ではなくて、無駄をできるだけ省くというふうな考え方で、今後も続けていけるものは続けていく、そんな覚悟で省エネ活動を率先垂範してまいりたいと、こんなふうに考えているところであります。

 もちろん、冬場のことも視野に入れて、われわれの文化を、これまで使っていたエネルギーの消費の仕方、消費文化といったものを見直すという意味合いにおいても大事なわれわれのチャレンジだというふうに考えておりますので、職員が一丸となって努力をしてまいりたい、こんなふうに思います。

読売新聞

 分かりました。ありがとうございます。

腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事案について(2)

北海道新聞

 食中毒の関係ですが、市の保健所と道の連携があまりうまくいっていなかったことについて、高橋知事が、先日、記者会見で、これは二重行政の弊害が出たのだというような発言をされているのですけれども、この点について、市長はどのように思われますでしょうか。

市長

 二重行政ということをしばしばいろいろな場面で言葉としてはお聞きいたしますが、この問題は、二重行政の問題なのかどうかについては、私はちょっと違うのではないかなというふうに思います。札幌市は、札幌市の仕事をしっかり、管内の仕事をしなければなりませんし、北海道は、それ以外のところをしっかりやらなければならない。お互いに領域を持って仕事をしているわけでありますので、むしろ、連携ということが大事なポイントだというふうに思います。

 食品の販売、広域流通というふうなことを考えますと、食品を原因とする中毒、こういったものが発生したときには、その販路といったものをしっかり押さえて、そして、被害が拡散しないように、お互いに情報交換をするという、その連携が一番大事なことだというふうに思いますので、今回、情報が遅れたということに、北海道の発表されたのと札幌市の発表されたのが、時間がちょっとずれたということとの関わりで弊害というふうなことを言われたようにお聞きいたしておりますけれども、それは、事実としては、ちょっと弊害というふうな問題ではないのではないかなと。時間がかかるというタイムラグの問題だと私は考えております。

大都市地域特別区設置法案について(1)

北海道新聞

 それともう一点、ちょっと話題は違うのですけれども、いわゆる大阪都構想といいますか、大都市地域特別区設置法というのが本日成立の運びになっているのですが、一応、対象は札幌市も含まれているのですけれども、この法の活用について、市長はどのように考えていらっしゃるか、教えてください。

市長

 大阪市等が問題提起をされているのは、大阪市という市の持っている特徴といいますか、歴史的な経過と、その役割といったものの中で考えられたことだというふうに思います。そういう意味では、各自治体のサイズだとか、役割だとか、そういったものとの関係でさまざまな自治のあり方といったものを選択できるということは一定程度評価できるのではないかなというふうに思いますが、札幌市が、広域分散型の北海道における大都市札幌が、今の大阪都大都市構想ですか、それの、法律改正によった制度を活用するかどうかということについては、今のところ、消極に考えております。

道道西野真駒内清田線(こばやし峠)トンネル新設工事における掘削土砂の埋め立てについて

STV

 こばやし峠のトンネル工事でヒ素が含まれる土砂が出ているという問題で、中ノ沢の住民から、(埋め立て地の)第1候補となっていますけれども、持ち込ませないでほしいということで署名を集めまして市長に提出していますが、今のところ、その問題について、市長はどのようにお考えなのか、お願いします。

市長

 7月31日に要請書を頂戴いたしまして、十分ご心配の点についてはお聞きをして、私も現地を見ておりますし、検討させていただくという時間を今、頂戴しているということであります。

 私がお目にかかった時には、8月中旬から下旬にかけて、皆さま方のご提案を含めて回答させていただきたいというふうに申し上げておりましたけれども、いろいろな調査を今させていただいておりまして、少しそれがずれ込むということで、時間を頂戴したいということを住民の皆さん方にお知らせさせていただいているという状況でございます。

STV

 そうすると、まだ、中ノ沢を第1候補として、今のところ、調査は進んでいるということですか。

市長

 いろいろな可能性について、ご提案もございましたし、現地処分という、そういうご提案も住民の皆さん方から頂戴いたしました。そのことの可能性ということについても議論させていただいているという段階でございます。

「大阪維新の会」の国政進出について

北海道新聞

 先ほどの橋下さんの話で関連ですけれども、大阪維新の会の新党の構想が、国政進出の話が本格的に計画が立てられているようですけれども、かなり人気を博すのではないかと言われておりまして、国会議員の中にもいろいろ同調の動きがありますが、この現象を、大阪市長という首長がこういう影響力を持つことについてどのようにご覧になっていますか。

市長

 影響を持つことはいいことだというふうに思います。地方自治のことをしっかり提言し、あるいは、自治というのは、まさに民主主義の形の問題を含めて実践をしている現場の人間が物を言うということはとても大事なことだというふうに思います。

 ただ、内容については、異論がいろいろあるということでありますので、今お尋ねの、「自治体の首長が国政について物を言う」というのは、歓迎されるべきことだというふうに思います。

北海道新聞

 一定の人気を博すのではないかと見込まれておりますけれども、なぜこのように人気があると分析されていますでしょうか。

市長

 それは、やはり、新聞等でさまざまな論評がされておりますけれども、既成の政党に対する市民の関心といったものが、批判といったものがかなり大きいのではないかなと。やり場がないというふうなことも一つの理由ではないかなと、そんなふうに思いますが。

特例公債法案が可決されない場合の札幌市に与える影響について

北海道新聞

 もう一つ、別の件ですが、赤字国債の法案が、可決の見通しが今は立っておらず、このままいけば、交付税が減らされる可能性がありますけれども、札幌市に与える影響についてはどのようにお考えになっていますか。

市長

 直ちにはということになるかどうか分かりませんが、当然、ずっと通らないということになれば、これは大きな影響が出てくるというふうに思います。今のところ、いろいろな事業、交付税とか、補助金とか、さまざまな形で来るべきものを、来るというふうに考えて事業を遂行しているところでありますので、やりくりをしながらつないでいるという状況でありますので、これは、予算で認められたものについては、早く処理をしていただかなければ困るなというふうに思っております。

北海道新聞

 場合によっては、一時的に来ないことで影響が出る事業とか、そういったものもあるということを想定していらっしゃるのでしょうか。

市長

 あり得ることだというふうに思いますが、なるべく市民の皆さん方に直接影響しないような財政の組み立て、執行の組み立てをしていきたい、そんなふうに思います。

北海道新聞

 国会が、首相の問責決議案が参院のほうで可決の運びですけれども、こういった形で、いわば、法案が全く通らないような状況になっていることについて、それで、地方自治体に影響が出る可能性があることについては、国政をどのようにご覧になっていますか。

市長

 非常に困った状況だというふうに言わざるを得ないと思うのですね。ずっとそうなのですけれども、政局の議論に終始をしているような国会という状況を見て、やはり、生身の国民は、本当に困惑をしているというふうな状況ではないかなというふうに思います。やはり、税金をしっかり支払って、それを適正に配分して、そして、私たちの生活を、国がうまい循環をしていくということを期待する、その調整をしていくのが国会であるわけでありますので、それが民意をどのように反映して、本当にタイムリーな仕事をしていただけるかということがみんなの期待することだというふうに思いますが、それがかなわない状況というのは、非常に、政治に対する信頼というのを大きく損なうことになっているのではないか、私はそのように思います。

札幌市の孤立死対策について(2)

TVh

 先ほどの孤立死に関してなのですけれども、保健福祉部のまとめで、この4月、5月、6月で43人の方が、生活保護を受けている方だけで、亡くなっているということなのですが、計算すると2日に1人の勢いなのですが、あらためて、市長、こういう速度で亡くなられている方がいるという実態について、もう一度、受け止めをお願いします。

市長

 非常にショックな出来事だというふうに思っております。といいますのは、役所とコンタクトが取れている方なのですね。ケースワーカーとの関係で、月に1回になるにしろ、訪問をさせていただいて、どういう暮らしをされているかということを把握できている、そういうチャンネルがあるにもかかわらず、独りで、誰にもみとられず、お亡くなりになる、そういう方が43人おられたというデータであります。

 私は、やっぱり、保護を受けておられる方が自分でSOSを発することができなかった、そういう状況、これに非常に大きなショックを受けているわけでありまして、役所でも、隣の人でも、誰でもいいから、その異常事態を発信し、それをレシーブする役割をみんなが引き受けていくということがない限り、こういう問題を解決していく手だてはないのかなと、そんなふうに思っております。

 そんな意味で、人間関係の、あるいは、コミュニティーの再生というようなことを大きなまちづくりの柱にしていくということを、この間、やってきているわけでありますが、それがなかなか、こういう究極の場面において、効果がなかなか表れない、あるいは、世の中の動きはもっと速いスピードで深刻な状況に行っているといいますか、進展しているということで、非常に重く受け止めながら、これからの対策といったことについても、これまでやってきたこと、さらに、もっとできることはないかというふうなことをまちづくり、あるいは、健康、福祉とのネットワークの問題等についても、今、計画をしっかり立てているところであります。

TVh

 今、コンタクトが取れている方とおっしゃいましたけれども、取れていない、生活保護を受給されていない方向けに、道と市で対策会議というのを3月と4月に開かれていると思いますが、あれから4カ月、会議は開かれておりませんで、道側からも新たな対策というのは見受けられないのですが、やや遅いのではないかという声も聞かれますが、このことに関しては、市長はいかがですか。

市長

 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、電気事業者、あるいは、ガス事業者、これらの皆さん方、あるいは、札幌市では水道局、日々の生活についてコンタクトを取る、あるいは、異変の端緒を比較的取りやすい、そういう立場にあるところが、顧客の個人情報というふうな情報の壁ということで、なかなか話が進まないという状況にあることで、この話になっていると思いますが、少なくとも、札幌市が、お困りのときにはここにご相談くださいというふうな呼び掛け文ぐらいは、何とか、いろいろな事業所の皆さま方のご協力をいただいて、お困りになっている皆さん方の発信をする際の手段にしていただくようなことも含めて、今、ご理解をいただくために努力をしているということであります。

TVh

 すみません、その会議の中で、電力会社、ガス会社がなかなか強硬な姿勢を示していまして、そういう呼び掛けには一切応じられないということなのですが、今後も対応は変わらないと思うのですけれども、決裂した場合はどのような対応を考えていらっしゃいますか。

市長

 それは、一緒に、役所だけでできるわけではないのだということは常々申し上げているわけでありますので、ご理解をいただくために、最大限、今、努力をさせていただきたいというふうに思います。

道内自治体職員の札幌出張における出張旅費と共済助成金の二重取り問題について

朝日新聞

 今、いろいろな報道で、市町村職員の旅費の二重取りの問題が報じられていますけれども、札幌市の場合は、札幌出張というのは考えづらいと思うのですが、例えば、同様の例があったり、そういったことを何か防ぐ手だてみたいなものがもしありましたら、教えてください。

市長

 やはり、これは、共済組合の事業での宿泊に関する助成券を提供させていただくということになりますので、これは、保養のためという条件が付いております。出張のために、仕事のために使うものではないということは、はっきりしておりますので、その趣旨は守られていると思いますけれども、仮にそうではないという事例があれば、趣旨を徹底するということで、今後、対応していきたい、こんなふうに思います。

朝日新聞

 すみません、そうしますと、今回のことで、何か、あらためて調査をされたりというようなことは特には。

市長

 事業主体は共済組合でありますので、共済組合に、その旨、指示をさせていただいたということであります。

生活保護の不正受給者の刑事告訴について(1)

uhb

 生活保護の不正受給の関係なのですけれども、先日の伊藤学被告の関係で、刑事告訴というのはいつごろになりそうかなと思いまして、まず、それについてお伺いします。

市長

 警察の捜査もだいぶ進みまして、われわれも情報を固めている段階でございますので、近日中に告訴できるというふうに思います。

uhb

 今月中という話ですか。

市長

 いえ、近日中です。

生活保護行政における体制強化について

uhb

 分かりました。

 あともう一つ、不正受給と先ほどまでの孤立死との関係なのですが、例えば、大阪市ですと、警察OBの専任チームをつくったりして、ケースワーカーの不足を補うような形をしていると。札幌市自体としては、例えば、そういった専任チームだったり、ケースワーカーを増やしたりということは、お考えはありますでしょうか。

市長

 さまざまな方法があるというふうに思います。もちろん、警察OBの皆さん方にお手伝いをいただかなければならない、例えば暴力団絡みの不正受給者等については、やはり、経験豊富な方々にお手伝いいただくということも一つの方法だろうというふうに思いますが、一般論として、権力的にこの問題に対処するということがいいかどうかということについては、相当議論をしなければいけないことだというふうに思いますので、大阪との比較というふうな意味合いで、大阪がこうだから札幌もこうするという、そういう考えはございません。

uhb

 では、ケースワーカーの数自体については、いかがですか。増やすという方向にはなりますでしょうか。

市長

 非常に、定員管理というのは難しい状況にございます。(ケースワーカー)1人当たり(被保護世帯)80世帯というのが基準になっておりますが、なるべくそれに近いように配置をしていくということは、順次、毎年50人ぐらい職員を増やしたりということで努力をしておりますが、なかなか追いつかないのが現状であります。また、その現場の職員の皆さま方、ケースワーカーの皆さま方は本当にご苦労されておりますことも承知をしておりますので、行き届いた福祉のサービスができるように、最善を尽くしていくために、まず、そういう定員管理も含めて議論を進めてまいりたいというふうに思います。

生活保護の不正受給者の刑事告訴について(2)

大都市地域特別区設置法案について(2)

HBC

 生活保護不正受給に関連してなのですけれども、あらためてなのですが、伊藤被告を告訴するということに関しての基本的な考え、なぜ告訴するのかという考えをお聞かせ願いたいのと、もう一点、先ほど、大阪都構想の中で、札幌市が制度的に活用するのはなじまないというふうなお話がありましたけれども、この部分も、どうしてなじまないのかというのをもう一度あらためてお聞かせください。

市長

 一つ、伊藤被告人、今は係争中でありますが、私どもは、生活保護を受給する資格がないことを自ら分かりながら、あるがごとく装い、申告をし、そして、受給開始という誤った、錯誤に基づく給付決定をし、そして給付をしたと、この一連の、刑法で言います詐欺罪の構成要件に該当する行為をされていると。そういう結果も出ているということでありますので、私どもとしては、当然、そういう告訴をさせていただきたい、刑事処分を申告するというふうなことでございます。

 大阪都構想が札幌になじむかなじまないか、これはいろいろな捉え方があるというふうに思いますが、大阪の場合には、周りが全部、どこから大阪で、どこからが堺でというふうな、分からないぐらいの経済文化圏があるわけです。そういう中で大阪の役割ということと、札幌は、これだけ飛び抜けて、190万の人口を、540万ぐらいですか、北海道の中で、飛び抜けて人口集中がされて、また、都市機能も集中しているという状況、こういうまちの役割というのは、やはり、ほかの北海道のさまざまな津々浦々の自治体との関係を本当に密にしていく、そういうことでなければいけない、まさに連携、自治体連携、こういったことが一番大事だというふうに私は今考えて、行政をこの間やってきたつもりであります。

 そんな意味から言いますと、集中している部分を分割して、自治区にして、組み替えをするということが私どもにとってどれだけ意味があるのかということから言うと、あまり意味がないのではないか、そういう趣旨でございます。

 だから、大阪は大阪でそういう意味があるというふうにご判断されて、市民の皆さん方もそうだよねという判断であれば、それは、選択ができるという意味合いにおいては、結構なことではないか、全部が一律である必要はないという、そういう考え方であります。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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