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札幌市の配水管は昭和12(1937)年の水道創設以降、さまざまなニーズに合わせて整備を行ってきており、現在では約6,000kmの配水管が布設されています。
上図のとおり、市勢の拡大に併せて配水管を大量に整備した時期もあり、ピークとなる昭和50年代では年間約200km近くの配水管を布設してきました。
これらの配水管は次々と経年化が進み、漏水の発生につながることが懸念されるため、古くなった配水管を更新(新しい管に入れ替える)し、漏水を未然に防いでいかなければなりません。
また、地震などの災害が発生した際に、医療機関や指定避難所などが断水するリスクを軽減するような災害に強い水道システムを構築するために、配水管の耐震化(地震に強い管に入れ替えること)を進めていくことも重要です。
総延長で6,000kmに及ぶ配水管の更新や耐震化については、将来的な見通しを立て、効率的かつ効果的に整備を進めていく必要があります。
これまで水道局では、配水管に関する事業として、将来にわたる「管路の健全性の確保」を目的とし、さらに「管路の延命化」と「事業量の平準化」を考慮した配水管更新事業のほか、災害時に重要度の高い医療機関や指定避難所へ向かう配水管を優先的に耐震化する「災害時重要管路耐震化事業」など、さまざまな事業を実施してまいりました。
令和7年度からは、これらの事業を統合し、「水道システムをより強靭にし、安定的な給水を行うこと」を目的とした配水管整備計画を策定しました。
限られた財源の中で効率的、効果的に管路を整備していくためには、配水管の延命化が大切です。
本市でのこれまでの調査の結果、腐食対策の効果が確認されるなど法定耐用年数(40年)よりも長く使用できる可能性があることから、可能な限り延命化を行い、長く使える配水管については使用年数を最大100年と設定しています。
配水管が持っている役割や、腐食や地震による漏水発生のリスク、他の地下埋設物工事に伴って配水管を移設するなどの外的要因などから、市内すべての配水管に優先順位(「整備優先度」と呼称しています。)を設定し、整備優先度の高いものから整備を実施しています。
一定の時期に整備が集中しないように、整備優先度を考慮し、事業量・事業費の平準化を図っています。
令和7年度から令和16年度までの10年間で「配水管整備事業2025-2034」を実施し、毎年50km前後の整備優先度が高い配水管を整備していく予定です。
また、令和7年1月に策定した「札幌市上下水道耐震化計画」に基づき、医療機関などの災害時に重要な施設のうち、特に重要な施設に接続する上下水道管の耐震化について、下水道河川局と連携しながら耐震化の取組を進めていきます。
札幌市上下水道耐震化計画の詳細は以下からご覧いただけます。
◆事業期間:10年[令和7(2025)年~令和16(2034)年] ◆事業延長:約510km ◆概算事業費:約1,400億円 ◆指標(目標数値)※第2次札幌水道ビジョンで掲げているものになります。 |
配水量に対して漏水した水量の割合を示しています。この割合が低いほど漏水による水道利用者への影響が少ないものになります。
札幌市は政令市の中でも漏水率が低く、配水管整備事業を進めることで、今後も漏水率の低減に努めてまいります。
市内の配水管のうち、耐震管(地震時に管と管の接続部分が抜け出しにくい管)の割合を示しています。
この割合が多くなるほど、災害に強い水道システムに近づきます。
医療機関へ向かう配水支管の耐震化が完了した箇所数を示しています。
医療機関は災害時に人命にかかわる重要な施設であり、箇所数が増えるほど、災害が発生した際にも、医療活動をより多く実施することが可能となります。
配水支管については、令和6年度までに96か所の医療機関への耐震化が完了しています。今後10年間で、さらに8か所以上への耐震化を完了させ、104か所以上にすることを目標としています。
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