引揚時に着用していたズボン
昭和20(1945)年8月9日のソ連の参戦に伴い、終戦直後に樺太、日本が植民地とした朝鮮、旧満州が制圧されました。
その後、同地にいた日本の軍人、軍属約57万人はシベリアをはじめ、ソ連の各地やモンゴルに抑留されました。
抑留者は厳寒のなか、わずかな食事しか与えられず、森林伐採や土木作業、鉄道の敷設などの過酷な労働に服し、約7万人とも言われる多数の死亡者を出しました。このズボンは、満州第二国境守備隊からシベリアに連行された塚本さん(元陸軍上等兵)が昭和23年に帰国、舞鶴港へ上陸する際に着用していたものです。
札幌市 塚本力氏提供