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ホーム > まちづくり・地域の活動 > 第1部 清田区地域防犯ネットワーク会議フォーラム

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更新日:2024年3月6日

第1部 清田区地域防犯ネットワーク会議フォーラム

1 開会
2 「子どもの安全ワークショップ」各地区開催報告
 (1) 北野地区報告 (北野平小学校PTA会長 益子 克弘さん)
 (2) 清田中央地区報告 (清田南小学校PTA会長 菅原 通有さん)
 (3) 平岡地区報告 (平岡中学校教頭 橋本 敏昭さん)
 (4) 清田地区報告 (清田地区町内会連合会 防災防犯部長 横江 光良さん)
 (5) 里塚・美しが丘地区報告 (美しが丘小学校教頭 西川 洋一さん)
3 意見交換
4 市長感想

 

1  開会

○司会(山重 明氏)

司会(山重氏)皆さん、こんにちは。山重でございます。

タウントークに土曜日の午後にご参加いただきまして、まことにありがとうございます。

これから2時間ほどの時間ですけれども、司会を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、早速、始めてまいりたいと思います。まず、タウントークの開催にあたりまして、上田市長から一言ごあいさつをお願いしたいと思います。市長、よろしくお願いします。

○札幌市長 上田 文雄(以下「市長」)

上田市長

皆さん、どうもこんにちは。札幌市長の上田でございます。

清田区におけるタウントークです。毎年やっておりますけれども、私は就任して6年目に入りまして、清田区ではきょうが6回目でございます。全部合わせますと59回目になります。1年に10カ所で、ほぼ毎月、各区で実施させていただいておりまして、多くの市民の皆様方にご参加いただきまして、日ごろ市政の中で私どもが皆様方にお伝えしたいことを少し申し上げ、そして、皆様方が日ごろお考えになっていること、この地区でいろいろなことが問題になっている、こんなことはどうなのだろうかということをみんなで意見交換してみたい、あるいは市長の意見も聞いてみたい、話し合いができればとてもうれしいということで、この企画を継続させていただいているところであります。

毎回、各地区においてとてもすてきな報告をちょうだいいたしまして、各地区で地区のためにまちづくりで本当に一生懸命頑張っておられる皆さん方のお話をお聞きしながら、こんな素晴らしい活動もこの地区ではあるのだなということを感じておりますが、ほかのところでも清田区ではこんな素晴らしいことをやっているよという情報交換の伝達人の役割も私はしているつもりでございます。

この清田区は子どもが一番多い区だとも言われております。きょうは、先ほど、ボランティアの子どもたちの友愛運動といいますか、一人暮らしのお年寄りの皆様方にお弁当の配達をするということで集まってきていただいた子どもたちと少しお話をさせていただきました。冬になりますと、北野台中学校の子どもたちが除雪ボランティア、雪かきボランティアをやっているというお話もお聞きしました。約100名くらいの子どもたちが、毎年、雪かきで困っておられるお宅に行って除雪をされているというお話を聞いて、本当にすごいことが続いているのだなと感じております。また、素晴らしい合唱団がこの地区にはあることも私は承知しておりますし、事あるたびにお聞きしたりもしておりますけれども、本当に素晴らしい子どもたちがたくさんおります。そしてまた、その子どもたちを熱心に指導されている先生方、そして、その子どもたちを地区の皆様方が温かく見守っていることを本当にひしひしと感ずることができ、温かい子どもを育てるために頑張っておられる地区だと私は思っております。

ぜひ、きょうの第1部では、子どもたちをどう見守っていくのかという見守り活動のご報告をちょうだいしながら、私も意見を交換させていただきたいと思っておりますけれども、皆さん方もいろいろなチャンスにご意見をちょうだいできればと思っております。

初めのごあいさつということで申し上げました。

きょうは、どうかよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○司会

ありがとうございました。

それでは、きょうのタウントークの進め方について簡単にご説明いたします。

タウントークは、今、市長のお話にもありましたように、地域のまちづくりの課題などについて率直に市長を交えながら意見交換をしましょうという趣旨の場です。清田のまちづくりに取り組んでいらっしゃる方に大勢ご参加いただいていると思いますので、第1部、第2部を通して、ぜひ会場からも活発なご意見をいただければと思います。

きょうは、全体2時間のうち、前半の1時間の第1部では、後ほどご報告させていただきますけれども、清田区地域防犯ネットワーク会議フォーラムというタイトルで、子どもたちの安全のための取り組みについて各地区からご報告をいただき、また会場の皆さんも含めて意見交換をさせていただければと思っております。

第2部は、フリートークということで、市政全般に関しての意見交換を市長を中心に行いたいと思っております。

早速、第1部の地域防犯ネットワーク会議フォーラムに入ってまいりたいと思います。

皆さんのお手元にこういう横刷りの資料がお配りされているかと思います。これから、前の画面で資料と同じものを順番に写しながらご報告していただきますけれども、遠くて見づらい方もいらっしゃると思いますので、この資料を順番に目を送りながらご報告を聞いていただければと思います。

清田区の地域防犯ネットワーク会議をご存じの方もこの中には多いと思いますが、平成18年度に地域の行政あるいは学校、町内会、企業など46の団体が集まって設立されたものでございまして、子どもの安全を重点的なテーマとして、いろいろなフォーラムや講演会を開いたり、情報誌を発行したり、子どもを見守る活動を区全体に広げるためにいろいろな活動に取り組んでいらっしゃいます。

きょうご報告いただくのは、10月27日に開いたワークショップにおいて、地域防犯ネットワーク会議のメンバーや学校の先生方、PTAの皆さん、交通安全指導員の皆さん等々にもご参加いただいた中で、現在、各地区でどんな取り組みをされているか、あるいは、どんなことが課題になっているのか、今後どんなふうに取り組んでいったらいいのかということについて非常に活発な話し合いをしていただきました。各地区の報告者の方からそれぞれの地区ごとに話し合われた内容をご報告いただき、その後、皆さんも交えて意見交換をしたいと思っております。また、前にお座りいただいている上田市長、それから、国際大学の西脇先生からもコメントをいただいて、第1部の子どもたちの安全のための活動について意見交換を深めたいと思っておりますので、どうよろしくお願いいたします。

2  「子どもの安全ワークショップ」各地区開催報告

○司会

それでは、早速、地区ごとの報告に入ってまいりたいと思います。

各地区のワークショップのまとめというのは、現場ではテーブルごとに分かれていろいろな意見を出していただいたものをああいうカードにまとめて、それを一つ一つ整理して、当日は発表していただきました。

きょうは、その内容をより分かりやすくまとめたものを資料としてお配りしておりますので、その内容に沿って5つの地区で子どもの安全のための取り組みについてどのような活動をされているのか、どんなことが課題になっているのか、これからどんなふうにやっていこうと考えているのかということを発表していただきたいと思います。

それでは、まず初めに、北野地区の報告をお願いしたいと思います。

北野地区の報告は、北野平小学校のPTAの会長を務めていらっしゃる益子さんにお願いしたいと思います。それでは、益子さん、どうぞよろしくお願いいたします。

(1)  北野地区報告 (北野平小学校PTA会長 益子 克弘さん)

北野地区 益子さん

今ご紹介いただきました益子でございます。北野地区の報告をいたします。よろしくお願いいたします。

話し合い、まとめ上げたテーマが、「みんなで守ろう地域の安全」で、サブテーマは「もっと皆さんの参加を」にまとまりました。今から4枚のシートで説明いたします。

1枚目のシートは、防犯のパトロールについてということで、現状と課題です。2枚目のシートは、情報と連絡についてということでまとめてあります。3枚目は、地域環境の中でその情報をどのように生かすかということでまとめました。最後の4枚目は、根底にある課題ということでお話をしようと思います。

1枚目のシートが、今、写っておりますけれども、人手不足は「ながらパトで解消!」ということです。今現在も、防犯のパトロールはやっております。実際に、スクールガイドによる登下校の見守りや保護者によるパトロールをやっておりますが、やはり、そこには人手がかかるということで、なかなか集まっていただく方が少ないということが課題になっております。

ここにおやじの会というものがありますが、これはPTAの組織の一つで、お父さんたちが集まってやっている会ですが、この方々が夜間のパトロールを現在やっております。

課題に対する今後の進め方ということで、なかなか参加していただけないということがあるので、できるだけ簡単にながらパトロールができればということで、参加者を増やせればということで考えました。夜間のジョギングなどを何人かで集まって、ながらパトができればということで考えました。

次に、情報は、発信、受信だけではなく、生かし方も大切ということです。

今、学校あるいはまちづくりセンターからの情報があるのですが、その情報がうまく伝わっているかどうかということで、伝わっていても、うまく伝わっているかどうかの生かし方が問題ではないかということがテーマでした。一つ挙げられるのは、まちづくりセンターがあるのですが、この役割が住民の方、地域の方に周知されていない部分があるのではないかという課題が浮き上がりました。

今後については、地域全体のハザードマップをつくるなどで、実際の活用方法を検討していければと考えております。

3枚目は、安全なまちは、パトロール・見守りのPRからということです。

今、PRグッズはたくさんあるのですけれども、それらがうまく生かされていないのではないかということが課題で、特に、清田区は警察署がないということもありまして、今後、できるだけ地域の環境を整備していければと考えました。

これは一つの案ということで、人感センサーで、夜間に夜道の安全を確保できればという案も出ました。

最後のシートは、地域のつながりで参加者を増やそう、安全への意識づくりということでまとめてあります。

やはり、地域の方あるいは学校の関係者、PTA、地域住民の方々がそれぞれかかわり合いを持ち、全体が共有の意識を持って安全に取り組むということが一番大切ではないかというふうにまとめ上げております。

警察の方もいろいろと活動されていますけれども、PTAの会合の中に警察署の方に入っていただくという形もいいのではないか、あるいは、今、側面として地域の支援をするということをテーマに挙げている企業もありますので、地元の企業の参加も防犯に何か役立てればと考えております。

テーマは「みんなで守ろう地域の安全」、サブテーマとして「もっと皆さんの参加を」ということでまとめ上げました。以上で報告を終わります。

○司会

益子さん、どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、清田中央地区のご報告をいただきたいと思います。

清田中央地区のご報告は、清田南小学校のPTA会長を務めていらっしゃいます菅原さんにお願いしたいと思います。それでは、菅原さん、よろしくお願いします。

(2)  清田中央地区報告(清田南小学校PTA会長 菅原 通有さん)

清田中央地区 菅原さん

ただいまご紹介にあずかりました清田南小学校の菅原でございます。

私どもの地区は、清田中央地区と言いまして、羊ケ丘通から国際大学の裏までずっと広い地域にわたっております。町内の町内連合会の方には大変お世話になっていまして、多種多様なパトロール、見回りをやっていただいております。

さまざまなパトロールの中でも、ワンワンパトロールと申しまして、ワンちゃんと一緒に散歩しながら、楽しみながら、不審なものはないかということで見ております。犬というのは目や鼻が物すごく敏感でして、不審なものを見つけるものが得意なものですから、それも理にかなっていると思います。それから、自転車でのパトロールです。8時と3時、朝と夕方の登下校のときに見回りをしてもらっています。それから、PTAとしては、登下校の見回りパトロール、全家庭には防犯の腕章を配付してございます。これは意識づけでして、それをして回るということも必要なのですけれども、それも意識付けでこういうことがあるというふうに問題意識を高めてもらおうということになっております。それから、学校の方では、教職員の方が校区内を順次回っていただいておりますので、安心しております。もちろん、玄関はオートロックになっておりまして、職員室側からでなければ開けられないようにしております。

課題としては、さらなるパトロールです。協力者です。どうしても人が少ないものですから、少しでも多くの方に参加していだたけるように呼びかけるシステムはないか。携帯メール等を考えております。今後は、今、ごみ回廊がありましたが、あの辺りにも大きな水たまりがあったり、それから、空き家などが少しずつ増えておりますので、そういうところに子どもたちが行ったり、遊んでいるうちにいろいろな防犯上のトラブルになったりしてもいけませんので、そういう部分にも取り組みたいと思っております。

次のページをお願いします。

現状では、安全マップ等に取り組んでおります。学校、それからまちづくりセンターの2本のルートで情報を流しております。昨日、コンビニで強盗がありましたので、いち早く情報が各家庭に入りまして、登下校を集団下校に変えた例もございます。

それから、地域内の課題として、変わった人といいますか、バットを振り回す、それも普通の素振りではなくて、威嚇するようなこともあります。それもプライバシーに触れるのですけれども、そういう情報も共有してございます。それから、違法駐車、見て見ないふりをする大人がいることも事実でございますので、そういう部分でもそういうことのないような注意をしてございます。

今後は、情報収集、配信です。今は二つありますけれども、その後、その情報が本当に合っているかどうかも確認しなければいけないので、そういう部分での情報確認もしようということです。それから、自らも情報収集しようということが大切ではないかと思っております。

次に、その他の設備に行政の協力が必要ということです。我々のできることは、とにかくできるだけ自分たちでやる。例えば、防犯教育などは人の集まるところで、安心や安全の楽しさを体験させるということを考えてございます。楽しみながらやるということです。今までにもたくさん警察の方や消防の方にもやっていただいております。

もう一つは会合です。これは交通安全のパトロールがあるのですけれども、できるだけ一つにまとめられないかという意見の方もおられました。

それから、今、ここに来て急にですけれども、子どもの居場所、放課後の低学年の居場所がないということで、今、清田緑小学校の付近に住宅地がたくさんできまして、子どもがかなり増えました。南小学校でも来年度の入学生は3けたぐらいになるぐらいですから、かなり増えております。地区内には清田中央児童会館のみなものですから、もう一つ奥の方にミニ児童会館ができないかということも協力していただきたいということです。

それから、念願でもあります交番などの警察施設が奥の方にはないものですから、なかなか目が行き届かなかったり、初動態勢がよくスムーズにいかない部分がありますので、できるだけ早く清田警察署をつくっていただければありがたいという皆さんの意見をいただいております。以上です。

○司会

ありがとうございました。

それでは、続きまして、平岡地区のご報告をお願いしたいと思います。

平岡地区のご報告は、平岡中学校の教頭先生を務めていらっしゃいます橋本さんからお願いします。それでは、橋本さん、よろしくお願いします。

(3)  平岡地区報告 (平岡中学校教頭 橋本 敏昭さん)

平岡地区 橋本さん

平岡中学校教頭の橋本と申します。よろしくお願いします。

平岡地区のキーワードは、連携強化です。

1点目のパトロールについてです。

平岡地区の最大の特徴は合同パトロールにあります。学校、PTA、町内会とそれぞれにパトロールは行っておりますが、平岡地区では、ここ10年来、町内会とPTAと学校とが一体となって、夏休み中、6回にわたって合同パトロールを実施しております。平岡地区は、南、中央、北地区の3地区に分かれまして、7時30分から約1時間パトロールを実施しております。昨年の反省で、小学校から小学校の防犯を意識した活動の時間帯としては遅過ぎるという指摘を受けまして、今年度は時間帯の変更等、会長の指導のもと、より実効性のある活動へと変わってきているところです。

また、こういった合同パトロールにより、それぞれ参加者が少ないという問題点をより活動の一本化という点で解消しているところに特徴があります。

2点目は情報です。情報の特徴は即時性にあります。

まず、小学校では、ホームページにおいて不審者情報等を提供するとともに、登録した保護者の方には学校と企業が連携しまして、企業の方からそれぞれの契約を結んだ保護者の方に携帯電話に発信します。ですから、ホームページの場合は保護者の方からのアクセスが必要ですが、そういったアクセスを必要としない方法をとって即時性に取り組んでいるところです。また、この活動につきましては、地区センター、関係小学校の平岡、平岡中央、平岡南の3校連携で行っているところに特徴があります。

最後の3点目です。

今、申し上げましたパトロールにつきましては、人的側面、2点目の情報につきましては、情報機器の活用、3点目につきましては、最後になりますが、環境の整備にあります。

環境整備につきましては、まず、防犯を考えた場合に、起きやすい場所としまして、見通しの悪い、人通りの少ない場所が狙われやすいという観点から、例えば、街路樹で見通しの悪いところ、あるいは、雪山等の障害となっているところ、あるいは街灯の少ないところなどを何とか解消していきたいと考え、取り組んでいます。

ただ、費用もかかりますので、関係の町内会、企業等と協力しながら、優先順位をつけて進めているところです。

以上で、平岡地区の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○司会

ありがとうございました。

続きまして、清田地区のご報告をお願いしたいと思います。

清田地区のご報告は、清田地区町内会連合会防災防犯部長の横江さんからお願いしたいと思います。横江さん、よろしくお願いします。

(4)  清田地区報告(清田地区町内会連合会 防災防犯部長 横江 光良さん)

清田地区 横江さん

清田地区、横江光良と申します。よろしくお願いいたします。

前の方あるいは手元の資料を見ていただきますと、最初に結論が載っています。

清田地区のアイデア、検討組織、清田町連・夢プロジェクト!の中核として、地域組織横断的なチーム、クロス・ファンクショナル活動として、美しい安心・安全なまち活動協議会を推進していきたいということです。市民自治の実現と地域のさらなる自主運営を目指しております。

最初に、大きなタイトルで結論が出ていましたので、その中身についてです。

次をお願いいたします。

さまざまなパトロール・見守り実施中ですが、夜間の見守りと人材確保が懸念事項になっております。交通指導員、防犯ボランティアなど、各種さまざまな人材が活動しておりますけれども、今後の人材確保ということで多くの方々に安心・安全、防犯に対する意識を持っていただきたいと思っております。

どのように取り組んでいくかといいますと、一例として、勤め帰りに、単なる帰宅ではなくて、歩きながら地域の見守り、防犯を意識していただくということも一つのアイデアかと思います。

そういったことをいろいろと投げかけて、地域に意識を高める情報発信活動をしていきたいということです。

次をお願いします。

今ある活動と組織を生かして、活発化です。

新たに何かを取り組むのではなくて、今ある活動をさらに推進していきたい。そのうえで新たな取り組みが起こってくることが望ましい。それぞれの異なる文化、組織から横断的な、全体的な、総合的な観点、視点を持ったアイデアを発揮、出し合う活動を推進しながら、単なる情報の共有化だけではなくて、地域づくりの価値観の共有も図りながら、今後ネットワークづくりを推進していきたいということです。

部門横断的、地域横断的に構成されるチームです。文部科学省で言います学校支援地域本部、清田区に7校の中学校がありますが、札幌市教委はぜひ7校の推進をいただきたいと思います。清田中学校のPTAにもかかわっておりますが、ぜひ、清田中学校をやらせていただきたいと思っております。

経済産業省でキャリア教育の推進を行っています。清田中学校で3年間やらせていただきました。大変効果が上がるものと実感しております。

次をお願いします。

最後に、子どもの安全を守ること、すなわちまちづくりです。防犯、防災、子どもの見守りから入っていますが、創造都市札幌、クリエイティブシティー、アイデアシティー札幌としては、文化・芸術、花香る雪のある豊かな札幌。このまちに住んでよかったという誇りと自信が持てるような子どもたちに育ってほしい、そんな地域づくりを地元の北海道コカ・コーラのアダプトプログラム推進と連携し、地域の大学、札幌国際大学と協調しながら、地域横断的なCFT、クロス・ファンクション・チームを推進したいと思っています。

以上で、報告を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○司会

ありがとうございました。

それでは、地区の報告の最後になりますけれども、里塚・美しが丘地区のご報告をお願いしたいと思います。

ご報告は、美しが丘小学校の教頭先生を務めていらっしゃいます西川さんにお願いします。それでは、西川さん、よろしくお願いします。

(5)  里塚・美しが丘地区報告(美しが丘小学校教頭 西川 洋一さん)

里塚・美しが丘地区

それでは、里塚・美しが丘地区の話し合いのまとめを発表させていただきます。

私たちの話し合いの中では、そのタイトルにありますように、地域の安全のために大人がまず知り合い、話し合いましょうということを大きなテーマとしてまとめることができました。

その内容についてお話ししていきたいと思います。1枚目をお願いします。

今まで、ほかの地域にもありましたけれども、それぞれの見守り活動についてです。

私たちの地区でも、PTA、町内会、学校等々の団体でこの見守り活動、パトロール活動が行われております。

確かに、人手が足りないという話も出てきたわけですけれども、そこに一つ課題が見つかったのは、実は、それぞれがそれぞれの団体で取り組んでいて、精いっぱいで大変だというふうになっているのですけれども、同じエリアの中でほかの団体はどういう活動をしているかということがお互いに知り合えていないのです。実は、そのことを分かり合うと、もっとこんなにもみんなで一緒にやっていたということがわかるのです。そういう横の連携、ネットワークが今は必要なのではないかということがこの話し合いの中で出されてきました。ですから、当然、人手と、活動の工夫としていろいろな場面でできる人ができる活動をということと同時に、それをみんなでやっているのだという横の連携をまとめていく必要があるだろうということがここで出てきた一つの方向性です。

次をお願いいたします。

実は、この点は、情報についても言えるのではないかと思います。

不審者情報については、まちセンを中心にいたしまして、町内会、学校に縦系列で即時に伝わるようなシステムができ上がっております。ただ、情報が伝わってくるだけでは不審者対策にはなっていきません。その情報に対して、それぞれの団体がどういうような子どもを守るための動き、アクションを起こすかという判断が必要です。実は、それぞれの団体でそれをしているのですけれども、ほかの団体がそれに対してどういう行動をしているのか、実はお互いにつかみ切れていないのです。縦の線だけで動いてはいますけれども、地域の中で動く面としてはお互いに確認でき合っていない。共通理解を持っていない。そして、その情報に対する判断も個人情報の保護ということもありますけれども、的確に判断していかなければいけないということもあります。

今、このように車を使った不審者情報の事案がたくさんある中では、ただ近くで起こったというだけではなくて、遠い事件でも実は子どもとかかわりがあるのです。車を使えば、場所のエリアの中ではそういう対策が必要になってきます。そういう吟味も含めて、この情報も、お互いにどういう動きをとっているのか、どんな判断を持っているのか、そういう連携をとれることはひとつ必要なのではないだろうかということです。

そういう中から大きな結論になっていくわけです。

例えば、子どもが登下校のときに見守り活動をしているおじさんから声をかけられる。横を通りかかった違うパトロールの方が、不審者が子どもに声をかけている。あるいは、そういうような方から子どもに声をかけると、ここにもありますように、どこかの誰か知らないおじさんが声をかけてきたということで、あいさつも返せない。

こういうところから、見守り活動を続けている大人同士が知り合うこと、そして組織的につながっていくこと、そして、みんなで子どもを守っている、子どもたちもみんなにいろいろな人から守られている、そういうことを進めていくことは非常に大事ではないだろうか。そういう点では、地域全体で子どもの安全を守っているというぬくもりのあるコミュニティにつながっていく活動の一つとして、子どもの安全、地域の安全のための活動を進めていく、そういう点で各団体が連携をとっていくことが重要ではないだろうかということを話し合い、そこの結論にあります大人がまず知り合い、話し合おう、そして連携していこうという内容になりました。

最後になりますけれども、地域の中でそういう子どもたちを守るために幾つか出された問題があります。

例えば、緑の多い公園は、確かに心の安らぎになるわけですけれども、夜になると暗くて不審者の出没に大変問題になってくる。そういうところには明るい、もしくは樹木の整備などの環境整備も必要です。それから、パトロール活動についても部分的には多くのボランティア活動の方に頼っています。そういう点でいろいろな経済的な面での支援も必要かと思います。そして、一つは、先ほど言いました連携、ネットワークというところにもう一つまちづくりセンターを核とした連携ができ上がればと思います。

そういういろいろな点でお力添えをいただければと思っております。

以上で発表を終わらせていただきます。

3  意見交換

○司会

ありがとうございました。5名の皆さん、各地区の報告を非常に要領よくポイントを絞ってご報告をいただきました。どうもありがとうございます。

それでは、今、5地区のワークショップでの報告をいただきましたけれども、ここから西脇先生、上田市長を交え、あるいは会場の皆さんからのご発言を含め、第1部のテーマである子どもの安全のための活動あるいはまちづくりについて意見を交換していきたいと思います。

初めに、札幌国際大学の西脇先生に伺いたいと思います。

西脇先生には、ワークショップ当日もずっとご参加をいただいて皆さんの議論を見ていただきましたけれども、今の発表を含めて、ご感想も含めてコメントをいだたければと思います。西脇先生、よろしくお願いします。

○札幌国際大学准教授 西脇 裕之氏(以下「西脇先生」)

パネリスト 西脇先生

ただいまご紹介にあずかりました札幌国際大学の西脇と申します。

ワークショップのときもお話を聞かせていただきまして、今、まとめを聞かせていただいたのですけれども、各地区で共通の話題として上っている点で私が気付いたところは二つです。意見あるいは提案ということではなくて、感想的なものになりますが、お話しさせていただきたいと思います。

一つは人材確保の点です。

熱心に取り組んでいらっしゃる方はいるのですけれども、なかなか輪が広がっていきづらい、あるいは、今やっていらっしゃる方はかなり高齢の方も多いという問題が一つあると思っております。

2年ほど前に清田の地域防犯ネットワーク会議でアンケート調査をしたときに、特に若い、まさにお子さんが小学生である保護者の方がなぜなかなか見守り活動に参加できないかというと、一つには効果がなかなか感じにくいという点です。こういう地道な活動をしている中で、見守り活動は効果があるということをなかなか感じにくいので、いまひとつ踏み出せないという意見がありました。ただ、これについては、こういう地道な活動があるからこそ、少なくとも皆さんは安心できるということがあると思います。安全・安心まちづくりですけれども、安全というのは客観的に果たして不審者が来るか、来ないか、危険があるか、ないかですけれども、こういう活動をやっているということによって、やらないよりは安心できるということがあると思います。そういう安心を高める上で実はすごく効果があるのだということをもっとPRしていくことが必要になると思います。

こういう活動というのは、見守りをやっているということは、一つは不審者に対してプレッシャーを与えます。こういう見守りをやっている地域だぞということがありますけれども、これは子どもさんに対してもそうです。見守られているのだという意識を高めることになりますし、あとは、なかなかいまひとつ活動に加われない、一歩踏み出せない方々に対して、実はこういう取り組みをやることによって、地道な活動だけれども、私たちの安心が守られていくということを示していくような意味合いがあるのかと思いました。

これについては、この活動を続けていく中で徐々に意識が高まっていくのではないかと、多少、楽観的に私は考えております。

もう一つは、情報の共有という面に関してです。

例えば、不審者情報がまちセンから流れていきます。この情報が、果たして本当に正しい情報なのかということに関してなかなか確認がとりづらいということがあると思うのです。不審者といっても、どの程度の人なのかはなかなか確認できませんけれども、情報として、注意を呼びかけるという意味で、正確かどうかはとりあえず置いて、流す意味があるのだと思うのです。地域の人々がこれによって注意を喚起するという働きがあるだろうと思います。

そして、今のご発表の中にもありましたけれども、情報を受けた後にどう行動するかということだと思うのです。まちセンから情報が流れたというだけではなくて、その後、どう行動したか。実際に、例えばこんな人がいたという情報があれば、それがさらにもう一度集約されて、あるいは、何もそういうことはなかったということがもう一度集約されてもう一回流される。情報というのは、1回流したきりではなくて、それを受けてどう行動したか。そして、それがこういう結果でしたという結果を含めてもう一回まちセンなどから流される。こういうやりとりがあることで非常に意味があるのではないかと感じております。なかなか事実確認は難しいと思いますし、この辺のところはもう既に実施されているかと思いますけれども、今後ますます進めていだたければと思います。要は、情報のやりとりがあるということの中で、お互いの連携、団体間の連携も進んでいくのではないかと考えております。以上です。

○司会

ありがとうございました。それでは、続いて、上田市長、お願いします。

○市長

上田市長

ご報告をどうもありがとうございました。

本当にこういう時代になってしまったのだということを強く私は感じるのです。一昨年でしたか、広島から始まって、京都、宇都宮、秋田、幼い子がどんどん殺されていくという事件が続発したのです。私たちはそのときに、次は札幌ではないということは誰も言えない、私たちの近隣でそういう事件が起きる可能性を誰も否定できない、そういう緊迫感、緊張感を持った記憶があったと思います。

今も毎日、新聞を開くのが怖いぐらい、子どもに何かあったということが報道される。そういうことに私たち大人がどう気を使っていくかということは本当に大切だと思います。

この活動は、PTAの皆さん、学校、地域の方々が一体となって子どもを見守って、そして子どもが本当に伸びやかに地域の中で育っていくことに、大人たちがどれだけ協力できるかというとても大切な教育的な視点があろうかと思いますが、それとともに、まち全体のまちづくりという形でいろいろな形の参加の仕方があるのだということを、きょうご発表いただきました皆さん方のご報告の中にたくさんのキーワードがあるのではないかと思いました。

それはやはり、全体のまちでの隣人間、あるいは地域における仲間を増やしていこう、コミュニケーションを密にしていくのだというお話もありましたし、参加しやすいために、人員を確保するために「ながら」がいいのではないかというお話もありました。これはとても説得力のあるお話だと思います。何々しながら、ついでにこのことを意識化していこうという活動にみんなが取り組まれるということはとても素晴らしいことだと思います。

そういう中で、どういう効果があるのかということがあります。今、西脇先生からお話がありましたけれども、効果がはっきり分かると、みんなの参加の動機が出てくるのですけれども、なかなか分からないということもあろうかと思います。効果が分かってしまうのは、ある意味では不幸な事態なのかもしれません。何もないことが効果だというふうに見ると、それを情報化することはとても難しいことかもしれません。しかし、例えば、東区でこういうお話をしているときに、東区には東警察署がございますけれども、生活安全課の次長にお話をお聞きしましたら、不審者情報あるいは空き巣などの被害が検挙できている、あるいは情報が寄せられているということで、取り組みを始めた前の年と始めた年の比率では間違いなく25%は減っているということでした。はっきり、そのまちに緊張感、あるいは自分たちのまちのことは自分たちで守るという意識が浸透することによって、犯罪が発生しにくい、不審者が侵入しにくいまちになる。まち全体が自分たちのまちに気をつけていることでそういう効果が表れているのだと思いました。

皆さん方のまちでも、交番の情報等々を集めますと、そういう効果が間違いなく出ているのではないかと思っております。

そんな意味で、警察の皆さん方の情報等もしっかり対応しながら、活動の効果を皆さんで感じ取りながらやっていただければうれしいと思います。

もう一つは、企業の皆さん方の活動、連携ということが述べられました。

清田区には北海道コカ・コーラボトリング株式会社という会社がございまして、ここの会社と札幌市では地域ボランティアの協定をさせていただいております。さまざまな形で地域の皆さん方の安心・安全のための活動に協力したいというお話がございまして、例えば、コカ・コーラボトリングの配送車がまちじゅうに行っているわけでありますけれども、その運転をされながら、まちじゅうをパトロールして、何か情報があればすぐに連絡をする、あるいは、その車を見れば困っているときに助けてくれるということができるというシステムをこの会社で取り組んでおられます。

いわゆる企業の社会的責任、CSRと言っておりますけれども、今、社会貢献が企業のイメージを上げるためにとても役立ちますし、そこで働く人たちの働くことへの誇りを涵養(かんよう)することができるということで、企業の皆さん方はとても努力をされております。

折しも、昨日、札幌市内でそういう活動に熱心に取り組んでおられる会社の皆様方に集まっていただきまして、研究会をつくりました。企業はどういう社会貢献ができるのだろうか、やりたいのだけれども、どうしたらいいのだろうか、まだ分からないという企業の皆さん方にも、今、先駆的にやっておられる皆さん方の情報をしっかり提供して、みんなで参加を呼びかけようではないか、そんな研究会をつくったところであります。

きょうのどの新聞にも報道されておりますので、ご覧いただければと思います。今、札幌市はそんな活動を進めているところでございます。

ぜひ、お近くの企業、事業者の皆さん方にも呼びかけて、応分のといいますか、できることをみんなでやろうというふうな緩い連携でも結構ですので、さまざまな形で参加を呼びかけるということをしていただけるとうれしいなと思いました。

○司会

ありがとうございました。それでは、きょう会場においでの皆さんからも、第1部のテーマであります子どもの安全を守るための活動、まちづくりに関して、ご意見、ご提言、ご提案などがありましたら、ぜひご発表いただければと思います。

○中前さん

来場者 中前さん

私は清田区ではなくて、隣の豊平区から、きょうこういう機会があるということで参りました。月寒におります中前と言います。よろしくお願いいたします。

きょう、皆さんのご発表と、先生、市長のお話を聞いて、私もなるほどと思いました。私なりに考えたところ、二つ重要なことがあるのかなと思います。

一つは、なぜこれだけ皆さんが防犯に取り組まなければいけないような状況になったのだろうかということです。これは、恐らく、西脇先生を初め、皆さんでよく分析されているのだろうと思います。もう一つは、不審者や犯罪を犯す方も昔は無邪気な子どもだったわけですから、小さいころからの育て方といいましょうか、どういうふうにして大きくなっていくのかという今後の30年先や40年先のコミュニティみたいなものを考えた長期的な視点と、短期的に今どうしていくのかという二つの見方が必要なのだと思います。なぜそうなったのか、これからどうしていくのかというところです。

いいかどうかは分かりませんが、私の一つの提案としましては、きちんと顔が分かるということです。例えば、大人の人でも会えばあいさつをしましょうとか、近所の人で分かっていれば、どこどこの何々ちゃんがどうしているということが分かりますし、情報も入ってくるようになるというのが一つだと思います。

私も今、2歳半になる娘がありまして、これから小学校に上げていく中で、自分の子どものころは普通に一人で学校に通っていましたけれども、これからの時代はどうなるのだろうかという不安は実際にございますので、そういった視点で考えるのが大事なのかなという感想を持ちました。ありがとうございます。

○司会

ありがとうございました。ほかの方はいかがでしょうか。

○佐波さん

来場者 佐波さん

私は、真栄団地の町内会に所属しておりまして、町内会活動を7年やっております。防犯はいつもいろいろ問題になるけれども、7年やってみてお願いしておきたいのは、やっぱりネットワークをちゃんとしてくださいということです。何か発生して、町内に110番の看板がいっぱい立っていますが、110番の人が集まって防犯について話したことは一回もないのです。防犯パトロールは20人います。毎日、小学生の送り迎えをやっています。ところが、学校は学校でPTAを経由してチラシを持ってくるのです。何もつながっていないのです。

犯罪防止で一番大事なのは、犯罪が発生したときにそれが広がらないように防止するのが一番大変なのです。一番最小単位のところの連絡網がきちんとできていなければいけない。それがずっと忘れられているのです。まちセンが担当だと。まちセンはとんでもないところにある。何か発生して、まちセンに電話しているうちに、犯人はどこかに行ってしまいますよ。

一度起きたのです。若い人が包丁を持って町内で騒いでいる。それを契機に何をしたかというと、私のところは町内1,050軒あるのです。10区に分けてありまして、区長がいますので、1区の区長にどこかで犯罪が発生したと言うと、大体30分でほとんど8割ぐらい伝わるような連絡網をつくってあるのです。そうすると、みんなが騒ぐのです。何か変なことが起きているぞと言うと、犯人はいなくなります。隣の町内で不審者が出たというと、看板を立てようと。看板を堂々と立ててあげる。そういう連携です。

犯罪防止というのは一番根っこのところがきちんとしていなければだめなのです。幾ら上がまとまってネットワークをつくってもだめですから、その辺を今後考えて、最小単位をいかに有効に活用するかです。

そのときに警察に言われました。何か起きて、お宅に言おうと思うけれども、お宅の町内会長が分からないと。そういうことがないように、ネットワークをつくれば、全部分かりますね。そういう連絡網をぜひつくっていただきたいのです。

今5人の話を聞きましたけれども、みんな迷っているのは、何かやっているのだけれども、どうもつながらないという話が出てきています。それは現実だと思います。

どうぞよろしくお願いします。

○司会

ありがとうございました。それでは、もう一人方ほど、どなたかいらっしゃればお願いします。よろしいですか。

では、ご報告者の方から、先ほどの発表以外で何かございますか。

○横江さん

清田地区 横江さん

では1点、ご報告を兼ねまして今後の推進を図っていただきたいことがあります。

清田区には大変いい道がありまして、旧36号線です。札幌の入り口で、豊平区で推進しています国道36号線をウエルカムロードにする会、あるいは、ビクトリーロードです。それとマッチングしまして、旧36号線を京都の哲学の道みたいな道、みんなが歩いてみたくなるような道に整備していこうということです。

幸いにも、里美地区センターもできましたので、そこから旧道を通りまして、区役所、区民センターを抜けて、コカ・コーラから国際大学、ドームへ行きます。この道の整備をぜひやっていただきたいと思います。名付けて、仮称、ひらめきの道ということでご提言しておきたいと思いました。以上です。

○司会

それでは、第1部の時間がだいぶん迫ってまいりました。

会場のお二人方から非常に貴重な、なおかつ具体的なご提言もいただきました。5人の報告者の方からもお話をいただきました。

先ほど、市長と西脇先生からもコメントをいただきましたけれども、最後にお二人方からもう一度ずつコメントをいただきたいと思います。今後、この地区で子どもの安全を守るための活動あるいはまちづくりを進めていくに当たってのアドバイスといいますか、少しこんなふうに考えていったらいいのではないか、あるいは、いろいろな大学との連携、行政との連携も含めて、きょうのご発表を聞いてのご感想でも結構でございます。

では、まず、西脇先生からお願いします。

○西脇先生

パネリスト 西脇先生

今、フロアの月寒の方、真栄団地の方からもお話があったのですけれども、なぜこんな状況になってしまったのかということに関してです。

例えば、不審者情報は減ってきている。あるいは、少なくとも清田区内で子どもにかかわった事件自体は決して増えていないと思います。客観的には安全な状態が保たれてきているのだと思うのです。ただ、もう一つ安心できないときにどうするのかということで、私たちや皆さんが見守りなどの活動をされているのだと思います。

そういう点で、安心感を高めていく上では何が必要なのかというと、先ほど里美地区の方の発表にもあったかと思うのですけれども、まずは大人同士のコミュニケーションが大事になるのだろうと思います。昔から社会教育でもよく言うのですが、地域社会のつながりが希薄になってきたということがあると思うのです。そういう点では、例えば、子どもたちも、一人でいる大人だと声をかけられたら不審者かと思うわけです。でも、大人同士がお話をしているところで声をかけられれば、そうは思わない。むしろ、こんなにたくさんの大人が見守ってくれているのだと思うということがあると思います。

私は住んでいるところは違いますけれども、一人で見守るということはなかなか難しい。夜の場合もそうなのかもしれませんが、なるべくチームを組んで子どもたちに声をかけていくということができるようになればいいのかなと感じております。以上です。

4  市長感想

○司会

ありがとうございました。それでは、最後に、上田市長、お願いします。

○市長

上田市長

どうもありがとうございました。

先ほど、中前さんのお話を、とても素晴らしい発想をされるなと思ってお聞きしておりました。

特に、犯罪者が出ないようにするにはどうしたらいいかという発想もしていかなければならないのではないかという視点はとても大事だと思います。地域の中から犯罪者を出さない、あるいは、不審者というのは定義が難しいのですけれども、先ほど、バットを威嚇的に振っておられる方が変な人という形で言われて、それはプライバシーの侵害かというクエスチョンが付けられておりました。このクエスチョンを付けられることもとてもすてきな発想だと思います。世の中にはいろいろな嗜好を持っておられる方がおられますので、普通の方とは少し違うことを好きだと言われる方の自由をどう保障していくかということも社会にとってはとても重要だと思います。みんな同じ行動をとる人しか住めない、あるいは同じ趣味を持った人しか住めないという社会は窮屈ですので、どこまでという度合い、程度の問題については、常に私たちは、人が自由に生活する、自分の思ったように、もちろん犯罪的ではないという前提でありますけれども、そういう保障は社会でどうしてもしていかなければいけないと私は思います。

そんな意味で、プライバシー侵害にならないかというクエスチョンを付けられたその感性はずっと持ち続けていくことがとても大事だと思います。ただ、犯罪者が出ないようにしていかなければならない、小さいときから子どもたちが犯罪を犯したり、迷惑行為を起こすことにならないようにするためにはどうしたらいいかということはいつも考えていかなければならないと私は思います。

そんな中で、地域の中で、清田のようにみんなが子どもたちを見守っていく関係が密になっていくことによって、人と人は孤立しなくて済むといいます。多くの場合、社会から孤立した方々が犯罪を犯してしまいます。

私も弁護士を25年やっておりまして、たくさんの犯罪者の弁護を、国選弁護も含めてやってまいりましたけれども、こういう犯罪を犯す人は間違いなく一つの連携から浮いてしまう方が多いのです。ですから、コミュニケーション能力を持った人間をしっかり育てていくことが大事でありますし、私たちは人間同士のつながりをちゃんと持っていくのだというつながりを持つことの心地よさをいつも体験できるような社会をつくっていくことが大切だと思います。そういう社会の中で育った人間は、犯罪的な傾向を持たずに生涯を豊かに過ごすことができるのだと私は思います。ですから、犯罪が起きにくい社会をつくっていく、被害を防止しようという社会と同時に、人間同士の温かさを伝え合うことができるような地域社会ですね。非常に抽象的ですけれども、そういう関係をつくっていくことが私は大事だと思います。

そのためにはどうやったらいいかというのは、私はまちづくりの中での中心課題でありますし、札幌ではまちづくりセンターを中心にさまざまなまちづくり活動への参加を呼びかけているわけです。人々が、自分のことだけではなくて、自分たちのまちのことを一緒に考えることができる場所をたくさんつくっていくということが、コミュニケーションを豊にし、人と人が結び合っていく、そして自分のことだけではなくて社会のことを考えることができる大人、そして子どもたちの成長を促していくことができる社会をつくることがとても大事なことではないかと思います。そして、犯罪が起きにくい、安心・安全なまちづくりになるのではないかと思いますので、ぜひ参考にしていだたければありがたいと思います。

○司会

ありがとうございました。それでは、ちょうど予定の時刻が参りましたので、第1部の地域防犯ネットワーク会議フォーラムを以上で閉じさせていただきたいと思います。

5地区のご報告をいただいた5名の皆さんに、もう一度、大きな拍手をお願いいたします。(拍手)